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36 生化学検査項目と検査値の組合せで基準範囲内にあるのはどれか。
1.C反応性蛋白〈CRP〉:7.2mg/dL
2.アルブミン〈Alb〉:2.3g/dL
3.総コレステロール〈TC〉:345mg/dL
4.脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉:350pg/mL
5.ヘモグロビンAlc〈HbAlc〉(NGSP):5.5%
解答5
解説
1.× C反応性蛋白〈CRP〉:7.2mg/dL
・C反応性蛋白質〈CRP〉は、炎症マーカーである。血中CRPとは、体内に炎症が起きたり、組織の一部が壊れたりした場合、血液中に蛋白質の一種であるC-リアクディブ・プロテイン(CRP)をさす。 正常な血液のなかにはごく微量にしか見られないため、炎症の有無を診断するのにこの検査が行われる。正常値は0.5mg/dlである。
2.× アルブミン〈Alb〉:2.3g/dL
・アルブミンとは、肝臓で作られるたんぱく質で、肝臓や栄養状態の指標となる。血清総蛋白の60%程度を占め肝臓で生成される。アルブミンが低値の場合は、低栄養状態、がん、 肝硬変など、一方で高値の場合は、脱水により血管内の水分が減少し、濃縮効果によることが考えられる。アルブミンの正常値は4.0g/dl以上である。3.5g/dl以下を低栄養と判断する。
3.× 総コレステロール〈TC〉:345mg/dL
・総コレステロールとは、 LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)などの総称で、脂質の一種でコレステロール骨格をもつ化合物である。脂質異常症において上昇し、動脈硬化の危険因子となる。特に、LDLコレステロールが心血管疾患リスクとの相関度が高い。総コレステロール値の基準値は、142~248mg/dLである。
4.× 脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉:350pg/mL
・脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は、心不全の診断・予後や治療効果の判定に有用である。心臓に無理がかかると増加する心臓ホルモンである。基準値は18.4pg/ml以下である。 40pg/mLをこえると要注意、100pg/mLをこえたら精密検査をして治療が必要になる。
5.〇 正しい。ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉(NGSP):5.5%は、基準範囲内である。
・ヘモグロビンA1cとは、ヘモグロビンのアミノ基とブドウ糖が結合したもので過去1~2ヶ月程度の血糖の高さを反映する検査である。糖尿病の診断基準は、6.5%以上である。
37 病院で患者の個人情報を取り扱う上で適切なのはどれか。
1.親族の求めに応じ、その場で診療録の開示を行った。
2.個人情報に関する苦情申し立てに医療相談窓口で対応した。
3.患者の同意なしで見舞い客からの病状間い合わせに回答した。
4.病院長の同意を得たので、患者の個人情報を病院外で発表した。
5.臨床実習後に学生が個人情報を取り扱っていたことを患者に説明した。
解答2
解説
個人情報保護法(第2条)
『個人情報』とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名・生年月日その他の記述などにより特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)をいう。
1.× 親族の求めでも、その場で診療録の開示を行ってはならない。なぜなら、親族の求めでも、患者の許可が必要であるため。※ただし、本人の同意があっても、第三者への診療録の開示は慎重にならなければならない。なぜなら、患者本人が思っている診療記録(ただの日記程度と思っている場合も)と、実際の医療機関の診療記録とは乖離がある可能性があるため。診療記録とは、診療録、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、退院した患者に係る入院期間中の診療経過の要約その他の診療の過程で患者の身体状況、病状、治療等について作成、記録又は保存された書類、画像等の記録をいう(もっと詳しく診療録に関して知りたい方はこちら「診療情報の提供等に関する指針(※厚生労働省HPより)」国家試験には問われないと思います)。ちなみに、法律用語の「親族」とは、6親等内の血族と配偶者、および3親等内の姻族を指す。例えば、本人の配偶者の甥や姪、本人の曽祖父母の父の甥や姪にまで該当することになる。
2.〇 正しい。個人情報に関する苦情申し立てに医療相談窓口で対応した。医療相談窓口とは、医療に関する患者・家族の苦情や相談に応じることのできる窓口である。
3.× 「患者の同意なし」で、見舞い客からの病状間い合わせに回答することができない。なぜなら、病状説明には、患者の許可が必要であるため。現在、病院のベッドにも名前を伏せるところも多くなってきている。
4.× 「病院長の同意を得ても」、患者の個人情報を病院外で発表することはできない。なぜなら、病院外での発表には、患者の許可が必要であるため。
5.× 「臨床実習後」ではなく臨床実習前に学生が個人情報を取り扱うことを患者に説明する。なぜなら、インフォームドコンセントの対応が必須であるため。
インフォームドコンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味し、医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を決定し、同意のうえで医療を行うことを指す。
38 介護保険における通所リハビリテーションで正しいのはどれか。
1.主な目的は入浴の支援である。
2.介護老人保健施設で実施できる。
3.利用期間の上限は6か月である。
4.要介護2以上の要介護者が対象である。
5.介護保険事業の施設サービスの一つである。
解答2
解説
通所リハビリテーション(デイケア)は、利用者が老人保健施設・病院・診療所などに通い、日常生活上の支援や、生活機能訓練を受け、可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるようにするものである。
1.× 主な目的は、「入浴の支援」ではなく自立した日常生活の維持・獲得である。「通所リハビリテーションは、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、利用者が通所リハビリテーションの施設(老人保健施設、病院、診療所など)に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供します」と記載されている(※「通所リハビリテーション(デイケア)」厚生労働省HPより)。
2.〇 正しい。介護老人保健施設で実施できる。介護老人保健施設とは、要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護・医学的管理のもと、介護および機能訓練その他必要な医療ならびに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設である。
3.× 利用期間は「上限6か月」と設けられていない(※令和7年現在)。「通所リハビリテーション開始6ヶ月後の状況をみると、修了している利用者は約3%、終了予定のない利用者は、約80%となっている。通所リハビリテーションを修了した者の平均利用期間をみると、1年以内が約半数となっている」と記載されている(※「通所リハビリテーション」厚生労働省HPより)。
4.× 「要介護2以上の要介護者」ではなく要支援1・2、要介護1~5が対象である。さらに、医師からリハビリが必要だと診断された場合である。その後、ケアマネジャーによって作成されたケアプランをもとに、公的介護保険給付(通所リハビリテーションサービス)が利用できる。
5.× 介護保険事業の「施設サービス」ではなく居宅サービスの一つである。介護保険サービスには、①居宅サービス、②施設サービス、③地域密着型サービス、④住宅改修、⑤福祉用具などがある。ちなみに、居宅サービスとは、自宅で生活する人を対象とした介護保険の介護サービス全般のことをいう。利用者は要介護2以下が7割を占めているというデータもあり、その割合は年々増加傾向となっている。
(※引用:「介護保険制度の概要」厚生労働省様HPより)
39 アルコール依存症の離脱症状はどれか。
1.解離症状
2.観念奔逸
3.強迫行為
4.幻視
5.思考途絶
解答4
解説
アルコール依存症とは、少量の飲酒でも、自分の意志では止めることができず、連続飲酒状態のことである。常にアルコールに酔った状態でないとすまなくなり、飲み始めると自分の意志で止めることができない状態である。最終飲酒後72時間頃までに症状が最も激しくなるのは、アルコール離脱症状である。
【合併しやすい病状】
①離脱症状
②アルコール幻覚症
③アルコール性妄想障害(アルコール性嫉妬妄想)
④健忘症候群(Korsakoff症候群)
⑤児遺性・遅発性精神病性障害 など
1.× 解離症状は、主に解離性障害にみられる。解離症状とは、意識、記憶、同一性、または環境の知覚といった通常は統合されている機能の破綻のことを指す。
2.× 観念奔逸は、主に躁病にみられる。観念奔逸とは、考えが次から次へとほとばしり出てくるが、考え全体としてのまとまりがなくなる思考障害である。
3.× 強迫行為は、主に強迫性障害にみられる。強迫行為とは、不合理な観念(手を洗っても汚いままなど)を解消するために繰り返し行ってしまう行為のことをいう。自分でもおかしいとわかっていながら、その行為を繰り返し、それが日常生活に障害をもたらしていることを強迫性障害という。
4.〇 正しい。幻視は、アルコール依存症の離脱症状である。離脱症状とは、飲酒中止後に生じ、精神的、肉体的な症状を呈する。最終飲酒から数時間後から出現し、20時間後にピークを迎える早期離脱症候群(振戦、自律神経症状、発汗、悪心・嘔吐、けいれん、一過性の幻覚)と最終飲酒後72時間頃から生じ数日間持続する後期離脱症候群(早期離脱症状に加え意識変容を呈したもの、振戦せん妄といわれる。小動物幻視や日頃やり慣れた動作、例えば運転動作を繰り返す、夜間に目立つ)に分けられる。
5.× 思考途絶は、主に統合失調症にみられる。思考途絶とは、思考の流れが突然中断してしまうこと。
40 「持続性・安定性」の評価で「現在の社会適応度」の項目を含む尺度はどれか。
1.BPRS
2.GAF
3.LASMI
4.Rehab
5.精神障害者ケアアセスメント(日本作業療法士協会版)
解答3
解説
(※図引用:「Rehab評価項目」川崎学園様HP)
1.× BPRS(Brief Psychiatric Rating Scale:簡易精神症状評価尺度)は、うつ状態の評価を含む尺度である。18項目のうちのいくつかは「抑うつ気分」など、うつ状態の評価に関連する。医師が症状を評価する。他にも特徴として、①20分程度で実施できる簡易評価尺度である。②陰性症状の評価に向いていることがあげられる。記載された事項についての質問を行い、精神障害者全体を対象とした18の項目を7段階で評価する。
2.× GAF(Global Assessment of Functioning:機能の全体的評定尺度)は、心理・社会・職業的機能について0~100の数字で評価する方法である。評価は過去1週間の最低レベルを評点とする。数字が大きいほど健康度が高い。
3.〇 正しい。LASMIは、「持続性・安定性」の評価で「現在の社会適応度」の項目を含む尺度である。LASMI(精神障害者社会生活評価尺度:Life Assessment Scale for the Mentally ill)は、日常生活、対人関係、労働または課題遂行能力、持続性・安定性、自己認識の5つの大項目からなる評価尺度である。ちなみに、評価は過去1ヶ月間の行動について、0~4点の5段階で評価する。
4.× Rehab(精神科リハビリテーション行動評価尺度:Rehabilitation Evaluation Hall and Baker)は、病棟・デイケア・社会復帰施設などで観察した行動を評定するものである。比較的項目数が少なく(23項目)、簡便で繰り返し使用できるのが特徴である。
5.× 精神障害者ケアアセスメント(日本作業療法士協会版)は、精神障害者ケアアセスメント版(日本作業療法士協会)は、主訴、健康管理、生活エピソード、人的支援状況、経済面、生活習慣および介護状況、住宅環境、福祉機器、身体・日常生活能力、精神機能活動の各項目について、ケア必要尺度と社会的不利尺度により、地域生活維持に必要な能力を評定するものである。
【日常生活】①生活リズムの確立、②身だしなみへの配慮-整容、③身だしなみへの配慮-服装、④居室の掃除やかたづけ、⑤バランスのよい食生活、⑥交通機関、⑦金融機関、⑧買い物、⑨大切な物の管理、⑩金銭管理、⑪服装管理、⑫自由時間の過ごし方
【対人関係】①発話の明瞭さ、②自発性、③状況判断、④理解力、⑤主張、⑥断る、⑦応答、⑧協調性、⑨マナー、⑩自主的なつきあい、⑪援助者とのつきあい、⑫友人とのつきあい、⑬異性とのつきあい
【労働または課題の遂行】①役割の自覚、②課題への挑戦、③課題達成の見通し、④手順の理解、⑤手順の変更、⑥課題遂行の自主性、⑦持続性・安定性、⑧ペースの変更、⑨あいまいさに対する対処、⑩ストレス耐性
【持続性・安定性】①現在の社会適応度、②持続性・安定性の傾向
【自己認識】①障害の理解、②過大(小)な自己認識、③現実離れ