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21 CBRマトリクスに含まれる項目はどれか。2つ選べ。
1.教育
2.人生の質
3.バリアフリー
4.エンパワメント
5.ユニバーサルデザイン
解答1・4
解説
CBRマトリクスは、生涯のある人や困難を抱える人の置かれた状況を包括的にみるためのツールである。
CBR(Community-Based Rehabilitation)を広範な多部門的開発戦略へと発展させるため、2004年にCBRプログラムの共通の枠組みとなるCBRマトリックスが開発された。マトリックスは5領域からなり、CBRが多くの部門に着目することを反映している。5つ目の領域は、障害のある人々とその家族、そして地域社会のエンパワメントにかかわり、障害のある人々による各開発部門へのアクセス確保とその生活の質の向上、そして人権のさらなる享受に不可欠である。つまり、①保健、②教育、③生計、④社会、⑤エンパワメントが5つの要素として示されている。CBRプログラムではマトリックスの全領域・全要素を網羅することは期待されていない。その代わり、マトックスは、地域のニーズ、優先順位およびリソースに最も良く対応した選択ができるよう設計されている(※参考:「CBRガイドライン概要版 CBRマトリックス 使用の手引き」障害保健福祉研究情報システム様HPより)。
1.4.〇 正しい。教育/エンパワメントは、CBRマトリクスに含まれる。①保健、②教育、③生計、④社会、⑤エンパワメントが5つの要素として示されている。
・エンパワメントとは、対象者が主体的に自身の状態を変えていく方法や自信を獲得できるよう、対象者が本来持っている力を引き出し、その自己決定能力を強化することである。対象は、個人、組織、コミユニテイの3段階がある。過程には、傾聴→対話→行動アプローチがある。
2.× 人生の質は、CBRマトリクスの5つの主要領域に含まれない。人生の質(QOL:Quality of life)とは、個人を主体としたその人自身の生命と生活の質のことである。人が人間らしく満足して生活しているか、自分らしい生活が送れているか「生活の質」を評価する概念である。
3.× バリアフリーは、CBRマトリクスの5つの主要領域に含まれない。バリアフリーとは、生活の中で不便を感じること、様々な活動をしようとするときに障壁になっているバリアをなくす(フリーにする)ことである。
5.× ユニバーサルデザインは、CBRマトリクスの5つの主要領域に含まれない。ユニバーサルデザインとは、障害の有無だけでなく、老若男女・能力・言語の違いを問わず、誰でも利用可能な製品・設計・情報のデザインのことである。【ユニバーサルデザイン7原則】①公平、②柔軟、③簡単、④理解、⑤安全、⑥省力、⑦空間である。
22 要介護者を対象としたケアプラン第1表に記載される項目はどれか。
1.総合的な援助の方針
2.生活全般の解決すべき課題〈ニーズ〉
3.週間サービスの内容
4.サービス担当者会議の要点
5.支援経過
解答1
解説
(※引用:「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」厚生労働省様HPより)
1.〇 正しい。総合的な援助の方針は、ケアプラン第1表に記載される(※上図参照)。課題分析により抽出された、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」に対応して、当該居宅サービス計画を作成する介護支援専門員をはじめ各種のサービス担当者が、どのようなチームケアを行おうとするのか、利用者及び家族を含むケアチームが確認、検討の上、総合的な援助の方針を記載する。あらかじめ発生する可能性が高い緊急事態が想定されている場合には、対応機関やその連絡先、また、あらかじめケアチームにおいて、どのような場合を緊急事態と考えているかや、緊急時を想定した対応の方法等について記載することが望ましい。例えば、利用者の状態が急変した場合の連携等や、将来の予測やその際の多職種との連携を含む対応方法について記載する(※引用:「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」厚生労働省様HPより)。
2.× 生活全般の解決すべき課題〈ニーズ〉は、ケアプラン第2表に記載される(※下図参照)。【生活全般の解決すべき課題〈ニーズ〉】には、利用者の自立を阻害する要因等であって、個々の解決すべき課題(ニーズ)についてその相互関係をも含めて明らかにし、それを解決するための要点がどこにあるかを分析し、その波及する効果を予測して原則として優先度合いが高いものから順に記載する(※引用:「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」厚生労働省様HPより)。
3.× 週間サービスの内容は、ケアプラン第3表に記載される(※下図参照)。【週間サービスの内容】には、利用者の起床や就寝、食事、排泄などの平均的な一日の過ごし方について記載する。例えば、食事については、朝食・昼食・夕食を記載し、その他の例として、入浴、清拭、洗面、口腔清掃、整容、更衣、水分補給、体位変換、家族の来訪や支援など、家族の支援や利用者のセルフケアなどを含む生活全体の流れが見えるように記載する(※引用:「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」厚生労働省様HPより)。
4.× サービス担当者会議の要点は、ケアプラン第4表に記載される(※下図参照)。【サービス担当者会議の要点】には、サービス担当者会議を開催した場合に、当該会議の要点について記載する。また、サービス担当者会議を開催しない場合や会議に出席できない場合に、サービス担当者に対して行った照会の内容等についても、記載する(※引用:「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」厚生労働省様HPより)。
5.× 支援経過は、ケアプラン第5表に記載される(※下図参照)。【支援経過】には、モニタリングを通じて把握した、利用者やその家族の意向・満足度等、目標の達成度、事業者との調整内容、居宅サービス計画の変更の必要性等について記載する。
(※引用:「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領」厚生労働省様HPより)
23 国際疾病分類はどれか。
1.ICD
2.ICF
3.ICF-CY
4.ICHI
5.ICIDH
解答1
解説
1.〇 正しい。ICDは、国際疾病分類である。国際疾病分類(ICD)は、世界保健機関(WHO)が国際的に用いることを目的として開発した、疾病・傷害および死因の統計分類の体系である。死因や疾病の統計などに関する情報の国際的な比較や、医療機関における診療記録の管理などに活用されて、日本では、人口動態統計・患者調査などに利用されている。
2.× ICF(国際生活機能分類)は、障害者のみならず、すべての人を対象として、障害を「生活機能」というプラス面からみるように視点を転換した分類法である。この「生活機能」は、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3レベルに分類されたうえで、さらに「個人因子」「環境因子」の観点が加えられる。
3.× ICF-CY(International Classification of Functioning, Disability and Health – Children & Youth version)は、国際生活機能分類の小児青少年版である。小児青少年期における生活機能の特性に鑑み、国際分類ファミリーの中心分類である国際生活機能分類(ICF)を補完する目的で、派生分類として開発された。
4.× ICHI(医療行為の分類:International Classification of Health Interventions)は、手術や検査など医療・保健行為の分類基準である。
5.× ICIDH(国際障害分類)とは、一方向に「疾病変調→機能障害→能力障害→社会的不利」とマイナス面のみを評価するものである。ICIDH(国際障害分類)に対する批判から、医療福祉の専門家と障害者団体が関わって、その結果を結集してICFの改訂へと至っている。
・機能障害:病気やけがによる一次的な生物学的障害
・能力低下:けがによって歩けないといった個人レベルの障害
・社会的不利:けがによって就職できないといった社会レベルの障害
24 診療報酬は通常何年ごとに改定されるか。
1.2年ごと
2.3年ごと
3.4年ごと
4.5年ごと
5.6年ごと
解答1
解説
1.〇 正しい。2年ごとに診療報酬は改定される。診療報酬とは、医師や看護師などから受ける医療行為に対して、保険制度が支払う料金である。ちなみに、介護報酬の改定(介護保険制度改正)は、3年に1度改正される。
2.× 3年ごと
3.× 4年ごと
4.× 5年ごと
5.× 6年ごと
これらは、診療報酬改定の年ごとに該当しない。
第60回 作業療法士午前21問にも同じような問題が出題されています。作業療法士と診療報酬は変わらないので、時間があれば作業療法士の問題も解いておくこともおすすめです。
25 短下肢装具で自立歩行が可能な二分脊椎児。
該当する機能残存レベルの上限はどれか。
1.L2
2.L3
3.L4
4.L5
5.S1
解答3
解説
二分脊椎とは、神経管閉鎖障害のうち腰仙部の脊髄・脊椎・皮膚などにみられる先天奇形であり、特に脊髄髄膜瘤では約90%に水頭症、ほぼ前例にChiariⅡ型奇形(小脳扁桃、小脳中部下部、延髄、第4脳室が大孔を通って頸椎管内へ下降変位したもの。第2頚髄を越えて陥入することが多い)を合併する。二分脊椎症には①開放性(表面からはっきりわかるもの)と②潜在性(わかりにくいもの)がある。前者には脊髄披裂あるいは脊髄髄膜瘤などが含まれる。
1.× L2までの残存では、長下肢装具+松葉杖(両ロフストランド杖)が必要で大振り歩行である。なぜなら、腸腰筋が残存しているため。
2.× L3までの残存では、短下肢装具+松葉杖が必要で大振り歩行である。なぜなら、大腿四頭筋が残存しているため。
3.〇 正しい。L4が該当する機能残存レベルの上限である。L4までの残存では、短下肢装具で実用歩行が可能である。短下肢装具は、足関節の筋力低下に対して用いられることが多い。
4~5.× L5~S1までの残存では、補助具なしで実用歩行可能である。しかし、L5までの残存では、前脛骨筋は機能するが下腿三頭筋は機能しにくいため、踵足変形となりやすい。踵足は、足のつま先が宙に浮いた状態で、踵だけが接地し、直立と歩行を行う。
第Ⅰ群(胸髄レベル):車椅子を使用している。下肢を自分で動かすことはできない。
第Ⅱ群(L1〜2レベル):車椅子と杖歩行を併用している。股関節屈曲・内転、膝関節伸展が可能。
第Ⅲ群(L3〜4レベル):長下肢装具(L3)または短下肢装具(L4)による杖歩行可能。股関節外転、足関節背屈が可能。
第Ⅳ群(L5レベル):短下肢装具による自立歩行可能。装具なしでも歩行可能。股関節伸展、足関節底屈が可能。
第Ⅴ群(S1〜2レベル):ほとんど装具が不要で自立歩行可能。足関節の安定性が低い。
第Ⅵ群(S3レベル):ほとんど運動麻痺はなく、健常児とほぼ同様の歩行。
関連問題です↓