【共通】多発性硬化症についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

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【PT】多発性硬化症についての問題「まとめ・解説」

【OT】多発性硬化症についての問題「まとめ・解説」

 

47回 午前89

89 脊髄小脳変性症にみられにくく、多発性硬化症に特徴的なのはどれか。

1.痙縮
2.運動失調
3.嚥下障害
4.構音障害
5.有痛性痙攣

解答5

解説

”脊髄小脳変性症とは?多系統萎縮症とは?”

脊髄小脳変性症とは、運動失調を主症状とし、原因が、感染症、中毒、腫瘍、栄養素の欠乏、奇形、血管障害、自己免疫性疾患等によらない疾患の総称である。遺伝性と孤発性に大別され、①純粋小脳型(小脳症状のみが目立つ)と、②多系統障害型(小脳以外の症状が目立つ)に大別される。脊髄小脳変性症の割合として、孤発性(67.2%)、常染色体優性遺伝性(27%)、が常染色体劣性遺伝性(1.8%)であった。孤発性のものの大多数は多系統萎縮症である。(※参考:「18 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。)」厚生労働省様HPより)

多系統萎縮症とは、成年期(多くは40歳以降)に発症し、進行性の細胞変性脱落をきたす疾患である。①オリーブ橋小脳萎縮症(初発から病初期の症候が小脳性運動失調)、②線条体黒質変性症(初発から病初期の症候がパーキンソニズム)、シャイ・ドレーカー症候群(初発から病初期の症候が自律神経障害であるもの)と称されてきた。いずれも進行するとこれら三大症候は重複してくること、画像診断でも脳幹と小脳の萎縮や線条体の異常等の所見が認められ、かつ組織病理も共通していることから多系統萎縮症と総称されるようになった。(※参考:「17 多系統萎縮症」厚生労働省様HPより)

1.× 痙縮は、脊髄小脳変性症・多発性硬化症、共に同程度みられる症状である。
2~4.× 運動失調/嚥下障害/構音障害は、脊髄小脳変性症に特徴的である。主に小脳の障害により生じている。ただし、少ないものの多発性硬化症でみられることもある。
5.〇 正しい。有痛性痙攣(有痛性けいれん)は、多発性硬化症の特徴的な症状である。下肢を屈曲する刺激が発作を誘発し、痛みやしびれを伴って一側あるいは両側の下肢が強直発作を示す。他にも、レルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。

多発性硬化症とは?

 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。若年成人を侵し再発寛解を繰り返して経過が長期に渡る。視神経や脊髄、小脳に比較的強い障害 が残り ADL が著しく低下する症例が少なからず存在する長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。

(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)

 

 

 

47回 午後89

89 多発性硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.男性に多い。
2.発症は50 歳代に多い。
3.脱髄病変がみられる。
4.視力低下が出現する頻度が高い。
5.運動負荷に制限を設ける必要はない。

解答3/4

解説

多発性硬化症とは?

 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。若年成人を侵し再発寛解を繰り返して経過が長期に渡る。視神経や脊髄、小脳に比較的強い障害 が残り ADL が著しく低下する症例が少なからず存在する長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。

(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)

1.× 「男性」ではなく、女性に多い。男女比は1:2~3位といわれている。
2.× 発症は、「50歳代」ではなく、若年から中高年(15〜50歳)に多い。
3.〇 正しい。脱髄病変がみられる。中枢神経系の種々の部位に多発性の脱髄病変を起こし多彩な症状がみられる。緩解と増悪を繰り返し、脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。
4.〇 正しい。視力低下が出現する頻度が高い。脱髄部位は、視神経(眼症状や動眼神経麻痺)が初期から見られる。急激な視力低下や視野異常(複視)で発症することが多い。
5.× 運動負荷に制限を設ける。なぜなら、入浴や運動、発熱などによって体温が上がると、一時的に症状が悪化するUhthoff現象(ユートホフ現象)があるため。さらなる過用性筋力低下を招くため過負荷な運動は避ける。

 

 

52回 午前90

90 多発性硬化症について正しいのはどれか。

1. 女性よりも男性に多い。
2. 再発と寛解を繰り返す。
3. 発症は50歳以上が多い。
4. 後遺障害を残すことは稀である。
5. 白色人種に比べて黄色人種に多い。

解答:2

解説

多発性硬化症とは?

 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。若年成人を侵し再発寛解を繰り返して経過が長期に渡る。視神経や脊髄、小脳に比較的強い障害 が残り ADL が著しく低下する症例が少なからず存在する長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。

(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)

1.3.× 男性よりも女性に多い。女性の方が3倍多いといわれている。15~50歳の女性(20歳代後半がピーク)である。
2.〇 正しい。再発と寛解を繰り返す。全体としては徐々に増悪する。
4.× 後遺障害を残し、進行すれば運動機能が低下して車いす生活となる。生命予後はあまりよくない。
5.× 逆である。黄色人種に比べて白色人種に多い。したがって、北方の寒冷地に発症頻度が高い。

 

 

56回 午後89

89 多発性硬化症について正しいのはどれか。

1.女性に多い。
2.高体温で症状が改善する。
3.低緯度地域で有病率が高い。
4.Phalenテストが陽性となる。
5.免疫不全状態で発症しやすい。

解答

解説

多発性硬化症とは?

 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。若年成人を侵し再発寛解を繰り返して経過が長期に渡る。視神経や脊髄、小脳に比較的強い障害 が残り ADL が著しく低下する症例が少なからず存在する長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。

(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)

1.〇 正しい。女性(特に15~50歳)に多く、男女比は1:2〜3である。
2.× 高体温で症状は悪化する。これをウートフ徴候という。したがって、入浴や運動には注意が必要である。
3.× 有病率が高いのは、高緯度地域である。欧米や寒冷地方に比較的多く、アジアやアフリカでは比較的少ない傾向がみられる。
4.× Phalenテスト(ファーレンテスト)は陰性である。ちなみにPhalenテストは、手根管症候群の診断に用いられ、正中神経障害によって陽性となる。
5.× 多発性硬化症の原因は不明とされている。自己免疫不全が発病の原因として有力ではあるが、まだはっきりとは解明されていない

 

 

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