【PT/OT/共通】膵炎についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:理学療法士国家試験 厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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48回 午後92

92 急性膵炎の特徴はどれか。

1.細菌感染が原因となる。
2.尿アミラーゼが上昇する。
3.膵癌を合併することが多い。
4.糖尿病を合併することが多い。
5.触診によって腫大した膵臓を触れる。

解答2

解説

急性膵炎とは?

急性膵炎とは、膵臓の突然の炎症で、軽度のものから生命を脅かすものまであるが、通常は治まる。主な原因は、胆石とアルコール乱用である。男性では50歳代に多く、女性では70歳代に多い。症状として、飲酒・過食後に左上腹部痛・心窩部痛が発症する。悪心・嘔吐、悪寒、発熱、背部への放散痛もみられ、腹痛はアルコールや脂質の摂取で増悪する。
検査:膵臓の炎症・壊死により膵臓由来の消化酵素(アミラーゼとリパーゼの血中濃度)が上昇する。
【治療】
軽症例:保存療法(禁食、呼吸・循環管理、除痛 等)
重症例:集中治療[臓器不全対策、輸液管理、栄養管理(早期経腸栄養)、感染予防、腹部コンパートメント症候群対策]

(※参考:「急性膵炎」MSDマニュアル家庭版より)

1.× 「細菌感染」ではなく、ウイルス感染(ムンプスウイルス、コクサッキーウイルス、HIV、マイコプラズマ)が原因になることがある。
2.〇 正しい。血漿・尿中アミラーゼが上昇する。
3.× 膵癌を合併することが多いのは、「急性膵炎」ではなく慢性膵炎である。急性膵炎の多くは保存治療で回復する。
4.× 糖尿病を合併することが多いのは、「急性膵炎」ではなく慢性膵炎である。なぜなら、慢性膵炎は膵臓が壊死することで、膵臓の内分泌機能を失うため。
5.× 膵臓の触診は、腫大したとしても困難である。なぜなら、膵臓は後腹膜に固定された臓器であるため。

 

 

 

 

50回 午後94

94 急性膵炎について正しいのはどれか。

1. 膵石がみられる。
2. 60歳以上の女性に多い。
3. アルコール性が最も多い。
4. 初期から糖尿病を合併する。
5. 重症での死亡率は1%未満である。

解答3

解説

急性膵炎とは?

急性膵炎とは、膵臓の突然の炎症で、軽度のものから生命を脅かすものまであるが、通常は治まる。主な原因は、胆石とアルコール乱用である。男性では50歳代に多く、女性では70歳代に多い。症状として、飲酒・過食後に左上腹部痛・心窩部痛が発症する。悪心・嘔吐、悪寒、発熱、背部への放散痛もみられ、腹痛はアルコールや脂質の摂取で増悪する。
検査:膵臓の炎症・壊死により膵臓由来の消化酵素(アミラーゼとリパーゼの血中濃度)が上昇する。
【治療】
軽症例:保存療法(禁食、呼吸・循環管理、除痛 等)
重症例:集中治療[臓器不全対策、輸液管理、栄養管理(早期経腸栄養)、感染予防、腹部コンパートメント症候群対策]

(※参考:「急性膵炎」MSDマニュアル家庭版より)

1.× 膵石は、慢性膵炎でみられる。
2.× 「60歳以上の女性」ではなく、50歳代の男性に多い。
3.〇 正しい。アルコール性が最も多い。次いで胆石が続く。
4.× 糖尿病を合併するのは、慢性膵炎である。これを膵性糖尿病といわれる。膵ランゲルハンス島の減少により引き起こす。
5.× 重症での死亡率は、「1%未満」ではなく、適切に治療を行った場合でも8.9%であるとする報告がある。厚生労働省研究班による急性膵炎の全国調査(2003年)では重症急性膵炎の死亡率は8.9%と予後不良な疾患であり、約20%の症例で再発すると報告されている(※引用:「集学的治療により救命し得た重症急性膵炎の一例」著:石川 剛様より)

 

 

 

54回 午後93

93. 急性膵炎で正しいのはどれか。

1. 胆石が最も多い原因である。
2. 重症例の死亡率は1%前後である。
3. 急性期は血中アミラーゼが低下する。
4. 膵内での消化酵素の活性化がみられる。
5. 体幹の伸展で痛みが軽減することが多い。

解答

解説

急性膵炎とは?

急性膵炎とは、膵臓の突然の炎症で、軽度のものから生命を脅かすものまであるが、通常は治まる。主な原因は、胆石とアルコール乱用である。男性では50歳代に多く、女性では70歳代に多い。症状として、飲酒・過食後に左上腹部痛・心窩部痛が発症する。悪心・嘔吐、悪寒、発熱、背部への放散痛もみられ、腹痛はアルコールや脂質の摂取で増悪する。
検査:膵臓の炎症・壊死により膵臓由来の消化酵素(アミラーゼとリパーゼの血中濃度)が上昇する。
【治療】
軽症例:保存療法(禁食、呼吸・循環管理、除痛 等)
重症例:集中治療[臓器不全対策、輸液管理、栄養管理(早期経腸栄養)、感染予防、腹部コンパートメント症候群対策]

(※参考:「急性膵炎」MSDマニュアル家庭版より)

1. ×:最も多い原因はアルコール(33.5%)で、次の原因で胆石(26.9%)がある。
2. ×:重症例の死亡率は、「1%前後」ではなく、適切に治療を行った場合でも8.9%であるとする報告がある。厚生労働省研究班による急性膵炎の全国調査(2003年)では重症急性膵炎の死亡率は8.9%と予後不良な疾患であり、約20%の症例で再発すると報告されている(※引用:「集学的治療により救命し得た重症急性膵炎の一例」著:石川 剛様より)
3. ×:急性期は血中アミラーゼ(膵酵素:アミラーゼ、リパーゼ)が、「低下」ではなく上昇する。
4. 〇:正しい。膵内での消化酵素の活性化がみられる。膵液は膵管という管を通って十二指腸に分泌され、はじめて消化酵素として活性化し、食べ物を消化する。胆石など何らかの原因で、膵液が詰まり、膵内で活性化されると、膵臓が消化され、これを急性膵炎と呼ぶ。
5. ×:体幹の「伸展」ではなく屈曲(前かがみ)で痛みが軽減することが多い。体幹伸展では増悪する。

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