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56.肺の構造で正しいのはどれか。
1.左肺には3本の葉気管支がある。
2.1本の葉気管支は6本の区域気管支に分かれる。
3.左肺には12本の区域気管支がある。
4.細気管支は軟骨を欠く。
5.左右の肺には約5000万個の肺胞が存在する。
解答4
解説
(※画像引用:中高津クリニック様HP)
1.× 左肺には、「3本」ではなく2本の葉気管支がある。一方、右肺は3本の葉気管支がある。気管→左右主気管支→肺葉気管支→区域気管支→亜区域気管支の順に分岐を繰り返して、肺の中にある肺胞(肺胞嚢)に到達する。
2.× 1本の葉気管支は、「6本」ではなく、3~5本の区域気管支に分かれる。
3.× 左肺には、「12本」ではなく8本の区域気管支がある。ちなみに、右肺には10本の区域気管支がある。
4.〇 正しい。細気管支は軟骨を欠く。軟骨は気管から亜区域気管支までに存在する。気管支は、気管から分岐した管状の構造で、肺に空気を運ぶ。気管および気管支には多数の扁平な軟骨輪が並んでいるが、後壁は軟骨を欠き、膜性壁と呼ぶ。
5.× 左右の肺には、「約5000万個」ではなく約3億個の肺胞が存在する。広げると肺胞の表面積は約60〜70m2にもなる。
気管は左右の主気管支に分岐する。この部分を気管分岐部と呼ぶ。主気管支は葉気管支を分岐して各葉に分かれ、さらに区域気管支、亜区域気管支と分岐していく。
区域気管支:区域気管支は葉気管支から枝分かれした3次気管支で、肺区域の固有気管支である。
肺区域:左右の肺は肺葉に分かれ、それぞれの肺葉は肺区域から構成される。肺区域は、区域気管支の起始部を頂点とし抹消に広がる不規則な円錐形の領域で、独立した区域気管支と区域動脈を持つ。
57.腎臓から分泌されるホルモンはどれか。2つ選べ。
1.レニン
2.メラトニン
3.カルシトニン
4.バソプレシン
5.エリスロポエチン
解答1・5
解説
1.〇 正しい。レニンは、腎臓から分泌されるホルモンである。レニンは、腎血流量の減少により作動し、血圧上昇させる働きがある。
2.× メラトニンとは、夜間に脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計による夜間の身体の休息を促す働きを持つ。メラトニン分泌量が低下するため睡眠障害が起こりやすくなる。
3.× カルシトニンは、甲状腺から分泌されるホルモンで、骨吸収を抑制する働きを持つ。
4.× バソプレシンは、下垂体後葉から分泌されるホルモンで、水の再吸収を促進する抗利尿作用・血圧上昇が起きる。尿を濃くし尿量を減らす作用がある。
5.〇 正しい。エリスロポエチンは、腎臓から分泌されるホルモンである。エリスロポエチンは、腎臓の間質細胞から分泌されるホルモンの1つで、骨髄で赤芽球に作用し赤血球への分化を促す。腎機能が低下すると腎臓からのエリスロポエチン産生が減り、赤血球を作る能力が低下するため腎性貧血になる。
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【共通のみ】ホルモンについての問題「まとめ・解説」
58.眼球で誤っているのはどれか。
1.視細胞には錐体と桿体とがある。
2.視神経乳頭は黄斑より内側にある。
3.錐体は中心窩にある。
4.前眼房は眼房水で満たされている。
5.毛様体は瞳孔の大きさを調節する。
解答5
解説
(※図:「看護師イラスト集」看護roo!様HPより)
1.〇 正しい。視細胞には錐体と桿体とがある。錐体は、色覚を支配し、明所視に関与し黄斑部の中心(網膜中心窩)に多い。一方、杆体は、視野・暗所視に関与し、黄斑周辺部に多い。
2.〇 正しい。視神経乳頭は、黄斑より内側(鼻側)にある。黄斑部とは、光を刺激として受け取り、その信号は視神経を通じて脳に伝達する。
3.〇 正しい。錐体は、(網膜)中心窩にある。一方、杆体は、黄斑周辺部に多い。
4.〇 正しい。前眼房は、眼房水で満たされている。眼球の内圧を保つのは、硝子体や眼房水の機能である。光が角膜から網膜に達する経路は、「前眼房→瞳孔→水晶体→硝子体」である。ちなみに、水晶体のために中央部が少し前方に突出している。 これより前方のスペースを前眼房、後方のスペース(水晶体より前)を後眼房と呼ぶ。 瞳孔とは、眼の中心にある黒目の部分である。水晶体は、眼の中でレンズの役割を担う器官である。硝子体は、眼球の内圧を維持し、網膜の安定性維持の働きを持つ。
5.× 瞳孔の大きさを調節するのは、「毛様体」ではなく虹彩である。虹彩の役割は、瞳孔の大きさを調整し眼球に入る光の量の調節である。これは、虹彩にある瞳孔括約筋と瞳孔散大筋の働きによる。一方、毛様体の役割は、房水を作りだし眼内に栄養を与える。また、水晶体の厚さを変化させる。ちなみに、毛様体筋は、眼の遠近調節を行う筋である。毛様体筋は近くを見るときに収縮する。ちなみに近くで見るとき、毛様体小帯が弛緩し、水晶体が厚くなる。
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【共通問題のみ】視覚器についての問題「まとめ・解説」
59.皮下組織の直下に筋腹を触知できる筋はどれか。
1.棘上筋
2.深指屈筋
3.方形回内筋
4.中間広筋
5.後脛骨筋
解答2
解説
1.× 棘上筋の浅層に僧帽筋上部線維が走行する。棘上筋は腱板(回旋筋腱板:ローテーターカフ)の1つである。腱板(回旋筋腱板:ローテーターカフ)とは、肩甲骨と上腕骨をつないでいる4つの筋肉の腱の総称である。① 棘上筋、②棘下筋、③小円筋、④肩甲下筋から成る。棘上筋の【起始】肩甲骨の棘上窩、棘上筋膜の内側、【停止】上腕骨大結節の上部である。
2.〇 正しい。深指屈筋は、皮下組織の直下に筋腹を触知できる。深指屈筋は前腕の深層筋の一つであるが、前腕の後面で尺骨の皮下後縁の内側で、筋の膨隆を触知できる。ちなみに、深指屈筋の【起始】尺骨の内側面と前面、前腕骨間膜の一部、【停止】第2~5指末節骨底である。
3.× 方形回内筋の浅層に屈筋支帯や屈筋腱がある。ちなみに、方形回内筋の【起始】尺骨下部1/4前面、【停止】橈骨下部1/4前面である。
4.× 中間広筋を囲むように外側広筋、大腿直筋、内側広筋が走行する。ちなみに、中間広筋の【起始】大腿骨の前面と両側面、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面である。
5.× 後脛骨筋の浅層にはヒラメ筋や腓腹筋がとり囲む。後脛骨筋の【起始】下腿骨間膜の後面上半、下腿骨間膜に接する脛骨と腓骨、【停止】舟状骨粗面、内側、中間、外側楔状骨、立方骨、第2~3中足骨底である。
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【共通問題のみ】触知部位についての問題「まとめ・解説」
60.腸骨稜に付着する筋はどれか。
1.広背筋
2.小殿筋
3.僧帽筋
4.多裂筋
5.大腰筋
解答1
解説
1.〇 正しい。広背筋は、腸骨稜に付着する筋である。広背筋の【起始】第6~8胸椎以下の棘突起、腰背腱膜、腸骨稜、第(9)10~12肋骨および肩甲骨下角、【停止】上腕骨の小結節稜である。
2.× 小殿筋の【起始】腸骨翼の外面で前および下殿筋線の間、【停止】大転子の前面である。
3.× 僧帽筋の【起始】後頭骨上項線、外後頭隆起、項靭帯、第7頸椎以下全胸椎の棘突起および棘上靭帯、【停止】肩甲骨の肩甲棘と肩峰の上縁および鎖骨外側1/3(三角筋の起始範囲とほぼ同じ)である。
4.× 多裂筋の【起始】仙骨後面、全腰椎の乳頭突起、全胸椎の横突起、第4~5頸椎までの関節突起、【停止】腰椎以上軸椎までの棘突起である。
5.× 大腰筋の【起始】第12胸椎~第4腰椎の椎体と椎間円板、すべての腰椎の肋骨突起、第12肋骨、【停止】大腿骨の小転子である。