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26 障害された場合にRomberg徴候が陽性となるのはどれか。
1.小脳
2.被殻
3.尾状核
4.視床下部
5.脊髄後索
解答5
解説
Romberg徴候「陽性」とは、①開眼時立位保持可能で②閉眼時に身体の動揺性が著明になることをいう。「閉眼時に倒れる」ことのみでは、Romberg徴候陽性の要件を満たさない。Romberg徴候陽性となるのは、脊髄後索障害や末梢神経障害、前庭神経障害などである。
1.× 小脳の障害では、閉眼時だけでなく開眼時でも立位の保持が困難となる。ほかの症状として、四肢の協調運動の障害、歩行障害、平衡障害、めまいなどが生じる。
2~3.× 被殻/尾状核(淡蒼球)を合わせて大脳基底核(狭義)とよぶ。大脳基底核障害では、スムーズで適切な運動が困難となる。疾患として、Parkinson病やHuntington病があたる。閉眼時に身体の動揺性が著明にならないためRomberg徴候陽性にはあたらない。
4.× 視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。したがって、視床下部の障害では、体温調節や体液・浸透圧の調節、睡眠・覚醒、摂食・摂水、性行動、情動などに異常が生じる。
5.〇 正しい。脊髄後索が障害された場合にRomberg徴候陽性となる。なぜなら、脊髄後索障害では、深部感覚・触覚などが障害されるため。視覚からの入力があれば安定した立位を保持できるが、視覚情報がない場合は身体の動揺性が著明になる。
27 成人に対する口腔内・鼻腔内吸引行為について誤っているのはどれか。
1. 吸引前に手を清潔にする。
2. 吸引圧は吸引前に確認する。
3. 1回の吸引は25 秒以上かけて行う。
4. カテーテルを挿入後に陰圧をかける。
5. 事前に水道水を通して正常に吸引できるかを確認する。
解答3
解説
「気管吸引とは、人工気道を含む気道からカテーテルを用いて機械的に分泌物を除去するための準備、手技の実施、 実施後の観察、アセスメントと感染管理を含む一連の流れのこと」と定義されている。(※引用:気管吸引ガイドライン2013)
【目的】口腔内・鼻腔内吸引は気道内の貯留物や異物を取り除くこと。
①人工呼吸器関連肺炎などの感染リスクを回避する。(ディスポーザブル手袋を着用、管吸引前には口腔及びカフ上部の吸引を行う)
②吸引中は無呼吸となるため必ずモニター等でSpO2の確認しながら、カフ圧は-20kPa(150mmHg)以内に保ち、1回の吸引時間は10秒以内とする。
③カテーテル挿入時は陰圧をかけず、自発呼吸がある場合は、患者さんの吸気に合わせて吸引を行う。
④終了後は気道内の分泌物がきちんと吸引できたか、呼吸音等で確認する。
(※参考:「吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コツ」ナース専科様HPより)
1.〇 正しい。吸引前に手を清潔にする。手を洗い。ディスポーザブルの手袋をして吸引を行う。
2.〇 正しい。吸引圧は、吸引前に確認する。粘膜を傷つけないため。
3.× 1回の吸引は、「25秒以上」ではなく、10秒以内で行う。なぜなら、吸引中は無呼吸になるため。
4.〇 正しい。カテーテルを挿入後に陰圧をかける。挿入時には陰圧をかけず、患者の吸気に合わせて挿入する。
5.〇 正しい。事前に水道水(もしくは蒸留水など)を通して正常に吸引できるかを確認する。
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【PT/OT】口腔内・鼻腔内吸引についての問題「まとめ・解説」
28 乳幼児検診におけるスクリーニングでハンカチテスト(子供の顔を布で覆いそれを手で取り除けるかをみる検査)を実施する時期はどれか。
1.4か月
2.7か月
3.1歳
4.1歳6か月
5.3歳
解答2
解説
ハンカチテストは、背臥位にて乳幼児の顔に厚めの布(光を通さないもの)をかぶせ、自分の手で払いのけることができるかどうかをチェックするものである。布を払いのける動作にて、物を認識して手でつかみ取るという協調運動と、邪魔なものを払いのけるという知能発達を確認するものである。
1.× 4か月健診では、①頚のすわり、②追視などが確認される。握りやつかみなどは5か月以降にできるようになっていく時期である。
2.〇 正しい。7か月の健診で、ハンカチテストを行う。ほかにも、この時期の運動発達レベルでは、①寝返り、②お座りができるかどうかを確認する。
3.× 1歳健診では、①ひとり立ち、②つたい歩きなど運動機能の発達具合、簡単な「ママ、パパ」などの言葉が言えるか、おもちゃで遊ぶかなど、周囲に対する関心について確認する。
4.× 1歳6か月健診では、①ひとり歩きができるか、②小さい物をつかめるか、③物の名前がわかるか、④指さしができるか、⑤名前を呼ばれると振り向くかなど言葉や音への反応を確認する。
5.× 3歳健診では、①名前と年齢が言えるか、②積み木ができるか、③小さい物を指先でつまめるかなどを確認する。
29 作業療法実践の枠組み(Occupational Therapy Practice Framework ; OTPF)が示す作業療法の領域で、文脈(Context)に含まれないのはどれか。
1. 個人的な状況
2. 時間的な状況
3. 社会的な状況
4. 身体的な状況
5. 文化的な状況
解答4
解説
精神障害作業療法実践の枠組み(Occupational Therapy Practice Framework ; OTPF、アメリカ作業療法協会編集)では、「文脈」(Context)に含まれる状況が、文化的(Cultural)、物理的(Physical)、社会的(Social)、個人的(Personal)、精神的(Spiritual)、時間的(Temporal)、仮想的(Virtual)となっている。したがって、選択肢4.× 身体的な状況は含まれない。
1.〇 個人的な状況は含まれている。ここでは、年齢や性別、教育レベル、社会経済的地位などが該当する。
2.〇 時間的な状況は含まれている。ここでは、人生における段階、時間帯や日にち、活動を行う時間やリズムなどが該当する。
3.〇 社会的な状況は含まれている。ここでは、クライエントが交流をもつ個人や共同体などの存在、それらとクライエントの関係性、それらからの期待度などが該当する。
5.〇 文化的な状況は含まれている。ここでは、クライエントが属する社会において受け入れられている慣習、信条、活動パターン、行動基準などが該当する。
30 高齢者の感覚機能の変化で正しいのはどれか。
1. 塩味の感覚が低下する。
2. 異臭に対して過敏になる。
3. 温刺激に対して過敏になる。
4. 遠くの物体に焦点を合わせにくくなる。
5. 高い周波数より低い周波数の音の感度が低下する。
解答1
解説
1.〇 正しい。塩味の感覚が低下する。加齢により味覚の塩味が最も鈍くなる。
2.× 異臭に対して、「過敏」ではなく鈍感になる。
3.× 温刺激に対して、「過敏」ではなく鈍感になる。
4.× 「遠くの物体」ではなく、近くの物体に焦点を合わせにくくなる。なぜなら、加齢により水晶体の硬化が起こるため。
5.× 逆である。低い周波数より高い周波数の音の感度が低下する。加齢に従い高い音(高周波数の音)の感度がより低下するので、耳の遠い高齢者には、低めの声で話しかけると聞き取りやすいとされている。