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21 脳卒中患者の急性期の作業療法で正しいのはどれか。
1.生活歴の情報収集は不要である。
2.点滴が抜去されてから開始する。
3.早期離床で廃用症候群を予防する。
4.ベッド上のADL訓練は禁忌である。
5.弛緩性麻痺では関節可動域訓練は不要である。
解答3
解説
1.× 生活歴の情報収集は、「必要である」。なぜなら、生活歴(役割・家屋環境・利き手・職業・趣味・同居状況)を情報収集することで、リハビリテーションの内容をより具体的に変更できるため。例えば、独居で和式トイレ・段差が多い家なら、蹲踞位からの立ち上がり練習だけでなく、急性期の時点で手すり設置や動線変更を家族に提案する準備ができる。
・生活歴(生活史)とは、どのように生きてきてどのように生活してきたのかという、まさにその方の「歴史」である。
2.× 点滴が抜去されてから開始する「必要はない」。なぜなら、点滴下であっても安全に実施できるため。むしろ、急性期は早期介入が予後と廃用予防に重要である。
3.〇 正しい。早期離床で廃用症候群を予防する。なぜなら、臥床が続くと廃用症候群(筋力低下・関節拘縮・起立性低血圧・肺合併症・せん妄など)が急速に進み、機能予後を悪化させるため(ただし、出血性病変の血圧管理、増悪兆候(神経症状の悪化)などがあれば中止・延期判断が必要である)。
・廃用症候群とは、病気やケガなどの治療のため、長期間にわたって安静状態を継続することにより、身体能力の大幅な低下や精神状態に悪影響をもたらす症状のこと。関節拘縮や筋萎縮、褥瘡などの局所性症状だけでなく、起立性低血圧や心肺機能の低下、精神症状などの症状も含まれる。一度生じると、回復には多くの時間を要し、寝たきりの最大のリスクとなるため予防が重要である。廃用症候群の進行は速く、特に高齢者はその現象が顕著である。1週間寝たままの状態を続けると、10~15%程度の筋力低下が見られることもある。
4.× ベッド上のADL訓練は、「禁忌」ではなく有効である。なぜなら、全身状態が不安定(離床困難)でも実施でき、セルフケアの再獲得・合併症予防・せん妄予防に役立つため。
5.× 弛緩性麻痺でも関節可動域訓練は「必要である」。なぜなら、弛緩性麻痺は自動運動が出にくく、放置すると拘縮・疼痛・浮腫・肩関節亜脱臼など二次障害が起こりやすいため。
・弛緩性麻痺とは、筋あるいは筋を直接支配する末梢運動神経の障害によるもので、筋緊張の低下を認める麻痺のことである。
22 医療現場の情報管理で適切なのはどれか。
1.患者情報は患者の同意がなくても家族に伝えてよい。
2.電子カルテのIDとパスワードは同じ部署内で共有して運用できる。
3.医療情報へのアクセスは業務上の必要性がある場合に限り許可される。
4.個人名が含まれないカルテ番号のみの書類は通常のゴミで処理してよい。
5.診療記録の開示は患者から求められても病院側の裁量で断ることができる。
解答3
解説
1.× 患者情報は患者の同意が「ない場合」、家族にも伝えてはならない。なぜなら、患者情報は個人情報・守秘義務の対象で、本人の自己決定(誰に何を共有するか)を尊重する必要があるため。
2.× 電子カルテのIDとパスワードは、同じ部署内で「共有して運用」してはならない。なぜなら、誰がいつアクセスしたかの追跡と責任の所在が不明になり、不正閲覧・改ざんリスクが増えるため。したがって、医療情報システムは、個人単位で認証し、役割に応じて権限設定(職種・職位・担当患者など)する。
3.〇 正しい。医療情報へのアクセスは、業務上の必要性がある場合に限り許可される。なぜなら、患者のプライバシーを守り、情報漏えいを防ぐため。したがって、「必要最小限」の原則で取り扱うべきである。
4.× 個人名が含まれないカルテ番号のみの書類「でも通常のごみに捨てるべきではない」。なぜなら、カルテ番号は、院内で個人を特定できる識別番号であるため。したがって、他情報と結び付けば個人情報になり得る。廃棄は溶解・シュレッダー等の処理が原則である。
5.× 診療記録の開示は、患者から求められ「たら病院側の裁量で断ることができない」。つまり、原則として、患者の求めに応じて開示する必要がある。なぜなら、患者には自己情報を確認する権利があるため。
個人情報保護法とは、個人情報の保護に関する法律の略称である。個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とした個人情報の取扱いに関連する日本の法律である。定義(第2条)には、「この法律において『個人情報』とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などにより特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)をいう」とされている。
個人情報保護に関するコンプライアンスプログラムの要求事項では、センシティブ情報の具体的項目に関して、以下の5項目を挙げている。①思想及び信条に関する事項、②政治的権利の行使に関する事項、③労働者の団体交渉に関する事項、④医療、性に関する事項、⑤犯罪の経歴、人種、民族、社会的身分、門地並びに出生地及び本籍地など社会的差別の原因となる事項である。
23 障害者総合支援法で正しいのはどれか。
1.難病は含まれない。
2.都道府県の窓口に申請をする。
3.就労に関するサービスは含まれない。
4.介護保険被保険者は介護保険が優先される。
5.サービスを受けるには障害者手帳が必須である。
解答4
解説
障害者総合支援法は、2013年に障害者自立支援法から障害者総合支援法へと改正され、障害者と障害児を対象とした障害保健福祉施策についてまとめられた法律である。これにより障害者の範囲が拡大され、身体障害者、精神障害者、知的障害者、障害児の全てが対象とされている。そして、対象となっている者は、認定調査というものを受け「障害支援区分」という障害の重症度分類によって7区分(非該当、区分1~6)に分けられる。それにより受けられるサービス内容が変わってくる。
①障害者も難病患者も自立できる社会をめざす。
②応能負担(所得に応じて自己負担額が変わること)が原則。
③あらゆる障害(身体・知的・精神+難病)についてこの法律で対応する。
④市区町村が事業の母体である。
1.× 難病は「含まれる」。2013(平成25)年4月より、障害者自立支援法は障害者総合支援法へと改正された。これにより障害者の範囲の見直しがされ、新たに難病等が追加されて障害者福祉サービスの対象となった。
2.× 「都道府県」ではなく市町村の窓口に申請をする。実施主体は、市町村に一元化されている。
3.× 就労に関するサービスは「含まれる」。「訓練等給付」に該当する(※下図参照)。訓練等給付には、就労移行支援・就労継続支援など就労に関するサービスが含まれる。
4.〇 正しい。介護保険被保険者は、介護保険が優先される。なぜなら、社会保障では、「保険給付をまず使う」という原則(考え方)があるため。したがって、同じ内容の支援の重複を避け、税財源の障害福祉は、介護保険で足りない部分や固有の支援に充てる考えである。
・保険給付金とは、病気、ケガ、事故、死亡などの一定の事由が発生した際に、保険会社や公的機関から被保険者(または受取人)に支払われるお金のことである。
5.× サービスを受けるには障害者手帳が必須「とはいえない」。なぜなら、手帳の代わりに、医師の診断書や意見書によって、対象となる障害(精神障害、発達障害、一部の難病など)があると市町村が認定すればサービスを受けることができるため。

(※図引用:「障害者総合支援法の給付・事業」厚生労働省HPより)
24 評価法と説明の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.Abbey pain scale:緩和ケアの包括的評価
2.Face Scale:顔の表情の絵による評価
3.NRS:数値的評価
4.STAS-J:視覚的評価
5.VAS:認知症患者の観察式評価
解答2・3
解説
1.× Abbey pain scale(アビーペインスケール)は、「緩和ケアの包括的評価」ではなく認知機能低下により痛みの自己申告が難しい人の観察式疼痛評価である。「声・表情・ボディランゲージ・行動の変化・生理学的変化・身体的変化」から観察して点数化する尺度である。
2.〇 正しい。Face Scale:顔の表情の絵による評価
・face scaleは、疼痛の評価に用いられる。痛みの表現を言語や数値ではなく、人の顔の表情によって評価するスケールである。0~5の6段階で患者に自分の心情に近い表情を選んでもらい、痛みを評価する。
3.〇 正しい。NRS:数値的評価
・NRS(numerical rating scale:数字評価スケール)は、疼痛検査に用いる。痛みの強さを評価する。0(痛みなし)~10(想像できる最大の痛み)の数字で11段階に区分し、現在の痛みの程度を示してもらう。
4.× STAS-Jは、「視覚的評価」ではなく緩和ケアの包括的評価尺度である。
・STAS-J(support team assessment schedule 日本語版)は、緩和ケアの包括的評価尺度である。①痛みのコントロール、②症状が患者に及ぼす影響、③患者の不安、④家族の不安、⑤患者の病状認識、⑥家族の病状認識、⑦患者と家族とのコミュニケーション、⑧職種間のコミュニケーション、⑨患者・家族に対する医療スタッフのコミュニケーケーションの9項目を医療者が0~4の5段階で評価する。
5.× VASは、「認知症患者の観察式評価」ではなく視覚的評価である。
・VAS(Visual Analogue Scale:視覚的アナロクスケール)で痛みの強さを評価する。まったく痛くない状態を0cm、予想されるなかで最も痛い状態を10cmとしたときに今どのくらい痛いかを指さしてもらい、何cmかを測ることで痛みの程度を定量化する。
25 IADLの評価法はどれか。2つ選べ。
1.FAI
2.PULSES
3.Wee FIM
4.Katz Index
5.老研式活動能力指標
解答1・5
解説
IADL(手段的日常生活動作)とは、日常生活を送るために必要な動作の中でも基本的なADLよりも複雑で高度な動作をいう。項目として、①電話を使用する能力、②買い物、③食事の準備、④家事、⑤洗濯、⑥移送の形式、⑦自分の服薬管理、⑧財産取り扱い能力である。
1.〇 正しい。FAIは、IADLの評価法である。
・FAI(Frenchay Activities Index)は、手段的ADLに該当する15項目の活動内容(①食事の用意、②食事の後片付け、③洗濯、④掃除や整頓、⑤力仕事、⑥買い物、⑦外出、⑧屋外歩行、⑨趣味、⑩交通手段の利用、⑪旅行、⑫庭仕事、⑬家や車の手入れ、⑭読書、⑮仕事)における活動性の評価方法である。
2.× PULSESは、IADL特化の尺度ではない。ざっくり「全体像の重症度」をみるイメージである。
・PULSES(パルセス)は、ADLの評価で6つの評価項目(①内臓や脳障害などの身体状況、②上肢・下肢、③発語や資格、④聴覚などの感覚的要素、⑤排泄管理、⑥知的・情緒の状態)からなり、それぞれ1~4点で評価する。点数が多いほど介助量が多い。最大の特徴は、⑥知的・情緒的状態などの精神的側面や、家族単位の援助、経済力など支援要素などの本人以外の要素を考慮するところである。
3.× WeeFIMは、基本ADL(BADL)の評価である。
・WeeFIM(Functional Independence Measure for children:子供のための機能的自立度評価法)とは、子どものための機能的自立度評価法でFIMをもとに子ども用に作られたADL評価法である。
評価項目:18項目(運動項目13、認知項目5)
段階:介護度に応じて7段階
総得点:18点~126点
対象年齢:6か月~7歳未満
※備考:6項目で小児への応用を考慮した修正が加えられている。
4.× Katz Indexは、基本ADL(BADL)の評価である。
・Katz index(カッツインデックス)は、日常生活動作の指標である。①入浴、②更衣、③トイレへの移動、④移乗、⑤排尿・排便コントロール、⑥食事の6項目について自立・依存の2段階で評価する。
5.〇 正しい。老研式活動能力指標は、IADLの評価法である。
・老研式活動能力指標(TMIG Index of Competence)は、より高次の生活能力を評価するために開発された13項目の多次元尺度である。「手段的自立 (項目①~⑤)」、「知的能動性(項目⑥~⑨)」、「社会的役割(項目⑩~⑬)」の3つの活動能力を測定する。この尺度は、「社会的役割」の活動能力が含まれることにより、在宅老人の生活機能の評価をより正確に行うことができる。
「手段的自立」
①バスや電車を使って一人で外出できますか
②日用品の買い物ができますか
③自分で食事の用意ができますか
④請求書の支払いができますか
⑤預貯金の出し入れが自分でできますか
「知的能動性」
⑥年金などの書類が書けますか
⑦新聞を読んでいますか
⑧本や雑誌を読んでいますか
⑨健康情報についての記事や番組に関心がありますか
「社会的役割」
⑩友人の家を訪ねることがありますか
⑪家族や友達の相談にのることがありますか
⑫病人を見舞うことがありますか
⑬若い人に自分から話しかけることがありますか
