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91 痙直型よりアテトーゼ型の脳性麻痺で特徴的なのはどれか。
1.視覚障害
2.知的障害
3.てんかん
4.歩行障害
5.不随意運動
解答5
解説
脳性麻痺とは、お腹の中にいる間から、生後4週間までの間に発生した脳への損傷によって引き起こされる運動機能の障害を指す。失調型やアテトーゼ型などのタイプがある。
・アテトーゼ型は、麻痺の程度に関係なく四肢麻痺であるが上肢に麻痺が強い特徴を持つ。錐体外路障害により動揺性の筋緊張を示す。筋緊張は低緊張と過緊張のどちらにも変化する。他にも、特徴として不随意運動が主体であることや、原始反射・姿勢反射が残存しやすいことがあげられる。
1.× 視覚障害は、型によらず合併しうる症状である(両側痙直型17%、ジスキネジア13%)。脳性麻痺全体で合併しうる所見で、特に痙直型寄りの症状である。視覚障害をきたす理由として、主に、脳性麻痺の要因(低酸素など)により、視覚情報を処理する脳の部位:後頭葉や視放射(視神経路)が損傷を受けることがあげられる。
・「脳性麻痺児はしばしば視力には問題がないにもかかわらず、見たものをうまく認知できない状態である視覚認知障害を併せ持つことが多い。脳性麻痺児は特に、形や色等の認知に比べ、空間における位置関係や動きなどの視空間認知が重度に障害される場合が多く、書字や服をたたむなどの課題で困難を伴うことがある。」(※引用:「脳性麻痺児の視覚認知に関する一考察」遠藤らより)
2.× 知的障害は、型によらず合併しうる症状である。なぜなら、アテトーゼ型は、大脳基底核の損傷により不随意運動(勝手に体が動く)が特徴であるため。
・知的障害(精神遅滞)とは、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の支援を必要とする状態にあるもの」と定義されている。状況の判断能力が低く、他者の発言を被害的に受け取る傾向が強い。注意されたことを叱責と捉えるなど自信がなく、自分の気持ちを表現することが苦手である。
3.× てんかんは、痙直型で多い傾向がある。なぜなら、痙直型では、運動をつかさどる大脳の広い損傷を伴いやすく、神経細胞が異常に興奮しやすいため。
・痙直型四肢麻痺の特徴:筋緊張亢進・深部腱反射亢進・病的反射出現・クローヌス出現・折りたたみナイフ現象がみられる。痙直型四肢麻痺は大脳の広範囲の障害によって主動筋と拮抗筋が同時に作用し続ける。主動筋、拮抗筋の相反性抑制が起き、筋の機能不全がみられる。下肢に関しては両麻痺と同様の変形(両側股関節内転・内旋、尖足)をきたすことが多い。臨床では、緊張性迷路反射の影響を除いて上肢機能改善をはかるためには、頚部・体幹を垂直(抗重力位)かやや前傾を保持する。
4.× 歩行障害は、型によらず合併しうる症状である(※「歩行障害」が広い意味すぎて選択困難)。
・痙直型四肢麻痺の場合、はさみ脚歩行(両側股関節内転・内旋、尖足)がみられる。
・アテトーゼ型は、不随意運動による歩行障害がみられる。
5.〇 正しい。不随意運動は、痙直型よりアテトーゼ型の脳性麻痺で特徴的である。なぜなら、アテトーゼ型は、錐体外路障害により動揺性の筋緊張を示すため。
・不随意運動とは、本人の意思とは無関係に身体に異常な運動が起きることである。主として、無意識の運動をつかさどる錐体外路系(大脳基底核、脳幹、小脳など)が障害された際にみられる。不随意運動の種類は、さまざまなパターンがある(①律動的なもの、②運動の速度が速いものや遅いもの、③画一的な運動が繰り返されるもの、④不規則な運動が雑然と連続しておこるもの、⑤ごく一部(顔面、四肢、躯幹(くかん)など)に生ずるものから全身に及ぶものなど)
参考にどうぞ↓
92 糖尿病の合併症に対する検査で優先度が低いのはどれか。
1.眼底
2.聴力
3.尿蛋白
4.足部感覚
5.アキレス腱反射
解答2
解説
①網膜症、②腎症、③神経障害である。
1.× 眼底検査は、優先度が高い検査である。なぜなら、糖尿病の三大合併症の一つに網膜症があり、その評価に眼底検査が不可欠であるため。
・眼底検査とは、瞳孔を特殊な目薬(散瞳薬)で開くことにより構造を詳しく観察することができる基本的な眼科検査のひとつである。眼底出血、網膜剥離、視神経炎、黄斑変性などの病気を見つけ治療につなげていく。
2.〇 正しい。聴力は、糖尿病の合併症に対する検査で優先度が低い。なぜなら、糖尿病と難聴の関連は指摘されているものの、糖尿病性神経障害で代表的なのは、遠位対称性の多発神経障害であるため。したがって、最も頻度が高く、足趾・足・下肢の知覚低下や両側アキレス腱反射の低下/消失が典型的な所見として扱われる。
※ちなみに、糖尿病は、高血糖による血管・神経障害により、難聴や耳鳴り、めまい、耳の感染症(外耳炎など)のリスクを約2倍高めることが報告されている。
3.× 尿蛋白は、優先度が高い検査である。なぜなら、糖尿病の三大合併症の一つに腎症があり、尿蛋白やアルブミン尿の確認が重要であるため。
4~5.× 足部感覚/アキレス腱反射は、優先度が高い検査である。なぜなら、糖尿病の三大合併症の一つの糖尿病性神経障害により、遠位対称性の多発神経障害であるため。足趾・足・下肢の知覚低下や両側アキレス腱反射の低下/消失が優先される。
・HbA1c:6.5%以上
・随時血糖値:200mg/dL以上
・空腹時血糖値:126mg/dL以上
・75g経口ブドウ糖負荷試験で2時間後血糖値:200mg/dL以上
93 転移性脊椎腫瘍の部位で、最も安定性が高いのはどれか。
1.C7~T2
2.T11~L1
3.L2・L3
4.L5・S1
5.S2~S5
解答5
解説
・転移性脊椎腫瘍とは、体内の別の場所に発生したがん細胞が血流を介して背骨に病巣を形成する病気である。病変部が増大し骨を破壊すると、腫瘍そのものや壊れた骨の一部が神経を圧迫して痛みやしびれ、運動麻痺などの神経障害を引き起こす。
※設問でいう安定性とは、腫瘍があっても脊椎が体を支え、動いたときに骨がつぶれたりずれたりしにくい程度のことである。安定性が低いほど、痛みや麻痺の危険が高くなる。
SINスコア(Spinal Instability Neoplastic Score:転移性骨腫瘍の椎体不安性評価)とは、 転移性骨腫瘍の椎体不安性を表す評価指標である。 病変部位、 動作や脊椎への負荷時の疼痛、 腫瘍の性状、 画像所見による椎体アライメントの評価、 椎体の圧潰、 脊椎後側方の障害の程度に基づき評価する。
1. 部位
Junctional:接合部(O~C2, C7~T2, T11~L1, L5~S1):3
Mobile spine:可動性脊椎(C3~C6, L2~L4):2
Semi-rigid:半剛体(T3~T10):1
Rigid:剛体(S2~S5):0
2. 疼痛
※ 疼痛が臥位で軽減し、かつ/または体動や脊椎負荷で増強
はい:3
いいえ(時折痛むが機械的ではない):1
疼痛なし:0
3. 骨病変の性状
溶骨性:2
混合性:1
造骨性:0
4. 単純X線でのアライメント
亜脱臼/転移あり:4
新たな変形(後弯/側弯):2
正常アライメント:0
5. 椎体変形
>50%の圧潰:3
<50%の圧潰:2
圧潰はないが、>50%の椎体浸潤:1
上記以外:0
6. 後側要素の浸潤
※ 椎間関節、椎弓根、肋椎関節の骨折または腫瘍による置換
両側:3
片側:1
上記以外:0
【合計点により、脊椎不安定性を評価】
0~6点:安定(Stability)
7~12点:不安定が懸念(Potentially unstable)
13~18点:不安定(Unstable)
1~2.4.× C7~T2/T11~L1/L5・S1は、SINスコアの部位において、Junctional(接合部)に該当し、不安定な部位といえる。
3.× L2・L3は、SINスコアの部位において、Mobile spine:可動性脊椎に該当し、不安定な部位といえる。
5.〇 正しい。S2~S5は、転移性脊腫瘍の部位で、最も安定性が高い。SINスコアの部位において、Rigid:剛体(S2~S5):0に該当し、最も安定性が高いといえる。
※SINスコアを知らなくても、仙骨下部(S2~S5)は、頸胸椎移行部や胸腰椎移行部のように大きな力学的変化を受ける場所ではないため、転移性脊椎腫瘍の部位で、最も安定性が高いと感覚でも答えることができる。
94 がんの放射線療法の晩期に出現する副作用はどれか。
1.結膜炎
2.骨壊死
3.脱毛
4.脳浮腫
5.放射線宿酔
解答2
解説
放射線療法とは、放射線を患部に体外および体内から照射する治療法である。治療中からおこる可能性がある症状は、気分不快、食欲不振、下痢、倦怠感、頻尿、排尿時痛、白血球減少、貧血、照射した部分の肌荒れなどがある。数か月以降に起こる可能性があるもの(晩期副作用)として放射線腸炎、過敏性腸症候群、直腸出血、放射線膀胱炎、膀胱出血、骨壊死などがある。
・早期障害:細胞分裂が盛んな組織に起こりやすく、粘膜炎や皮膚炎などの炎症性変化が中心。
・晩期障害:血管障害や線維化、壊死など、より遅れて固定化した障害が中心。
1.× 結膜炎は、比較的早期にみられる副作用である。なぜなら、結膜炎は、照射による粘膜・表面組織の炎症としてみられるため。治療中から治療直後に出やすい急性反応であるため。
2.〇 正しい。骨壊死は、がんの放射線療法の晩期に出現する副作用である。なぜなら、骨壊死は、時間をかけて進行(放射線による血流障害、組織修復能低下、線維化など)して生じるため。
3.× 脱毛は、比較的早期にみられる副作用である。なぜなら、毛包は放射線の影響を受けやすいため。
4.× 脳浮腫は、比較的早期にみられる副作用である。なぜなら、放射線が脳の細い血管や周囲の細胞を傷つけ、血液脳関門という「水分や物質の出入りを調整する仕組み」がゆるむためである。その結果、水分が脳組織にしみ出し、脳がむくんで脳浮腫が起こる。
5.× 放射線宿酔は、比較的早期にみられる副作用である。なぜなら、脳浮腫の症状の一つとしてあげられるため。頭蓋内圧が上がり、吐き気や嘔吐、強いだるさとして現れる。
・放射線宿酔とは、放射線治療の開始後まもなくみられる一時的な不調で、全身症状(倦怠感、悪心、食欲低下など)である。多くは対症療法で軽くなり、自然におさまることが多い。
脳浮腫とは、脳の中や細胞の周囲に水分が異常にたまり、脳がむくんだ状態である。頭蓋骨の中は広がらないため、むくみが強くなると頭蓋内圧が上がり、頭痛、吐き気、意識障害などを起こす。原因は脳腫瘍、脳梗塞、頭部外傷、感染、放射線治療後などさまざまで、重い場合は脳ヘルニアのような命に関わる状態につながることもある。
95 地域包括ケアシステムにおける互助はどれか。
1.生活保護の制度
2.介護保険による給付
3.市場サービスの購入
4.住民ボランティアの支援
5.自身による健康への取り組み
解答4
解説
地域包括ケアシステムとは、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるよう、包括的な支援・サービス提供体制の構築を目指すものである。この地域包括ケアシステムが効果的に機能するために、「4つの助(自助・互助・共助・公助)」の考え方が連携し、課題解決に向け取り組んでいく必要がある。
「公助」は税による公の負担。
「共助」は介護保険などリスクを共有する仲間(被保険者)の負担。
「自助」には「自分のことを自分でする」ことに加え、市場サービスの購入も含まれる。
「互助」は相互に支え合い、費用負担が制度的に裏づけられていない自発的なものである。
1.× 生活保護の制度は、公助である。なぜなら、生活保護は、税を財源として公的機関が提供する制度であるため。
・生活保護とは、『日本国憲法』25条の理念に基づき、生活困窮者を対象に、国の責任において、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的としている。8つの扶助(生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)があり、原則現金給付であるが、医療扶助と介護扶助は現物給付である。被保護人員は約216.4万人(平成27年度,1か月平均)で過去最高となっている。
2.× 介護保険による給付は、共助である。なぜなら、介護保険による給付は、保険料を負担し合う仕組みに基づく制度的支援であるため。
・介護保険とは、平成12年4月から開始された介護を必要とする方に費用を給付し、適切なサービスを受けられるようにサポートする保険制度である。40歳以上の人は、介護保険の被保険者となり、①65歳以上の人(第1号被保険者)と、②40~64歳までの医療保険に加入している人(第2号被保険者)になる。
3.× 市場サービスの購入は、自助である。なぜなら、市場サービスの購入は、自分の資力で必要なサービスを選んで利用する行為であるため。
4.〇 正しい。住民ボランティアの支援は、互助である。なぜなら、互助は、費用負担が制度的に保障されていない、自発的な住民同士の支え合いを指すため。
5.× 自身による健康への取り組みは、自助である。なぜなら、自身の健康管理や生活習慣改善は、自分で自分を支える行為であるため。

(※引用:「地域包括ケアシステムの捉え方」厚生労働省様HPより)
