第61回(R8) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題81~85】

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81 HDS-Rの質問に含まれるのはどれか。2つ選べ。

1.「何か文章を書いてください」
2.「私の手の形を真似してください」
3.「この図版を見て何が見えるか答えてください」
4.「私がこれから言う数字を逆から言ってください」
5.「知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください」

解答

解説

1.× 「何か文章を書いてください」
これは、MMSE(Mini-Mental State Examination:日本版ミニメンタルテスト)でみられる課題である。

2.× 「私の手の形を真似してください」
これは、山口式キツネ・ハト模倣テストである。提示時間は10秒間で、キツネやハトを見せて、真似してもらう。

3.× 「この図版を見て何が見えるか答えてください」
これは、ロールシャッハ・テストである。
・Rorschach Test(ロールシャッハ・テスト)は、投影法による性格検査の一つである。10枚の図版を被験者に見せて、どのように見えるか答えさせ、そこから患者の知的側面と人格面を調べる。被験者にインクのしみを見せて何を想像するかを述べてもらい、その言語表現を分析することによって被験者の思考過程やその障害を推定するものである。

4~5.〇 正しい。「私がこれから言う数字を逆から言ってください」「知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください」は、HDS-Rの質問に含まれる。

 

 

 

 

 

82 サルコペニア(AWGS 2019 <Asian Working Group for Sarcopenia 2019>)の評価項目はどれか。2つ選べ。

1.筋量
2.身長
3.体重
4.骨密度
5.歩行速度

解答

解説

(※図引用:「日本サルコペニア・フレイル学会」様HPより)

サルコペニアとは?

サルコペニアは、加齢に伴う骨格筋量と骨格筋力の低下によって身体的な障害やQOLの低下を招いている状態のことをいう。サルコペニアの診断には、四肢骨格筋量の低下があることに加えて身体機能(歩行速度)の低下または、筋力(握力)の低下、下腿周径、5回椅子立ち上がりテストがある。

1.〇 正しい。筋量は、サルコペニアの評価項目である。
骨格筋量
– DXA(男性<7.0kg/㎡、女性<5.4kg/㎡)
– BIA (男性<7.0kg/㎡、女性<5.7kg/㎡)
※DXA(Dual-energy X-ray Absorptiometry:二重エネルギーX線吸収測定法)とは、2種類の弱いX線を使って体の筋肉量・脂肪量・骨量を測る検査である。サルコペニアでは筋肉量を比較的正確に評価でき、基準法としてよく用いられる方法である。
※BIA(Bioelectrical Impedance Analysis:生体電気インピーダンス法)とは、体にごく弱い電気を流し、電気の通りにくさから筋肉量などを推定する検査である。短時間で手軽に測れる一方、水分状態などの影響を受けやすい方法である。

2~4.× 身長/体重/骨密度は、サルコペニア(AWGS 2019 <Asian Working Group for Sarcopenia 2019>)の評価項目ではない。

5.〇 正しい。歩行速度は、サルコペニアの評価項目である。
身体機能
6m歩行速度(<1m/s)
or 5回椅子立ち上がりテスト(≧12秒)
or SPPB(≦9)
※SPPB(Short Physical Performance Battery:短時間身体機能バッテリー)とは、立つバランス、歩く速さ、椅子からの立ち座りを調べて下肢機能を点数化する評価法である。サルコペニアでは、筋力や移動能力の低下をみるのに用いられる。

サルコペニア(AWGS 2019 <Asian Working Group for Sarcopenia 2019>)の評価項目

①筋力(握力)、②身体機能(6m歩行速度、5回椅子立ち上がりテスト、SPPB)、骨格筋量(DXA、BIA)

 

 

 

 

 

83 角膜反射に関わるのはどれか。2つ選べ。

1.視神経
2.外転神経
3.顔面神経
4.三叉神経
5.動眼神経

解答

解説

角膜反射とは?

角膜反射とは、角膜にものが触れると眼を閉じる反射である。角膜への刺激は、両側の顔面神経核に伝わるため両目が閉じる。
【求心性神経】三叉神経
【遠心性神経】顔面神経

1.× 視神経とは、視覚を司る感覚神経である。
・視覚伝導路は、「視神経―視交叉―視索―外側膝状体―視放線―視覚野」である。

2.× 外転神経とは、眼球運動に関わる脳神経である。外側直筋を支配し、外側への眼球運動を行う。

3.〇 正しい。顔面神経は、角膜反射に関わる(遠心性神経)。
・顔面神経とは、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。

4.〇 正しい。三叉神経は、角膜反射に関わる(求心性神経)。
・三叉神経とは、咀嚼運動にかかわる脳神経である。三叉神経は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。

5.× 動眼神経とは、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。

 

 

 

 

 

84 TNM分類で誤っているのはどれか。

1.がんの病期分類である。
2.腫瘍の大きさを含める。
3.遠隔転移の有無を含める。
4.臓器に特異的な分類である。
5.リンパ行性転移の有無を含める。

解答

解説

TNM分類とは?

病期の評価には、TNM分類と呼ばれる分類法を使用する。これは、がんの大きさと浸潤(T因子)、リンパ節転移(N因子)、遠隔転移の有無(M因子)の3つの因子について評価し、これらを総合的に組み合わせて病期を決定する。

1.〇 正しい。がんの病期分類である
・TNM分類は、がんが体内でどの程度広がっているかを表す病期分類である。

2.〇 正しい。腫瘍の大きさを含める。TNM分類の「がんの大きさと浸潤(T因子)」の評価である。

3.〇 正しい。遠隔転移の有無を含める。TNM分類の「遠隔転移の有無(M因子)」の評価である。

4.× 臓器に特異的な分類「ではない」。なぜなら、TNM分類は、臓器ごとに症状の異なる評価方法を取っていないため。つまり、特定の一臓器だけに限定された分類ではない。
・特異的とは、あるものだけにみられる質的な特殊さという意味である。
・非特異的とは、ある状態や疾患に特徴的にみられるとは限らないことを意味する。

5.〇 正しい。リンパ行性転移の有無を含める。TNM分類の「リンパ節転移(N因子)」の評価である。

 

 

 

 

 

85 ホメオスターシスを維持する中枢があるのはどれか。

1.下垂体
2.視床
3.視床下部
4.松果体
5.脳梁

解答

解説

ホメオスターシスとは?

ホメオスタシスとは、外界がたえず変化していたとしても、体内の状態(体温・血液量・血液成分など)を一定に維持できる能力のことある。 例えば、体温が下がると鳥肌になり体温の低下を防いだり、体を震えさせて強制的に運動を起こして体温を上げるなどをさす。

1.× 下垂体とは、脳の直下にあって、さまざまホルモンを分泌する内分泌器官である。下垂体の前葉からは、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、乳汁分泌ホルモン、性腺刺激ホルモンが、下垂体の後葉からはオキシトシンと抗利尿ホルモン(バソプレシン)が分泌される。

2.× 視床とは、嗅覚以外のあらゆる感覚情報(体性感覚、痛覚、視覚、聴覚、味覚など)を大脳皮質に送る一大中継基地を担う。視床出血の場合は、被殻出血と並んで頻度の高い脳出血で、脳出血全体の30%程度を占めている。麻痺に比べ、感覚障害が強くなる。

3.〇 正しい。視床下部は、ホメオスターシスを維持する中枢がある。
・視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。 ヒトの場合は脳重量のわずか0.3%、4g程度の小さな組織であるが、多くの神経核から構成されており、体温調節やストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理している。つまり、視床下部は自律神経の最高中枢である。

4.× 松果体とは、間脳の背面(後方)にあるメラトニン(概日リズム調整ホルモン)の分泌、性腺刺激ホルモンの分泌抑制に関与する。松果体は、第3脳室の後壁が背側へ膨隆してできた構造をしている。間脳は①視床上部、②視床、③視床下部から構成される。

5.× 脳梁とは、左右の大脳半球をつなぐ交連線維の太い束である。左右の大脳皮質の間で情報をやり取りする経路である。脳梁は、いわゆる高次脳機能、認知機能に分類される症状を担っている。

 

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