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46 NICU入室中の低緊張児に対する理学療法で優先順位が低いのはどれか。
1.装具療法
2.運動発達指導
3.呼吸理学療法
4.ポジショニング
5.保護者への育児指導
解答1
解説
NICU(略:Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療管理室)とは、早産児や低出生体重児、または何らかの疾患のある赤ちゃんを集中的に 治療・管理する集中治療室である。【主な対象疾患】早産児、低出生体重児、呼吸障害、心疾患、新生児感染症、低酸素性虚血性脳症、染色体異常、先天異常、外科疾患などである。
→低出生体重児とは、2500g未満児のこと。1500g未満を「極低出生体重児」、1000g未満を「超低出生体重児」と呼ぶ。外的ストレスをできる限り減らす必要がある。ポジショニングは、体内にいるときに近い姿勢を保つ。子宮内環境に近づける。なぜなら、低出生体重児は、胎内で屈曲姿勢をとる期間が少なく、神経系の発達が未成熟、在胎週数に応じた筋緊張が低下を認めるため。タオルやクッションなどを使用し姿勢のセッティングが必要になる。ポイントは、①頚部の軽度屈曲位、②肩甲帯の下制・前進、③骨盤後傾、④肩・股関節中間位(内・外転)、⑤上・下肢屈曲位である。
1.× 装具療法は、NICU入室中の低緊張児に対する理学療法で優先順位が低い。なぜなら、子宮内環境に近づけることが第一選択肢となるため。ちなみに、ちなみに、装具療法とは、手、腰、足、膝の痛みや変形などのトラブルに対して、専用の装具を作成・装着して、痛みの軽減や変形の矯正、患部の固定、負担の軽減をはかる治療法である。
2.5.〇 運動発達指導/保護者への育児指導を実施する。なぜなら、NICU入室中の低緊張児は、胎内で屈曲姿勢をとる期間が少なく、神経系の発達が未成熟、在胎週数に応じた筋緊張が低下を認めるため。したがって、運動発達指導を実施することで、発達の遅れを最小限に抑え、将来的な運動能力の向上を図ることにつながる。
3.〇 呼吸理学療法を実施する。なぜなら、NICUにおける呼吸理学療法において、呼吸器の発達を考慮しながら、肺の中の空気の交換を促し、呼吸苦の改善・痰の排出の補助を行うことができるため。
4.〇 ポジショニングを実施する。なぜなら、外的ストレスをできる限り減らす必要があるため。ポジショニングは、体内にいるときに近い姿勢に近づける。ポイントは、①頚部の軽度屈曲位、②肩甲帯の下制・前進、③骨盤後傾、④肩・股関節中間位(内・外転)、⑤上・下肢屈曲位である。
(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」)
47 予防接種法に基づく集団予防を目的とした定期接種に該当する疾患で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.A型肝炎
2.B型肝炎
3.日本脳炎
4.インフルエンザ
5.流行性耳下腺炎
解答2・3
解説
予防接種法とは、公衆衛生の観点から伝染のおそれがある疾病の発生・まん延を予防するためにワクチンの予防接種を行うとともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的として制定された日本の法律である。予防接種法に基づく予防接種には、①定期予防接種と②臨時予防接種があり、定期予防接種の対象疾患には、①A類疾病と②B類疾病がある。さらに同法に基づかない任意接種もある。
A類疾病:主に集団予防、重篤な疾患の予防に重点を置き、国の積極的な勧奨があり、本人(保護者)に努力義務がある。
疾患:結核、ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、麻疹、風疹、日本脳炎、ヒブ(インフルエンザ菌b型)感染症、小児の肺炎球菌感染症、水痘、ヒトパピローマウイルス感染症、B型肝炎
B類疾病:主に個人予防に重点を置き、国の積極的な勧奨なく、本人(保護者)に努力義務はない。
疾患:季節性インフルエンザと高齢者の肺炎球菌感染症
(参考:「予防接種とは?」東京都医師会HPより)
1.× A型肝炎は、任意接種である。A型肝炎とは、A型肝炎ウイルス(HAV)感染による疾患である。通常、感染した人の便で汚染されたものを摂取したときに感染する。初期症状は倦怠感や発熱、頭痛、筋肉痛等で、一過性の急性肝炎が主症状であり、治癒後に強い免疫が残る。治療は、通常、安静を含めた対症療法が中心となる。
2.〇 正しい。B型肝炎は、定期接種に該当する疾患である。B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって生じる肝臓の病気のことである。B型肝炎ウイルスは主に感染者の血液や体液を介して感染する。たとえば、注射針を感染者と共用した場合や、感染者と性行為をした場合などに感染することがある。
3.〇 正しい。日本脳炎は、定期接種に該当する疾患である。日本脳炎とは、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染する。以前は子どもや高齢者に多くみられた病気である。初期症状として、突然の高熱・頭痛・嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもある。
4.× インフルエンザは、任意接種である。インフルエンザとは、インフルエンザウイルスへの感染を原因に発症する。A型、B型、C型の3種類があり、このうち冬季に流行する「季節性インフルエンザ」はA型とB型によるものである。症状として、38℃以上の発熱や寒気、関節痛、全身のだるさなどの全身症状と、喉の痛みや咳などの風邪のような症状が現れる。上気道症状が1週間程度続くのが典型的である。
5.× 流行性耳下腺炎は、任意接種である。流行性耳下腺炎とは、2~3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て発症し、片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とするウイルス感染症である。通常1~2 週間で軽快する。最も多い合併症は髄膜炎であり、その他髄膜脳炎、睾丸炎(精巣炎)、卵巣炎、難聴、膵炎などを認める場合がある。流行性耳下腺炎の約20%に精巣炎を合併すると言われており、思春期以降に精巣炎を起こすと、男性不妊の原因となる。
(※参考:「定期接種と任意接種」ワクチン.net様HPより)
48 歩行練習中に患者が転倒した場合、最も優先して行うのはどれか。
1.患者の安全確保
2.主治医への報告
3.診療録への記載
4.スタッフへの応援要請
5.バイタルサインの測定
解答1
解説
①安全確認と感染防御
②意識状態の確認
③協力者を集める
④気道確保・呼吸の確認
⑤人工呼吸2回
⑥胸骨圧迫式心マッサージ
⑦AEDによる除細動
※安全確認と感染防御が最優先だが、設問の選択肢にないので、次の段階で優先される選択肢を選ぶ。
1.〇 正しい。患者の安全確保を最も優先して行う。なぜなら、歩行練習中に患者が転倒した場合でも、まずは一次救命処置(BLS)の手順が必要となるため。ちなみに、一時救命処置(BLS)とは、Basic Life Supportの略称で、心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置のことである。正しい知識と適切な処置の仕方さえ知っていれば誰でも行うことができる。
2~5.× 主治医への報告/診療録への記載/スタッフへの応援要請/バイタルサインの測定より優先度が高いものがほかにある。救助者が怪我したり、二次災害に巻き込まれてはならない。まずは、落ち着き安全に対応することを優先する。
(図引用:長野赤十字社様HPより)
49 骨折の名称と部位の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.Cotton骨折:大腿骨
2.Dupuytren骨折:第1中手骨
3.Galeazzi骨折:橈骨
4.Jefferson骨折:環椎
5.Straddle骨折:上腕骨
解答3・4
解説
1.× Cotton骨折(コットン骨折)は、「大腿骨」ではなく外果・後果・内果の骨折(三果骨折)である。
2.× Dupuytren骨折(デュプイトラン骨折)は、「第1中手骨」ではなく、足部の回内/外旋により①内果骨折、②遠位脛腓関節の完全離開(三角靭帯裂)、③腓骨骨幹部または頸部の骨折(脛腓靭帯結合より高位の腓骨骨折)の3つを合併したものを指す。
3.〇 正しい。Galeazzi骨折(ガレアッジ骨折)は、橈骨骨幹部の骨折と遠位橈尺関節の脱臼を伴う損傷である。前腕を強く回内して受傷した際に多く見られる。
4.〇 正しい。Jefferson骨折(ジェファーソン骨折)は、環椎の破裂骨折をいう。ちなみに、破裂骨折とは、椎体の前方(前弓)だけでなく、後方の壁(後弓)も含めた骨折のこと。脊髄損傷を合併することが多い。
5.× Straddle骨折(ストラドル骨折)は、「上腕骨」ではなく、骨盤骨折の一種で、両側の恥骨と坐骨の骨折である。同じ骨盤骨折の中に、垂直に同側2か所の骨折を伴い骨盤の安定性を損なうMalgaigne骨折(マルゲーニュ骨折)がある。
50 ADL評価で正しいのはどれか。
1.Barthel indexで自立の得点は7点である。
2.Barthel indexは食事の支度の項目を含む。
3.FIMでは時間をかけても一人でできれば完全自立である。
4.FIMはできるADLを評価する。
5.WeeFIMは小児のADLを評価する。
解答5
解説
FIMとは、日常生活動作(ADL)を評価する尺度で、運動項目(13項目)と認知項目(5項目)の計18項目を7段階で採点する。【運動項目】セルフケア(食事、整容、清拭、更衣:上・下、トイレ動作)、移乗(ベッド・椅子・車椅子移乗、トイレ移乗、浴槽・シャワー移乗)、排泄コントロール(排尿管理、排便管理)、移動(歩行・車椅子、階段)、【認知項目】コミュニケーション(理解、表出)、社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)で評価する。
1.× 自立の得点が7点であるのは、「Barthel index」ではなくFIMである。ちなみに、Barthel indexの自立の得点は、各項目で異なり、食事は10点、椅子とベッド間の移乗は15点などのようになっている。Barthel indexとは、日常生活動作の評価である。評価項目は10項目(①食事、②椅子とベッド間の移乗、③整容、④トイレ動作、⑤入浴、⑥移動、⑦階段昇降、⑧更衣、⑨排便コントロール、⑩排尿コントロール)あり、100点満点で評価される。
2.× Barthel indexは食事の支度の項目を含まない。食事は、食物を刻んでもらえば自助具を用いて食事できるのは、食事の10点中5点【部分介助】となる。部分介助は、何らかの介助・監視が必要(食べ物を切り刻む等)となる。ちなみに、【自立】は、Barthel Indexは食事の支度の項目を含む: Barthel Indexは主に基本的なADL(食事、移動、排泄、入浴、着替えなど)を評価します皿やケーブルから自力で食物をとって、食べることができる。自助具を用いてもよい。食事を妥当な時間内に終える。
3.× FIMでは時間をかけても一人でできれば、「完全自立」ではなく修正自立である。FIMの6点(修正自立)の大きな目安として「補助具の使用、通常以上の時間、安全性の配慮が必要」なレベルである。
4.× FIMは、「できるADL」ではなく”しているADL”を評価する。機能的自立度(しているADL)の評価である。
5.〇 正しい。WeeFIMは小児のADLを評価する。WeeFIM(Functional Independence Measure for children:子供のための機能的自立度評価法)とは、子どものための機能的自立度評価法でFIMをもとに子ども用に作られたADL評価法である。
①評価項目:18項目(運動項目13、認知項目5)
②段階:介護度に応じて7段階
③総得点:18点~126点
④対象年齢:6か月~7歳未満
※備考:6項目で小児への応用を考慮した修正が加えられている。
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苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓