この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
46.CBRマトリクスの5つの主要領域に含まれないのはどれか。
1.教育
2.社会
3.保健
4.ユニバーサルデザイン
5.エンパワメント< empowerment >
解答4
解説
CBRマトリクスは、生涯のある人や困難を抱える人の置かれた状況を包括的にみるためのツールである。
CBR(Community-Based Rehabilitation)を広範な多部門的開発戦略へと発展させるため、2004年にCBRプログラムの共通の枠組みとなるCBRマトリックスが開発された。マトリックスは5領域からなり、CBRが多くの部門に着目することを反映している。5つ目の領域は、障害のある人々とその家族、そして地域社会のエンパワメントにかかわり、障害のある人々による各開発部門へのアクセス確保とその生活の質の向上、そして人権のさらなる享受に不可欠である。つまり、①保健、②教育、③生計、④社会、⑤エンパワメントが5つの要素として示されている。CBRプログラムではマトリックスの全領域・全要素を網羅することは期待されていない。その代わり、マトックスは、地域のニーズ、優先順位およびリソースに最も良く対応した選択ができるよう設計されている(※参考:「CBRガイドライン概要版 CBRマトリックス 使用の手引き」障害保健福祉研究情報システム様HPより)。
1〜3.5.〇 教育/社会/保健/エンパワメント< empowerment >は、CBRマトリクスの5つの主要領域に含まれている。ちなみに、エンパワメントとは、対象者が主体的に自身の状態を変えていく方法や自信を獲得できるよう、対象者が本来持っている力を引き出し、その自己決定能力を強化することである。対象は、個人、組織、コミユニテイの3段階がある。過程には、傾聴→対話→行動アプローチがある。
4.× ユニバーサルデザインは、CBRマトリクスの5つの主要領域に含まれない。ユニバーサルデザインとは、障害の有無だけでなく、老若男女・能力・言語の違いを問わず、誰でも利用可能な製品・設計・情報のデザインのことである。【ユニバーサルデザイン7原則】①公平、②柔軟、③簡単、④理解、⑤安全、⑥省力、⑦空間である。
エンパワメントとは、対象者が主体的に自身の状態を変えていく方法や自信を獲得できるよう、対象者が本来持っている力を引き出し、その自己決定能力を強化することである。対象は、個人、組織、コミユニテイの3段階がある。過程には、傾聴→対話→行動アプローチがある。
【コミュニティ・エンパワメントの成果】
①コミュニティ・メンバーは自身の問題解決に向かう意欲と自信がつく。
②コミュニティ・メンバーのコミュニティに対する関心が高まる。
③コミュニティでの相互支援が高まる。
④コミュニティでリーダーが育成される。
⑤コミュニティは政策改善の方向性を見いだす。
47.普通型電動車椅子の装置で正しいのはどれか。
1.操縦装置は上肢に限定される。
2.前輪駆動のものが標準的である。
3.手動操作に切り替える機構はない。
4.操縦装置で進む方向のみ操作できる。
5.操縦装置から手を離すとブレーキがかかる。
解答5
解説
【電動車椅子の種類】
①普通型、②簡易型、③アシスト型、④ハンドル型、⑤座位変化型、⑥特殊型があげられる。
①普通型:主に電動走行専用に設計され大容量バッテリー、高出力モーター、幅広のタイヤで悪路や坂道をストレスなく長時間走行できる。操作はコントローラーに付いているジョイスティック・レバーなどを前後左右に動かすことで倒した向きと量に応じて自由自在に動きまわることができる。上肢が使用できないものは、顎や頭などで入力操作する。チンコントロールは顎で、ヘッドコントロールは頭で行う。②簡易型:手動車いすにモーター、バッテリーを取り付けている。比較的軽量で折り畳み可能な物が多い。手動との切り替えができる。
1.× 操縦装置は上肢に限定されない。上肢が使用できないものは、顎や頭などで入力操作する。チンコントロールは顎で、ヘッドコントロールは頭で行うことができる。
2.× 「前輪」ではなく後輪駆動のものが標準的である。標準なタイプとして、ジョイスティックにて操作し、モーターが後輪にある。屋外用型時速では6.0㎞である。
3.× 手動操作に切り替える機構がある。これは、簡易型にもついている機能である。
4.× 操縦装置で、「進む方向のみ」ではなく「前後左右・自由自在」に操作できる。前後左右に動かすことで倒した向きと量に応じて自由自在に動きまわることができる。
5.〇 正しい。操縦装置から手を離すとブレーキがかかる。電動車椅子には基本的にブレーキレバーが無く、「電磁ブレーキ」と呼ばれるシステムを利用している。ただし、急停車しないようにブレーキ作動から停止までに数回転モーターが回る「オーバーラン」が発生し安全を確保する。
48.介護保険制度の福祉用具貸与品目はどれか。
1.腰掛便座
2.特殊寝台
3.短下肢装具
4.シャワーチェア
5.携帯用会話補助装置
解答2
解説
介護保険制度とは、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合に、介護の必要度合いに応じた介護サービスを受けることができる。
【基本理念】
自己決定の尊重
生活の継続
自己支援(残存能力の活用)
1.4.× 腰掛便座/シャワーチェア(入浴補助用具)は、購入の対象である。なぜなら、特定福祉用具であるため。排泄物に関係するものや陰部近くの皮膚に触れるもの、つまり、排泄や入浴に関するものは購入の対象である。
2.〇 正しい。特殊寝台は、福祉用具貸与品目である。特殊寝台とは、一般的には「介護ベッド」または「電動ベッド(ギャッチベッド)」と言われ、背部または脚部の傾斜角度が調整できる機能や、床板の高さが無段階に調整できる機能を持っている。
3.× 短下肢装具の初回の作製は、医療保険で対応するのが一般的である。明確な線引きは難しいが、次回から障害者総合支援法による補装具費支給を優先して使用する。ちなみに、現在の社会保障制度においては、福祉用具に関わるものに限ってみても、障害者総合支援法のほか、医療関係、労災関係、介護保険関係等の他法制度がある。
5.× 携帯用会話補助装置は、日常生活用具給付等事業として給付または貸与を受けることが多い。日常生活用具給付等事業は、障害者等の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付または貸与することにより、福祉の増進に資することを目的とした事業である。ほとんどが身体障害者手帳を取得している者や難病患者が対象である。『身体障害者福祉法』で定める身体上の障害(肢体不自由)の状態にあると認められれば、身体障害者手帳の交付を受けることができる。ちなみに、携帯用会話補助装置とは、音声言語機能障害が対象で、入力した言葉を音声または文章に交換する機能が付加された携帯式の装置である。電話での応答や、外出時の会話など、自立を助けるコミュニケーションツールとして使用されている。重度障害者用意思伝達装置としても給付を受けることができる。
【貸与の対象】
①車椅子
②車椅子付属品
③特殊寝台
④特殊寝台付属品
⑤床ずれ防止用具
⑥体位変換器
⑦手すり
⑧スロープ
⑨歩行器
⑩歩行補助杖
⑪認知症老人徘徊感知機器
⑫移動用リフト(つり具の部分を除く)
⑬自動排泄処理装置
(※赤文字は要介護2~5の貸与対象である)
【購入の対象】
①腰掛け便座
②自動排泄処理装置の交換可能部分
③入浴補助用具
④簡易浴槽
⑤移動用リフトの吊り具の部分
49.安全対策に関する理論であるHeinrichの法則で正しいのはどれか。
1.医療安全に特化した法則である。
2.ばらつきの法則と呼ばれている。
3.有害事象を5段階で示している。
4.1つの重大な事故に対して多数の軽微な事故が発生している。
5.重要な20%が全体の方向性を決定しでいるという法則である。
解答4
解説
1930年代、アメリカのハインリッヒ(Heinrich)氏が労災事故の発生確率を調査したもので、「1:29:300の法則」ともいわれる。これは、1件の重症事故の背景には、29件の軽傷の事故と、300件の傷害にいたらない事故(ニアミス)があるという経験則である。また、さらにその背景には、数千、数万の危険な行為が潜んでいたともいう。 つまり、事故の背景には必ず数多くの前触れがあるということである。
1.× 「医療安全に特化した法則」ではなく、労働災害における経験則である。労働災害の分野でよく知られている。
2.× ばらつきの法則と呼ばれていない。ばらつきの法則とは、パレートの法則、2:8の法則、80:20の法則などと呼ばれている。全体の結果の8割は、ある特定の2割の要素が生み出しているという経験則であり、「構成要素の割合の不均衡」を広く指す語として用いられている。
3.× 有害事象を5段階で示しているのは、「Heinrichの法則」ではなくインシデント及びアクシデントの分類基準(患者への影響度基準)である。何か事案が発生したとき、インシデントレポートとアクシデントレポートのどちらを書けばよいか?つまり、インシデントとアクシデントを分類するものとなっている。
4.〇 正しい。1つの重大な事故に対して多数の軽微な事故が発生していることは、Heinrichの法則の説明である。1930年代、アメリカのハインリッヒ(Heinrich)氏が労災事故の発生確率を調査したもので、「1:29:300の法則」ともいわれる。これは、1件の重症事故の背景には、29件の軽傷の事故と、300件の傷害にいたらない事故(ニアミス)があるという経験則である。また、さらにその背景には、数千、数万の危険な行為が潜んでいたともいう。 つまり、事故の背景には必ず数多くの前触れがあるということである。
5.× 重要な20%が全体の方向性を決定しでいるという法則は、「Heinrichの法則」ではなくばらつきの法則(パレートの法則、2:8の法則、80:20の法則)である。
50.SOAPで正しいのはどれか。
1.Sには患者の評価結果を記載する。
2.Oには患者の訴えを記載する。
3.Aには治療プログラムを記載する。
4.Pには評価結果の解釈を記載する。
5.問題指向型の診療記録である。
解答5
解説
SOAP(subjective, objective, assessment, plan)とは、叙述的経過記録方式の問題志向型記録のことである。
S=主観的データ(自覚症状などの患者の訴え)
O=客観的データ(他覚所見:診察所見・血液検査・検査所見)
A=評価(S・Oをもとにした患者の状態の評価・考察)
P=計画(Aをもとにした今後の検査・治療・患者教育の計画・方針)
で、経過を記録する。
1.× S(Subjective)には、「患者の評価結果」ではなく、「患者の自覚症状や訴え(主観的データ)」を記載する。ちなみに、患者の評価結果は、O(Objective)である。
2.× O(Objective)には、「患者の訴え」ではなく、「検査や観察など(他覚所見)」を記載する。ちなみに、患者の訴えは、S(Subjective)である。
3.× A(Assessment)には、「治療プログラム」ではなく、「情報に基づく判断や解釈(評価)」を記載する。ちなみに、治療プログラムは、P(Plan)である。
4.× P(Plan)には、「評価結果の解釈」ではなく、「Aをもとにした今後の検査・治療・患者教育の計画・方針」を記載する。ちなみに、評価結果の解釈は、A(Assessment)である。
5.〇 正しい。問題指向型の診療記録である。問題指向型医療記録とは、患者の抱える問題に目を向け、患者の問題を中心に行う医療(POM:problem oriented medical)の考え方に合わせた記録方法のことをいう。問題(プロブレム) 毎に情報を整理し、問題毎にSOAP(subjective, objective, assessment, plan)に分けて記載する方法のこと。