この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
86.遠城寺式乳幼児分析的発達検査において生後12か月以前に観察されるのはどれか。2つ選べ。
1.走る。
2.3語言える。
3.人見知りをする。
4.積み木を二つ重ねる。
5.コップを自分で持って飲む。
解答3・5
解説
1.× 走るのは、14か月以降に獲得できる項目である。
2.× 3語言えるのは、12か月以降に獲得できる項目である。
3.〇 正しい。人見知りをすることは、生後12か月以前に観察される。10か月ごろに観察できる。
4.× 積み木を二つ重ねるのは、12か月以降に獲得できる項目である。
5.〇 正しい。コップを自分で持って飲むことは、生後12か月以前に観察される。10か月ごろに観察できる。
87.ICFにおける「参加」の評価に最も関連する情報はどれか。
1.教育歴
2.住環境
3.職業適性
4.認知機能
5.セルフケア能力
解答3
解説
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)は、人間の生活機能と障害分類法として2001年5月、世界保健機関(WHO)において採択された。これまでの ICIDH(国際障害分類、1980)が「疾病の帰結(結果)に関する分類」であったのに対し、ICF は「健康の構成要素に関する分類」であり、新しい健康観を提起するものとなった。生活機能上の問題は誰にでも起りうるものなので、ICF は特定の人々のためのものではなく、「全ての人に関する分類」である。
1.× 教育歴は、個人因子である。個人因子は、その人固有の特徴をいう。 非常に幅広く、年齢、性別、民族、学歴や職歴、価値観、ライフスタイルなどの多数の例が挙げられる。
2.× 住環境は、環境因子(物的環境)に当たる。
3.〇 正しい。職業適性は、ICFにおける「参加」の評価に最も関連する情報である。職業適性は、個人が仕事や職業活動にどの程度適応しているかを示す指標である。家庭内役割、仕事、地域社会内役割などがあたる。ちなみに、参加とは、生活場面への関わりのことである。生活機能に分類される。
4.× 認知機能は、心身機能・構造である。
5.× セルフケア能力は、活動である。活動とは、課題や行為の個人による遂行のことである。
88.関節リウマチで起こりにくいのはどれか。
1.オペラグラス変形
2.尺側偏位
3.スワンネック変形
4.フォーク状変形
5.ボタン穴変形
解答4
解説
①環軸椎亜脱臼、②肩関節可動域制限、③肘関節屈曲拘縮、④手関節尺側偏位、⑤手指変形、⑥股関節屈曲拘縮、⑦膝関節内外反変形・屈曲拘縮、⑨足・足趾変形などがある。
1.〇 オペラグラス変形(ムチランス変形)は、中手骨や指節骨の吸収により指が短縮する変形をいう。
2.〇 尺側偏位は、手関節が尺骨側(手の小指側)に偏位する変形をいう。
3.〇 スワンネック変形は、MP関節屈曲、PIP関節過伸展、DIP関節屈曲する変形をいう。
4.× フォーク状変形は、関節リウマチで起こりにくい。フォーク状変形は、主に先天性の異常や外傷によって引き起こされる。主に、コーレス骨折によって、折れた橈骨がズレてしまうことによって起こる変形である。ちなみに、Colles骨折(コーレス骨折)とは、Smith骨折と逆に骨片が背側に転位するものをいう。
5.〇 ボタン穴変形(ホール変形)は、PIP関節が屈曲し、DIP関節が過伸展する変形をいう。
関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。
(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)
類似問題はこちら↓
89.CRPS typeⅠに分類されるのはどれか。2つ選べ。
1.幻肢痛
2.視床痛
3.肩手症候群
4.Sudeck骨萎縮
5.帯状疱疹後神経痛
解答3・4
解説
複合性局所疼痛症候群(CRPS)は、軟部組織もしくは骨損傷後(Ⅰ型:反射性交感神経性ジストロフィー)または神経損傷後(Ⅱ型:カウザルギー)に発生して、当初の組織損傷から予測されるより重度で長期間持続する、慢性の神経障害性疼痛である。その他の症状として、自律神経性の変化(例:発汗、血管運動異常)、運動機能の変化(例:筋力低下、ジストニア)、萎縮性の変化(例:皮膚または骨萎縮、脱毛、関節拘縮)などがみられる。疼痛をコントロールしながら、左手(疼痛側)の使用機会を増やす介入が必要である。
1.× 幻肢痛(幻肢)とは、腕や足の切断後、失ったはずの感覚があり、かつそこに痛みを感じる状態である。切断をした人の約7割で生じるが、強い痛みは5~10%とまれである。幻肢痛のメカニズム(発生の機序)は解明されていない。下肢より上肢、近位部より遠位部に多く、電撃痛や、捻られるような痛み、ズキズキするような痛みなど様々である。一般的に、切断の手術後1週間以内に発症し、6か月~2年で消失することが多いが、それ以上長引くこともある。幻肢の大きさは健肢とほぼ同様で、幻肢痛が発生するのは、失った手や指、足などが多い。一方、肘や膝に感じることはまれで、4~6歳以下の小児切断例では出現しないことが多い。幻肢痛への一般的な治療方法として、薬物療法と非薬物療法に分けられる。幻肢痛は天候や精神的ストレスに左右されるため、薬物療法は、鎮痛剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン)、三環系抗うつ薬抗痙攣薬、プレガバリン(リリカ)などの抗てんかん薬が、神経痛の治療に使われる。非薬物療法としては、ミラーセラピーである。幻肢は断端の運動につれて移動し、断場の状態(神経や癒着など)に関連を持つ場合がある。(※参考:「幻肢痛」慢性通治療の専門医による痛みと身体のQ&A様HPより)
2.× 視床痛とは、視床出血や梗塞後によって、視床が障害された後に起こる視床症候群のひとつである。中枢性の疼痛を生じさせる障害である。視床痛とは、脳血管障害の後遺症であり障害側の上下肢に不快な痛みを伴うような症状の代表例である。この病気は、慢性的であるため患者は抑うつ的な気分になりやすく、リハビリがうまくいかないことが多い。 また、有効な治療法が見つかっていないため、痛みを和らげる治療を続ける。
3.〇 正しい。肩手症候群は、CRPS typeⅠに分類される。肩手症候群は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)の1つと考えられており、脳卒中後片麻痺に合併することが多い。他にも骨折や肩関節の外傷後、心臓発作などが誘因となる。症状は、肩の灼熱性疼痛と運動制限、腫脹などを来す。それら症状は、自律神経障害によるものであると考えられている。
4.〇 正しい。Sudeck骨萎縮(ズデック骨萎縮)は、CRPS typeⅠに分類される。Sudeck骨萎縮とは、骨折などの外傷、または、その手術の後に、急速な自発痛、運動痛、浮腫とともに著明な骨萎縮をきたす場合の骨変化のことである。骨折に合併した自律神経系の血管運動神経失調によって、末梢血管の血流不全から起こるものといわれている。
5.× 帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹の皮疹(水疱など)が消失し、帯状疱疹が治癒した後も続く痛みのことで、帯状疱疹の合併症としては最も頻度が高く、3ヵ月後で7~25%、6ヵ月後で5~13%の人が発症しているという報告である。帯状疱疹とは、身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気である。多くの人が子どものときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こる。
肩手症候群は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)の1つと考えられており、脳卒中後片麻痺に合併することが多い。他にも骨折や心臓発作などが誘因となる。症状は、肩の灼熱性疼痛と運動制限、腫脹などを来す。それら症状は、自律神経障害によるものであると考えられている。
第1期:症状が強い時期。
第2期:痛みや腫脹が消失し、皮膚や手の萎縮が著明になる時期。
第3期:手指の拘縮と骨粗懸症が著明になる時期の経過をとる。
治療目的は、①疼痛緩和、②拘縮予防・軽減である。
治療は、①星状神経節ブロック、②ステロイド治療、③アームスリング装着を行う。
リハビリは、①温熱療法、②マッサージ、③関節可動域訓練(自動他動運動)、④巧級動作練習を行う。
『脳卒中治療ガイドライン2009』では、「麻痺の疼痛・可動域制限に対し、可動域訓練は推奨される(グレードB:行うよう勧められる)」としている。
90.脳梗塞で正しいのはどれか。
1.脳動脈瘤の合併が多い。
2.我が国の死因の第1位である。
3.心房細動は脳塞栓の原因となる。
4.くも膜下出血に比べ、発症後の死亡率は高い。
5.原因に関わらず抗血小板薬の投与が行われる。
解答3
解説
1.× 脳動脈瘤の合併が多いのは、「脳梗塞」ではなく脳出血である。脳動脈瘤とは、脳内部の中~小動脈(径1~6mm)に発生する瘤状あるいは紡垂状のふくれた部分のことである。原因として、高血圧や動脈硬化、家族性などが示唆されているが、要因の不明なものが大半を占めている。ちなみに、脳梗塞は、脳の血管が詰まることで血流が遮断され、脳組織が壊死する病気である。動脈硬化や心臓由来の塞栓が主な原因である。
2.× 我が国の死因の第1位であるのは、悪性新生物<腫瘍>である。死因別にみると、死因順位の第1位は悪性新生物<腫瘍>(全死亡者に占める割合は 26.5%)、第2位は心疾患(高血圧性を除く)(同 14.9%)、第3位は老衰(同 10.6%)となっている(データ引用:「令和3年人口動態統計月報年計の概況」厚生労働省HPより)。
3.〇 正しい。心房細動は脳塞栓の原因となる。血栓ができやすいため脳塞栓の原因で最多で、分類として、心原性脳塞栓症に該当する。心房細動とは、心臓がこまかく震えている状態である。特徴として、心房の興奮が形・大きさともに不規則であり、基線が揺れている(f波)。心房が正常に収縮しないためにP波が消失し、QRS波が不規則である。
4.△ ※わかる方いたらコメントください。くも膜下出血に比べ、発症後の死亡率は、「高い」。死因別にみると、死因順位の4位に脳血管疾患があげられ、脳血管疾患の中で、脳梗塞(58487人)→脳内出血(32205人)→くも膜下出血(10946人)の順で死亡している(データ引用:「令和3年人口動態統計月報年計の概況」厚生労働省HPより)。ただし、国立循環器病研究センターからは、脳卒中で入院後30日以内の死亡率も公表されており、 こちらのデータによると、脳梗塞は4.4%、脳内出血は16.0%、くも膜下出血は26.6%である。
5.× 原因に関わらず抗血小板薬の投与が行われるものではない。むしろ、抗血小板薬は、狭窄の原因となる動脈硬化や血栓を予防する薬である。ちなみに、脳梗塞の治療は、発症時間に大きく左右される。発症から4~5時間以内の脳梗塞に対しては、血栓溶解療法(t-PA療法)という治療が行われる。初期対応は予後に大きく関わるため迅速に対応する必要がある。