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第54回(H31) 理学療法士国家試験 解説【午後問題11~15】

 

次の文により11、12の問いに答えよ。
頚髄損傷者の立ち上がり動作を図に示す。
11. Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類における機能残存レベルはどれか。

1. C5A
2. C5B
3. C6A
4. C6BⅡ
5. C7A

解答
解説
Zancolliの分類は、作用筋と筋の機能によって分類されており、機能再建を考えるうえで有用な評価方法である。
C6残存レベルでの起き上がり方法は主に3種類あり、①モノにつかまって起き上がる方法、②「くの字」に体幹を屈曲してから起きる方法、③一側ずつ肘伸展位でロックして起き上がる方法がある。
C6BⅠでの起き上がり動作は、柵を用いたベッド上での起き上がりでないと行えない。C6BⅡでの起き上がり動作は、支持物のない状態では一側ずつ肘伸展位でロックして起き上がる方法で可能となる。C7Aでは、肘関節伸展・手指伸展が可能となり、一側ずつ肘伸展位でロックして起き上がる必要はない。よって、解答は、4. C6BⅡである。

 

 

 

12. この患者において機能していると推測される筋はどれか。

1. 円回内筋
2. 深指屈筋
3. 上腕三頭筋
4. 長母指伸筋
5. 尺側手根伸筋

解答
解説
C6BⅡは、基本機能は手関節背屈が可能であるが、BⅡは手関節背屈が強い。円回内筋は作用するが、橈側手根屈筋は作用しない。つまり、1. 円回内筋が正解となる。
ちなみに、C6A は、円回内筋、橈側手根屈筋ともに作用しない。C6BⅢは、円回内筋、橈側手根屈筋、上腕三頭筋と作用する。

 

 

 

13. 75歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。平行棒内歩行にて立脚相で図のような状況を呈した。立位歩行練習時の患側への対応で適切ではないのはどれか。

1. 踵部の補高
2. 短下肢装具の使用
3. 膝屈曲位での立位保持練習
4. 前脛骨筋の治療的電気刺激
5. 下腿三頭筋へのタッピング

解答
解説
図から立脚相に麻痺側が反張膝であることが分かる。したがって、下腿三頭筋の緊張の軽減、足関節背屈筋群の活動強化などが必要になってくる。主に反張膝になる原因は4つあり、①膝関節伸展筋の筋力低下、②固有感覚障害による代償、③足関節底屈筋の痙性、④足関節底屈拘縮である。
1. 〇:踵部の補高することで、下腿三頭筋はゆるみ下腿が前傾する方向にモーメントが働き、膝関節屈曲位になりやすくなる。ただ膝折れには注意する。
2. 〇:短下肢装具の使用で、足関節底背屈の角度を調整でき、痙性に効果的であるため、反張膝のコントロールに有効である。
3. 〇:膝屈曲位での立位保持練習は、正しい固有感覚を入れ、分離運動獲得のため有効である。
4. 〇:前脛骨筋の治療的電気刺激は、下腿三頭筋の拮抗筋であり相反抑制によって下腿三頭筋の筋緊張を低下させる効果が期待できる。
5. ×:下腿三頭筋へのタッピングは、さらなる筋収縮を助長する。したがって、痙縮があると考えられる下腿三頭筋に行うと、筋収縮により更なる反張膝を助長するので不適切である。拮抗筋である前脛骨筋に対してタッピングは効果的である。

 

 

 

14. 40歳の男性。長時間の立位により右下肢の疼痛が生じるようになったため受診し腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立位で踵の挙上ができなかった。重度の感覚鈍麻が疑われる部位はどれか。

1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤

解答
解説
腰椎椎間板ヘルニアと診断され、右の片脚立位で踵の挙上(足関節底屈:S1)ができないことからS1が障害されていることが分かる。そこからデルマトームのS1領域を理解すると解答できる。
1. ×:L3領域である。
2. ×:L4領域である。
3. ×:L4領域である。
4. 〇:正しい。S1領域である。
5. ×:L5領域である。

 

 

 

15. 脊髄損傷患者のトランスファーボードを用いた車いすからベッドへの移乗動作を図に示す。この動作を獲得目標とする残存レベルはどれか。

1. C5
2. C6
3. C7
4. C8
5. T1

解答
解説
ベッドの側方移乗はC7残存レベルで可能となるが、図をよく観察するとトランスファーボードを使用し、患者も完全肘伸展位でロックした状態で移乗を行っている。したがって、肘伸展筋を使用した横移乗ではない。つまり、解答は、2. C6である。

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