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46 転換性障害の性格傾向はどれか。2つ選べ。
1.強迫性
2.依存性
3.愛他性
4.演技性
5.攻撃性
解答2/4
解説
転換性障害は、無意識領域下に抑圧されたストレスや葛藤が、知覚あるいは随意運動系の身体症状に変換された反応である。①演技性、②自己愛性、③依存性などの特徴的な性格がみられることも多く、性格の未熟性が身体症状の出現の原因になりうる。
1.× 強迫性は、主に強迫性障害でみられる。
2.〇 正しい。依存性(かまってちゃん)/演技性(わざとらしさ)は、転換性障害の性格傾向である。
3.× 愛他性ではなく、自己愛が強い傾向にある。
5.× 攻撃性は抑圧傾向である。
47 摂食障害患者の作業療法で特徴的にみられるのはどれか。
1.従順
2.不注意
3.易怒性
4.表面的対応
5.他者への干渉
解答4
解説
摂食障害には、①神経性無食症、②神経性大食症がある。共通して肥満恐怖、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤の使用抑うつの症状がみられる。作業療法場面での特徴として、過活動、強迫的なこだわり、抑うつ、対人交流の希薄さ、表面的な対応がみられる。患者の性格として、細かい数値へのこだわり(①体重のグラム単位での増減、②この食べ物はあの食べ物より〇カロリー多いなど)がみられる。
【摂食障害の作業療法のポイント】
①ストレス解消、②食べ物以外へ関心を向ける、③自信の回復(自己表出、他者からの共感、自己管理)、④過度の活動をさせない、⑤身体症状、行動化に注意する。
【性格的特徴】
①強情、②負けず嫌い、③執着心が強い、③極端な行動に及びやすい。
1.× 従順ではなく、頑固な傾向である。なぜなら、食に関するこだわりが強いなどのため。
2.× 不注意がみられるのは、ADHD(注意欠如・多動症)である。過活動であるが、不注意はみられない。
3.× 易怒性ではなく、他者への干渉は希薄である。
4.〇 正しい。表面的対応は、摂食障害患者の作業療法で特徴的にみられる。対人交流を好まない。
5.× 他者への干渉は希薄である。背景に抑うつ状態になりやすい傾向があるため。
48 精神遅滞の患者に対して行う作業療法で適切でないのはどれか。
1.レクリエーション
2.自律訓練法
3.集団活動
4.創作活動
5.SST
解答2
解説
1.〇 レクリエーションは、精神遅滞の患者に対して行う。なぜなら、レクリエーションは本人の好奇心を呼び起こし、楽しみながら参加できる上、他人との交流も盛んとなるため。
2.× 自律訓練法は、精神遅滞の患者に対して行わない。自律訓練法はストレス緩和、心身症、神経症などに適応となる。自己催眠法の手続きの一つで、リラックスを促し
3.〇 集団活動は、精神遅滞の患者に対して行う。なぜなら、精神遅滞の患者は、対人交流が苦手であるため。集団活動によって対人交
4.〇 創作活動は、精神遅滞の患者に対して行う。なぜなら、創作活動を行うことで、好奇心を呼び起こし達成感を得られるため。作業は細かく段階づけられているものが良い。
5.〇 SST(社会生活技能訓練)は、精神遅滞の患者に対して行う。SST(社会生活技能訓練)は、慢性精神障害者の自立支援を目的として作られたものである。日常的な生活場面で適切な行動が取れるようになる。
49 広汎性発達障害に対する作業療法でみられる症状はどれか。
1.行為心迫
2.常同行動
3.解離症状
4.離脱症状
5.陰性症状
解答2
解説
広汎性発達障害とは、相互社会関係とコミュニケーションのバターンにおける質的障害、および限局した常同的で反復的な関心と活動の幅によって特徴づけられる一群の障害である。1つのことにこだわり、他者との交流が苦手である。通常、精神遅滞を伴う。
1.× 行為心迫は、主に躁病にみられる。ちなみに、行為心迫は、落ち着きがなく、思いついたことをすぐに行動に移さないとすまないことである。
2.〇 正しい。常同行動は、広汎性発達障害に対する作業療法でみられる症状である。興味、関心が著しく制限され、限られた対象に執着する常同行動がみられる。
3.× 解離症状は、主に解離性障害にみられる。ちなみに、解離症状とは、意識、記憶、同一性、または環境の知覚といった通常は統合されている機能の破綻のことを指す。
4.× 離脱症状は、主にアルコール依存症や薬物依存症の患者が、依存物質の使用を急にやめた時にみられる。ちなみに、離脱症状とは、常用していた物質が無くなったために生じた不都合な症状(タバコを吸いたいと強く思う、集中できない、頭痛)を指す。
5.× 陰性症状は、主に統合失調症にみられる。ちなみに、陰性症状とは、本来あるべきものがないという感情鈍麻や、意欲の低下などを指す。
50 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で正しいのはどれか。
1.任意入院には精神保健指定医の診察は必要ない。
2.医療保護入院では保護者の退院請求で退院できる。
3.自傷他害の可能性がある場合は医療保護入院とする。
4.措置入院の患者に対して作業療法を行うのは禁止されている。
5.20歳以上の者の医療保護入院の場合は自動的に親が保護者になる。
解答1
解説
1.〇 正しい。任意入院には、精神保健指定医の診察は必要ない。任意入院とは、本人の同意に基づく入院であり、非指定医の診察で入院が可能である。本人の意思により退院が可能である。
2.× 医療保護入院では、保護者だけの退院請求では退院できない。医療保護入院とは、入院を必要とする精神障害者で、本人の同意がなくても、精神保健指定医の診察及び保護者の同意があれば、入院させることができる制度である。退院は、精神科病院の管理者の判断と、保護者の同意により決められる。
3.× 自傷他害の可能性がある場合は、医療保護入院ではなく、措置入院とする。自傷他害のおそれのある患者に対して、2名の精神保健指定医が入院の必要性を認めた場合、都道府県知事の権限で行われるのは措置入院である。
4.× 措置入院の患者に対しても、医師からの依頼があれば、作業療法を行う。
5.× 20歳以上の者の医療保護入院の場合は、結婚の有無によって親か配偶者が保護者になる。ちなみに、患者が20歳未満の場合は、自動的に両親(親権を行うもの)が保護者となる。患者が20歳以上で独身の場合は、親が家庭裁判所で選任を受けて保護者となる、また患者が20歳以上で配偶者がいる場合は、配偶者が保護者になる必要がある。