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81 系統的脱感作法が用いられる心理療法はどれか。
1.森田療法
2.集団精神療法
3.精神分析療法
4.認知行動療法
5.支持的精神療法
解答4
解説
系統的脱感作法は、まず患者に不安状態から筋弛緩状態を作る方法(深呼吸するようなもの)を習得させる、患者に応じた刺激の強さと不安の大きさとの関係をあらかじめ表にまとめておき(不安階層表)、不安を感じない程度の弱い刺激から与え、徐々に刺激を増強しても不安を感じないようにする方法である。
1.× 森田療法は、神経症理解に基づいて考案された訓練療法である。森田療法は、目的・行動本位の作業を繰り返すことにより、症状にとらわれず、症状をあるがままに受け入れながら生活できるようにする方法である。
2.× 集団精神療法は、参加者同士の相互作用を利用し、各自の問題点を明らかにして治療を促進する方法である。アルコール依存症の断酒会などが含まれる。
3.× 精神分析療法は、自由連想法により無意識のうちに抑圧されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせるというものである。神経症性障害に適応がある。
4.〇 正しい。認知行動療法は、系統的脱感作法が用いられる心理療法である。認知行動療法とは、自然に頭に浮かんだ考えを記録して、個人の信念や思考様式をもとに思考のプロセス(認知プロセス)を把握し、より合理的な考え方や行動ができるように導く方法である。
5.× 支持的精神療法は、患者の自我の弱い部分をサポートすることで、患者が症状に耐えて生活できる適応能力を身につけさせる方法である。
82 脳卒中治療ガイドライン2004で推奨グレードが低いのはどれか。
1.歩行能力改善のためのトレッドミル訓練
2.歩行改善のための筋電図バイオフィードバック
3.麻痺側手関節の背屈筋の筋力増強のための電気刺激
4.歩行の妨げとなっている内反尖足へのフェノールブロック
5.運動障害改善のためのファシリテーション(神経筋促通手技)
解答5
解説
1.〇 歩行能力改善のためのトレッドミル訓練は、グレードB(行うよう勧められる)である。トレッドミル訓練、免荷式動力型歩行補助装置を用いることで、脳卒中患者の歩行の改善をはかれる。
2.〇 歩行改善のための筋電図バイオフィードバックは、グレードB(行うよう勧められる)である。慢性期の脳卒中で下垂足がある患者には機能的電気刺激(FES)が勧められるが、治療効果の持続は短い。
3.〇 麻痺側手関節の背屈筋の筋力増強のための電気刺激は、グレードB(行うよう勧められる)である。
4.〇 歩行の妨げとなっている内反尖足へのフェノールブロックは、グレードB(行うよう勧められる)である。フェノールブロックは、神経破壊薬である。ちなみに、フボツリヌストキシンは、神経筋接合部遮断薬である。内反尖足に、脛骨神経または下腿底屈筋運動点に用いることが勧められる。
5.× 運動障害改善のためのファシリテーション(神経筋促通手技)は、グレードC1(行うことを考慮してもよいが、十分な科学的根拠がない)である。神経筋促通手技は、①Bobath法、②PNF法、 ③Davis法などが含まれる。
(※参考資料:脳卒中治療ガイドライン2004より)
A:行うよう強く勧められる。
B:行うよう勧められる。
C1:行うことを考慮してもよいが、十分な科学的根拠がない。
C2:科学的根拠がないので勧められない。
D:行わないよう勧められる。
83 ユニバーサルデザインについて正しいのはどれか。
1.障害者に特化する。
2.対象は日常生活用品に限らない。
3.安全のためにアクセスを制限する。
4.視覚に働きかけることに主眼を置く。
5.絵文字(ピクトグラム)表示は含まれない。
解答2
解説
ユニバーサルデザインとは、障害の有無だけでなく、老若男女・能力・言語の違いを問わず、誰でも利用可能な製品・設計・情報のデザインのことである。
【ユニバーサルデザイン7原則】
①公平、②柔軟、③簡単、④理解、⑤安全、⑥省力、⑦空間
1.× 「障害者に特化する」のではなく、老若男女・能力・言語の違いを問わず誰でも利用可能な製品・設計・情報のデザインのことである。
2.〇 正しい。対象は、日常生活用品に限らない。日常生活用品のみでなく、施設や情報等もデザインする幅広い概念である。例えば、ノンステップバス、自動ドア、多目的トイレなど。
3.× 安全のためにアクセスを制限する必要はなく、むしろ誰でも利用可能な安全なデザインを用いる。
4.× 視覚に働きかけることに主眼を置く必要はなく、視覚障害者に限らず誰でも使用可能なものとする。
5.× 絵文字(ピクトグラム)表示も含まれる。わかりやすさ(理解)も追求している。
84 NICUでハンドリングを行う場合のリスク管理で留意すべき児の変化として適切でないのはどれか。
1.心拍数
2.呼吸の状態
3.皮膚の色
4.原始反射の有無
5.動脈血酸素飽和度
解答4
解説
一般的なハンドリングは、取り扱い、処理、操作、対処、対応などの意味を持つ英単語である。
リハビリテーションでのハンドリングは、運動誘導を行うテクニックとして表現されることが多い。
NICUのハンドリングは、体位変換やオムツ交換などケア中の児の扱い方を丁寧にすることで、児にストレスがかからないようにする意味を含んでいる。
1〜3.5.〇 心拍数/呼吸の状態/皮膚の色/動脈血酸素飽和度は、NICUでハンドリングを行う場合のリスク管理で留意すべき児の変化である。バイタルサインや皮膚の色は、チアノーゼや黄疸、呼吸不全など児の変化がおおよそ掴むことができる。
4.× 原始反射の有無は、リスク管理で留意すべき児の変化の指標としては使えない。なぜなら、原始反射は新生児ではみられて正常であるため。原始反射は知覚や姿勢に入力された刺激が大脳の指令を受けずに脊髄や脳幹レベルで処理されることで、無意識下で筋肉が動く現象である。随意運動が発達すると徐々に原始反射は消失する。これは、新生児期の反射中枢は脊髄レベルであり、月齢とともに、脳幹部、中脳、大脳皮質と反射中枢は高次に達するため。
85 膝関節前十字靱帯損傷の検査はどれか。2つ選べ。
1.Apleyテスト
2.Lachmanテスト
3.内反ストレステスト
4.前方引き出しテスト
5.後方引き出しテスト
解答2/4
解説
1.× 一般的にApleyテスト(アプレーテスト)といっても、アプレー・スクラッチテスト(Apley scratch test)やアプレー圧迫・牽引テストとApleyとつくテストがいくつかある。アプレー・スクラッチテスト(Apley scratch test)は、棘上筋腱の変性性筋炎を疑う。アプレー圧迫テストは半月板損傷、アプレー牽引テストは、側副靭帯損傷を疑う。
2.〇 正しい。Lachmanテスト(ラックマンテスト)は、膝関節前十字靱帯損傷の検査である。背臥位で膝関節を20~30度屈曲させて、下腿部近位端を斜め前方へ引き出す。陽性の場合、脛骨は止まることなく前方に出てくる。
3.× 内反ストレステストは、外側側副靭帯損傷の検査である。背臥位にて患側膝30°屈曲位と伸展位の両方で、検者は内反方向にゆっくりと強制する。
4.〇 正しい。前方引き出しテストは、膝関節前十字靱帯損傷の検査である。背臥位にて患側膝90°屈曲位で、検者は下腿を前方に引く。陽性の場合、脛骨は止まることなく前方に出てくる。
5.× 後方引き出しテストは、後十字靭帯損傷の検査である。背臥位にて患側膝90°屈曲位で、検者は下腿を後ろ方に押す。陽性の場合、脛骨は止まることなく後方に押し込める。