第47回(H24) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題81~85】

 

81 面接における傾聴的な態度はどれか。

1.相づちを打つ。
2.行動の理由を説明させる。
3.事実関係を正確に確認する。
4.患者の感情に焦点を当てない。
5.話が途切れそうになったら新たな話題を提供する。

解答1

解説

代表的なコミュニケーション・医療面接のテクニック

①共感、②促し、③繰り返し、④解釈、⑤反映、⑥直面化、⑦正当化

1.〇 正しい。相づちを打つことは、傾聴的な態度である。傾聴とは、患者の話を遮らないようにもっぱら聞く態度であり、そのこと自体が精神療法的な意味をもつ。単に聞き流すのではなく、そこから患者の思いを汲み取ることが必要であるが、出来る限り介入を避け、患者に自由に語ってもらうことが必要である。
2.× 行動の理由を説明させることは、傾聴的な態度とはいえない。傾聴的な態度は、まず患者の思いや考えを率直に聞き、受け止めることが重要である。
3.× 事実関係を正確に確認することは、傾聴的な態度とはいえない。傾聴的な態度は、正確さを追求することよりも、まず、患者の思いや考えを率直に聞き、受け止めることが重要である。
4.× 患者の感情に焦点を、当てないのではなく当てることが傾聴的な態度である。傾聴的な態度は、まず、患者の思い考えを率直に聞き、受け止めることが重要である。患者の話の内容だけではなく、非言語コミュニケーション(姿勢、表情、声の調子、目や手足の動きなど)にも注意を払う。
5.× 話が途切れそうになったら新たな話題を提供することは、傾聴的な態度とはいえない。話が途切れた沈黙の間に、患者の考えをまとまったり、話したことで整理ができ解決の手段が出てきたりと重要な意味を持つ。したがって、沈黙の意味を考えながら患者が次に話し出すことを待つようにする。

 

 

 

 

 

 

82 長期臥床による不動化の影響として正しいのはどれか。

1.筋節長の延長
2.疼痛閾値の低下
3.関節不安定性の出現
4.脊髄前角細胞数の減少
5.血中カルシウム濃度の低下

解答2

解説

長期臥床の影響

①筋力低下(不動化により全身の筋肉の廃用性萎縮)
②関節可動域制限(筋性拘縮:筋節長の短縮)
③下肢からの静脈還流量の低下(心肺機能が低下)
④心拍出量の減少、脈拍数の増加、最大酸素摂取量の減少など。

1.× 筋節長は、延長ではなく短縮する(筋性拘縮)。それにより関節可動域制限をきたす。
2.〇 正しい。疼痛閾値の低下は、長期臥床による不動化の影響である。なぜなら、長期臥床により通常入力されている末梢から刺激が減弱されるためである。
3.× 関節不安定性の出現の原因は、繰り返す捻挫や歩行時の足首周囲の不安感などが原因となる。長期臥床による関節の影響は、関節の可動域の制限(筋性拘縮:筋節長の短縮)である。むしろ関節は過剰に安定化(固定化)に働き、可動域が減少する。
4.× 脊髄前角細胞数は、減少ではなく変化しない。ただし、筋萎縮による細胞そのものは変化する。
5.× 血中カルシウム濃度は、低下ではなく増加する。なぜなら、長期臥床により、骨芽細胞による骨形成の低下と破骨細胞による骨吸収の亢進を招くため。

 

 

 

 

 

 

83 発症早期の多系統萎縮症で頻度が低いのはどれか。

1.認知症
2.尿失禁
3.動作緩慢
4.起立性低血圧
5.姿勢反射障害

解答1

解説

多系統萎縮症とは?

多系統萎縮症とは、神経系の複数の系統(小脳、大脳基底核、自律神経など)がおかされる疾患で、3つのタイプがある。小脳や脳幹が萎縮し、歩行時にふらついたり呂律がまわらなくなる小脳失調型、大脳基底核が主に障害され、パーキンソン病と同じような動作緩慢、歩行障害を呈する大脳基底核型、もうひとつは自律神経が主に障害され起立性低血圧や発汗障害、性機能障害などがみられる自律神経型である。

1.〇 正しい。認知症は、発症早期の多系統萎縮症で頻度が低い。多系統萎縮症で大脳白質病変を伴うことがあり、認知症を合併することもあるが頻度は低い。主に小脳脳幹自律神経が萎縮するため早期症状はそこから選択する。
2.4.× 尿失禁/起立性低血圧は、自律神経症状として早期に生じる。
3.5.× 動作緩慢/姿勢反射障害は、パーキンソニズムとして早期に生じる。ただし、多系統萎縮症でみられるパーキンソニズムは筋強剛が目立ち、振戦が少ない特徴を持つ。

 

 

 

 

 

 

84 クリニカルパスについて誤っているのはどれか。

1.新人教育に役立つ。
2.治療を標準化できる。
3.在院日数を短縮できる。
4.職種ごとに個別のパスを用いる。
5.インフォームドコンセントの説明内容が充実する。

解答4

解説

クリニカルパスとは?

クリニカルパスとは、ある疾患において主に入院時に患者に手渡しされる。①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。医療者用と患者用(説明用)が作成されている

【目的・効果】
①同一疾患の患者に対する医療の質の均一化(標準化)・向上。
②医療従事者間での情報共有。
③患者満足度の向上。
④入院患者の在院日数短縮・効率化。
⑤医療コストや資源の節約。
⑥医療事故防止。

1.〇 新人教育に役立つ。①同一疾患の患者に対する医療の質の均一化(標準化)・向上する効果があげられ、新人スタッフの業務内容の習得の役に立つ。
2.〇 治療を標準化できる。クリニカルパスは、①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。
3.〇 在院日数を短縮できる。なぜなら、クリニカルパスにより、不必要な検査にかかる予定、計画、実行(無駄な時間)を省くことができるため。
4.× 職種ごとに個別のパスを用いることはしない。クリニカルパスは、医療従事者が一人の患者にかかわるすべての職種のスケジュールが組み込まれているため、②医療従事者間での情報共有のツールとなる。
5.〇 インフォームドコンセントの説明内容が充実する。クリニカルパスは、①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。ちなみに、インフォームドコンセントとは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味し、医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を決定し、同意のうえで医療を行うことを指す。

 

 

 

 

 

 

85 1本の神経線維を電気刺激した場合の興奮伝導の説明で誤っているのはどれか。

1.興奮は両方向に伝わる。
2.興奮は太い線維ほど速く伝わる。
3.有髄線維では跳躍伝導が起こる。
4.興奮は隣接する別の線維に伝わる。
5.興奮の大きさは変わらずに伝わる。

解答4

解説

神経線維の興奮伝導の4原則

①絶縁性(隔絶) 伝導:隣接する他の神経線維を興奮させない。
②不減衰伝導:興奮は減衰しない。
③両方向 (両側) 性伝導:興奮は両方向に伝導する。ただし、シナプスからの出力は原則一方向性である。
④等速伝導:1本の軸索上を興奮は一定の速度で伝導していく。ただし、有髄線維では跳躍伝導が起こる。

1.〇 興奮は両方向に伝わる。両方向 (両側) 性伝導の原則に当てはまる。ただし、シナプスからの出力は原則一方向性である。
2.〇 興奮は太い線維ほど速く伝わる。なぜなら、直径の大きい線維の方が線維の内部の抵抗が小さくなるため。神経線維の興奮伝導は、神経線維の直径に比例し、温度が高い方が速い。また一般に、感覚神経は運動神経よりも速い。興奮は減衰せずに軸索上を等速で伝導し、隣接する他の神経線維を興奮させない。
3.〇 有髄線維(ランヴィエ絞輪の間)では跳躍伝導が起こる。等速伝導(1本の軸索上を興奮は一定の速度で伝導していく)が、有髄線維(ランヴィエ絞輪の間)では跳躍伝導が起こる。
4.× 興奮は隣接する別の線維に伝わらない。なぜなら、絶縁性(隔絶) 伝導であるため。
5.〇 興奮の大きさは変わらずに伝わる。不減衰伝導の説明に当てはまる。

 

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