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46.第10胸髄節以下の完全対麻痺者の交互歩行実現を目的として開発された装具はどれか。2つ選べ。
1.Craig-Scott brace
2.MSH-KAFO
3.DACS AFO
4.HRC
5.RGO
解答2/5
解説
1.× Craig-Scott brace(スコット・クレイグ長下肢装具)は、第2腰髄残存機能レベルの対麻痺患者に用いる。第2腰髄残存機能レベルは、股関節屈筋群・内転筋群・大腿四頭筋が一部機能し、歩行時に下肢を振り出すことが可能となる。
2.5.〇 正しい。MSH-KAFO(a HKAFO with a medial single hip joint:Walkabout:内側股継手付き両長下肢装具)/RGO(Reciprocating Gait Orthosis:交互歩行装具)は、第10胸髄節以下の完全対麻痺者の交互歩行実現を目的として開発された装具である。これらの他に、HGO(Hip guidance orthosis)がある。RGO、 HGOの特徴として、股継手が股関節外側にある(車椅子上での装着困難)。一方、MSH-KAFOの特徴として、股継手が両下肢間にある(あらかじめ使用を想定した車椅子であれば装着が可能)。
3.× DACS AFO(Dorsiflexion Asisst Controlled by Spring)は、短下肢装具である。特徴として、踵接地時に底屈時に働く背屈補助のモーメントを調節することを目的として開発されている。
4.× HRC(HRC knee brace)は、反張膝用装具である。
47.無作為化比較試験で誤っているのはどれか。
1.群間で基本特性に差のないことが前提となる。
2.介入効果を明らかにすることが目的である。
3.患者の希望によって治療法を割り付ける。
4.質の高い工ビデンスが期待できる。
5.高い追跡率が求められる。
解答3
解説
無作為化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial、ランダム割付比較試験)とは、症例群と対照群のどちらかになるかを無作為割付によって決め、比較試験を行う方法である。つまり、対象者を無作為に介入群(検診など、決められた方法での予防・治療を実施)と対照群(従来通りまたは何もしない)とに割り付け、その後の健康現象(罹患率・死亡率)を両群間で比較するものである。無作為割付によって、既知・未知の交絡を制御することが期待されることから、他のデザインと比べてエビデンスレベルは最も高い。デメリットとして、大規模になり時間がかかるため莫大な費用を要し容易には施行できない。
1.〇 群間で基本特性に差のないことが前提となる。なぜなら、両群ともに同一の標本でなければ比較することができないため。
2.〇 介入効果を明らかにすることが目的である。したがって、新しい治療法や新薬が従来のものより優れているかどうかを検討することが目的とされることが多い。他のデザインと比べてエビデンスレベルは最も高い。
3.× 治療法を割り付けるのは、「患者の希望」ではなく「無作為=ランダム」である。ただし、施行中に両群に明らかな差がみられた場合(新薬の有効性が認められ、これを用いない比較群の治療法が患者にとって明らかに不利益となるなど)は試験を中止して結果の良い方に変更しなければならない。
4.〇 質の高い工ビデンスが期待できる。なぜなら、バイアスが少ないため。
5.〇 高い追跡率が求められる。したがって、大規模になり時間がかかるため莫大な費用を要す。しっかりと患者を追跡しないとデータが集まらない。
48.ユニバーサルデザインで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.使用法が複雑である。
2.使用法の自由度が高い。
3.健常者には使いにくい。
4.建造物にも適用される。
5.使用法を誤った場合のリスクが高い。
解答2/4
解説
ユニバーサルデザインとは、障害の有無だけでなく、老若男女・能力・言語の違いを問わず、誰でも利用可能な製品・設計・情報のデザインのことである。
【ユニバーサルデザイン7原則】
①公平、②柔軟、③簡単、④理解、⑤安全、⑥省力、⑦空間
1.× 使用法が、複雑ではなく「簡単」である。ユニバーサルデザインとは、障害の有無だけでなく、老若男女・能力・言語の違いを問わず、誰でも利用可能な製品・設計・情報のデザインのことである。
2.〇 正しい。使用法の自由度が高い。自由度が高いとは、縛りのない・縛りが少ない・とらわれないなどの意味を持つ。
3.× 障害の有無だけでなく、老若男女・能力・言語の違いを問わず、誰でも利用可能な製品・設計・情報のデザインのことである。
4.〇 正しい。建造物にも適用される。製品に限らず、空間(施設や建造物)、情報(案内図)にも導入されている。
5.× 使用法を誤った場合でもリスクが低い。誰でも簡便かつ安全に使用できるものである。
49.地域包括支援センターについて正しいのはどれか。
1.都道府県が設置する。
2.要介護者を対象とする。
3.理学療法士の配置は必須である。
4.介護予防事業のマネジメントを行う。
5.通所リハビリテーションの役割を担う。
解答4
解説
地域包括支援センターとは、介護保険法に基づき各市町村によって設置されており、地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。地域包括支援センターの人員基準は、「第1号被保険者(65歳以上の高齢者)3000人~6000人ごとに、保健師、社会福祉士及び主任介護支援専門員(準ずる者を含む)を最低限それぞれ各1人」である。
1.× 「都道府県」ではなく市町村・在宅介護支援センターの運営法人その他の市町村から委託を受けた法人が設置する。介護保険法に基づかれている。
2.× 「要介護者(介護保険対象者だけ)」ではなく全ての高齢者を対象とする。ただし、介護予防事業では要支援1、2および一次予防・二次予防対象者特定高齢者が対象となっている。
3.× 理学療法士の配置は必須ではない。人員基準の3職種(原則として保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士)を配置しなければならない。
4.〇 正しい。介護予防事業のマネジメントを行う。地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。
5.× 通所リハビリテーションの役割はない。基本的に窓口業務だけである。通所リハビリテーション(デイケア)とは、要介護者が老人保健施設、病院、診療所などに日帰りで通い、 生活機能向上のための訓練や、食事・入浴などの生活支援を受けるための施設である。
50.理学療法士及び作業療法士法に規定されている理学療法士に関する内容で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.理学療法を独占業務として行うことができる。
2.免許が取り消された場合、再び与えられることはない。
3.主たる目的は、基本的動作能力の回復を図ることにある。
4.医師の具体的指示によって理学療法としてマッサージを行うことができる。
5.外国の理学療法士免許があれば免許登録をしなくても理学療法を行える。
解答3/4
解説
1.× 理学療法を独占業務として行うことができない。理学療法士・作業療法士は名称独占である。
2.× 免許が取り消された場合であっても、再び与えられることがある。免許を取り消された者であっても、その者がその取り消しの理由となった事項に該当しなくなったとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至ったときは、再免許を与えることができる(第7条3項より)。
3〜4.〇 正しい。主たる目的は、基本的動作能力の回復を図ることにある/医師の具体的指示によって理学療法としてマッサージを行うことができる。理学療法の定義「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えること」(第2条より)。
5.× 外国の理学療法士免許があったとしても、日本で業務に従事する場合には日本の免許登録が必要である。