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81.学習理論に基づく技法を用いた療法はどれか。
1.内観療法
2.箱庭療法
3.交流分析
4.認知行動療法
5.精神分析療法
解答4
解説
学習理論とは、何らかの方法で適応的な考え方や行動パターンを繰り返し強化していくことで、それらを習得させる方法をいう。治療者がモデルを示し、患者が模倣する。
1.× 内観療法は、自分が身近な人からしてもらったことや、迷惑をかけたことなどを繰り返し想起して自己洞察を深める方法である。対象疾患は、神経症性障害などである。
2.× 箱庭療法は、一定の大きさの箱に種々の人形や模型を自由に並べた作品を通して、治療者が患者の非言語的表現を解釈することによって治療を行う。言語表現の未熟な児童にも適応がある。
3.× 交流分析とは、アメリカの精神科医エリック・バーン(E.Berne)が考案した理論体系で、1950年代から発達してきた心理療法のひとつである。交流分析は、自分自身のことや、人と人との間で何が起こっているのかを知りたい人に役に立つ。その交流分析を発展させたエゴグラムは、5つの分類に分けられる。①批判的な親、②養育的な親、③大人、④自由な子供、⑤順応する子供である。
4.〇 正しい。認知行動療法は、学習理論に基づく技法を用いた療法である。認知行動療法とは、自然に頭に浮かんだ考えを記録して、個人の信念や思考様式をもとに思考のプロセス(認知プロセス)を把握し、より合理的な考え方や行動ができるように導く方法である。
5.× 精神分析療法は、自由連想法により無意識のうちに抑圧されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせるというものである。神経症性障害に適応がある。
82.高齢者の長期の安静臥床の影響として正しいのはどれか。2つ選べ。
1.記銘力の低下
2.1回換気量の増加
3.循環血液量の減少
4.安静時心拍数の減少
5.血中力ルシウム濃度の低下
解答1/3
解説
1.〇 正しい。記銘力の低下は、高齢者の長期の安静臥床の影響で生じる。なぜなら、長期臥床により脳血流量が低下するため。有酸素運動が認知症予防につながる。
2.× 1回換気量は、「増加」ではなく減少する。なぜなら、長期臥床により肺機能が低下するため。
3.〇 正しい。循環血液量の減少は、高齢者の長期の安静臥床の影響で生じる。なぜなら、長期臥床により心機能の低下や筋肉量の減少・萎縮するため。血液粘稠度も増し血栓ができやすくなる。
4.× 安静時心拍数は、「減少」ではなく増加する。なぜなら、長期臥床により循環血液量の減少に伴い、1回拍出量は減少するため。脳への酸素供給量を保つため、代償として安静時心拍数が増加する。
5.× 血中力ルシウム濃度は、「低下」ではなく増加する。なぜなら、長期臥床により骨吸収が亢進するため。また、尿中カルシウム濃度も増加する。
83.視床症候群の症候として正しいのはどれか。2つ選べ。
1.めまい
2.重度片麻痺
3.体温の上昇
4.激しい自発痛
5.深部感覚障害
解答4/5
解説
血栓や出血による後大脳動脈の主幹血管の閉塞によって起こる。
①病巣と反対側の軽度な弛緩性麻痺。
②中心性疼痛(視床痛):病巣と反対側の顔面・四肢に生じる発作性で頑固な激痛。
③病巣と反対側の舞踏病ないしアテトーゼ様運動などである。
1.× めまいはみられない。小脳障害などで生じる。
2.× 重度片麻痺はみられない。被殻~内包(錐体路)の障害で生じる。
3.× 体温の上昇はみられない。体温の調整障害(高体温・低体温)は視床下部の障害で生じる。
4~5.〇 正しい。激しい自発痛/深部感覚障害は、視床症候群でみられる。全感覚の障害が起こり、過痛覚もみられる。
84.クリニカルパスの利点として誤っているのはどれか。
1.医療の標準化
2.業務の効率化
3.入院期間の短縮
4.責任所在の分散化
5.患者に対する治療説明への利用
解答4
解説
クリニカルパスとは、ある疾患において主に入院時に患者に手渡しされる。①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。医療者用と患者用(説明用)が作成されている。
【目的・効果】
①同一疾患の患者に対する医療の質の均一化(標準化)・向上。
②医療従事者間での情報共有。
③患者満足度の向上。
④入院患者の在院日数短縮・効率化。
⑤医療コストや資源の節約。
⑥医療事故防止。
1~3.5.〇 医療の標準化/業務の効率化/入院期間の短縮/は、クリニカルパスの利点である。クリニカルパスとは、ある疾患において主に入院時に患者に手渡しされる。①入院から退院までの検査や治療(手術日や投薬内容・期間等)、 ②食事や入浴等についてのスケジュールなどを標準化して示した診療計画表である。医療者用と患者用(説明用)が作成されている。ただし、全ての疾患についてクリニカルバスが適用されるわけではない。
4.× 責任所在は、「分散化」ではなく明確化にする利点がある。医療事故防止を防止になる。
85.小児の切断で正しいのはどれか。
1.5歳児の切断では幻肢が生じる。
2.先天性切断では一側下肢切断が最も多い。
3.後天性切断では一側上肢切断が最も多い。
4.上腕切断では後に脊柱側弯を生じやすい。
5.下腿切断では後に外反膝変形を生じやすい。
解答4
解説
1.× 5歳児の切断では幻肢が生じると断定できない。むしろ、比較的若い5歳では幻肢は起こりにくいといわれている。なぜなら、一般に知覚形成が未熟であるため。ちなみに、幻肢(痛)とは体の一部(通常は手や足)が切断されたにも関わらず、そこに感覚や痛みを感じるものである。
2.× 先天性切断では、「一側下肢」ではなく一側上肢(特に手指)切断が最も多い。先天性切断とは、一次的な子宮内成長阻害、または二次的な正常胚組織の子宮内破壊により、四肢が欠損した状態のことである。
3.× 後天性切断では、「一側上肢」ではなく一側下肢切断が最も多い。外傷群が(51.7%)、疾病群が(48.3%)であり、外傷群が多かった。 原因別では交通事故(25.6%)で、次いで糖尿病(23.9%)、機械事故(18.2%)、末梢動脈疾患(11.4%)の順であった。(データ一部抜粋:国立障害者リハビリテーションセンター病院の補装具診療外来を受診した新規切断者の特徴)
4.〇 正しい。上腕切断では、後に脊柱側弯を生じやすい。なぜなら、体幹にかかる荷重の不均等よるため。
5.× 下腿切断では後に、「外反膝変形」ではなく膝関節屈曲拘縮を生じやすい。