第45回(H22) 作業療法士国家試験 解説【午前問題21~25】

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21 順序尺度はどれか。

1.FIM
2.疾患名
3.職種名
4.実施回数
5.所要時間

解答

解説

データの区分(尺度の種類)

① 量的データ(量的変数):枚数、身長、金額など、数値で推し測ることができ、数字の大小に意味をもつデータのこと。比例尺度と間隔尺度に分けられる。

比例尺度(比尺度):原点があり、間隔や比に意味がある。つまり、原点(0)からの等間隔盛付けができるものをいう。間隔尺度と違い、数値間の比にも意味がある。(例:年齢、身長、血圧)
間隔尺度(距離尺度):目盛が等間隔であるが、数値間の比に意味がない。つまり、数値の差のみに意味がある。等間隔の目盛り付けができるが、原点を持たず、0が絶対的な無を示さないものをいう。(例:気温、年号、知能指数)

② 質的データ(質的変数):好きなスポーツ、血液型、自動車のナンバーなど、単に分類や種類を区別するためだけのデータや、順位、学年など順序に意味があるデータのこと。順序尺度と名義尺度に分けられる。

順序尺度:順序付けができるもの。大小関係はあるものの、間隔には意味はない尺度である。(例:成績、順位、MMT)
名義尺度:数値や名前を割り振ったものである。数値の順序、大きさに意味はない、(例:性別、血液型、学籍番号)

1.〇 正しい。FIMは、順序尺度である。順序尺度とは、順序付けができるもの。(例:成績、順位、MMT)
2~3.× 疾患名/職種名は、名義尺度である。名義尺度とは、数値や名前を割り振ったものである。数値の順序、大きさに意味はない。(例:性別、血液型、学籍番号)
4~5.× 実施回数/所要時間は、比例尺度である。比例尺度とは、原点(0)からの等間隔盛付けができるもの。間隔尺度と違い、数値間の比にも意味がある。(例:年齢、身長、血圧)

 

 

 

 

 

 

22 運動の強度(厚生労働省「健康づくりのための運動指針2006」による)と身体活動との組合せで正しいのはどれか。

1.1MET:散歩
2.1.5METs:階段の昇降
3.3.5METs:掃除機での掃除
4.4METs:アイロンがけ
5.5METs:ベッドメイク

解答

解説

METsとは?

METsは安静座位での体重1㎏当たりが1分間に消費する酸素量を基準(1METs)としている。

1METs = 3.5mL/kg/分

1.× 散歩(歩行速度で異なる)は、「1MET」ではなく「2~3METs」である。
2.× 階段の昇降は、「1.5METs」ではなく「5~6METs」である。
3.〇 正しい。掃除機での掃除は、3.5METsである。
4.× アイロンがけは、「4METs」ではなく「2.3METs」である。
5.× ベッドメイクは、「5METs」ではなく「2.0METs」である。ちなみに、布団を敷く動作は3~4METsである。

(※参考:厚生労働省「健康づくりのための運動指針2006」から)

 

 

 

 

 

 

23 Danielsらの徒手筋力テストを腹臥位で実施するのはどれか。2つ選べ。

1.体幹伸展段階4(Good)
2.頭部屈曲段階3(Fair)
3.肘関節伸展段階2(Poor)
4.股関節内転段階5(Normal)
5.膝関節屈曲段階1(Trace)

解答1・5

解説
1.〇 正しい。体幹伸展段階4(Good)は、腹臥位で実施する。ちなみに、体幹伸展の測定はすべての段階において腹臥位で行う。
2.× 頭部屈曲段階3(Fair)は、背臥位で実施する。ちなみに、頭部屈曲の測定はすべての段階において背臥位で行う。
3.× 肘関節伸展段階2(Poor)は、座位で実施する。ちなみに、肘関節伸展の段階3~5は腹臥位で行う。
4.× 股関節内転段階5(Normal)は、側臥位で行う。股関節内転は段階3~5までは側臥位で行い、段階0~2では背臥位で行う。
5.〇 正しい。膝関節屈曲段階1(Trace)は、腹臥位で実施する。膝関節屈曲は段階2のみ側臥位で行い、それ以外はすべて腹臥位で行う。

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【OT/共通】MMTについての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

24 機能評価法で上肢に特有なのはどれか。2つ選べ。

1.SIAS
2.STEF
3.FQテスト
4.Norrisスケール
5.Fugl-Meyerアセスメント

解答2・3

解説
1.× SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)は、脳卒中の機能障害を定量化するための評価である。運動機能だけでなく感覚障害、高次脳機能障害まで幅広く評価する事ができる。項目は、9種の機能障害に分類される22項目からなる。各項目とも3あるいは5点満点で評価される。
2.〇 正しい。STEF(Simple Test for Evaluating Hand Function)は、機能評価法で上肢に特有である。簡易上肢機能検査で、上肢の動作能力、特に動きの速さを客観的に、しかも簡単かつ短時間(20~30分)に把握するための評価法である。10種類のテストからなり、それぞれ大きさや形の異なる物品を把持して移動させ、一連の動作に要した時間を計測し、所要時間を決められた点数(1~10点)に当てはめて、右手と左手との差を左右別に合計点数を算出する。また参考値との比較も可能である。
3.〇 正しい。FQテスト(finger function quotient test) は、機能評価法で上肢に特有である。手指機能指数テストで、手指の機能障害や改善程度を評価する。
4.× Norrisスケール(Norris Bulbar Scale:NBS) は、筋萎縮性側索硬化症の球麻痺症状の評価として作成され、四肢の動き、反射、筋萎縮、口唇や舌の機能、言葉の明瞭度、食事内容など13項目の尺度をそれぞれ「普通にできる (3点)」から「まったくできない (0点)」までの4段階で評価する。
5.× Fugl-Meyerアセスメント(FMA)は、片麻痺患者の身体機能の回復についての評価である。上肢・手指・下肢の運動機能やバランス、感覚などを226点満点で評価する。上肢運動機能66点、下肢運動機能34点、バランス14点、感覚24点、可動域・疼痛88点からなる。(読み方:フーゲル メイヤー アセスメント)

 

 

 

 

 

 

25 遠城寺式乳幼児分析的発達検査の項目を示す。
  A「人見知りをする」
  B「さじから飲むことができる」
  C「絵本を見て3つのものの名前を言う」
  D「おもちゃを一方の手から他方に持ちかえる」
獲得時期の順番はどれか。

1.B→C→D→A
2.B→D→A→C
3.C→D→A→B
4.D→B→A→C
5.D→A→B→C

解答

解説

A「人見知りをする」
→10~11か月

B「さじから飲むことができる」
→3~4か月

C「絵本を見て3つのものの名前を言う」
→1歳半~1歳9か月

D「おもちゃを一方の手から他方に持ちかえる」
→6~7か月

したがって、選択肢2.B→D→A→Cが獲得時期の順番で正しい。

 

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