【OT/共通】精神症状(精神医学)についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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目次 非表示

OT専門

45回 午後

45 神経症性障害の特徴はどれか。

1.強迫行為は作業遂行を妨げる。
2.離人症は医療機関を変更しやすい。
3.転換性障害には心因性健忘が生じる。
4.身体化障害では症状が固定しやすい。
5.心気症状は作業療法中にはみられない。

解答

解説

神経症性障害とは?

神経症性障害(神経症)とは、不安障害、解離性障害、離人症性障害、身体表現性障害などを総称していう。心因性の機能障害であり、ストレスが原因になり、様々な症状をあらわれる。例えば、恐怖、不安、パニック発作、強迫観念、抑うつ、記憶の喪失などである。神経症性障害患者は、基本的な心身機能や身辺処理能力には問題のない場合が多い。作業療法導入時には、まずは症状に対しての対処法ができているかどうかを評価する。その後、就労の可能性や障害の根本的な原因となっている精神内界の評価を行う流れとなる。

1.〇 正しい。強迫行為は作業遂行を妨げる。強迫性障害とは、自らは不合理だと思っている考えが繰り返し浮かび(強迫観念)、それを打ち消すためにやはり不合理な行為を繰り返してしまうこと(強迫行為)をいう。
2.× 医療機関を変更しやすいのは、「離人症」ではなく「身体化障害(選択肢4)」である。離人症状とは、自己・外界について生き生きとした実感が持てず、現実感が失われた状態であり、統合失調症やうつ病でみられる。現実感を取り戻す手段として、痛みを感じる自傷行為を行うおそれがあるので注意が必要である。
3.× 心因性健忘が生じるのは、「転換性障害」ではなく「解離性障害(離人症)」である。転換性障害とは、転換性障害は、無意識領域下に抑圧されたストレスや葛藤が、知覚あるいは随意運動系の身体症状に変換された反応である。①演技性、②自己愛性、③依存性などの特徴的な性格がみられることも多く、性格の未熟性が身体症状の出現の原因になりうる。
4.× 身体化障害は、症状が「固定」ではなく「変化」しやすい。身体化障害とは、多くの身体的訴えはあるものの、その原因がわからず、そのため患者の主観的苦痛が続いている状態をいう。頭痛や消化器症状、月経不順や異常知覚などのさまざまな身体症状を慢性的に訴える。
5.× 心気症状は作業療法中にもみられる。心気症状は、身体の徴候や症状の誤った解釈のため、病気にかかるあるいはかかっているとの思い込みが6か月以上持続しており、それが著しい苦痛や機能の障害を呈している精神障害である。例:病気ではないのに「自分は癌かもしれない」と思い込むなど。

 

 

 

 

 

46回 午後

39 神経症性障害患者の作業療法で正しいのはどれか。

1.心気症状への傾聴が重要となる。
2.転換症状がある場合は行わない。
3.強迫症状に対しては反復作業を用いる。
4.不安発作が完全に消失するまで行わない。
5.離人症状では自傷行為の可能性を考慮する。

解答

解説

MEMO

神経症性障害とは、心因性の機能障害であり、ストレスが原因になり、様々な症状をあらわれる。例えば、恐怖、不安、パニック発作、強迫観念、抑うつ、記憶の喪失などである。神経症性障害患者は、基本的な心身機能や身辺処理能力には問題のない場合が多い。作業療法導入時には、まずは症状に対しての対処法ができているかどうかを評価する。その後、就労の可能性や障害の根本的な原因となっている精神内界の評価を行う流れとなる。

1.× 必ずしも心気症状への傾聴が重要とはいえない。むしろ傾聴だけでは、疾患へのとらわれを助長するため、別のことに興味を引くよう話題を提供するなどして、症状からの距離を置くような対応を実施する。心気症は、自分が(そうでないのに)重篤な病気に罹患しているに違いないと確信しいている障害である。心気症の原因は不明であるが、ストレスや過労、または患者様自身や家族・知人の病気体験(病死も含め)をきっかけに起こることがある。
2.× 転換症状がある場合でも作業療法は行われる。体を動かすような作業療法は、身体症状の軽減に有効である。転換症状とは、欲求が抑圧されて無意識的な葛藤が生じ、それが感覚系あるいは随意運動系の身体症状(たとえば言や四肢の麻痺)などに置き換えられた(転換された) 症状をいう。解離性(転換性) 障害でみられる。
3.× 強迫症状に対しては、反復作業を用いる優先度は低い。強迫症状とは、不合理性の自覚はありながらもある考えが頭から消えず、それを打ち消すために同じ行為を繰り返し行ってしまうことである。反復作業では、症状が悪化する可能性がある。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②森田療法、③認知行動療法などである。作業療法では、他のことに目を向けさせることによりこだわりを軽減することを目的とする。
4.× 不安発作が完全に消失するまで、作業療法を行わないということはない。不安発作を抱えながらも、作業に集中させることが、逆に不安の軽減につながる。
5.〇 正しい。離人症状では自傷行為の可能性を考慮する。離人症状とは、自己・外界について生き生きとした実感が持てず、現実感が失われた状態であり、統合失調症やうつ病でみられる。現実感を取り戻す手段として、痛みを感じる自傷行為を行うおそれがあるので注意が必要である。

 

 

 

49回 午後

47 厳粛な場所で「バカヤロー」と叫んでしまわないか、繰り返し気にしている患者の病態はどれか。

1.社会恐怖
2.広場恐怖
3.解離性障害
4.強迫性障害
5.身体化障害

解答4

解説
1.× 社会恐怖とは、知らない人の前で他人から注目されるような状況を恐れるものである。赤面恐怖症といわれてきたものに近い。
2.× 広場恐怖とは、強い不安に襲われたときにすぐに逃げられない、または助けが得られそうにない状況や場所にいることに恐怖や不安を抱く状態である。
3.× 解離性障害とは、自己の同一性がなくなる障害である。①解離性健忘(ストレス、外相と関連する出来事が思い出せない)、②解離性遁走(家や職場から突然去ってしまい、過去を忘れている)、③解離性同一性障害(いわゆる多重人格)、④離人症性障害(体や心から引き離される間隔が繰り返し起こる)の4種類がある。
4.〇 強迫性障害にみられる。強迫性障害とは、自分の意思に反して、不合理な考えやイメージが頭に繰り返し浮かんできて、それを振り払おうと同じ行動を繰り返してしまう病気である。厳粛な場所で「バカヤロー」と叫んでしまわないか、繰り返し気にしている患者の病態は、強迫観念といわれるもののである。
5.× 身体化障害とは、それらを説明できる検査所見はないが、疼痛や身体症状を何年にもわたって訴え続け、深刻な心理的苦痛や社会的障害がみられるものをいう。

 

 

 

50回 午後

40 うつ状態の患者の作業療法中にみられる訴えはどれか。

1.「考えが次々に浮かんできます」
2.「考えが声になって聴こえます」
3.「考えが他人に知られます」
4.「考えが全く浮かびません」
5.「考えが急に止められます」

解答4

解説
1.× 考えが次々に浮かんでくる(観念奔逸)は、躁病に特徴的な訴えである。
2.× 考えが声になって聴こえる(考想化声)は、統合失調症に特徴的な訴えである。
3.× 考えが他人に知られる(考想伝播)は、統合失調症に特徴的な訴えである。
4.〇 正しい。考えが全く浮かばない(思考制止)は、うつ病に特徴的な訴えである。
5.× 考えが急に止められる(思考途絶)は、統合失調症などに特徴的な訴えである。

うつ病の症状について

感情面:抑うつ、不安、焦燥。

意欲面:意欲低下(日内変動があり特に朝が悪い)、自殺念慮。

思考面:微小妄想(罪業、貧困、心気)、思考抑止、離人。

身体面:不眠(早期覚醒が多い)、頭重感、めまい、倦怠感。

 

 

 

51回 午前

45 統合失調症患者が「自分は不老不死の薬を開発して人類を救うと突然わかった」と述べた。
 この症状はどれか。2つ選べ。

1. 誇大妄想
2. 作為体験
3. 妄想気分
4. 妄想知覚
5. 妄想着想

解答1/5

解説

 本症例は、自分を過大評価する内容が突然頭に浮かび、そのまま確信している。過大評価という「妄想の内容」と、突然脈絡なく出現するという「妄想の生じ方」に注目する。

1.〇 正しい。誇大妄想とは、自分を過大評価する妄想のことである。素晴らしい発明をしたという内容の発明妄想であり、誇大妄想の一つである。ほかにも、血統妄想、恋愛妄想などがある。
2.× 作為体験とは、自分の思考・感情・行動が外部の力により支配されていると体験する症状である。
3.× 妄想気分とは、特に誘因なく嫌なことが起こりそうだと感じることをいう。
4.× 妄想知覚とは、知覚したことに特別の意味が感じられることをいう。例えば、猫が通ったのを見て「母親が死んだ」と確信する。
5.〇 正しい。妄想着想とは、突然頭に浮かんだことをそのまま確信することをいう。例えば、「自分は世界を変える運命にある」などと確信する。

 

 

 

53回 午前

42 作業療法中に「脳が溶けて流れ出す」と辛そうに訴える患者の症状として考えられるのはどれか。

1.作為体験
2.被害妄想
3.思考奪取
4.体感幻覚
5.連合弛緩

解答4

解説

1.× 作為体験は、「させられ体験」ともいう。「自分の思考や行為が他人によって操られている」という訴えが目立つ。
2.× 被害妄想は、思考内容の障害である。現実ではありえないような内容であり、「何者かに危害を加えられている」と感じる体験である。
3.× 思考奪取とは、自我意識の障害であり,「自分の思考が何者かに抜き取られる」と感じる体験である。
4.〇 正しい。体感幻覚とは、通常感じない身体の異常な感覚であり、知覚障害に分類される.
5.× 連合弛緩は、思考形式の障害である。個々の思考に問題はないが、思考間のつながりがうまくいかず、全体としてのまとまりがなくなった状態をいう。

 

 

 

56回 午前

15 17歳の男子。子供の頃から内向的な性格だが、乳幼児健診等で異常を指摘されたことはない。高校1年時から周囲の物音に敏感となり、「学校で同級生に嫌がらせをされる」と不登校になった。自宅では「向かいの家の住人が自分の行動に合わせて悪口を言う」、家族と外出した街中では「自分の考えたことが知れわたっている」と言うようになり、精神科を受診し、通院治療で状態がある程度改善した後に外来作業療法が導入された。
 この患者でみられやすい症状はどれか。

1. 意識変容
2. 観念奔逸
3. 強迫観念
4. 思考制止
5. 連合弛緩

解答5

解説

本症例のポイント

本症例は、統合失調症の疑いがある。
被害妄想:「向かいの家の住人が自分の行動に合わせて悪口を言う」と感じる。
思考(考想)伝播:「自分の考えたことが知れわたっている」と感じる。

1.× 意識変容は、急性脳症・非痙攣性てんかん重積状態・脳卒中・中枢神経系感染症・薬剤性・心因等により生じる。ちなみに、意識変容とは、意識障害の一種で、幻覚や錯覚、思考の混乱や不安、興奮など異常な言動が生じている状態のことである。 意識混濁が伴って現れることも多い。
2.× 観念奔逸は、主に双極性障害でみられる。ちなみに、観念奔逸は、考えが次々と浮かびだんだんと考えがずれてくることである。
3.× 強迫観念は、主に強迫性障害でみられる。ちなみに、強迫観念は、自分では不合理だとわかっていても絶えず頭に浮かんできてしまう考えのことである。
4.× 思考制止(思考抑制)は、主にうつ病でみられる。ちなみに、思考制止(思考抑制)は、思考の進みが遅く停滞する状態である。
5.〇 正しい。連合弛緩は、主に統合失調症でみられる。思考過程異常であり、個々のアイデアに論理的な結びつきがなくなって話の文脈にまとまりがない状態のことをいう。個々の思考には問題ないことが多い。

 

 

 

 

57回 午前

15 21歳の男性。大学生。1年前から様々な場面で不安感が出現し、急に動悸やめまいがして大量の汗をかくようになった。最近は特に理由もなく、いらいらして落ち着かず、窒息感や脱力感、抑うつ、吐き気がひどくなり、大学にも通えず日常生活にも支障が出るようになった。精神科クリニックを受診し、外来作業療法を受けることになった。
 この患者の作業療法場面でみられる特徴はどれか。2つ選べ。

1.演技的行動
2.呼吸促迫
3.集中困難
4.常同行為
5.連合弛緩

解答2・3

解説

本症例のポイント

・21歳の男性(大学生)。
・1年前から様々な場面で不安感が出現し、急に動悸やめまいがして大量の汗をかくようになった。
・最近は不登校、日常生活にも支障あり。(特に理由もなく、いらいらして落ち着かず、窒息感や脱力感、抑うつ、吐き気がひどい)
→本症例は、全般性不安障害と疑える。全般性不安障害は、日常生活において漠然とした不安を慢性的(ほぼ毎日6ヵ月以上)に感じてしまう病気である。特定の状況に苦手意識を感じる社交不安障害とは異なり、不安を感じる事象が非常に幅広い(漠然とした将来の不安など)ことが特徴である。導入時の作業療法は、軽い運動などで身体的な緊張の軽減を図ることである。治療法として認知行動療法(セルフコントロール)、薬物療法があげられる。
全般性不安障害の症状は、①身体症状と②精神症状である。
①身体症状は、頭痛、頭重、頭の圧迫感や緊張感、しびれ感、そわそわ感、もうろうとする感じ、めまい感、頭がゆれる感じ、自分の身体ではないような感じ、身体の悪寒や熱感、手足の冷えや熱感、全身に脈拍を感じる、便秘や頻尿などである。
②精神症状は、些細なことで不安になる、注意散漫な感じ、記憶力が悪くなる感じ、根気がなく疲れやすい、イライラして怒りっぽい、小さなことが気になる、悲観的になり、人に会うのが煩わしい、寝つきが悪く、途中で目が覚めやすいなどである。

1.× 演技的行動は、広い範囲の対人関係において、過度に注意を引こうとする行動である。演技性パーソナリティー障害の症状の一つである。
2.〇 正しい。呼吸促迫は、この患者の作業療法場面でみられる特徴である。呼吸促拍とは、呼吸が速くなり息苦しくなることである。全般性不安障害の症状の一つである。
3.〇 正しい。集中困難は、この患者の作業療法場面でみられる特徴である。集中困難とは、不安感にかられ作業に集中することができなくなることである。全般性不安障害の症状の一つである。
4.× 常同行為は、同じ行為・言語・姿勢などを長時間にわたって反復・持続する症状である。自閉症や知的障害などの発達障害前頭側頭型認知症に見られる症状の一つである。
5.× 連合弛緩は、思考のテーマが次々と脈絡なく飛躍し、連想に緩みが生じて話にまとまりがなくなる症状である。統合失調症の症状の一つである。これが高度になると支離滅裂な思考となる(滅裂思考)となる。

 

 

共通問題

45回 午前

97.「細部に拘泥して重要なことを要領よく話すことができない」症状はどれか。

1.保続
2.迂遠
3.思考制止
4.思考途絶
5.観念奔逸

解答2

解説

拘泥(こうでい)

ほかに選びようもあるのに、一つの事にこだわること。

1.× 保続とは、新しい会話内容に対して、前の会話での観念が繰り返し現れて思考が進まない状態いう。認知症などの器質性脳疾患でみられる。
2.〇 正しい。迂遠(うえん)は、「細部に拘泥して重要なことを要領よく話すことができない」症状である。非常に周りくどく説明し、なかなか思考の目標に達しない状態をいい、認知症やてんかんなどでみられる。
3.× 思考制止とは、観念が思うように浮かばず、思考がうまく進まない状態である。うつ病でみられる。
4.× 思考途絶とは、思考が途中で急に停止することをいう。統合失調症でみられる。
5.× 観念奔逸とは、考えが次々と方向も決まらずにほとばしり出る状態である。躁病でみられる。

 

 

 

 

46回 午前

98.「自分の周辺でただならぬ事件が起こっている気配がして不気味だ」という訴えはどれか。

1.強迫観念
2.社会恐怖
3.妄想気分
4.作為体験
5.支配観念

解答3

解説

1.× 強迫観念は、主に強迫性障害でみられる。ちなみに、強迫観念は、自分では不合理だとわかっていても絶えず頭に浮かんできてしまう考えのことである。
2.× 社会恐怖(症)=社交(社会)不安障害は、対人場面において、過剰な不安や緊張が誘発されるあまり、動悸・震え・吐き気・赤面・発汗などの身体症状が強く発現する。
3.〇 正しい。妄想気分は、なんとなく不気味な気分「不気味な何かが起こりそうだ」という一次妄想である。一次妄想は、その生じ方が心理的に了解できないのに対して、二次妄想は妄想の発生が(なんとか)了解・可能なものとなる。したがって、「自分の周辺でただならぬ事件が起こっている気配がして不気味だ」という訴えは妄想気分といえる。
4.× 作為体験(させられ体験)とは、自分が他者に操られ、他者の意のままに行動させられているという体験である。 統合失調症にみられる。
5.× 支配観念とは、強い感情を伴った思考あるいは観念が精神生活全体を支配し、それが長期にわたって持続するものをいう。つまり、ある一つの考えが感情に結びつき、他の思考を押しのけて優先し持続している状態のことをいう。特定の精神疾患に結びつくものではない。

 

 

 

46回 午後

96.いつも右足から踏み出さねばならないという思考の異常はどれか。

1.保続
2.迂遠
3.作為体験
4.思考化声
5.強迫観念

解答5

解説

1.× 保続とは、ある行動が望まれたり求められたりしていない場合や、その行動が適切ではない場合でも、やり続けることである。遂行機能障害にみられる。
2.× 迂遠とは、迂遠とは話が長く、回りくどい状態を指す。回りくどいが、結論には至ること。統合失調症にみられる。
3.× 作為体験(させられ体験)とは、 自律的な思考や行動ができず、他の人や力によって 何かをさせられてしまう感覚である。統合失調症にみられる。
4.× 思考化声とは、頭の中で考えたことが声として復唱したように聞こえる幻聴の一種である。統合失調症でみられる。
5.〇 正しい。強迫観念は、自分の意志に反する不合理な観念(強迫観念にとらわれ、それが不合理だと分かっていても打ち消そうとすると強い不安が生じ、不安を解消するために不合理な行動をとるが、なかなかその観念を打ち消すことができない状態である。強迫性障害(強迫神経症)にみられる。「いつも右足から踏み出さねばならないという思考の異常」は、普通、どちらの足からでも歩きだすことができるので、不合理である。

 

 

 

 

47回 午前

97 統合失調症で現れにくいのはどれか。

1.幻声
2.思考奪取
3.被影響体験
4.解体した会話
5.夜間の意識変容

解答5

解説
1.〇 幻声は、統合失調症で現れやすい。幻声では、考想化声(自分の考えが他人の声となって聞こえてくる)が特徴的である。他にも幻聴もみられやすい。
2.〇 思考奪取は、統合失調症で現れやすい。思考奪取とは、自分の考えを誰かに抜き取られるというものである。統合失調症の思考・自我意識の異常の一種である。
3.〇 被影響体験は、統合失調症で現れやすい。被影響体験(させられ体験)とは、「今、自分がしていることは他人によってさせられている」と感じるものである。統合失調症の自我意識の異常の一種である。
4.〇 解体した会話は、統合失調症で現れやすい。解体した会話(滅裂思考)とは、頻繁に会話の筋道が脱線をしたり、内容が支離滅裂になるものである。統合失調症の思考の異常の一種である。
5.× 夜間の意識変容(せん妄)は、統合失調症では現れにくく、術後せん妄・ICUせん妄・アルコール離脱期のせん妄状態などでみられる症状である。ちなみに、意識変容とは、意識混濁に不安・興奮・幻覚・妄想などが加わった状態である。一日の中でも意識の清明度が著しく変化し、夜に悪化することが多い。

 

 

 

 

 

47回 午前

98 うつ病でみられやすい訴えはどれか。

1.「テレビカメラで見張られている」
2.「何か恐ろしいことが起こりそうだ」
3.「新しいアイデアが次々と湧いてくる」
4.「自分の考えがみんなに知れ渡っている」
5.「取り返しのつかない罪を犯してしまった」

解答5

解説

うつ病にみられる主な微小妄想

①貧困妄想:お金がない、自分は貧乏だと思い込む妄想。
②心気妄想:自分が病気にかかっているのではないかと強く思い込む妄想。
③罪業妄想:自分が取り返しのつかない罪を犯してしまった、自分は罪深い存在であると思い込む妄想。

1.× 「テレビカメラで見張られている」は、注察妄想である。統合失調症によくみられる症状である。
2.× 「何か恐ろしいことが起こりそうだ」は、妄想気分である。統合失調症によくみられる症状である。
3.× 「新しいアイデアが次々と湧いてくる」は、観念奔逸である。躁病によくみられる症状である。
4.× 「自分の考えがみんなに知れ渡っている」は、考想伝播である。統合失調症によくみられる症状である。
5.〇 正しい。「取り返しのつかない罪を犯してしまった」は、罪業妄想である。うつ病によくみられる。

 

 

 

 

第50回 午後

97 自我の障害はどれか。

1. アンヘドニア
2. 観念奔逸
3. 妄想気分
4. 離人症
5. 連合弛緩

解答4

解説

自我意識とは、自己に対する意識である。

 

1.× アンヘドニア(無快楽症)は、感情の障害である。アンヘドニア(無快楽症)とは、喜びや楽しみを感じられないこと。統合失調症やうつ病、PTSDなどにみられる症状の一つである。
2.× 観念奔逸は、思考の異常である。観念奔逸とは、考えが次々と浮かびあがって勝手に展開していき、全体として思考の流れが逸れていく状態である。繰状態にみられる。
3.× 妄想気分は、思考の異常である。妄想気分とは、周囲がなんとなく変わってきたようで不気味であり、何か悪いことが起こりそうで不安に感じられる状態をいう。
4.〇 正しい。離人症(解離状態)は、自我の障害である。離人症(解離状態)とは、自己・外界について生き生きとした実感が持てず、現実感が失われた状態である。解離性障害、統合失調症の初期、うつ病などにみられる。
5.× 連合弛緩は、思考の異常である。連合弛緩とは、個々の話の間の関連性が弱く、話のまとまりが悪い状態をいう。

 

 

 

50回 午後

98 家族がすぐにでも病気になるのではないか、という心配を繰り返し訴えるのはどれか。

1. 解離性障害
2. 強迫性障害
3. 社交(社会)不安障害
4. 全般性不安障害
5. 広場恐怖

解答4

解説

1.× 解離性障害とは、症状の原因となる身体的障害がなく、ストレスの多い出来事などの心理的要因があることを前提条件として、統合的な自己同一感、身体運動のコントロール感、直感的感覚の意識などが、部分的あるいは完全に失われた状態をいう。
2.× 強迫性障害とは、自らは不合理だと思っている考えが繰り返し浮かび(強迫観念)、それを打ち消すためにやはり不合理な行為を繰り返してしまうこと(強迫行為)をいう。
3.× 社交(社会)不安障害とは、比較的少人数の集団内(社交場面)で、他の人々から注視をされたり、低い評価を受けたり、辱められたりすることに対する強い恐れを主な症状として、そのような場所をできるだけ避けようとするものである。
4.〇 正しい。全般性不安障害は、多数の出来事や活動に対する過剰な不安および心配が、ほぼ毎日6か月以上続き、制御できないことをいう。症状は、自律神経症状(めまい・頭痛・肩こりなど)、緊張感(留年したらどうしよう・・・、地震が来たらどうしよう・・・)、疲労感など様々である。
5.× 広場恐怖とは、雑踏・公衆の場所・家から離れての一人旅など、不安が起こってもすぐには安全な場所(自宅など)に避難できない状況を恐れ、そのような状況になることを避けること。

 

 

 

 

第51回 午後

98 回避がみられるのはどれか。

1. 心気障害
2. 身体化障害
3. 強迫性障害
4. 全般性不安障害
5. PTSD(外傷後ストレス障害)

解答5

解説

 回避が起こりやすい場面として、実際に死に直面するような体験や大災害などを体験した人である。その出来事を再体験(フラッシュバック)したり、似たような状況を回避しようとしたり、過覚醒状態となる症状が、1カ月以上続いた状態を、PTSD(外傷後ストレス障害)という。よって、選択肢5.PTSD(外傷後ストレス障害)が正しい。

 

1.× 心気障害は、正常の生理現象や微細な身体異常にとらわれ、重病と思い込んで、過度の不安を抱き、執拗に精神・身体不調を訴えることが特徴である。
2.× 身体化障害は、頭痛や消化器症状、月経不順や異常知覚などの様々な身体症状を慢性的に訴えることが特徴である。
3.× 強迫性障害は、強迫観念にとらわれ、それを打ち消そうとするために不合理とわかっている強迫行為を行うが、それでも不安を打ち消せない障害である。
4.× 全般性不安障害は、様々な出来事や活動に対する過剰な不安および心配がほぼ毎日6か月以上慢性的に続き、生活に支障を来す。

 

 

 

 

 

53回 午前

97.器質性精神障害について正しいのはどれか。

1.妄想はみられない。
2.安定した人格を認める。
3.記憶障害はみられない。
4.抗精神病薬は投与しない。
5.心理的要因の影響を受ける。

解答:5


解説

 従来、精神疾患は、心因性、内因性、外因性という三つの要因から成立すると考えられてきた。このうち、外因性に分類されるものの中に、「器質性精神障害」がある。脳外傷や脳梗塞などのように、直接脳そのものを障害するもののことである。例えば、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症、ピック病の認知症、パーキンソン病の認知症などである。

 

1.× 妄想はみられる。妄想は、アルツハイマー型認知症(物とられ妄想)に認められる。
2.× 「安定した人格」ではなく、不安定な人格をハンチントン病(人格変化)に認められる。
3.× 記憶障害はみられる。記憶障害は、アルツハイマー型認知症で認められる。
4.× 精神状態に応じて、抗精神病薬を投与する。
5.〇 正しい。心理的要因の影響を受ける。認知症において、心理面での影響が大きい行動・心理症状(BPSD)が起こる。他の器質性精神障害でも行動・心理症状(BPSD)に類似した症状が起こることがある。

 

 

 

 

53回 午前

99.「自分がやっていることなのに、自分がやっている感じがしない」と訴える患者の症状はどれか。

1.恐怖症
2.拒絶症
3.離人症状
4.心気症状
5.感情鈍麻

解答:3


解説

 離人症とは自我の障害であり、①自分がいない感じ、②世界が存在していない感じを訴え、まるで自分が外部の傍観者である感じを伴う。神経性障害、うつ病、統合失調症など様々な疾患で見られる。

 

1.× 恐怖症は、ある特定のものに対して、避けようとしたり異常な恐怖を感じたりする症状である。高所恐怖症や対人恐怖症など。
2.× 拒絶症は、緊張型統合失調症にみられる症状である。他人からの命令や要求に従わず拒絶する。かえって逆のことを行う傾向をみせる。
3.〇 正しい。離人症状は、「自分がやっていることなのに、自分がやっている感じがしない」と訴える患者の症状である。
4.× 心気症状は、身体の徴候や症状の誤った解釈のため、病気にかかるあるいはかかっているとの思い込みが6か月以上持続しており、それが著しい苦痛や機能の障害を呈している精神障害である。例:病気ではないのに「自分は癌かもしれない」と思い込むなど。
5.× 感情鈍麻は感情を引き起こす刺激に対する感受性の低下により、感情やその表出が乏しくなることである。統合失調症の慢性期の症状である。陰性症状で、感情の平板化や意欲の減退、思考の低下など。

 

 

 

 

54回 午前

96. うつ病に起こりやすい思考障害はどれか。

1. 迂遠
2. 観念奔逸
3. 思考制止
4. 思考途絶
5. 滅裂思考

解答

解説
1. ×:迂遠(うえん)は、てんかん老化(認知症)にみられる。迂遠とは、一つ一つの観念にとらわれてしまうために、その都度その観念に対する注釈を付け加えたり、言葉を変えたりして反復して話をするために思考が円滑に進まない状態。脳の器質的な原因によって生じる。
2. ×:観念奔逸は、躁病によくみられる。観念奔逸とは、考えが次々と方向も決まらずにほとばしり出る状態。
3. 〇:正しい。思考制止はうつ病に起こりやすい。考えがまとまらなくなり、決断力がなくなることをいう。
4. ×:思考途絶は、統合失調症にみられる。思考途絶とは、思考の流れが突然中断してしまうこと。
5. ×:滅裂思考は、統合失調症にみられる。話のつながりが悪く(連合弛緩)、これが高度になると支離滅裂な思考となる(滅裂思考)となる。

 

 

 

 

54回 午後

96. 統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴えた。この症状はどれか。

1. 考想伝播
2. 作為体験
3. 妄想気分
4. 妄想知覚
5. 連合弛緩

解答

解説
1. ×:考想伝播は、自分の考えが他人に伝わってしまうという自我障害である。
2. ×:作為体験は、自分の行動が誰かに操られているという自我障害である。
3. 〇:正しい。妄想気分は、なんとなく不気味な気分「不気味な何かが起こりそうだ」という一次妄想である。一次妄想は、その生じ方が心理的に了解できないのに対して、二次妄想は妄想の発生が(なんとか)了解・可能なものとなる。つまり、妄想気分とは、周りがいつもと違い、何か不気味で大変なことが起こりそうだという不安に襲われる状態のことである。
4. ×:妄想知覚は、知覚したことに特別の意味が感じられること「猫が通ったのを見て“母親が死んだ”と確信する」という一次妄想である。
5. ×:連合弛緩は、個々のアイディアに論理的な結びつきがなくなって話の脈絡にまとまりがない状態のことで、思考障害である。

 

 

 

54回 午後

98. 器質性精神障害の急性期の症状として最もみられるのはどれか。

1. 失語
2. せん妄
3. 知能低下
4. 性格変化
5. 健忘症候群

解答

解説
 器質性精神障害とは、精神疾患のうち、内分泌疾患などの結果として脳機能に影響を与えるものや脳外傷や脳梗塞などのように、直接脳そのものを障害するものがあり、これらをまとめて器質性精神障害とよぶ。原因となる疾患が多種(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、脳梗塞、脳出血、脳炎、多発性硬化症、脳腫瘍、てんかんなど)であるため症状も多様であるが、最もよく見られるものは選択肢2.せん妄である。せん妄とは、高齢者に多く発症する一種の意識精神障害で、一過性で症状としては突然暴れだしたり、意味不明なことを口走るなどである。

ちなみに、選択肢1.3~5. 失語/知能低下/性格変化/健忘症候群は、慢性期の症状である。

 

 

 

55回 午前

97 統合失調症に特徴的な思考の障害はどれか。

1.思考が緩徐でうまく進まない。
2.思考の進行が突然遮断され、会話が停止する。
3.まわりくどく、要領よく思考目標に到達できない。
4.観念の間に論理的な関連がなく、意識の混濁を伴う。
5.観念が次々に沸き起こるが、つながりは表面的で目標から外れていく。

解答
解説
1.× 思考が緩徐でうまく進まないこと(思考制止)は、うつ病にも関連して起こる障害である。
2.〇 正しい。思考の進行が突然遮断され、会話が停止すること(思考途絶)は、統合失調症に特徴的な思考の障害である。
3.× まわりくどく、要領よく思考目標に到達できないこと(迂遠)は、認知症高齢者てんかんにみられる思考過程の障害である。迂遠とは、一つ一つの観念にとらわれてしまうために、その都度その観念に対する注釈を付け加えたり、言葉を変えたりして反復して話をするために思考が円滑に進まない状態。脳の器質的な原因によって生じる。
4.× 観念の間に論理的な関連がなく、意識の混濁を伴うこと(思考錯乱、アメンチア)は、症状精神病(脳の器質性障害や身体疾患を原因とする精神病)であるときに起こりやすい。
5.× 観念が次々に沸き起こるが、つながりは表面的で目標から外れていくこと(観念奔逸)は、躁うつ病の特徴的な思考の障害である。

 

 

 

 

59回 午前

95 Lewy小体型認知症の早期にみられる症状はどれか。

1.幻視
2.考想伝播
3.失語
4.人格変化
5.脱抑制

解答

解説

Lewy小体型認知症とは?

Lewy小体型認知症とは、Lewy小体が広範な大脳皮質領域で出現することによって、①進行性認知症と②パーキンソニズムを呈する病態である。認知機能の変動・動揺、反復する幻視(人、小動物、虫)、パーキンソニズム、精神症状、REM睡眠型行動障害、自律神経障害などが特徴である。

1.〇 正しい。幻視がLewy小体型認知症の早期にみられる症状である。発症初期から幻視(実際には存在しないものが見えること)を伴うことが多い。リアルでとても生々しい幻視が見える。例えば、実際にはいないのに「部屋の隅に子供や動物がいる」などと訴える。
2.× 考想伝播(考えが他人に知られる)は、統合失調症にみられる症状である。統合失調症とは、幻覚・妄想・まとまりのない発語および行動・感情の平板化・認知障害ならびに職業的および社会的機能障害を特徴とする。原因は不明であるが、遺伝的および環境的要因を示唆する強固なエビデンスがある。好発年齢は、青年期に始まる。治療は薬物療法・認知療法・心理社会的リハビリテーションを行う。早期発見および早期治療が長期的機能の改善につながる。統合失調症患者の約80%は、生涯のある時点で、1回以上うつ病のエピソードを経験する。統合失調症患者の約5~6%が自殺し,約20%で自殺企図がみられる。したがって、うつ症状にも配慮して、工程がはっきりしたものや安全で受け身的で非競争的なものであるリハビリを提供する必要がある(※参考:「統合失調症」MSDマニュアル様HPより)。
3.× 失語は、認知症の末期(特にAlzheimer型認知症)に生じる。認知症の末期になると、記憶障害・見当識障害だけでなく、失認・失語・失行といったさまざまな認知機能の低下がみられる。Alzheimer型認知症とは、認知症の中で最も多く、病理学的に大脳の全般的な萎縮、組織学的に老人斑(アミロイドβの蓄積)・神経原線維変化の出現を特徴とする神経変性疾患である。特徴は、①初期から病識が欠如、②著明な人格崩壊、③性格変化、④記銘力低下、⑤記憶障害、⑥見当識障害、⑦語間代、⑧多幸、⑨抑うつ、⑩徘徊、⑩保続などもみられる。
4~5.× 人格変化/脱抑制は、前頭側頭型認知症(Pick病)の症状である。前頭側頭型認知症(Pick病)の病理所見として、前頭葉と側頭葉が特異的に萎縮する特徴を持つ認知症である。脳血流量の低下や脳萎縮により人格変化、精神荒廃が生じ、植物状態におちいることがあり、2~8年で衰弱して死亡することが多い。発症年齢が50~60代と比較的若く、初発症状は人格障害・情緒障害などがみられるが、病期前半でも記憶障害・見当識障害はほとんどみられない。働き盛りの年代で発症することが多いことで、患者さんご本人が「自分は病気である」という自覚がないことが多い。その後、症状が進行するにつれ、性的逸脱行為(見知らぬ異性に道で抱きつくなどの抑制のきかない反社会的な行動)、滞続言語(何を聞いても自分の名前や生年月日など同じ語句を答える)、食行動の異常(毎日同じものを食べ続ける常同行動)などがみられる。治療は、症状を改善したり、進行を防いだりする有効な治療方法はなく、抗精神病薬を処方する対症療法が主に行われている。(参考:「前頭側頭型認知症」健康長寿ネット様HPより)

 

 

 

59回 午後

98 統合失調症の陰性症状はどれか。2つ選べ。

1.意欲低下
2.感情の平板化
3.幻覚
4.妄想
5.連合弛緩

解答1・2

解説

陽性徴候と陰性徴候

陽性徴候(陽性症状)とは、普段出ていないけど病気になることで出現する症状のことである。
例えば、クローヌス、痙縮、バビンスキー反射、連合反応などである。統合失調症でいうと幻覚、妄想、緊張病症状などである。陽性症状の方が薬物反応はよく、予後良好といえる。

陰性徴候(陰性症状)とは、普段持っている能力(健常者が持っている能力)が失われることである。
例えば、筋力低下、巧緻性の低下、疲労感などである。統合失調症でいうと感情平板化、自発性低下、思考の貧困化など。

1.〇 正しい。意欲低下/感情の平板化は、統合失調症の陰性症状である。
3.× 幻覚/妄想は、統合失調症の陽性症状である。
5.× 連合弛緩は、統合失調症の陽性症状である。連合弛緩とは、個々の話の間の関連性が弱く、話のまとまりが悪い状態をいう。連合弛緩は、思考の異常である。

”統合失調症とは?”

統合失調症とは、幻覚・妄想・まとまりのない発語および行動・感情の平板化・認知障害ならびに職業的および社会的機能障害を特徴とする。原因は不明であるが、遺伝的および環境的要因を示唆する強固なエビデンスがある。好発年齢は、青年期に始まる。治療は薬物療法・認知療法・心理社会的リハビリテーションを行う。早期発見および早期治療が長期的機能の改善につながる。統合失調症患者の約80%は、生涯のある時点で、1回以上うつ病のエピソードを経験する。統合失調症患者の約5~6%が自殺し,約20%で自殺企図がみられる。したがって、うつ症状にも配慮して、工程がはっきりしたものや安全で受け身的で非競争的なものであるリハビリを提供する必要がある。

(※参考:「統合失調症」MSDマニュアル様HPより)

 

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