【PT/OT】口腔内・鼻腔内吸引についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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目次 非表示

PT専門

46回 午後40

40.口腔内・鼻腔内吸引の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.実施時は両手に手袋をする。
2.目的は貯留物や分泌物の除去である。
3.あらかじめ定めた時刻にのみ実施する。
4.吸引器のボトルは空であることを確認する。
5.口腔内吸引したカテーテルで気管内の吸引を行う。

解答1/2

解説
1.〇 正しい。実施時は両手に手袋をする。なぜなら、吸引者の感染を防ぐため。
2.〇 正しい。目的は貯留物や分泌物の除去である。なぜなら、長期間、貯留物や分泌物があると、誤嚥による肺炎や呼吸困難、時には窒息などを併発するため。定期的に行う必要がある。
3.× 「あらかじめ定めた時刻にのみ」ではなく、定時以外にも貯留が多ければ実施する。なぜなら、長期間、貯留物や分泌物があると、誤嚥による肺炎や呼吸困難、時には窒息などを併発するため。
4.× 吸引器のボトルは空であることを確認する必要はない。ただし、適宜交換が必要である。機器によってはボトルがいっぱいになると逆流防止のために自動的に停止するものもある。ちなみに、吸引用カテーテルは、原則その都度新しいものを使用する。
5.× 口腔内吸引したカテーテルで気管内の吸引を行うのは禁忌である。なぜなら、気管内吸引は無菌操作で行うため。細菌が気管内に入ると、気管支炎や肺炎を併発する。ちなみに、口腔内・鼻腔内吸引は無菌操作ではない。

 

 

 

48回 午前47

47 気管吸引で正しいのはどれか。

1.吸引カテーテルの外径は気管チューブ内径の2/3とする。
2.吸引カテーテルの挿入は気管分岐部までとする。
3.吸引圧は20kPa(150mmHg)以下とする。
4.吸引時間は20〜30秒間とする。
5.咳を誘発しながら吸引する。

解答3

解説

1.× 吸引カテーテルの外径は、気管チューブ内径の「2/3」ではなく1/2以下とする。
2.× 吸引カテーテルの挿入は、「気管分岐部まで」ではなく、気管分岐部に当たらない位置までとする。
3.〇 正しい。吸引圧は20kPa(150mmHg)以下とする。
4.× 吸引時間は、「20〜30秒間」ではなく10~15秒以内とする。なぜなら、吸引中は無呼吸となるため。
5.× 故意に咳を誘発しながら吸引するのは適切ではない。なぜなら、咳嗽による疲労や低酸素血症、不整脈を助長させるため。

口腔内・鼻腔内吸引の注意事項

「気管吸引とは、人工気道を含む気道からカテーテルを用いて機械的に分泌物を除去するための準備、手技の実施、 実施後の観察、アセスメントと感染管理を含む一連の流れのこと」と定義されている。(※引用:気管吸引ガイドライン2013

【目的】口腔内・鼻腔内吸引は気道内の貯留物や異物を取り除くこと。

①人工呼吸器関連肺炎などの感染リスクを回避する。(ディスポーザブル手袋を着用、管吸引前には口腔及びカフ上部の吸引を行う)
②吸引中は無呼吸となるため必ずモニター等でSpO2の確認しながら、カフ圧は-20kPa(150mmHg)以内に保ち、1回の吸引時間は10秒以内とする。
③カテーテル挿入時は陰圧をかけず、自発呼吸がある場合は、患者さんの吸気に合わせて吸引を行う。
④終了後は気道内の分泌物がきちんと吸引できたか、呼吸音等で確認する。

(※参考:「吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コツ」ナース専科様HPより)

 

 

 

50回 午前49

49 吸引操作の合併症として誤っているのはどれか。

1. 不整脈
2. 肺胞虚脱
3. 肺うっ血
4. 低酸素血症
5. 気管支攣縮

解答3

解説

 吸引操作の合併症には、①気管や気管支の損傷、②低酸素血症、③不整脈、④血圧の変動、⑤咳嗽、⑥嘔吐、⑦気管支攣縮、⑧気胸、⑨無気肺、⑩肺炎などがある。よって、選択肢3. 肺うっ血は、吸引操作の合併症として誤っている。肺うっ血とは、心不全などの循環不全により、肺に血流がうっ滞する状態を示す。

 

1.〇 正しい。不整脈は、低酸素血症と気道刺激による迷走神経反射のため起こる。
2.〇 正しい。肺胞虚脱は、肺胞内圧を下がるため起こる。
4.〇 正しい。低酸素血症は、吸引中は換気が低下するため起こる。
5.〇 正しい。気管支攣縮は、気管支へカテーテルの刺激により起こる。

 

 

51回 午後44

44 成人に対する喀痰の吸引について適切なのはどれか。

1. 理学療法士は行わない。
2. 吸引圧は最大で20 kPa とする。
3. 1回の吸引は20 秒以上かけて行う。
4. 吸引カテーテルは気管分岐部まで挿入する。
5. 吸引カテーテルは吸引圧をかけながら素早く挿入する。

解答2

解説

1.× 理学療法士は「行わない」のではなく医師の指示のもと喀痰吸引が可能である。平成22年4月30日より理学療法士・作業療法士等が喀痰吸引行為をすることが合法化され、呼吸リハビリテーションを積極的に行うことが可能となった。
2.〇 正しい。吸引圧は最大で20 kPa(150mmHg)とする。なぜなら、高圧吸引を行うと、線毛上皮細胞も吸引されてしまい、気道粘膜損傷が生じるため。また、空気を多量に吸引し、無気肺、低酸素血症を助長する恐れがあるため。
3.× 1回の吸引は「20秒以上」かけて行うのではなく10秒以内に留めるべきである。なぜなら、吸引中は無呼吸になり、無気肺、低酸素血症を助長する恐れがあるため。
4.× 吸引カテーテルは「気管分岐部まで」ではなく、カテーテル先端が気管分岐部に当たらない位置まで挿入する。気管チューブは、気管分岐部から3~5cm上に先端が来るように留置されている。深く挿入すると無気肺や出血、肉芽形成を合併する恐れがある。
5.× 吸引カテーテルは「吸引圧をかけながら素早く」挿入するのではなく、挿入中は吸引を止めゆっくり挿入する。なぜなら、吸引カテーテルで口腔など傷つけないため。

 

 

 

53回 午後49

49.人工呼吸器を使用している重症心身障害児の気管吸引を実施する上で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.気管吸引後、聴診する。
2.気管吸引時にはSpO2を確認する。
3.吸引圧は20kPa(150mmHg)以上に設定する。
4.吸引カテーテルは気管分岐部の先まで挿入する。
5.気管吸引は1回の吸引につき30秒間程度持続して行う。

解答:1,2

解説

1.〇 正しい。気管吸引後、聴診する。聴診することで、気胸などの合併症や痰の残存の有無が確認できる。
2.〇 正しい。気管吸引時にはSpO2を確認する。低酸素状態になっていないか確認する。
3.× 吸引圧は、「20kPa(150mmHg)以上」ではなく最大20 kPa(150 mmHg)に設定する。傷つけないようこれを超えないように設定する。
4.× 吸引カテーテルは、気管分岐部の先まででなく、気管分岐部に当たらない位置まで挿入する。
5.× 気管吸引は1回の吸引につき、「30秒間程度」ではなく10秒以上吸引しない。

 

 

54回 午後39

39. 開放式吸引での気管吸引で正しいのはどれか。

1. 1回の吸引時間は30秒以上行う。
2. 吸引圧は最大150mmHgである。
3. 吸引カテーテルの先端は気管分岐部の先まで挿入する。
4. 吸引操作中はSpO2 80~90%を維持する。
5. 吸引操作中は吸引カテーテルを上下前後に動かす。

解答

解説
1. ×:1回の吸引時間は、「30秒以上」ではなく10秒以上吸引をしない。挿入開始から終了までを20秒以内で行う。なぜなら、吸引中は無呼吸となるため。
2. 〇:正しい。吸引圧は最大150mmHg(20kPa)である。
3. ×:吸引カテーテルの先端は、「気管分岐部の先」ではなく気管分岐部に当たらない位置まで挿入する。
4. ×:吸引操作中はSpO2:80~90%といった厳密な数値の基準はないが、90%以上を維持すると良い。経皮酸素飽和度モニターを監視して低酸素血症や不整脈など循環不全の徴候を認める場合は、酸素を供給して、すぐに人(同僚、医師)を呼ぶ。しかし、多少の吸引中のSPO2の低下はやむ負えない。なぜなら、臨床上安定した呼吸器疾患の症例に対して鼻腔から 15 秒以内の気管吸引を行った研究では、吸引前の値と比べ全ての症例で酸素飽和度が低下していることが報告されているため。
5. ×:吸引操作中は吸引カテーテルを「上下前後」ではなく、陰圧をかけながら吸引カテーテルをゆっくり引き戻すように動かす。分泌物がある場所ではカテーテルを引き戻す操作を少しの間止める。

口腔内・鼻腔内吸引の注意事項

「気管吸引とは、人工気道を含む気道からカテーテルを用いて機械的に分泌物を除去するための準備、手技の実施、 実施後の観察、アセスメントと感染管理を含む一連の流れのこと」と定義されている。(※引用:気管吸引ガイドライン2013

【目的】口腔内・鼻腔内吸引は気道内の貯留物や異物を取り除くこと。

①人工呼吸器関連肺炎などの感染リスクを回避する。(ディスポーザブル手袋を着用、管吸引前には口腔及びカフ上部の吸引を行う)
②吸引中は無呼吸となるため必ずモニター等でSpO2の確認しながら、カフ圧は-20kPa(150mmHg)以内に保ち、に保ち1回の吸引時間は10秒以内とする。
③カテーテル挿入時は陰圧をかけず、自発呼吸がある場合は、患者さんの吸気に合わせて吸引を行う。
④終了後は気道内の分泌物がきちんと吸引できたか、呼吸音等で確認する。

(※参考:「吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コツ」ナース専科様HPより)

 

 

55回 午後47

47 人工呼吸器装着患者の理学療法で適切でないのはどれか。

1.離床はベッドアップ60°までとする。
2.体位変換を行い気道内分泌物の移動を促す。
3.気管内吸引時は陰圧をかけずに吸引カテーテルを挿入する。
4.気管内吸引に使用するカテーテルは滅菌したものを使用する。
5.会話が不可能なため患者が自分のニーズを伝えられるように援助する。

解答
解説
1.× 離床はベッドアップ60°までとする必要はない。むしろ、人工呼吸器装着患者には離床を勧めることが多い。ちなみに、離床(座位トレーニング)に制限がある場合は、①意識レベルがJCS:2~3桁、②全身状態が不安定、③麻痺などの症状増悪があるなどである。また、日本集中治療医学会の「集中治療における早期リハビリテーション ~根拠に基づくエキスパートコンセンサス~」によれば、集中治療室での挿管下人工呼吸患者に対する早期離床や早期からの積極的な運動は、セッションの中断、旧得な身体への悪影響や有害事象は極めて少なく、安全に実施可能であるとされている。相関下や各種のカテーテルが使用されていてもそれは運動や離床の阻害因子となり得ないとも述べている。さらに近年では、体外式膜型人工肺装着下においても早期離床や運動を実施した例が報告されている。
2.〇 正しい。体位変換を行い気道内分泌物の移動を促す(体位排痰法)。なぜなら、人工呼吸器によって換気は保たれていても、分泌物が身体下部に貯留するため。
3.〇 正しい。気管内吸引時は陰圧をかけずに吸引カテーテルを挿入する。吸引操作や戻すときは、陰圧をかけながらゆっくり行う。なぜなら、粘膜を傷つけないため。
4.〇 正しい。気管内吸引に使用するカテーテルは滅菌したものを使用する。なぜなら、細菌が気管内に入ると、気管支炎や肺炎を併発するため。
5.〇 正しい。会話が不可能なため患者が自分のニーズを伝えられるように援助する。人工呼吸器装着中の患者は、コミュニケーションがとりにくくストレスが溜まりやすい。YES/NO(うなずき)や唇の動き、コミュニケーションボードの使用など使っても、細かいニーズまで伝えられないができるだけ援助していくことが必要である。

 

 

 

 

59回 午前37

37 気管切開患者に対する痰の吸引で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.ファインクラックル〈fine crackles・捻髪音〉を聴取したので吸引する。
2.無菌的な操作を行う。
3.成人の吸引圧は80mmHg程度が推奨される。
4.吸引カテーテルの先端が気管分岐部に当たらない深さにとどめる。
5.吸引カテーテルを気道内でピストン運動させる。

解答2・4

解説
1.× 「ファインクラックル〈fine crackles・捻髪音〉」ではなく「コースクラックル〈coarse crackles・水泡音〉」を聴取したので吸引する。なぜなら、吸引の主な目的は、痰の除去であるため。粗い断続性副雑音(水泡音)は、気道内に溜まった分泌物が呼吸にともなう空気の移動で震えて破裂することで生じる音で肺炎など気道内に痰や分泌物がたまる状況(細菌性肺炎の症状)で聴取される。一方、細かい断続性ラ音(捻髪音)は、高くて細かい断続音のことで、肺線維症・間質性肺炎・喘息・過敏性肺炎などで見られる。
2.〇 正しい。無菌的な操作を行う。なぜなら、創部周囲からの感染や肺炎を防止するため。一方、鼻腔や口腔は、無菌ではないため、無菌操作は必要ない。
3.× 成人の吸引圧は「80mmHg」ではなく-20kPa(150mmHg)程度が推奨される。吸引圧が弱すぎると十分吸引が行えず、強すぎると気管を傷つけてしまうことがある。
4.〇 正しい。吸引カテーテルの先端が気管分岐部に当たらない深さにとどめる。気管チューブは、気管分岐部から3~5cm上に先端が来るように留置されている。深く挿入すると無気肺や出血、肉芽形成を合併する恐れがある。
5.× 吸引カテーテルを気道内でピストン運動させる必要はない。挿入中は吸引を止めゆっくり挿入する。陰圧をかけながら吸引カテーテルをゆっくり引き戻すように動かす。分泌物がある場所ではカテーテルを引き戻す操作を少しの間止める。なぜなら、吸引カテーテルで口腔など傷つけないため。

口腔内・鼻腔内吸引の注意事項

「気管吸引とは、人工気道を含む気道からカテーテルを用いて機械的に分泌物を除去するための準備、手技の実施、 実施後の観察、アセスメントと感染管理を含む一連の流れのこと」と定義されている。(※引用:気管吸引ガイドライン2013)

【目的】口腔内・鼻腔内吸引は気道内の貯留物や異物を取り除くこと。

①人工呼吸器関連肺炎などの感染リスクを回避する。(ディスポーザブル手袋を着用、管吸引前には口腔及びカフ上部の吸引を行う)
②吸引中は無呼吸となるため必ずモニター等でSpO2の確認しながら、カフ圧は-20kPa(150mmHg)以内に保ち、1回の吸引時間は10秒以内とする。
③カテーテル挿入時は陰圧をかけず、自発呼吸がある場合は、患者さんの吸気に合わせて吸引を行う。
④終了後は気道内の分泌物がきちんと吸引できたか、呼吸音等で確認する。

(※参考:「吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コツ」ナース専科様HPより)

 

 

OT専門

46回 午後38

38 吸引で正しいのはどれか。

1.患者の頸部は回旋させない。
2.目的は貯留物や分泌物の除去である。
3.吸引器のボトルは空であることを確認する。
4.カテーテルを挿入した刺激で排痰を誘発する。
5.口腔内吸引したカテーテルで気管内の吸引を行う。

解答

解説

口腔内・鼻腔内吸引の注意事項

「気管吸引とは、人工気道を含む気道からカテーテルを用いて機械的に分泌物を除去するための準備、手技の実施、 実施後の観察、アセスメントと感染管理を含む一連の流れのこと」と定義されている。(※引用:気管吸引ガイドライン2013

【目的】口腔内・鼻腔内吸引は気道内の貯留物や異物を取り除くこと。

①人工呼吸器関連肺炎などの感染リスクを回避する。(ディスポーザブル手袋を着用、管吸引前には口腔及びカフ上部の吸引を行う)
②吸引中は無呼吸となるため必ずモニター等でSpO2の確認しながら、カフ圧は-20kPa(150mmHg)以内に保ち、1回の吸引時間は10秒以内とする。
③カテーテル挿入時は陰圧をかけず、自発呼吸がある場合は、患者さんの吸気に合わせて吸引を行う。
④終了後は気道内の分泌物がきちんと吸引できたか、呼吸音等で確認する。

(※参考:「吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コツ」ナース専科様HPより)

1.× 患者の頸部は、回旋(横向き)させる。なぜなら、吐物の誤嚥や窒息を予防するため。
2.〇 正しい。目的は貯留物分泌物の除去である。口腔内・鼻腔内吸引は気道内の貯留物や異物を取り除き、気道の閉塞を防ぐことである。
3.× 吸引器のボトルは空であることを確認する必要はない。必ずしも空でなくてもよいが適宜交換が必要である。最低1日1回は捨て消毒しておく。機器によってはボトルがいっぱいになると逆流防止のために自動的に停止するものもある。
4.× あえてカテーテルを挿入した刺激で排痰を誘発する必要はない。なぜなら、カテーテル挿入の目的は、貯留物や分泌物の除去にあるため。カテーテル挿入時には刺激を最小限にするため、カテーテルを左手(右手で先端を持つ場合)でつぶして圧をかけずに静かに挿入し、吸引時に解放して陰圧をかける。
5.× 口腔内吸引したカテーテルで気管内の吸引を行ってはならない。なぜなら、口腔内吸引に使用した後のカテーテルを気管内吸引に使うことは感染の可能性があるため。気管内吸引は無菌操作で行う。

 

 

47回 午後29

29 「気管吸引のガイドライン成人で人工気道を有する患者のための」(日本呼吸療法医学会による)に基づく吸引の適応となる状態で正しいのはどれか。

1.誤嚥した。
2.肺下葉の水泡音を聴取した。
3.努力性呼吸が弱くなってきている。
4.気管チューブ内に分泌物が確認できない。
5.経皮的動脈血酸素飽和度が改善してきている。

解答

解説

1.〇 正しい。誤嚥した場合は適応となる。
2.× 肺下葉の水泡音を聴取した場合は、すでに肺胞内に分泌物があることを示している。気管吸引は「気管分岐部に当たらない位置まで」が対象となる。
3.× 努力性呼吸が「弱くなってきている場合」ではなく「強くなってきている場合」に適応となる。
4.× 気管チューブ内に分泌物が「確認できない場合」ではなく「確認できる場合」に適応となる。視覚的に確認できる(チューブ内に分泌物が見える)場合に適応となる。
5.× 経皮的動脈血酸素飽和度が「改善してきている場合」ではなく「低酸素血症」に適応となる。ガス交換障害がある場合(動脈血ガス分析や経皮酸素飽和度モニタで低酸素血症を認める場合)に適応となる。

適応となる状態とそのアセスメント

1)患者自身の咳嗽やその他の侵襲性の少ない方法を実施したにもかかわらず、気道内から分泌物を喀出することが困難であり、以下の所見で気管内または人工気道内に分泌物があると評価された場合に適応となる。1 〜 2 時間毎というように時間を決めてルーチンに行うべきではなく、必要と判断された状況においてのみ気管吸引を行うことを推奨する(1B)。
ⅰ)努力性呼吸が強くなっている(呼吸仕事量増加所見:呼吸数増加、浅速呼吸、陥没呼吸、補助筋活動の増加、呼気延長など)。
ⅱ)視覚的に確認できる(チューブ内に分泌物が見える)。
ⅲ)胸部聴診で気管から左右主気管支にかけて分泌物の存在を示唆する副雑音(低音性連続性ラ音:rhonchi)が聴取される。または、呼吸音の減弱が認められる。
ⅳ)気道分泌物により咳嗽が誘発されている場合であり、咳嗽に伴って気道分泌物の存在を疑わせる音が聴こえる(湿性咳嗽)。
ⅴ)胸部を触診しガスの移動に伴った振動が感じられる。
ⅵ)誤嚥した場合
ⅶ)ガス交換障害がある。動脈血ガス分析や経皮酸素飽和度モニタで低酸素血症を認める。
ⅷ)人工呼吸器使用時:
a)量設定モード使用の場合:気道内圧の上昇を認める。
b)圧設定モード使用の場合:換気量の低下を認める。
c)フローボリュームカーブで、特徴的な “ のこぎり歯状の波形 ” を認める。
2)喀痰検査のためのサンプル採取のため。

(※引用:気管吸引ガイドライン(成人で人工気道を有する患者のための)より)

 

 

 

 

51回 午前27

27 成人に対する口腔内・鼻腔内吸引行為について誤っているのはどれか。

1. 吸引前に手を清潔にする。
2. 吸引圧は吸引前に確認する。
3. 1回の吸引は25 秒以上かけて行う。
4. カテーテルを挿入後に陰圧をかける。
5. 事前に水道水を通して正常に吸引できるかを確認する。

解答3

解説

口腔内・鼻腔内吸引の注意事項

「気管吸引とは、人工気道を含む気道からカテーテルを用いて機械的に分泌物を除去するための準備、手技の実施、 実施後の観察、アセスメントと感染管理を含む一連の流れのこと」と定義されている。(※引用:気管吸引ガイドライン2013

【目的】口腔内・鼻腔内吸引は気道内の貯留物や異物を取り除くこと。

①人工呼吸器関連肺炎などの感染リスクを回避する。(ディスポーザブル手袋を着用、管吸引前には口腔及びカフ上部の吸引を行う)
②吸引中は無呼吸となるため必ずモニター等でSpO2の確認しながら、カフ圧は-20kPa(150mmHg)以内に保ち、1回の吸引時間は10秒以内とする。
③カテーテル挿入時は陰圧をかけず、自発呼吸がある場合は、患者さんの吸気に合わせて吸引を行う。
④終了後は気道内の分泌物がきちんと吸引できたか、呼吸音等で確認する。

(※参考:「吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コツ」ナース専科様HPより)

1.〇 正しい。吸引前に手を清潔にする。手を洗い。ディスポーザブルの手袋をして吸引を行う。
2.〇 正しい。吸引圧は、吸引前に確認する。粘膜を傷つけないため。
3.× 1回の吸引は、「25秒以上」ではなく、10秒以内で行う。なぜなら、吸引中は無呼吸になるため。
4.〇 正しい。カテーテルを挿入後に陰圧をかける。挿入時には陰圧をかけず、患者の吸気に合わせて挿入する。
5.〇 正しい。事前に水道水(もしくは蒸留水など)を通して正常に吸引できるかを確認する。

 

 

59回 午前26

26 鼻腔からの喀痰吸引で正しいのはどれか。

1.吸気圧は16~20kPaとする。
2.カテーテルは30cm以上挿入する。
3.一回の吸引は30秒以上持続して行う。
4.口腔からの吸引に比べ嘔吐反射が出現しやすい。
5.経鼻胃管が留置されている患者には実施できない。

解答

解説


1.〇 正しい。吸気圧は16~20kPa(150mmHg)とする。なぜなら、気道粘膜の損傷や低酸素状態肺胞の虚脱などを防ぐためである。ちなみに、逆にカフ圧が低いと、刺激による咳反射などでカフから分泌物が垂れ込み、誤嚥しやすい。
2.× カテーテルは、「30cm以上」ではなく15~20cm挿入する。気管分岐部に当たらない位置まで挿入する。
3.× 一回の吸引は、「30秒以上持続」ではなく10秒以内で行う。挿入開始から終了までを20秒以内で行う。なぜなら、吸引中は無呼吸となるため。
4.× 口腔からの吸引に比べ嘔吐反射が出現しやすいとはいえない。両者とも嘔吐反射には気を付ける必要がある。なぜなら、喉頭蓋谷梨状窩(最も多い)への刺激が嘔吐反射を誘発するため。
5.× 経鼻胃管が留置されている患者にも実施「できる」。なぜなら、反対側の鼻孔からカテーテルを侵入させ喀痰吸引を試みることができるため。ちなみに、経鼻胃管挿入とは、鼻からプラスチック製のチューブ(くだ)を挿入し、胃まで通すことである。

口腔内・鼻腔内吸引の注意事項

「気管吸引とは、人工気道を含む気道からカテーテルを用いて機械的に分泌物を除去するための準備、手技の実施、 実施後の観察、アセスメントと感染管理を含む一連の流れのこと」と定義されている。(※引用:気管吸引ガイドライン2013)

【目的】口腔内・鼻腔内吸引は気道内の貯留物や異物を取り除くこと。

①人工呼吸器関連肺炎などの感染リスクを回避する。(ディスポーザブル手袋を着用、管吸引前には口腔及びカフ上部の吸引を行う)
②吸引中は無呼吸となるため必ずモニター等でSpO2の確認しながら、カフ圧は-20kPa(150mmHg)以内に保ち、1回の吸引時間は10秒以内とする。
③カテーテル挿入時は陰圧をかけず、自発呼吸がある場合は、患者さんの吸気に合わせて吸引を行う。
④終了後は気道内の分泌物がきちんと吸引できたか、呼吸音等で確認する。

(※参考:「吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コツ」ナース専科様HPより)

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