【PT専門のみ】FIMについての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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【OT/共通】FIMについての問題「まとめ・解説」

45回 午後19

19. 85歳の男性。ADLは「手すりを使えば1階から2階までの上りは自立しており、下りる際には恐怖心のために見守りが必要」であった。
 階段昇降のFIMの得点はどれか。

1. 6点
2. 5点
3. 4点
4. 3点
5. 2点

解答2

解説

本症例のポイント

上がり:手すり把持にて自立
下り:恐怖心のために見守り

2.〇 正しい。5点である。なぜなら、本症例は下りの場合、恐怖心のために見守りが必要であるため。FIMの5点は介助者が必要であるが監視や準備のみ必要とするレベルである。

 

 

 

46回 午前41

41.浴槽移乗において「浴槽をまたぐ際、両足の出し入れを介助してもらう」必要がある場合、FIMの得点はどれか。

1.6点
2.5点
3.4点
4.3点
5.2点

解答4

解説

本症例のポイント

①浴槽をまたぐ際、両足の出し入れを介助してもらう。
中等度介助のレベル(患者自身で50~75%未満行う)。

1.× 6点は、修正自立(補助具の使用、通常以上の時間、安全性の配慮が必要)である。
2.× 5点は、監視(体に触れない監視、準備、指示)である。
3.× 4点は、最小介助(手で触れる程度の介助が必要、患者自身で75%以上行う)である。
4.〇 正しい。浴槽移乗において「浴槽をまたぐ際、両足の出し入れを介助してもらう」必要がある場合は、3点である。3点は、中等度介助(触れる程度以上の解除が必要、患者自身で50~75%未満行う)である。なぜなら、浴槽移乗の際に両足をまたがせる介助を行えば、沈み込み、立ち上がりは自分でできる(2/4程度の介助)であるため。
5.× 2点は、最大介助(患者自身で25%以上50%未満行う)である。例えば、本症例の状態に加えて、立ち上がりにも介助を要せば(3/4程度の介助)2点となる。

採点ポイント

1. 浴槽またはシャワー室に入り、そこからでる動作を評価する。
2. 浴槽のそばにいる状態から「①浴槽をまたいで入る」「②和式であれば沈み込む」「③立ち上がり」「④浴槽から出る」までを評価する。
3. シャワー浴だけの人はシャワー椅子への移乗を評価する。

 

 

 

46回 午後41

41.FIMの得点で5点以下となるのはどれか。

1.食事:配膳、下膳は手伝ってもらうが、あとは一人で食事できる。
2.清拭:首から下のみすべて一人で洗える。
3.下半身更衣:装具の着脱は介助が必要だが、ズボン、パンツ、靴下は一人でできる。
4.トイレ移乗:ベッドサイドのポータブルトイレで自立している。
5.歩行:50mまでは、杖がなくても一人で歩ける。

解答3

解説

1.× 配膳、下膳は手伝ってもらうが、あとは一人で食事できるのは、食事6点以上である。なぜなら、食事の配膳・下膳は採点に含まないため。FIMにおける食事の評価は、食事が適切に用意された状態で①適切な食器・道具を使って、②食べ物を口に運ぶ動作から、③咀嚼し、嚥下するまでの3つの工程を評価する。
2.× 首から下のみすべて一人で洗えるのは、清拭6点以上である。なぜなら、清拭部位の頭と背中は採点に含まないため。 FIMにおける清拭の評価は、身体を①胸部、②右上肢、③左上肢、④腹部、⑤右大腿部、⑥左大腿部、⑦右下腿部、⑧左下腿部、⑨陰部、⑩お尻の10箇所に別けて、身体を洗う、すすぐ、乾かす(拭く)で評価する。
3.〇 正しい。装具の着脱は介助が必要だが、ズボン、パンツ、靴下は一人でできるのは、下半身更衣4点となる。下肢装具が必要な方は、装具の着脱も下半身の更衣の評価対象となる。また、弾性ストッキングも装具と同様である。
4.× ベッドサイドのポータブルトイレで自立しているのは、トイレ移乗6点である。なぜなら、ポータブルトイレは補助具になるため。
5.× 50mまでは、杖がなくても一人で歩けるのは、歩行7点である。7点の場合、介助者なしで自立
していることである。6点の場合は、杖などの歩行補助具を使用していれば50mの移動が自立していることとなる。5点の場合は、監視または準備、助言があれば50mの移動が可能な場合である。

 

 

47回 午後29

29 車椅子で50m移動できるが、敷居の段差を越えるときのみ介助を要する。
 このときのFIMの移動項目の得点はどれか。

1.6点
2.5点
3.4点
4.3点
5.2点

解答3

解説

【車いすのFIMの点数】
6点:50m以上の移動を介助者不要(自立)で可能。
5点:①50m未満15m以上の移動を自立している場合、②50m以上の移動を監視・準備・促しが必要な場合。
4点:50mの移動に最小介助が必要な場合。

したがって、本症例は、敷居の段差を越えるときのみ介助を要する(最小介助)ため、4点となる。したがって、選択肢3.4点が正しい。ちなみに、車椅子自走が15m以下であれば2点以下となる。

FIMの採点方法

「介助者なしの自立レベル」
7 完全自立(時間、安全性を含めて)
6 修正自立(補装具などを使用)

「介助者ありの部分自立レベル」
5 監視や準備だけをすれば可能
4 最少介助(患者自身で75%以上可能)
3 中等度介助(患者自身で50%以上可能)

「完全介助レベル」
2 最大介助(患者自身で25%以上可能)
1 全介助(患者自身で25%未満)

 

 

 

48回 午前26

26 FIM について正しいのはどれか。

1.自記式評価法である。
2.機能障害の評価法である。
3.更衣は上半身と下半身に分けられる。
4.補装具を使用しても完全自立と判定する。
5.認知には「対人関係」という項目が含まれる。

解答3

解説

1.× 「自記式評価法(本人が記入するの)」ではなく、第三者が評価する。
2.× 「機能障害の評価法」ではなく、機能的自立度(しているADL)の評価である。機能障害の評価法とは、TMTなどの注意障害やファンクショナルリーチなどのバランス評価がそれにあたる。
3.〇 正しい。更衣は上半身と下半身に分けられる。
4.× 補装具を使用した場合、「完全自立(7点)」ではなく修正自立(6点)と判定する。
5.× 認知には、「対人関係」という項目が含まれない。含まれるものは、①社会的交流、②問題解決、③記憶である。

 

 

 

48回 午後25

25 FIMの移動(歩行)項目の評定で6はどれか。

1.時間は健常の3倍かかるが装具、杖なしで50m歩ける。
2.軽度の介助があれば装具、杖なしで50m歩ける。
3.そばで見ていれば装具、杖なしで50m歩ける。
4.装具を装着すれば30mは歩ける。
5.声かけすれば30mは歩ける。

解答1

解説

1.〇 正しい。6点である。時間は健常の3倍かかるが装具、杖なしで50m歩ける。
2.× 軽度の介助があれば装具、杖なしで50m歩けるのは、4点(最小介助:75%以上は行える)である。
3.× そばで見ていれば装具、杖なしで50m歩けるのは、5点(監視や準備のみ)である
4~5.× 装具を装着すれば30mは歩ける。/声かけすれば30mは歩けるのは、自立でも50m未満なので5点、介助が必要であれば2点(75以上は自分で行う)または、1点(75%以上介助)である。

 

 

49回 午前6

6 80歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom 法ステージは上肢、手指、下肢ともにⅢ。右短下肢装具を装着し1本杖歩行は15mまでは可能である。12段の階段昇降は可能であるが、そばで見守る必要がある。
 歩行と階段のFIMの点数の組合せで正しいのはどれか。

1. 歩行6点 ― 階段6点
2. 歩行5点 ― 階段6点
3. 歩行5点 ― 階段5点
4. 歩行4点 ― 階段5点
5. 歩行4点 ― 階段4点

解答3

解説

【歩行】

6点(修正自立):50m以上歩行しているが補装具が必要な場合。

5点(監視):50mに満たないが補装具使用の有無にかかわらず、最低15m程度の歩行が自立

4点(最小介助):最小の介助が必要な場合。

【階段昇降(12~15段:一階分)】

6点(修正自立):手すりや杖などを必要な場合。

5点(監視):監視や指示が必要な場合。

4点(最小介助):最小な介助が必要な場合。

本症例のポイント

本症例は、

歩行:下肢装具を使用した杖歩行が15m可能。(5点:監視)
階段:12段の階段昇降は可能であるが、そばで見守る必要がある。(5点:監視)

したがって、選択肢3.歩行5点 ― 階段5点が正しい。

 

 

 

49回 午前11

11 68歳の男性。歩行中に転倒して歩けなくなり救急搬送された。上下肢に麻痺を認めたが骨傷はみられず、中心性頸髄損傷の診断を受けた。受傷5日後のADLは全介助であった。
 6か月後にFIMでADLを評価したときに、最も自立度が低いと予想される項目はどれか。

1. 更衣(上半身)
2. 排尿管理
3. トイレ移乗
4. 歩行
5. 階段昇降

解答1

解説

本症例のポイント

・68歳の男性(中心性頸髄損傷)
・受傷5日後:ADL全介助
→本症例は、中心性頸髄損傷である。中心性頚髄損傷とは、転倒などの頸椎の過伸展により発生する。したがって高齢者に多い。中心性とは脊髄の中心が主に受傷される。そのため、下肢よりも上肢の障害が優位となる。四肢麻痺、手指の巧緻性低下などの運動障害、強いしびれなどの感覚障害、膀胱直腸障害を呈する。

 中心性頚髄損傷は、上肢の障害が主である(下肢は軽度)。つまり、上肢の巧級性が低下しているため、選択肢1. 更衣(上半身)が最も自立度が低いと予想される。

2. × 中心性頚髄損傷では膀胱直腸障害は発症することもあるが軽度であり、排尿管理可能であることが多い。今回の選択肢ではこれ以外に優先度が高いものが他にあったため除外できる。
3~5. × トイレ移乗/歩行/階段昇降は、下肢の動作が中心である。下肢の障害は軽度である。

 

 

 

49回 午前47

47 FIMで5点に評定されるのはどれか。2つ選べ。

1. 整容:洗顔、洗髪に介助を要する。
2. 排尿管理:自己導尿が自立している。
3. 歩行:歩行器を用い、監視下で50m歩行する。
4. 更衣(上半身):シャツのボタンをかけるのを介助してもらう。
5. 記憶:メモリーノートが必要だが使うように促されれば問題は生じない。

解答3/5

解説

5点は、監視(体に触れない監視、準備、指示)程度のときである。

 

1.× 整容:洗顔、洗髪に介助を要する場合、3点(中等度介助)である。本症例は、①口腔ケア、②整髪、③手洗い、④洗顔、⑤髭剃りのうち2項目に介助が必要であるため、3/5可能(60%可能)である。したがって、3点(中等度介助)となる。
2.× 排尿管理:自己導尿が自立している場合、6点(修正自立)である。
3.〇 正しい。歩行:歩行器を用い、監視下で50m歩行する場合、5点(監視)である。
4.× 更衣(上半身):シャツのボタンをかけるのを介助してもらう場合、4点以下(最小介助)である。
5.〇 正しい。記憶:メモリーノートが必要だが使うように促されれば問題は生じない場合、5点(監視)である。

 

 

50回 午前45

45 FIMの評定で正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 食事1点:咀嚼や嚥下は可能であるが、食べ物を口に全く運ばない。
2. トイレ動作1点:日中6 回修正自立で行い、夜間2回全介助で行っている。
3. 排便管理4点:坐薬を月に4回挿入してもらっている。
4. 移動4点:車椅子で50m以上自走できるが曲がるたびに介助が必要となる。
5. 記憶2点:よく出会う人を認識し、日課を思い出せるが、命令に従えるのは1段階までである。

解答1/2

解説

1.〇 正しい。咀嚼や嚥下は可能であるが、食べ物を口に全く運ばない場合、全介助と評価できるため、食事1点である。
2.〇 正しい。日中6 回修正自立で行い、夜間2回全介助で行っている場合、点数が低い方で評価されるため、トイレ動作1点(夜間全介助)である。
3.× 坐薬を月に4回挿入してもらっている場合(週に1~2回以下)、「排便管理4点」ではなく、排便管理5点である。ちなみに、排便管理4点は、「隔日または毎日」挿入介助を要する場合である(リハビリテーション基礎評価学第1版増補p298より)。また、座薬を挿入するだけの介助なら3点以下には下がらない。
4.× 車椅子で50m以上自走できるが曲がるたびに介助が必要となるのは、手で触れる以上の介助が必要(中等度介助:1/4程度の自立度)と判断でき移動3点である。3/4以上患者が行えれば4点である。
5.× よく出会う人を認識し、日課を思い出せるが、命令に従えるのは1段階までである場合、「記憶2点」ではなく、少なくとも3~4点と評価できる。記憶の評価は、①よく会う人を認識している、②日課を覚えている、③他者からの依頼を実行する、の3項目である。命令に従えるのは、③に該当する。本症例の場合、3項目中2項目については自立しているため3~4点となる。

 

 

 

50回 午後17

17 65歳の男性。右片麻痺。病棟では、ベッドから車椅子への移乗は介助者に腰を軽く引き上げてもらい、車椅子からベッドへの移乗は介助者に腰を持ち上げて回してもらう。
 移乗動作のFIMの点数はどれか。

1. 5点
2. 4点
3. 3点
4. 2点
5. 1点

解答4

解説

本症例のポイント

・65歳の男性(右片麻痺)
【病棟での移乗】
①ベッドから車椅子への移乗:介助者に腰を軽く引き上げてもらう(3点)。
②車椅子からベッドへの移乗:介助者に腰を持ち上げて回してもらう2点)。
→移乗の評価について、①往復で点数が異なる場合は、低い方で採点する。②立って移乗する場合は、立ち上がり動作も評価対象とする。③ベッドからの起き上がり動作も比重は少ないが評価対象とする。ちなみに、「車椅子の位置を直す」「車椅子のフットレストを上げたりやブレーキをする」「スランディングボードを設置する」は、移乗の準備として評価するため、5点と点数付けする。

1.× 5点(監視・準備)は、患者に触れないでできる場合である。ちなみに、「車椅子の位置を直す」「車椅子のフットレストを上げたりやブレーキをする」「スランディングボードを設置する」は、移乗の準備として評価するため、5点と点数付けする。
2.× 4点(最小介助)は、介助者が手添え程度に触れている場合である。
3.× 3点(中等度介助)は、車椅子からベッド、またベッドから車椅子への移乗の際に、介助者が軽く引き上げる場合である。
4.〇 正しい。2点(最大介助)は、車椅子からベッドへの移乗の際に、介助者にしっかり腰を持ち上げて回してもらう場合である。本症例は、腰を持ち上げて回してもらう介助をしてもらっており、低い方の採点となるため2点となる。
5.× 1点は、全介助二人介助の場合である。

 

 

 

50回 午後47

47 FIMのトイレ動作で評価される項目はどれか。2つ選べ。

1. トイレに近づく。
2. 便器に移乗する。
3. 服を下げる。
4. 拭く。
5. トイレのドアを閉める。

解答3/4

解説

トイレ動作には、「服を下げる」「お尻を拭く」「服を上げる」の3動作が含まれる。

 

1.× トイレに近づく:移動である。
2.× 便器に移乗する:移乗である。
3~4.〇 正しい。服を下げる。拭く。がトイレ動作に含まれる。他にも「服を上げる」も含まれる。
5.× トイレのドアを閉める:FIMには含まれない。

 

 

51回 午後40

40 FIMの評定で修正自立となるのはどれか。2つ選べ。

1. 入れ歯の着脱が自立している。
2. シャワーのみで入浴が自立している。
3. スプーンを用いての食事が自立している。
4. パッドを用いての排尿管理が自立している。
5. 装具を装着して300m程度の歩行が自立している。

解答4/5

解説

修正自立とは?

修正自立とは、FIMレベル6で、「補助具の使用、通常以上の時間、安全性の配慮が必要」なレベルである。

1.× 入れ歯の着脱が自立しているだけでは、修正自立とはいえない。なぜなら、入れ歯の着脱は、整容の評価項目であるが、整容には他の評価項目(口腔ケア・整髪・手洗い・洗顔・そして髭剃りまたは化粧)もありそれらの項目の達成度や%で点数が決まるため。
2.× シャワーのみで入浴が自立しているのは、レベル7(完全自立)である。入浴は湯船につからなくてもよい。
3.× スプーンを用いての食事が自立しているのは、レベル7(完全自立)である。なぜなら、自助具を用いれば、レベル6であるが、スプーンは補助具ではないため。
4.〇 正しい。パッドを用いての排尿管理が自立しているのは、レベル6(修正自立)である。なぜなら、補助具(パット)を使用して自立しているため。
5.〇 正しい。装具を装着して300m程度の歩行が自立しているのは、レベル6(修正自立)である。なぜなら、装具を使用しているため。

 

 

 

 

52回 午後29

29 FIM について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 運動項目の1つに排尿管理がある。
2. 認知項目の1つに問題解決がある。
3. 認知項目の完全自立は42点となる。
4. 補装具を使用して動作が自立していれば完全自立とする。
5. すべての評価項目が全介助の場合、評価点は0点となる。

解答:1,2

解説

1~2.〇 正しい。運動項目の1つに排尿管理がある。/認知項目の1つに問題解決がある。項目には18項目あり、運動13項目、認知5項目で構成されている。認知項目は、コミュニケーション(理解・表出)と社会的認知(社会的交流・問題解決・記憶)で、他は運動項目(セルフケア・排泄コントロール・移乗・移動)である。
3.× 認知項目の完全自立は、「42点」ではなく35点(認知項目5項目 × 最大7点 = 完全自立は35点)となる。
4.× 補装具を使用して動作が自立していれば、「完全自立(7点)」ではなく修正自立(6点)である。
5.× すべての評価項目が全介助の場合、評価点は「0点」ではなく1点となる。ちなみに、リスクがあって検査が行えない場合でも1点となる。全体でも18点となる。

 

 

 

54回 午後8

8.75歳の男性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。右短下肢装具を装着し四脚杖を使用して介助なく20mまでの歩行が可能である。食事は左手で普通のスプーンやフォークを使用して介助なく可能だが箸は使えない。
 歩行と食事のFIMの点数の組み合わせで正しいのはどれか。

1. 歩行6点:食事5点
2. 歩行6点:食事6点
3. 歩行5点:食事6点
4. 歩行5点:食事7点
5. 歩行4点:食事7点

解答

解説
歩行:右短下肢装具を装着し四脚杖を使用して介助なく20mまでの歩行が可能である。は、5点である。
食事:左手で普通のスプーンやフォークを使用して介助なく可能だが箸は使えない。は、7点である。

食事で、スプーンやフォークは、自助具に含まれないので注意して覚える。

ちなみに、
歩行6点は「50m以上歩行しているが補装具が必要な場合は修正自立」、
歩行4点は「手を触れる程度の介助があれば50mの移動が可能」。

食事6点は「自助食器や自助具を使用するが、自立して行える」、
食事5点は「万能カフなど自助具を装着してもらう必要がある。」

 

よって、選択肢4. 歩行5点:食事7点である。

[/memo]

 

 

 

 

 

56回 午後13

13 70歳の女性。両側変形性膝関節症。外来通院中である。自宅におけるADLは、FIMによる評価で、2項目(歩行・車椅子および階段)はT字杖を使用しての自立であったが、それ以外は補助具を使用せずに自立していた。コミュニケーション(理解、表出)や社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)は問題ない。
 FIMの点数はどれか。

1.100
2.112
3.120
4.124
5.126

解答

解説

 FIMの採点基準は、18個の小項目に7点満点で点数をつけていきADLの評価をおこなう。最高得点が126点であり、最低得点が18点である。本症例は、2項目(歩行・車椅子および階段)は「T字杖を使用しての自立」であると記載されている。補助具を使用しているため、修正自立であり、2項目が6点になる。したがって、FIM最大点の126点から2点を引いて、選択肢4.124点が正しい。

FIMの採点方法

「介助者なしの自立レベル」
7 完全自立(時間、安全性を含めて)
6 修正自立(補装具などを使用)

「介助者ありの部分自立レベル」
5 監視や準備だけをすれば可能
4 最少介助(患者自身で75%以上可能)
3 中等度介助(患者自身で50%以上可能)

「完全介助レベル」
2 最大介助(患者自身で25%以上可能)
1 全介助(患者自身で25%未満)

 

 

 

 

57回 午前29

29 FIMの評定で修正自立となるのはどれか。2つ選べ。

1.入れ歯の着脱が自立している。
2.浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたぐ。
3.スプーンを用いての食事が自立している。
4.服の上げ下ろしをする際に手すりを使用する。
5.装具を装着して300m程度の歩行が自立している。

解答4・5

解説

修正自立とは?

修正自立とは、FIMレベル6で、「補助具の使用、通常以上の時間、安全性の配慮が必要」なレベルである。

1.× 入れ歯の着脱が自立しているだけでは、修正自立と断定できない。なぜなら、入れ歯の着脱は、整容の評価項目であるが、整容には他の評価項目(口腔ケア・整髪・手洗い・洗顔・そして髭剃りまたは化粧)もありそれらの項目の達成度や%で点数が決まるため。
2.× 浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたぐだけでは、修正自立と断定できない
3.× スプーンを用いての食事が自立しているのは、レベル7(完全自立)である。なぜなら、自助具を用いれば、レベル6であるが、スプーンは補助具ではないため。
4.〇 正しい。服の上げ下ろしをする際に手すりを使用するのは、レベル6(修正自立)である。自助具と同様の扱いである。
5.〇 正しい。装具を装着して300m程度の歩行が自立しているのは、レベル6(修正自立)である。なぜなら、装具を使用して50m以上歩行自立しているため。

 

 

58回 午前16

16.80歳の女性。左片麻痺。夫と自宅で2人暮らし。ベッドから車椅子への移乗は夫に手を添えてもらう程度で可能だが、車椅子からベッドへの移乗では立ち上がる際に腰を引き上げてもらう。
 FIMの移乗動作は何点か。

1.6点
2.5点
3.4点
4.3点
5.2点

解答

解説

本症例のポイント

・80歳の女性(左片麻痺)
・自宅で2人暮らし(夫)。
・ベッドから車椅子への移乗:夫に手を添えてもらう程度で可能(4点:25%未満の介助)。
・車椅子からベッドへの移乗:立ち上がる際に腰を引き上げてもらう3点:50%~75%の介助)。

【移乗の採点のポイント】
・往復で点数が異なる場合:低いほうを採用する。
・立って移乗する場合は、立ち上がり動作も評価対象。
・ベッドからの起き上がり動作も評価対象。

1.× 6点(修正自立)は、時間がかかったり、装具や自助具(安全性の配慮)が必要であるが、自立している場合である。例えば、移乗の際に、手すりと装具を装着して安全に移乗ができる場合をさす。
2.× 5点(監視・準備)は、監視・準備・指示・促しが必要な場合である。例えば、移乗が安全にできるように車椅子の位置を整える必要があるが、その他は自立している場合をさす。
3.× 4点(最小介助:25%未満の介助が必要)は、手で触れる以上の介助は必要ない場合である。例えば、移乗の際に、手を添えてもらう場合をさす。
4.〇 正しい。3点(中等度介助:50%〜75%未満の介助が必要)が、本症例のFIMの移乗動作の点数である。例えば、手で触れる以上の介助が必要な場合をさす。本症例のように、立ち上がる際に腰を引き上げてもらう場合、3点(50%~75%の介助)に該当する。また、本症例のように、往復で点数が異なる場合:低いほうを採用する。また朝・夕など日内変動がある場合も低いほうを採用する。
5.× 2点(最大介助:75%以上の介助が必要)は、移乗を4項目に分けた際に、3項目はかなり介助が必要な場合をさす。例えば、①起き上がり~座位保持、②立ち上がり、③方向転換、④座り込みといったように4項目に分けて評価する。

 

 

 

 

59回 午前10

10 70歳の女性。両側変形性膝関節症。外来通院中である。自宅におけるADLは、FIMによる評価で、2項目(歩行・車椅子および階段)はT字杖を使用しての自立であったが、それ以外は補助具を使用せずに自立していた。コミュニケーション(理解、表出)や社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)は問題ない。
 FIMの点数はどれか。

1.118
2.120
3.122
4.124
5.126

解答

解説

本症例のポイント

・70歳の女性(両側変形性膝関節症、外来通院中)。である。
【FIMによる評価】
2項目(歩行・車椅子および階段)T字杖を使用しての自立
・それ以外:補助具を使用せずに自立。
・コミュニケーション(理解、表出)や社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)は問題ない。
→減点項目は、2項目:①歩行・車椅子、②階段である。T字杖を使用しての自立の場合、2項目とも6点となる。126点満点で、2点減点となるため124点となる。

【歩行・車椅子】
7点:介助者なしで自立。
6点:杖などの歩行補助具を使用していれば50mの移動が自立、通常以上の時間がかかる、安全面の配慮が必要など。

【階段】
7点:介助者なしで自立。
6点:杖や手すり、装具などの補助具を使用していれば12〜14段の昇降自立、通常以上の時間がかかる、安全面の配慮が必要など。

FIM126点満点で、本症例は2点減点となるため124点となる。

したがって、選択肢4.124点が本症例のFIMの点数といえる。

FIMとは?

FIMとは、日常生活動作(ADL)を評価する尺度で、運動項目(13項目)と認知項目(5項目)の計18項目を7段階で採点する。【運動項目】セルフケア(食事、整容、清拭、更衣:上・下、トイレ動作)、移乗(ベッド・椅子・車椅子移乗、トイレ移乗、浴槽・シャワー移乗)、排泄コントロール(排尿管理、排便管理)、移動(歩行・車椅子、階段)、【認知項目】コミュニケーション(理解、表出)、社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)で評価する。

 

類似問題です↓
【OT/共通】FIMについての問題「まとめ・解説」

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