【PT/OT/共通】デルマトーム/体性感覚領域についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。

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目次 非表示

PT専門

45回 午後3

3 図に示す体性感覚領域で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.①第4頸髄節
2.②第7頸髄節
3.③第12胸髄節
4.④第3腰髄節
5.⑤第5腰髄節

解答4・5

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× ①は、「第4頸髄節」ではなく「第5頸髄節」である。
2.× ②は、「第7頸髄節」ではなく「第8頸髄節」である。
3.× ③は、「第12胸髄節」ではなく「第10胸髄節」である。
4.〇 正しい。④は、第3腰髄節である。
5.〇 正しい。⑤は、第5腰髄節である。

 

 

 

46回 午後35

35.脊髄損傷の機能残存レベルと知覚障害との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。(不適切問題:解なし)

1.T5:乳頭以下の痛覚脱失
2.T10:剣状突起以下の痛覚脱失
3.T12:臍部以下の痛覚脱失
4.L2:鼠径部以下の痛覚脱失
5.S2:会陰部サドル型痛覚脱失

解答 なし(採点除外)
理由:選択肢に誤りがあり正解が得られないため。

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× 乳頭以下の痛覚脱失は、「T5」ではなくT4である。
2.× 剣状突起以下の痛覚脱失は、「T10」ではなくT5である。ちなみに、T10では臍レベルである。
3.× 臍部以下の痛覚脱失は、「T12」ではなくT10である。ちなみに、T12は鼠径部レベルである。
4.× 鼠径部以下の痛覚脱失は、「L2」ではなくT12である。ちなみに、L2は大腿部レベルである。
5.× 会陰部サドル型痛覚脱失は、「S2」ではなくS3である。ちなみに、S2は大腿後面レベルである。

 

 

 

53回 午後5

5.車椅子乗車中に体幹を右に傾けたまま寝てしまい、アームレストに右上腕外側を長時間圧迫していた。目が覚めると、図のように右手の斜線部分に感覚鈍麻を認めた。
 絞扼性損傷を受けた神経はどれか。

1.腋窩神経
2.筋皮神経
3.尺骨神経
4.正中神経
5.橈骨神経

解答:5

解説

1.× 腋窩神経は、上腕の上外側を支配する。また、三角筋・小円筋の麻痺を認める。肩関節前方脱臼で起こりやすい。
2.× 筋皮神経は、前腕橈側を支配する。また、上腕二頭筋・烏口腕筋・上腕筋の麻痺を認める。筋皮神経障害は、肩関節脱臼や上肢の外転外旋で側副から分かれた部位で圧迫、または牽引されることにより生じる。
3.× 尺骨神経は、第4~5指を支配する。また、尺側手根屈筋・深指屈筋(尺側)・母指球を除く手内在筋の麻痺(かぎ爪変形・鷲手変形)を認める。
4.× 正中神経は、第1~4指を支配する。また、円回内筋・橈側手根屈筋・浅指屈筋・深指屈筋・短母指外転筋などの麻痺(猿手)を認める。
5.〇 正しい。橈骨神経は、母指背側である。また、上腕三頭筋・腕橈骨筋・長、短橈側手根伸筋、総指伸筋などの伸筋群の麻痺(下垂手)を認める。上腕の圧迫で障害されやすい。

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

 

 

54回 午後14

14. 40歳の男性。長時間の立位により右下肢の疼痛が生じるようになったため受診し腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立位で踵の挙上ができなかった。
 重度の感覚鈍麻が疑われる部位はどれか。

1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤

解答

解説

本症例のポイント

・40歳の男性(腰椎椎間板ヘルニア)
・長時間の立位により右下肢の疼痛が生じる。
・右の片脚立位で踵の挙上ができない(足関節底屈:S1)。
→本症例は、腰椎椎間板ヘルニアと診断され、右の片脚立位で踵の挙上(足関節底屈:S1)ができないことからS1が障害されていることが分かる。そこからデルマトームのS1領域を理解すると解答できる。

1. ×:L3領域である。
2. ×:L4領域である。
3. ×:L4領域である。L4神経根障害では、大腿四頭筋の筋力低下が生じる。伴って、膝蓋腱反射が低下する。
4. 〇:正しい。S1領域である。S1神経根障害では、下腿三頭筋・長母趾屈筋・長趾屈筋の筋力低下を生じる。伴って、アキレス腱反射が低下する。
5. ×:L5領域である。L5神経根障害では、前脛骨筋の筋力低下を生じる。また、下腿外側から足背にかけて知覚異常を伴う。

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

 

 

 

55回 午前9

9 74歳の男性。肺尖部がんによる腕神経叢への直接浸潤により環指・小指~前腕中央・内側にかけて痛覚過敏を訴えている。
 腕神経叢への浸潤部位はどれか。

1. C7神経根
2. C8神経根
3.下神経幹
4.外側神経束 
5.後神経束

解答
解説

1. × C7神経根は、示指~中指にかけての知覚障害が生じる。
2. × C8神経根は、環指~小指にかけての知覚障害が生じる。
3.〇 正しい。下神経幹とは、第8頚神経と第1胸神経の前枝が合流したものをいう。C8神経根は、環指~小指にかけての知覚障害が、第1胸神経の前枝は、前腕中央・内側の知覚障害が生じるため正しい。
4.× 外側神経束は、C5~7の走行からなっている。C5神経根は上腕外側、C6は母指~示指、C7神経根は示指~中指にかけての知覚障害が生じる。
5.× 後神経束は、C6~C8の走行からなっている。C6は母指~示指、C7神経根は示指~中指、C8神経根は環指~小指にかけての知覚障害が生じる。

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

 

 

 

55回 午前14

14 65歳の男性。変形性頚椎症。2年前から肩こりがあり、2か月前から頚部伸展時に右手の母指にしびれが出現し、右上肢のだるさと脱力感を自覚するようになった。下肢の症状やバランス不良はみられない。
 右上肢において筋力低下が最も生じやすいのはどれか。

1.三角筋
2.上腕三頭筋
3.上腕二頭筋
4.尺側手根屈筋
5.長橈側手根伸筋

解答
解説

本症例のポイント

・65歳の男性(変形性頚椎症)
・2年前:肩こり
・2か月前:頚部伸展時に右手の母指にしびれ(C6)が出現し、右上肢のだるさと脱力感を自覚。
・下肢の症状やバランス不良はみられない。
→本症例の特徴として、2か月前から頚部伸展時に右手の母指にしびれが出現し、右上肢のだるさと脱力感を自覚するようになった。デルマトームで支配領域を確認するとC6であることが分かる。この領域に当たる筋肉は、選択肢5.長橈側手根伸筋である。

1.× 三角筋は、主にC5神経根の支配である。 
2.× 上腕三頭筋は、主にC7神経根の支配である。 
3.× 上腕二頭筋は、主にC5.6神経根の支配である。 
4.× 尺側手根屈筋は、主にC7.8神経根の支配である。 

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

 

 

OT専門

47回 午前27

27 頸髄完全損傷者における残存髄節レベルと感覚残存部位の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.C4:肩峰
2.C5:腋窩
3.C6:母指球
4.C7:乳頭
5.C8:胸骨剣状突起

解答1・3

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.〇 正しい。肩峰は、C4領域である。
2.× 腋窩は、「C5」ではなくT2領域である。
3.〇 正しい。母指球は、C6領域である。
4.× 乳頭は、「C7」ではなくT4領域である。
5.× 胸骨剣状突起は、「C8」ではなくT7領域である。

 

 

 

51回 午前2

2 ASIAによる脊髄損傷の神経学的・機能的国際評価表の感覚機能の髄節領域を図に示す。
 番号の標的感覚点を含む領域と脊髄のレベルとの組合せで正しいのはどれか。

1. ①:C4
2. ②:C7
3. ③:T10
4. ④:L1
5. ⑤:S1

解答2

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× ①は、「C4」ではなくC5である。C5は上腕外側で、C4は首元である。
2.〇 正しい。②は、C7(中指)である。
3.× ③は、「T10」ではなくT4である。T4は乳頭、T10は臍の高さである。
4.× ④は、「L1」ではなくL3である。L3は大腿遠位部、L1は恥骨部の高さである。
5.× ⑤は、「S1」ではなくS4~5である。S4~5は肛門部、S1は外果である。

(※図引用:ASIA AMERICAN SPINAL INJURY ASSOCIATIONより)

 

 

 

54回 午後26

26 小指の感覚をつかさどる神経根と末梢神経の組合せはどれか。

1. 第6頸髄神経根:橈骨神経
2. 第7頸髄神経根:正中神経
3. 第7頸髄神経根:尺骨神経
4. 第8頸髄神経根:正中神経
5. 第8頸髄神経根:尺骨神経

解答
解説

 小指の感覚を支配するのは尺骨神経である。デルマトーム(下図)を覚えておくことで、C6~8がどの指の感覚支配であるかの判断ができる。尺骨神経は、C8~T1の神経支配であり、小指の感覚を支配している。よって選択肢5. 第8頸髄神経根:尺骨神経が正しい。ちなみに、橈骨神経は、C6~C8神経支配であり、主に上腕から前腕の橈側と、手背面の母指から環指までの感覚を支配する。正中神経はC5~T1神経支配であり、掌側面の母指から環指の母指側1/2までの感覚を支配する。

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

 

 

55回 午前2

2 75歳の女性。頸椎症性神経根症。4年前から上肢のしびれ感がある。その領域を図に示す。
 障害を受けている神経根で正しいのはどれか。

1. C5
2. C6
3. C7
4. C8
5. Th1

解答2

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× C5は上腕外側である。
2.〇 正しい。C6は前腕橈側である。障害を受けている神経根と一致する。
3.× C7は中指である。
4.× C8は①手掌・手背の尺側と②第4~5指である。
5.× Th1は前腕尺側である。

 

 

 

 

共通問題

 

 

47回 午後60

60 左下腿後面から足底にかけての模式図に、ある神経の知覚支配領域を斜線で示す。
 この神経はどれか。

1.大腿神経
2.脛骨神経
3.総腓骨神経
4.後大腿皮神経
5.外側大腿皮神経

解答2

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.× 大腿神経は、大腿~下腿の内側前面と下腿内側後面の感覚を支配する。
2.〇 正しい。脛骨神経は、下腿後面と足底の感覚を支配する。
3.× 総腓骨神経は、下腿外側~足背の感覚を支配する。
4.× 後大腿皮神経は、大腿後面と膝関節後面の感覚を支配する。
5.× 外側大腿皮神経は、大腿外側の感覚を支配する。

 

 

53回 午後56

56.デルマトームと支配髄節の組合せで正しいのはどれか。

1.母指:第3頸髄節
2.乳頭:第4胸髄節
3.臍:第8胸髄節
4.膝:第1腰髄節
5.肛門:第1仙髄節

解答:2


解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)

1.×:母指はC6である。C3は頚部前面下部から頚部後面である。
2.〇:正しい。乳頭は、第4胸髄節である。
3.×:臍はT10である。T8は臍より約3横指分上である。
4.×:膝はL4である。L1は鼠径部である。
5.×:肛門はS5である。S1は、下腿後面外側から足部外側にかけてである(L5は下腿後面外側)。

 

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