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96 機能性神経学的症状症/変換症〈転換性障害〉で正しいのはどれか。
1.精神療法は無効である。
2.20歳以降の発症はまれである。
3.経過が短いほど予後不艮である。
4.患者が診断を受け入れていると予後が良い。
5.パーソナリティー症〈パーソナリティー障害〉の合併例は予後が良い。
解答4
解説
転換性障害は、無意識領域下に抑圧されたストレスや葛藤が、知覚あるいは随意運動系の身体症状に変換された反応である。①演技性、②自己愛性、③依存性などの特徴的な性格がみられることも多く、性格の未熟性が身体症状の出現の原因になりうる。
1.× 精神療法は、「無効」ではなく有効である。なぜなら、転換性障害は、①随意運動障害、または②感覚機能障害に先立って、心理的葛藤やストレス要因が見出され、心理的要因が関連しているため。言語化できるように促していくこと(精神療法)が行われる。
2.× 20歳以降の発症は、まれである「とはいえない」。なぜなら、生活の変化や職場のストレスによって、青年期・成人早期(10代〜35歳)に発症することが多いため。10歳未満や35歳以上はまれ。ちなみに、男女比は、1:2~10とされている。
3.× 経過が短いほど、「予後良好」である。なぜなら、罹病期間が長いほど症状が固定化しやすいため。症状が6カ月以上続く持続例では、症状の寛解が50%以下になる。再発は、初発から1年以内に20~25%の割合で起こる。また、麻痺や失声、視覚障害は予後が良好な傾向があり、振戦と発作は予後不良となりやすい(※参考:「変換症/転換性障害(機能性神経症状症)」ハートクリニック様HPより)。
4.〇 正しい。患者が診断を受け入れていると予後が良い。なぜなら、患者が診断を理解・受容できると、過度な検査・心理教育、精神療法への参加が進みやすいため。
5.× パーソナリティー症〈パーソナリティー障害〉の合併例は、「予後良好」ではなく予後不良である。なぜなら、パーソナリティ障害の合併例は、対人関係の不安定さや治療同盟の形成困難、衝動性・行動化などを伴いやすく、治療が長期化しやすいため。
※正直、なんの病気でも合併症があれば、より予後不良になる気がするが・・・(もし合併症を伴ったことで予後良好となる疾患をご存じの方がいらしたらコメント欄にて教えてください。)
97 Wilson病で代謝に異常がみられるのはどれか。
1.亜鉛
2.コバルト
3.鉄
4.銅
5.マンガン
解答4
解説
ウイルソン病とは、常染色体劣性遺伝で遺伝する胆汁中への銅排泄障害による先天性銅過剰症である。症状として、銅の組織沈着により肝機能障害、様々な神経症状、精神症状、腎障害等全身の臓器障害を来しうる。治療法は、D-ペニシラミン、トリエンチンや酢酸亜鉛の内服を生涯続ける必要がある。肝不全となった場合は肝移植の対象となる。予後として、早期に診断され、適切な治療を続けた場合は予後良好なことが多い。治療の中断は致死的である。
1.× 亜鉛とは、体内で作ることができない「必須微量ミネラル」で、体内に約2~4g存在し、歯、骨、肝臓、腎臓、筋肉に多く含まれている。200種以上の酵素の構成や酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA合成、タンパク質合成、免疫反応の調節などに作用し、身体の成長と維持に必要な栄養素である。欠乏症状としては、味覚障害、食欲不振、皮膚炎などがみられる。
2.× コバルトとは、ビタミンB12の構成元素である。
・ビタミンB12とは、DNA合成や神経機能(特に神経の髄鞘の合成)に関わるビタミンである。不足すると巨赤芽球性貧血や末梢神経障害(手足のしびれ、感覚異常、腱反射異常)、脊髄症、精神症状などが起こる。
3.× 鉄の過剰によりヘモクロマトーシスが生じる。
・ヘモクロマトーシスとは、鉄過剰症ともいい、体内の鉄の調節が崩れ、鉄が臓器に過剰に沈着して障害を引き起こす病気である。遺伝性の疾患が多く、腸管からの鉄吸収が過剰になることで全身の臓器に鉄が沈着し、肝硬変や糖尿病、皮膚の色素沈着などの症状を引き起こす。
4.〇 正しい。銅は、Wilson病で代謝に異常がみられる。
・ウイルソン病とは、常染色体劣性遺伝で遺伝する胆汁中への銅排泄障害による先天性銅過剰症である。症状として、銅の組織沈着により肝機能障害、様々な神経症状、精神症状、腎障害等全身の臓器障害を来しうる。治療法は、D-ペニシラミン、トリエンチンや酢酸亜鉛の内服を生涯続ける必要がある。肝不全となった場合は肝移植の対象となる。予後として、早期に診断され、適切な治療を続けた場合は予後良好なことが多い。治療の中断は致死的である。
5.× マンガンとは、体にごく少量必要な必須ミネラルである。骨の形成、糖や脂質の代謝、抗酸化酵素の働きに関わる栄養素である。マンガン沈着により、肝不全や静脈栄養などで基底核に沈着しパーキンソニズムを起こすことがある。
98 人格検査はどれか。(※不適切問題:解2つ)
1.CMI
2.MMSE
3.STAI
4.WAIS
5.WMS-R
解答1・3
採点上の取り扱い:複数の選択肢を正解として採点する。
理由:複数の正解があるため。
解説
①投影法:多義的で曖昧な刺激を提示しそこから得られる反応から個人の性格特性を把握しようとする手法。
②質問紙法:あらかじめ定められた質問項目に回答してらうことにより、データを得る方法のこと。
③作業検査法:簡単な作業を行わせて、その結果から性格特性を捉える方法である。
1.〇 正しい。CMIは、人格検査である。
・CMI(Cornell Medical Index)は、質問紙法による性格検査の一つで、心の健康度を測るテストである。心身面の自覚症状を多数列記し「はい」「いいえ」の項目に本人が○を記入する方式のテストである。
2.× MMSE(Mini-Mental State Examination)は、認知症の知的・認知機能評価である。内容は、見当識・記銘力・注意と計算・想起・言語・組み立ての各項目があり、30点満点で評価する。26点以下で軽度認知障害の疑いを示し、23点以下では認知障害の可能性が高いことを示す。
3.× STAI(State-Trait Anxiety Inventory:状態・特性不安尺度)は、状態不安(今この瞬間の不安)と特性不安(個人的に普段感じやすい不安)を測定する自己記入式の質問紙である。特性不安と状態不安に分かれて、各20問ずつ、合計40問になっている。4段階の評価である。
4.× WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)は、成人の知能(IQや指標)を測定する検査である。
5.× WMS-R(ウェクスラー記憶検査)は、見当識障害、視覚性記憶、言語性記憶、論理的記憶、精神統制など様々な角度から測定できる総合的な記憶検査である。
WAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence Scale:ウェクスラー成人知能検査)とは、成人用のウェクスラー知能検査WAISの改訂第3版のことである。質問やイラスト、積み木などの検査キットを用いて、「言語性IQ」「動作性IQ」に加え、「言語理解」「知覚統合」「作動記憶」「処理速度」の4つの指標が得られる。
IQとは、「同世代の集団において、どの程度の知的発達の水準にあるか」を表した数値である。平均値は100であり、点数が平均より高ければIQは100以上になり、点数が平均より低ければIQは100以下となる。79~70以上は「境界域」といい、69以下は「知的障害」と分類される。
99 健常成人の脳波で、安静閉眼時の基礎律動はどれか。
1.α波
2.β波
3.γ波
4.δ波
5.θ波
解答1
解説
δ(デルタ)【0.5~4.0Hz】:深い睡眠
θ(シータ)【4.0~8.0Hz】:浅い睡眠
α(アルファ)【8.0~13.0Hz】:安静閉眼時
β(ベータ)【14.0~30.0Hz】:覚醒・活動時にみられる
γ(ガンマ)【30.0Hz以上】:興奮や強いストレスでみられる。
1.〇 正しい。α波は、健常成人の脳波で、安静閉眼時の基礎律動である。
2.× β波【14.0~30.0Hz】:覚醒・活動時にみられる。
3.× γ波【30.0Hz以上】:興奮や強いストレスでみられる。
4.× δ波【0.5~4.0Hz】:深い睡眠
5.× θ波【4.0~8.0Hz】:浅い睡眠
【CPO優位】
①後頭部(O:occipital)
②頭頂部(P:parietal)
③中心部(C:central)
後頭部の振幅が最も大きく、頭頂部、中心部がそれに続く。
100 ベンゾジアゼピン系睡眠薬を定期的に内服している患者が「副作用が心配なので内服をやめたい」と訴えた。
適切な声かけはどれか。2つ選べ。
1.「眠れない日だけ飲むようにしてみましょう」
2.「どのような副作用が心配か、教えてください」
3.「薬には副作用がつきものです。我慢してください」
4.「依存性のある薬なので、直ちに中止して様子をみましょう」
5.「主治医に直接相談するのが難しければ、私から主治医にお伝えすることもできます」
解答2・5
解説
・ベンゾジアゼピン系睡眠薬を定期的に内服している患者。
・「副作用が心配なので内服をやめたい」と訴えた。
→傾聴的な態度が必要である。傾聴的な態度は、まず患者の思いや考えを率直に聞き、受け止めることが重要である。
1.4.× 「眠れない日だけ飲むようにしてみましょう」と伝えてはならない。なぜなら、本症例は、定期的に内服しているため。薬の調整は、主に医師の領域であるため、原則として自己判断の頓用化(中止)は勧めない。
2.〇 正しい。「どのような副作用が心配か、教えてください」と伝える。なぜなら、傾聴的な態度であるため。患者の不安を具体化し、何を心配しているのか(転倒、ふらつき、物忘れ、翌朝の眠気、依存など)を把握することができる。その把握した情報を他部門に共有し、適切な対応を考えていく。また、ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、定期内服中に急に中止すると、反跳不眠や離脱症状(不安、焦燥、振戦、発汗、動悸、けいれん等)が起こり得る。
3.× 「薬には副作用がつきものです。我慢してください」と伝える必要はない。なぜなら、言われた患者は、不安を否定されたと不信感を抱くため。
4.× 「依存性のある薬なので、直ちに中止して様子をみましょう」と伝えてはならない。なぜなら、本症例は、定期的に内服しているため。薬の調整は、主に医師の領域であるため、原則として自己判断の頓用化は勧めない。
5.〇 正しい。「主治医に直接相談するのが難しければ、私から主治医にお伝えすることもできます」と伝える。なぜなら、自己中断を防ぎつつ、主治医と連携して安全な減量・代替治療を検討する橋渡しになるため。患者が言い出しにくい内容を医療者が共有するのは支援として重要である。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、GABAA受容体の作用を増強し、神経活動を抑制する。睡眠薬・抗不安薬として最も広く用いられている。比較的安全性が高いが、最近は依存性の問題が重視されており、適切な処方・十分な服薬指導が重要である。
※解答の引用:第61回理学療法士国家試験及び第61回作業療法士国家試験の合格発表について(厚生労働省HPより)
