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91 感覚障害を合併するのはどれか。2つ選べ。
1.重症筋無力症
2.多発性硬化症
3.筋萎縮性側索硬化症
4.肢帯型筋ジストロフィー
5.慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー
解答2・5
解説
1.× 重症筋無力症とは、末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患のこと。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすいことが特徴(眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型と呼ぶ)。嚥下が上手く出来なくなる場合もある。重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともある。日内変動が特徴で、午後に症状が悪化する。クリーゼとは、感染や過労、禁忌薬の投与、手術ストレスなどが誘因となって、急性増悪し急激な筋力低下、呼吸困難を呈する状態のことである。
2.〇 正しい。多発性硬化症は、感覚障害を合併する。
・多発性硬化症とは、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)
3.× 筋萎縮性側索硬化症とは、主に中年以降に発症し、一次運動ニューロン(上位運動ニューロン)と二次運動ニューロン(下位運動ニューロン)が選択的にかつ進行性に変性・消失していく原因不明の疾患である。病勢の進展は比較的速く、人工呼吸器を用いなければ通常は2~5年で死亡することが多い。男女比は2:1で男性に多く、好発年齢は40~50歳である(※参考:「2 筋萎縮性側索硬化症」厚生労働省様HPより)。
4.× 肢帯型筋ジストロフィーとは、骨格筋の変性と壊死による筋力低下が主病態で、新生児~乳児期早期に発症する。主に肩や腰周辺(肢帯筋)の筋肉が徐々に弱くなる遺伝性疾患である。初期は運動時の疲労感や筋力低下として現れ、進行性となる。
5.〇 正しい。慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーは、感覚障害を合併する。
・慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーとは、原因不明(遺伝的要因や環境因子が関与し免疫の異常)で、2か月以上にわたる進行性または際年生の左右対称性の多発根ニューロパチーである。末梢運動神経・末梢感覚神経がともに侵される特徴を持つ。
92 慢性腎臓病の臨床所見はどれか。
1.蛋白尿
2.低血圧
3.アルカローシス
4.高カルシウム血症
5.エリスロポエチンの産生亢進
解答1
解説
慢性腎不全(慢性腎臓病とも)は、腎臓の濾過機能が数ヶ月〜数年をかけて徐々に低下していく病気である。その結果血液の酸性度が高くなり、貧血が起き、神経が傷つき、骨の組織が劣化し、動脈硬化のリスクが高くなる。その原因として最も多いのは糖尿病で、次に多いのは高血圧である。尿や血液、腹部超音波検査やCTなどの検査で腎臓機能に異常が見られ、その状態が3カ月以上続いている場合に診断される。
慢性腎不全(CKD)に対する治療は、①生活習慣の改善、②食事療法が重要である。
①生活習慣の改善:禁煙・大量飲酒の回避・定期的な運動・ワクチン接種による感染症の予防・癌スクリーニングなど。
②食事療法:十分なエネルギー摂取量を確保しつつ、蛋白質・塩分・リン・カリウム・ナトリウムの制限。
1.〇 正しい。蛋白尿は、慢性腎臓病の臨床所見である。なぜなら、糸球体障害などにより尿中に蛋白が漏れ出る(蛋白尿)ことが多いため。
2.× 「低血圧」ではなく高血圧が慢性腎臓病の臨床所見である。なぜなら、腎機能低下により、Na・水分貯留が起こりやすいため。
3.× 「アルカローシス」ではなく(代謝性)アシドーシスが慢性腎臓病の臨床所見である。なぜなら、腎臓での酸の排泄、重炭酸再生が低下するため。
・代謝性アシドーシスとは、HCO₃⁻(重炭酸イオン)が低下している状態である。重炭酸イオンを含んだ膵液や胆汁の喪失、腎臓での再吸収障害、体内の酸性物質が過剰になり、その中和のための消費増大によって起こる。代償として、CO₂を排出する呼吸代償(呼吸性アルカローシス)が起こる。
4.× 「高カルシウム血症」ではなく低カルシウム血症が慢性腎臓病の臨床所見である。なぜなら、腎臓がリンを排泄しにくくなって血中リンが増え、カルシウムが結びついて減るため。さらに、活性型ビタミンDも作れず腸からのカルシウム吸収も低下する。
5.× エリスロポエチンの産生「亢進」ではなく低下が慢性腎臓病の臨床所見である。なぜなら、エリスロポエチンは腎臓で産生されるため。したがって、腎機能低下で産生が減る。
・エリスロポエチンとは、赤血球の産生を促進する造血因子の一つである。加齢に伴い、腎臓の機能が低下してエリスロポエチンの分泌が少なくなる。すると赤血球も減少するため、貧血症状があらわれやすくなる。
93 悪性の骨軟部腫瘍が疑われる場合、診断確定に最も重要なのはどれか。
1.PET-CT
2.生検
3.血液検査
4.骨密度測定
5.超音波検査
解答2
解説
骨軟部腫瘍とは、骨および軟部組織(筋肉、脂肪、神経、血管など)にできる腫瘍のことをいう。
・覚えるべき要点:悪性腫瘍の確定診断=病理(組織診:生検)。画像(MRI/CT/PET)や血液検査は疑う・広がり評価には有用でも、確定は生検。
1.× PET-CTは、病変の広がりや転移検索に有用な検査である。
・PET-CTとは、がん細胞が正常細胞に比べて3~8倍ブドウ糖を取り込む性質を利用した検査である。がん細胞がグルコースを取り込みやすいという代謝上の特徴を利用した検査である。
2.〇 正しい。生検は、悪性の骨軟部腫蕩が疑われる場合、診断確定に最も重要である。
・生検とは、病気の診断や経過予後の判定のために、患部の一部を針やメスなどで採取して、顕微鏡などで拡大して調べる検査である。例えば、針生検では、細胞診よりも太い針を病変部に刺し、その中に組織の一部を入れて、からだの外に取り出し検査する。
3.× 血液検査は、炎症反応や貧血、腫瘍随伴所見に対し参考になるが、骨軟部腫瘍に特異的に確定できる血液所見は乏しく、組織型を決められない(診断確定できない)。
・血液検査とは、体内の情報を調べるために、採血した血液中の成分を測定する検査である。血液には全身の健康状態が反映されているため、血液検査を行うことで全身の状態を把握し、病気の早期発見や早期治療に役立てることができる。
4.× 骨密度測定は、骨粗鬆症評価が目的である。腫瘍の良悪性や組織型診断とは無関係である。
5.× 超音波検査は、脂肪腫っぽい、血腫っぽいなどの鑑別に役立つが、最終的な腫瘍型の確定(悪性かどうか)は確定できないため。
・超音波検査とは、「高い周波数の音」を用いる検査で、肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、膀胱、卵巣、子宮、前立腺などの腹部にある臓器や、甲状腺や乳腺などさまざまな臓器にできたがんを検査する。
94 緩和期のがんのリハビリテーション医療で正しいのはどれか。
1.疲労骨折をきたしやすい。
2.疼痛に温熱療法は禁忌である。
3.QOLより機能回復を優先する。
4.がん治療前のADL獲得を目標とする。
5.患者の意思に合わせてプログラムを変更する。
解答5
解説
緩和ケアにおける理学療法は,回復を目的としたトレーニングとは異なる。回復が望めない中にあってその苦痛の緩和に努め,残された機能を最大限に生かし,安全な生活を支えることが必要である。また,残された機能を生かし支えることは,ひいては患者や家族の実際的ニーズや希望を支えることにもなる。さらに,その過程においてさまざまな患者の訴えに心を傾け,患者に寄り添うことは,理学療法士が提供できる大切な心のケアと考える。
①疼痛・苦痛の緩和:リハにおいてもまず取り組む課題である。(安楽肢位、リラクゼーション、物理療法、補装具の検討、電動ベッドなどの検討)
②ADL 能力維持・援助:特に排泄動作に関する要望が多い。(移動能力維持、環境設定、ADL訓練、介助法の指導)
③精神面の援助:死を受け入れていくうえでも「どのように生きるか」が重要である。
④家族への援助:家族から要望があれば介助方法や援助方法(マッサージの方法など)を伝達する。
⑤廃用性変化の予防・全身機能維持:リハが日常生活にリズムをつくる。
※(参考:「緩和ケアにおけるコメディカルの役割と人材の育成」著:下稲葉 主一(栄光病院リハビリテーション科))
1.× 疲労骨折をきたし「にくい」(※骨転移があれば、病的骨折をきたしやすい)。なぜなら、疲労骨折は、骨の同じ部位に繰り返し加わる小さな力で起こるため。
・疲労骨折とは、1回の大きな外傷でおこる通常の骨折とは異なり、骨の同じ部位に繰り返し加わる小さな力によって、骨にひびがはいったり、ひびが進んで完全な骨折に至った状態をいう。好発部位は、腰椎が半数以上を占める。次に、中足骨35%、脛骨27%、肋骨12%、腓骨9%、尺骨・大腿骨・足関節の内側がそれぞれ3%である。
2.× 必ずしも、疼痛に温熱療法は禁忌である「とはいえない」。なぜなら、緩和期(ターミナルケア)の場合、がんの進行より、その時の身体的・精神的苦痛を取り除くための処置の方が優先されることが多いため。
3.× 逆である。「機能回復」より「QOL」を優先する。なぜなら、緩和ケア病棟では、その人らしく過ごすことができるようなケアを求められるため。
4.× がん治療前のADL獲得を目標とする「優先度は低い」。なぜなら、回復が望めない中にあってその苦痛の緩和に努め,残された機能を最大限に生かし,安全な生活を支えることが必要であるため。
5.〇 正しい。患者の意思に合わせてプログラムを変更する。なぜなら、症状(痛み・倦怠感・呼吸困難など)が日々変動し、価値観・希望も個別性が高いため。したがって、患者の意思とその日の状態に合わせて柔軟に調整する。
ターミナルケアとは、終末期医療ともいい、末期がんの患者などが、残された余命を平穏に過ごせるように行われるケアのことである。主に身体的・精神的苦痛を取り除くための処置が行われる。終末期看護の役割は、患者の残された時間の生活の質(QOL)を高め、その人らしいまっとうできるように援助を行うことである。患者が可能な限り前向きに生活できるような支援体制を提供するという。従来、医療・介護の現場では、終末期における治療の開始・中止・変更の問題は重要な課題のひとつである。疾病の根治を目的とせず延命のみを目的とした対症療法を一般的に延命治療と称し、人工呼吸・人工栄養(経管栄養)、人工透析などが含まれる。しかし、終末期患者では意思疎通の困難な場合も多く、患者の意思に反する治療(延命)になりかねない。治療・ケア内容に関する患者や家族の意思や希望を病状などに応じて繰り返し確認し、それを患者・家族・医療者で共有し、方針を見いだすことが非常に重要である。
95 認知症で最も頻度が高いのはどれか。
1.Alzheimer型認知症
2.Levy小体型認知症
3.血管性認知症
4.正常圧水頭症
5.前頭側頭型認知症
解答1
解説
1.〇 正しい。Alzheimer型認知症は、認知症で最も頻度が高い(1位:67.6%)。
・Alzheimer型認知症は、認知症の中で最も多く、病理学的に大脳の全般的な萎縮、組織学的に老人斑・神経原線維変化の出現を特徴とする神経変性疾患である。特徴は、①初期から病識が欠如、②著明な人格崩壊、③性格変化、④記銘力低下、⑤記憶障害、⑥見当識障害、⑦語間代、⑧多幸、⑨抑うつ、⑩徘徊、⑩保続などもみられる。Alzheimer型認知症の患者では、現在でもできる動作を続けられるように支援する。ちなみに、休息をとることや記銘力を試すような質問は意味がない。
2.× Levy小体型認知症(※スペルミス?ここではLewy小体型認知症として書く)は、3位:4.3%である。
・Lewy小体型認知症とは、Lewy小体が広範な大脳皮質領域で出現することによって、①進行性認知症と②パーキンソニズムを呈する病態である。認知機能の変動・動揺、反復する幻視(人、小動物、虫)、パーキンソニズム、精神症状、REM睡眠型行動障害、自律神経障害などが特徴である。
3.× 血管性認知症は、2位:19.5%である。
・脳血管性認知症とは、脳血管が詰まったり破れたりすることで突然発症する。その後、脳血管が詰まったり破れたりするたびに、症状が悪化する特徴を持つ。その部位や範囲によって症状は様々である。他の症状として、巣症状(失語、失行、失認など脳の局所性病変によって起こる機能障害)や階段状に認知障害が進行することが特徴である。
4.× 正常圧水頭症は、その他である。
・正常圧水頭症とは、脳脊髄液(髄液)の循環障害によって拡大した脳室が、頭蓋骨内面に大脳半球を押しつけることにより、数々の脳の障害を引き起こす一連の病態である。①認知症、②尿失禁、③歩行障害の三徴がみられる。脳外科的な手術であるシャント術で改善する。画像所見の特徴として、①脳室の拡大、②シルビウス裂の拡大、③高位円蓋部脳溝の狭小化といった所見がみられる。
5.× 前頭側頭型認知症は、4位:1.0%である。
・前頭側頭型認知症とは、前頭葉と側頭葉が特異的に萎縮する特徴を持つ認知症である。脳血流量の低下や脳萎縮により人格変化、精神荒廃が生じ、植物状態におちいることがあり、2~8年で衰弱して死亡することが多い。発症年齢が50~60代と比較的若く、初発症状は人格障害・情緒障害などがみられるが、病期前半でも記憶障害・見当識障害はほとんどみられない。働き盛りの年代で発症することが多いことで、患者さんご本人が「自分は病気である」という自覚がないことが多い。その後、症状が進行するにつれ、性的逸脱行為(見知らぬ異性に道で抱きつくなどの抑制のきかない反社会的な行動)、滞続言語(何を聞いても自分の名前や生年月日など同じ語句を答える)、食行動の異常(毎日同じものを食べ続ける常同行動)などがみられる。治療は、症状を改善したり、進行を防いだりする有効な治療方法はなく、抗精神病薬を処方する対症療法が主に行われている(参考:「前頭側頭型認知症」健康長寿ネット様HPより)。
