第61回(R8) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題86~90】

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86 頭部MRIと比較したとき、頭部CTで正しいのはどれか。

1.被ばくしない。
2.短時間で撮影できる。
3.脳幹部の病巣がわかりやすい。
4.脳出血の診断には有効でない。
5.急性期の脳梗塞の診断に有用である。

解答

解説

CT検査とは?

CT検査とは、腫瘍や出血などの異常の有無や程度が分かる。出血部位(急性)は高吸収域(白)としてうつる。エックス線を使用した撮影である。
3

1.× CTは、被ばく「する」。なぜなら、CTは、X線(放射線)を用いて画像化する検査であるため。一方、MRIは、磁場と電波を用いるため、原則として放射線被ばくしない。

2.〇 正しい。短時間で撮影できる。なぜなら、CTは、X線で短時間に全体を撮れるため。一方、MRIは、強い磁石と電波を使い、体内の信号を少しずつ集めて画像を作る検査である。したがって、多方向から細かい情報を測るため時間がかかる。

3.× 脳幹部の病巣がわかりやすいのは、MRIの特徴である。なぜなら、脳幹部は骨に囲まれた頭蓋骨の底近くにあり、CTでは骨の影が重なって見えにくいことがある。一方、MRIは、骨の影の影響を受けにくく、脳幹の細かな変化や小さな病巣を見分けやすい。

4.× CTは、脳出血の診断には有効「である」。なぜなら、急性出血は、CTで高吸収域(白く)として描出されやすく、迅速に診断できるため。

5.× 急性期の脳梗塞の診断に有用であるのは、MRIの特徴である。なぜなら、CTは、脳出血を見分けるには有用である反面、急性期の脳梗塞では発症直後の変化が写りにくく、正常に見えることがあるため。
・急性期脳梗塞は、MRIの拡散強調画像(DWI)が最も早期から鋭敏に描出できる。
【急性期における梗塞巣の確認のしやすさ】
①拡散強調像(DWT):超急性期(発症後1~3時間)
②FLAIR像:発症後3~6時頃
③T2強調像:発症後3~6時頃
④T1強調像の順である。

MRI検査とは?

核磁気共鳴画像法(MRI)とは、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部の情報を画像にする方法である。治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。

【MRI検査の禁忌】
①体内の電子電機部品(ペースメーカ、移植蝸牛刺激装置(人工内耳)、植込み型除細動器、神経刺激器、植込み型プログラマブル注入ポンプ):MRI対応型もあるためしっかり確認する。
②素材の確認できない脳動脈クリップ:MRI対応型もあるためしっかり確認する。
③目や脳など特定の重要臓器に迷入した鉄片などの強磁性体の破片
④眼部のインプラントや材料で強磁性金属を使用しているもの
⑤磁場によって活性化するもの(磁力で装着する義眼、磁石部分が脱着不能な義歯など)
⑥目のメークアップ用品、カラーコンタクト
⑦入れ墨
⑧補聴器
⑨いくつかの管腔内デバイス
⑩ニトログリセリン真皮浸透絆創膏

 

 

 

 

 

87 アスピリンの主作用はどれか。

1.抗菌
2.催眠
3.止血
4.鎮咳
5.鎮痛

解答

解説

アスピリンとは?

アスピリンは、非ステロイド性消炎鎮痛剤で(NSAIDs)の一つである。非ステロイド性抗炎症薬<NSAIDs>は、炎症などを引き起こすプロスタグランジンの生成を抑え、抗炎症作用解熱鎮痛に働く。副作用として、消化器症状(腹痛、吐き気、食欲不振、消化性潰瘍)、ぜんそく発作、腎機能障害が認められる。アスピリンは、副作用としてぜんそく発作が認められるため、気管支喘息に対し有効とはいえない。

1.× 抗菌作用はないが、炎症メディエーター(プロスタグランジン)産生を抑える薬である。したがって、抗炎症作用となる。

2.× 催眠作用はない。
・催眠とは、患者を集中しやすく落ち着いた意識状態に導き、痛みや不安、習慣行動の改善を支援する心理的技法である。

3.× 止血作用はなく、むしろ出血しやすくする。アスピリンは、血小板凝集を抑える(抗血小板作用)。

4.× 鎮咳作用はない。

5.〇 正しい。鎮痛は、アスピリンの主作用である。なぜなら、炎症メディエーター(プロスタグランジン)産生を抑え、痛覚過敏(炎症で痛みが増幅する状態)が抑えられるため。結果として痛みが軽くなる。

 

 

 

 

 

88 一次救命処置で最初に確認するのはどれか。

1.意識
2.血圧
3.呼吸
4.脈拍
5.対光反射

解答

解説

(図引用:長野赤十字社様HPより)

一次救命処置とは?

 一次救命処置とは、呼吸が止まり、心臓も動いていないと見られる人の救命へのチャンスを維持するため、特殊な器具や医薬品を用いずに行う救命処置であり、胸骨圧迫と人工呼吸からなる心肺蘇生法(CPR)、そしてAEDの使用を主な内容とする。

【一次救命処置の手順】
①安全確認と感染防御
②意識状態の確認
③協力者を集める
④気道確保・呼吸の確認
⑤人工呼吸2回
⑥胸骨圧迫式心マッサージ
⑦AEDによる除細動

※安全確認と感染防御が最優先だが、設問の選択肢にないので、次の段階で優先される選択肢を選ぶ。

1.〇 正しい。意識は、選択肢の中で最初に確認する。反応(意識)があるかを確認し、反応がなければすぐに助けを呼び、次に呼吸確認へ進む。

2.× 血圧/脈拍は、一般のBLSでは原則不要である。なぜなら、確認に時間を要し、胸骨圧迫開始が遅れるため。呼吸の有無で判断する。

3.× 呼吸は、反応(意識)がなければ、次に確認する項目である。

5.× 対光反射とは、強い光に対して瞳孔が収縮してまぶしさを防ぐ反射である。
【求心路】視神経、【遠心路】動眼神経である。

 

 

 

 

 

89 成人男性に好発するのはどれか。

1.Ferinberg病
2.Kienböck病
3.Osgood-Schlatter病
4.Perthes病
5.Sever病

解答

解説
1.× Ferinberg病(問題文のスペルミスか?)(ここでは、Freiberg病:フライバーグ病として説明する)
・Freiberg病(フランバーグ病)は、中足骨頭に阻血性骨壊死が起きる疾患で、思春期〜若年特に女性)に多い。男女比は、1:3〜1:5といわれている。骨幹端および成長板の微小外傷によって生じる。阻血性骨壊死により中足骨頭が扁平化する。第2中足骨頭が侵されることが最も多い。痛みは荷重負荷で最も顕著となる。診断はX線により確定する。治療法としては、コルチコステロイド注射、固定、矯正器具などがある。

2.〇 正しい。Kienböck病は、成人男性に好発する。
・Kienböck病(キーンベック病:月状骨軟化症)とは、月状骨がつぶれて扁平化する病気をいう。月状骨は手首(手関節)に8つある手根骨の1つでほぼ中央に位置している。月状骨は、周囲がほぼ軟骨に囲まれており血行が乏しいため、血流障害になり壊死しやすい骨の1つである。10~50歳代、男性、大工など手をよく使う人に好発する。治療は、初期では装具固定、進行例では手術療法を検討する。

3.× Osgood-Schlatter病は、小児の運動後に生じる膝の痛み、膝脛骨結節部の圧痛、さらに脛骨粗面に異常骨陰影を認める。男女比(4:3)で男児に多く発症する。運動などの大きな外力が繰り返しかかることにより、大腿四頭筋の膝蓋腱の脛骨付着部が機械的刺激を受けて、脛骨粗面部の運動時痛と膨隆が生じる。

4.× Perthes病は、小児期における血行障害による大腿骨頭、頚部の阻血性壊死が起こる原因不明の疾患である。骨頭・頚部の変形が生じる。初期症状は、跛行と股関節周囲の疼痛や大腿部にみられる関連痛で、股関節の関節可動域制限も生じる。治療は大腿骨頭壊死の修復が主な目標であり、治療後は歩容の異常がなく、通常の日常生活を送れるようになることが多い。男女比は4:1である。好発年齢は、「6~7歳」である。発生率は1万人に1.5人と言われ、そのうち約10%が両側に発症するが、たいていは片方がなってから2年以内の違う時期に反対側が発症する。

5.× Sever病は、踵骨骨端部に生じる骨端症である。小児〜思春期の疾患で、成長期のスポーツ児(男児)に多い。

 

 

 

 

 

90 外傷性脊髄損傷で正しいのはどれか。

1.女性に多い。
2.腰髄損傷が最も多い。
3.高齢者が増加している。
4.労働災害の受傷は増加している。
5.発生頻度は人口100万人当たり約100人/年である。

解答

解説

外傷性脊髄損傷とは?

脊椎損傷とは、脊椎(背骨)に過大な外力が加わって、骨折や脱臼を生じる外傷である。外傷性脊髄損傷の原因(若年者)は、圧倒的に交通事故によるものが多く、原因の40%を超える。若年者ではバイクによる事故が多く、中高年者では自動車事故が多い。次いで、高所からの転落・転倒・スポーツによるものとなっているが、スノーボードによる事故も増えている。データとして、推定年間発生率は100万人あたり49人、頚髄損傷は88.1%、発症年齢中央値70.0歳、男女比3:1、原因(全体の割合)は転倒が38,6%、交通事故が20.1%と報告されている(※参考データ:日本脊髄障害医学会による脊髄損傷全国発生調査の結果)。

1.× 「女性」ではなく男性に多い。男女比は3:1である。なぜなら、転倒・転落や交通外傷などの外傷機転が背景にあるため。

2.× 「腰髄損傷」ではなく頸髄損傷(約7~9割)が最も多い。外傷性脊髄損傷の損傷レベルは頚髄が75%、胸腰仙椎が25%(仙台医療センターの調査)。

3.〇 正しい。高齢者が増加している。16~20歳代 (小さなピーク)と、50~60歳代(大きなピーク)の二峰性をしていたが、近年は、徐々に70歳代をピークとする一峰性へと変化しつつある。

4.× 労働災害の受傷は、「増加」ではなく低下している。なぜなら、昔より労働環境(安全面)が向上したため。また、労働時間などの規定も厳しくなって労働災害の受傷自体、減ってきている。

5.× 発生頻度は、人口100万人当たり「約100人/年」ではなく49人/年である。データとして、推定年間発生率は100万人あたり49人、頚髄損傷は88.1%、発症年齢中央値70.0歳、男女比3:1、原因(全体の割合)は転倒が38,6%、交通事故が20.1%と報告されている(※参考データ:日本脊髄障害医学会による脊髄損傷全国発生調査の結果)。

 

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