第61回(R8) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題76~80】

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76 病因のうち物理的要因はどれか。2つ選べ。

1.騒音
2.紫外線
3.フグ毒
4.ウイルス
5.一酸化炭素

解答1・2

解説

病因とは?

病因とは、病気の原因をといい、①内因と②外因に分けられる。

①内因とは、生体側の因子で,病気にかかりやすい準備状態を指す。内因のみでは病気は発現しない。内因は素因ともいう。
例:①生理的素因(年齢、人種、性など)、②病理的素因(個人的素因:皮膚癌を生じやすい紅皮症、アレルギー体質、糖尿病の易感染性など)

②外因とは、外部から生体に対し障害性に働くものをいう。
例:①栄養的外因(蛋白質過剰による痛風、ビタミンB1欠乏による脚気など)、②物理的外因(外傷、熱傷、放射線障害など)、③化学的外因(重金属中毒、医薬品、体内で産生されるエンドトキシン、アンモニア、アセトンなど)、④病原微生物(ウイルス、細菌、原虫など)

1.〇 正しい。騒音は、病因のうち物理的要因である。例えば、工場・建設現場などの強い騒音で騒音性難聴となる。
・物理的因子による疾病には、騒音性難聴、振動障害、熱中症、低温障害などが含まれる。昔は鉱山・製造業で振動障害や騒音性難聴が多かったが、労働安全衛生法に基づく規制や保護具の普及で大幅に減少している。

2.〇 正しい。紫外線は、病因のうち物理的要因である。例えば、紫外線による皮膚の日焼け(紅斑)は、長期では皮膚がんリスク増加する。

3.× フグ毒は、病因のうち「化学的要因」である。なぜなら、フグ毒=テトロドトキシン(毒素)という化学物質が神経の働きを阻害するため。これは「・薬物・化学物質」に分類される。
・化学的要因とは、空気や水の汚染、毒物、薬物など、化学物質が健康に影響を与えるものを指す。

4.× ウイルスは、病因のうち「化学的要因」である。なぜなら、「ウイルス=病原体(生物)」が感染して増殖し、炎症や細胞障害を起こすため。

5.× 一酸化炭素は、病因のうち「化学的要因」である。なぜなら、「一酸化炭素=ガス」という化学物質が体内でヘモグロビンに結合して低酸素状態を起こすため。

 

 

 

 

 

77 急性炎症初期にみられないのはどれか。

1.壊疽
2.腫脹
3.疼痛
4.熱感
5.発赤

解答

解説

炎症とは?

炎症とは、壊死や刺激・侵襲に対する生体反応のことである。
【炎症の四徴】
①発熱(局所の熱感)
②発赤
③腫脹
④疼痛
+⑤機能障害を加えて、炎症の五徴と呼ぶ場合もある。

1.× 壊疽は、急性炎症初期にみられない
・壊疽とは、壊死の一種であり、感染症あるいは血栓症などによる壊死に陥った部分が腐敗・融解をきたしている状態のことをいう。他にも、糖尿病による下肢壊疽などがある。

2.〇 腫脹は、急性炎症初期にみられる。なぜなら、急性炎症の5徴の1つであるため。
・腫脹とは、炎症によって毛細血管の透過性が亢進することである。炎症などが原因で、からだの組織や器官の一部に血液成分が溜まってはれ上がる。

3.〇 疼痛は、急性炎症初期にみられる。なぜなら、急性炎症の5徴の1つであるため。
・疼痛とは、痛みのことで体に損傷が起こったこと、あるいは起こった可能性があることを知らせる不快な感覚である。

4.〇 熱感は、急性炎症初期にみられる。なぜなら、急性炎症の5徴の1つであるため。
・熱感とは、血管拡張で局所血流が増加し、温かく感じることである。

5.〇 発赤は、急性炎症初期にみられる。
・発赤とは、皮膚や粘膜の一部が充血して赤くなることである。炎症により毛細血管の拡張と、局所の血流が増加していることを指す。

 

 

 

 

 

78 転移で誤っているのはどれか。

1.転移は逆転移を誘発する。
2.転移は行動化の原因となる。
3.心理治療の目的は陽性転移の出現である。
4.転移の解釈は患者の葛藤を解消する手段となる。
5.患者が好意を治療者に向けるのは陽性転移である。

解答

解説

転移とは?

転移と逆転移は、精神分析療法の上で重要な概念である。
・転移とは、患者が今までの生活史における重要人物(親、学校の先生)に示してきた感情や態度を治療者に向けることである。
・逆転移とは、治療者が患者に向けることである。

1.〇 正しい。転移は逆転移を誘発する。なぜなら、治療者も人間であるため。患者の転移(治療者への特別な感情・期待)が、治療者側はなにかしらの感情を抱きやすい。

2.〇 正しい。転移は、行動化の原因となる。なぜなら、転移により生じた強い感情や葛藤が、行動として表出される(行動化)ことがあるため。
・行動化とは、行為によって対処するもので、不適切な形で現れた防衛機制の1つである。具体例として、診察室から出ていってしまったり、診察の場で沈黙を続けたりするなどである。

3.× 心理治療の目的は、陽性転移の出現である「とはいえない」。なぜなら、心理治療の目標は、主に「臨床心理学的方法を用いて、心理的な問題の克服や困難の軽減にむけて支援」であるため。したがって、単に陽性転移の出現ではない。陽性転移は治療の継続のためには有効であるが、これを出現させることが治療の目的ではない。

4.〇 正しい。転移の解釈は、患者の葛藤を解消する手段となる。なぜなら、転移の解釈は、心理療法の技法のひとつであるため。
・転移解釈とは、患者が過去の人間関係(主に養育者)で抱いた感情や対人パターンを、治療者に対して無意識に再演(転移)していることを指摘し、理解を促す心理療法の技法である。

5.〇 正しい。患者が好意を治療者に向けるのは、陽性転移である
・陽性転移とは、治療者に対して信頼、尊敬、情愛、感謝などの感情を示す。
・陰性転移とは、治療者に対して敵意、攻撃性、猜疑心、不信感などの感情を示す。

 

 

 

 

 

79 自動販売機で飲料を買う手順において、陳述記憶が必要なのはどれか。

1.財布を開ける。
2.小銭を投入する。
3.取出口のフタを開ける。
4.飲料を取り出す。
5.つり銭を確認する。

解答

解説

陳述記憶とは?

・陳述記憶とは、言語や知識などの意味記憶や、個人の思い出などのエピソード記憶など、言語化できる記憶のことをいう。意味記憶やエピソード記憶など。

・非陳述記憶とは、運動・技術など、意識に上らない記憶のことをいう。手続き記憶やプライミングなど。

1~4.× 財布を開ける/小銭を投入する/取出口のフタを開ける/飲料を取り出すのは、陳述記憶が不要で、非陳述記憶(手続き記憶)である。なぜなら、これら一連の運動技能は、繰り返しで自動化された動作(習慣)であり、言語化せずとも遂行できるため。
・手続き記憶とは、スポーツ技能の習得などの記憶である。特徴として、言語的表現が困難な記憶である。

5.〇 正しい。つり銭を確認するのは、陳述記憶が必要となる。なぜなら、「何円入れて、飲料が何円で、いくら戻るはずか」といった流れが必要となるため。つまり、「本来いくら戻るべきか」という金額の知識(意味記憶)や、直前に投入した金額・購入価格(エピソード記憶)を意識的に想起し、照合する必要がある。

 

 

 

 

 

80 質問紙法はどれか。

1.BDI-Ⅱ
2.BPRS
3.HAM-D〈HRS-D〉
4.HDS-R
5.PANSS

解答

解説

代表的な質問紙法による心理検査

MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory )
YG性格検査
MPI(モーズレイ人格目録)
EPPS(Edwards Personal Preference Schedule )
SDS(Self-rating Depression Scale)
HRSD(Hamilton Rating Scale for Depression)
エゴグラム(TEG)

1.〇 正しい。BDI-Ⅱは、質問紙法である。
・BDI-Ⅱ(Beck Depression Inventory – Second Edition:BDI-Ⅱベック抑うつ質問票)は、13歳〜80歳の抑うつ症状の有無とその程度の指標として開発された、自記式質問調査票である。

2.× BPRS(Brief Psychiatric Rating Scale:簡易精神症状評価尺度)は、うつ状態の評価を含む尺度である。18項目のうちのいくつかは「抑うつ気分」など、うつ状態の評価に関連する。医師が症状を評価する。他にも特徴として、①20分程度で実施できる簡易評価尺度である。②陰性症状の評価に向いていることがあげられる。記載された事項についての質問を行い、精神障害者全体を対象とした18の項目を7段階で評価する。

3.× HAM-D(HRS-DあるいはHAM-D:Hamilton Rating Scale for Depression:ハミルトンうつ病評価尺度)は、医師が判断するうつ病の重症度評価尺度である。

4.× HDS-R(改訂版長谷川式知能評価スケール)は、検者が質問や課題を提示し、回答を採点する検査である。認知症の知的・認知機能評価である。簡便に知能を検査する方法である。見当識、記銘・再生、計算、言語の流暢性の各項目により、30点満点中20点以下を、軽度以上の認知症があるとする。

5.× PANSS(Positive and Negative Syndrome Scale:陽性・陰性症状評価尺度)は、統合失調症の急性期において、治療効果をみるのに最も有効である。統合失調症を対象に、精神状態を全般的に把握することを目的として作成された評価尺度である。30項目について陽性尺度、陰性尺度、総合精神病理尺度を医師が評定する。

 

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