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61 骨格筋の筋線維で正しいのはどれか。
1.単核である。
2.ミトコンドリアをもたない。
3.筋原線維は筋節に細分化される。
4.筋小胞体はNa+の貯蔵部位である。
5.ミオシンフィラメントは主にⅠ帯に存在する。
解答3
解説

(※図引用:「筋の分類(骨格筋、心筋、平滑筋)」もりもと塾HPより)
1.× 「単核」ではなく多核である。(骨格筋の)核は、多核細胞で、1つの筋線維が数百の核を持つ。これは、個々の細胞が融合し細胞質が混合しているためである。一方、心筋や内蔵筋では細胞は融合することなく基本的に単核である。
2.× ミトコンドリアを「もつ」。なぜなら、筋収縮には大量のATPが必要で、好気的代謝の場であるミトコンドリアが必要であるため。
・ミトコンドリアとは、細胞内に存在する細胞内小器官で、 ATPの生成やアポトーシス(細胞死)において重要な働きを担っている。
3.〇 正しい。筋原線維は、筋節に細分化される。なぜなら、筋原線維は、Z線で区切られた筋節(サルコメア)の反復構造であるため。
・筋節とは、サルコメアともいい、Z体とZ体の間のことである。収縮時はその間が短くなる。
・筋原線維とは、筋肉の微細構造の構成単位であり、筋線維内をその長さの方向に走っている多数の微小線維である(※読み:きんげんせんい)。
4.× 筋小胞体は、「Na+」ではなくCa²⁺の貯蔵部位である。なぜなら、筋小胞体は、細胞内カルシウム貯蔵庫として働き、興奮収縮連関でCa²⁺放出→トロポニン結合→収縮を起こすため(※筋収縮の機序に関しては下参照)。
・筋小胞体とは、Ca²⁺の貯蔵と放出を担う。
5.× ミオシンフィラメントは、主に「Ⅰ帯」ではなくA帯に存在する。
・A帯(暗帯)とは、ミオシンフィラメントがある部分で、アクチンフィラメントと重なり合っている。筋収縮のメカニズム(滑り説)では、アクチンフィラメントがミオシンフィラメント側に滑り込むことで収縮が生じると説明しており、この際に短縮するのはアクチンフィラメントのみの部分であるI帯(明帯)である。
【筋収縮の機序】
①神経刺激が筋細胞膜を介して伝わり、筋小胞体からCa²⁺が放出される。
②放出されたCa²⁺はトロポニンに結合する。
③Ca²⁺が結合すると、トロポニンの構造が変化し、トロポミオシンがアクチンのミオシン結合部位から移動。
④ミオシン頭部がアクチンに結合できるようになり、ATP分解のエネルギーで首振り運動が起こる。
⑤アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間を滑走して筋収縮が生じる。
【運動による筋疲労によって起こる事象】
①代謝産物の蓄積(乳酸の増加やpHの低下)
②エネルギー供給率の低下(ATP低下、ADP増加、グリコーゲン低下)
③興奮収縮連関不全(筋小胞体へのCa2+取り込み低下)
62 感覚受容器でないのはどれか。
1.筋紡錘
2.Golgi装置
3.Pacini小体
4.Ruffini終末
5.Meissner小体
解答2
解説
1.〇 筋紡錘は、感覚受容器である。
・筋紡錘とは、骨格筋の収縮を感知する感覚器(筋の長さとそれが変化する速さを感知する感覚器)であり、腱をたたいて骨格筋を急速に伸ばすと起こる筋単収縮(伸張反射)に関与する。
2.× Golgi装置は、「感覚受容器」でなく細胞内小器官である。
・Golgi装置とは、蛋白質を修飾する。リボソームで生成され送り込まれてきた蛋白質に糖鎖を付け加える、濃縮するなどの修飾をする機能を持つ。
※この設問は「Golgi装置」と「ゴルジ腱器官」を混同させる典型ひっかけ。ちなみに、腱器官(ゴルジ腱器官)は筋張力を感知する器官であり、Ⅰb求心性ニューロンを介して調節される。
3.〇 Pacini小体(パチニ小体)は、感覚受容器である。振動や圧覚を伝える。
4.〇 Ruffini終末(ルフィニ終末)は、感覚受容器である。触圧覚を伝える。
5.〇 Meissner小体(マイスナー小体)は、感覚受容器である。振動や触覚を伝える。
63 長期にわたる持久力トレーニングの影響を受けにくいのはどれか。
1.心拍出量
2.最大心拍数
3.筋の脂肪代謝能
4.筋線維の毛細血管密度
5.速筋と遅筋線維の割合
解答2
解説
1.〇 心拍出量は、長期にわたる持久力トレーニングの影響を受けやすい(増大する)。なぜなら、心臓容積の増大や一回拍出量増加が見られるため。心拍出量は、「1分間の心拍出量(CO)=1回の拍出量(SV)×1分間の心拍数(HR)」と表す。
2.× 最大心拍数は、長期にわたる持久力トレーニングの影響を受けにくい。なぜなら、最大心拍数は、トレーニングよりも年齢の影響が強いため(※予測最大心拍数=220-年齢)。したがって、最大心拍数は、運動トレーニングによって改善されないことが多く、身体活動量を増やしても最大心拍数の増加による最大酸素摂取量の増大は期待できない。
3.〇 筋の脂肪代謝能は、長期にわたる持久力トレーニングの影響を受けやすい(上がりやすい)。なぜなら、持久力トレーニングで、ミトコンドリア量・酸化系酵素活性が増え、脂肪酸の利用が促進されるため。同じ運動強度でも、糖の消費が抑えられ、脂肪利用比率が増える(グリコーゲン節約)。
4.〇 筋線維の毛細血管密度は、長期にわたる持久力トレーニングの影響を受けやすい(増加する)。なぜなら、骨格筋内での酸素の利用効率が高まるため。骨格筋毛細血管密度は増大し、筋線維当たりの毛細血管数が増加する。
5.△ 速筋と遅筋線維の割合は、長期にわたる持久力トレーニングの影響を受けにくいが、選択肢の中に優先すべきものがほかにある。なぜなら、筋線維タイプの割合は、先天性の影響が大きいため。
※持久力トレーニングによって、速筋が「赤筋寄りの働き(持久的な性質)」へ寄ることはあるが、線維が変化(割合の変化)することはない。※もし違っていたら、コメント欄にて教えてください。
1) 骨格筋に対する効果
ミトコンドリア量増加
ミオグロビン含有量増加
ATP含有量増加
グリコーゲン含有量増加
毛細血管密度増大
筋血流量増加
2) 心臓に対する効果
毛細血管密度増大
心臓容積増大
全血液量増加
循環血液量増加
一回拍出量増加
安静時末梢血管抵抗低下
心筋活動量の増加
3) 肺に対する効果
呼吸筋筋力増強による一回換気量の増加
肺血流量の増加による肺拡散容量増加
肺容量の増加
肺胞と肺毛細血管との接触面積増加
4) その他
体脂肪の減少
血中コレステロール量の減少
64 交感神経で正しいのはどれか。
1.排尿筋が収縮する。
2.グリコーゲンの合成が促進される。
3.第1胸髄から第2腰髄の後根を通る。
4.副腎髄質は節後線維の直接支配を受ける。
5.節前線維末端からアセチルコリンが放出される。
解答5
解説

(今井昭一:薬理学.標準看護学講座5、金原出版、1998より改変)
1.× 排尿筋が収縮(排尿)するのは、「副交感神経」である。一方、交感神経は、排尿筋を弛緩させ蓄尿を促進する。
2.× グリコーゲンの合成が促進されるのは、「副交感神経」である。一方、交感神経は、グリコーゲン合成を抑制し、分解する。したがって、血糖を上げる方向に働き、肝・筋のグリコーゲン分解を促進する。
・グリコーゲンとは、多糖類の一種で、エネルギーを貯蔵し人間の活動に欠かせないものである。普段は、肝臓や骨格筋等に蓄えられており、急激な運動を行う際のエネルギー源として、あるいは空腹時の血糖維持に利用される。
3.× 第1胸髄から第2腰髄の「後根」ではなく前根を通る。交感神経の節前線維(胸髄~腰髄の側角由来)は、脊髄の運動神経と同じ前根を通って脊髄から末梢へ出ていく。前根は遠心性線維、後根は求心性線維(感覚)が走行している。
4.× 副腎髄質は、「節後線維」ではなく節前線維の直接支配を受ける(※上図参照)。ストレス時に、交感節前線維(ACh)→副腎髄質→アドレナリン/ノルアドレナリン放出→全身へという流れである。
・副腎は、交感神経節前線維によって直接支配される例外的な臓器である。副腎とは、腎臓の上端に位置する臓器でホルモンを分泌する役割を担っている。副腎髄質から、①アドレナリン、②ノルアドレナリン、③ドーパミンがあり、これらを総称してカテコールアミンという。
5.〇 正しい。節前線維末端から、アセチルコリンが放出される。ちなみに、交感神経の節後線維から、ノルアドレナリンが放出される。
・アセチルコリンは、代表的な神経伝達物質であり、①運動神経の神経筋接合部、②交感神経および副交感神経の節前線維の終末、副交感神経の節後線維の終末などのシナプスで放出される。アセチルコリンは、中枢神経で働く場合と末梢神経で働く場合で作用が異なる。①運動神経の神経筋接合部では、筋収縮に作用する。
65 血液凝固でフィブリノゲンをフィブリンに変化させるのはどれか。
1.血小板
2.コラーゲン
3.トロンビン
4.プラスミン
5.プロテインC
解答3
解説
1.× 血小板とは、出血の際の一次止血や血液凝固機能に関与する。血液中の細胞成分である。したがって、血小板の数が少なすぎたり、機能に異常があると出血傾向となる。
2.× コラーゲンとは、結合組織の主要な構成成分であり、タンパク質である。
・血小板の主な働きは、血小板凝集による止血作用である。 血管内腔の内皮細胞が剥がれるとコラーゲンが露出する。 露出したコラーゲンに血小板が接触すると血小板は活性化され、内容物が放出し、凝集反応が促進する。
3.〇 正しい。トロンビンは、血液凝固でフィブリノゲンをフィブリンに変化させる。
・トロンビンとは、血小板の凝集を増強するとともに、強固なフィブリン網を形成し、血栓を補強する(二次止血)。つまり、凝固因子の活性化の最後に活性化する因子である。血液凝固の最終過程では、トロンビンの作用でフィブリノーゲンがフィブリンに変化する。トロンビンの作用を阻害する抗凝固薬にヘパリンがある。
4.× プラスミンとは、線溶(線維素溶解系に働く物質)に重要な因子である。フィブリンを分解することで凝固した血液を溶かす。
・線維素溶解とは、血管から出血した際に一次止血→二次止血が終わり、血管の流れが元通りになると、血栓は血液が流れるのにジャマになるため、血栓を除去する作用が始まる。この現象を線維素溶解、略して「線溶」と呼ぶ。血栓ができると、血漿中に存在するプラスミノーゲンがプラスミノゲンアクチベーターにより活性化され、プラスミンという強力なたんぱく質分解酵素(線溶物質)になり、フィブリンを分解する。
5.× プロテインCとは、フィブリン生成を抑える働きを持つ抗凝固系である。したがって、プロテインC欠乏では血栓傾向となる。
血液凝固因子とは、Ⅰ:フェブリノーゲン、Ⅱ:プロトロンビン、Ⅲ:トロンボプラスチン、Ⅳ:カルシウムイオン、Ⅴ:プロアクセレリン、Ⅵ:(欠番)、Ⅶ:プロコンバーチン、Ⅷ:抗血友病因子、Ⅸ:クリスマス因子、Ⅹ:スチュアート因子、Ⅺ:PTA、Ⅻ:ハーゲマン因子、XIII:フェブリン安定化因子である。
