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46 自閉スペクトラム症〈自閉症スペクトラム障害〉の治療法で最も適切なのはどれか。
1.回想法
2.内観療法
3.感覚統合療法
4.曝露反応妨害法
5.電気けいれん療法
解答3
解説
自閉症スペクトラム障害とは、正常な社会的関係を構築することができず、言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、強迫的な行動や儀式的な行動がみられる病気である。 自閉スペクトラム症の患者は、他者とコミュニケーションをとったり関係をもったりすることが苦手である特徴を持つ。
広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)とは、相互的な社会関係とコミュニケーションのパターンの障害、および限局・常同・反復的な行動パターンがあげられる。生後5年以内に明らかとなる一群の障害である。通常は精神遅滞を伴う。広汎性発達障害、およびその下位分類である自閉症、アスペルガー症候群、高機能自閉症は、「自閉スペクトラム症」とまとめられた。
【診断基準の要点】
①「社会及び感情の相互性の障害」「社会的相互作用で用いられる非言語的コミュニケーションの障害」「発達レベル相応の関係を築き維持することの障害」の3つがすべて込められること。
②行動、興味活動の、限局的で反復的な様式が認められること。
1.× 回想法は、主に高齢者・認知症領域で用いられる。
・回想法とは、アルバムや昔の遊び道具や生活用品などを使い(昔懐かしい駄菓子を食べる、童謡などのなじみの歌を聴くなど)して、その当時のエピソードを思い出して話してもらい、人生を振り返り思い出を語ることにより、気持ちを安定させたり、感情・意欲を高揚させたりする方法である。
2.× 内観療法とは、吉本伊信の内観法(修養法の一種)を基にした精神療法で、「してもらったこと」、「して返したこと」、「迷惑をかけたこと」の3点に絞って具体的な事実を想起する。両親に勧めるものとして適切とはいえない。内観療法は、アルコールや薬物依存・適応障害の治療法として効果があるといわれている。
3.〇 正しい。感覚統合療法は、自閉スペクトラム症〈自閉症スペクトラム障害〉の治療法である。
・感覚統合療法とは、五感からの刺激を交通整理して適切な体の反応や動作を身につけるための訓練である。学習障害や自閉症、注意欠如・多動性障害(学習や行動、情動機能の偏り)に適応となることが多い。
4.× 曝露反応妨害法とは、行動療法の一つであり、不安を起こさせる弱い刺激にさらすとともに不安を抑える行動を禁止(反応妨害)し、不安は何もしなくても時間とともに軽減していくことを体験させ、徐々に刺激を強くしていく方法である。強迫性障害や心的外傷後ストレス障害などに適応となる。例えば、不潔恐怖の場合に手洗いをさせない(反応妨害)などである。
5.× 電気けいれん療法とは、頭部に通電することで難治性の精神疾患の症状軽減を目指すものである。特に①不安・焦燥が大きい場合や②自殺企図の危険性の高い場合、③強い抑止を伴う場合などは、急速な症状の改善を期待して行われることが多い。麻酔薬(全身麻酔)と筋弛緩薬を用いたうえで脳に通電する。脳波上には発作波が記録されるが、筋弛緩薬を用いるので全身けいれんは起こらない。
47 「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」報告書〈2017年〉で示されたのはどれか。
1.オレンジプラン
2.重層的支援体制整備事業
3.地域移行・地域定着支援事業
4.精神保健医療福祉の改革ビジョン
5.精神障害にも対応した地域包括ケアシステム
解答5
解説
これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会とは、厚生労働省が精神保健医療福祉の今後の制度や支援の方向を検討するために設けた会議である。2017年報告書では、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を新たな理念として示した。
1.× オレンジプランとは、認知症の人が住み慣れた地域で暮らし続けられる社会を目指す認知症施策の総合戦略である。2015年に新オレンジプランが策定され、医療・介護・地域支援などを進めるものである。
2.× 重層的支援体制整備事業とは、介護・障害・子育て・生活困窮などの分野をまたぐ課題に、市町村が包括的に対応する事業である。相談支援、参加支援、地域づくり支援を一体的に行う制度で、2021年度に創設されたものである。
3.× 地域移行・地域定着支援事業とは、精神障害者の退院や地域生活への移行を支え、地域で暮らし続けるための支援を行う事業である。医療や福祉の関係機関が連携し、入院患者の地域生活への移行と継続を支えるものである。2012年頃からの障害福祉制度の柱である。
4.× 精神保健医療福祉の改革ビジョンとは、2004年に示された精神保健医療福祉政策の基本方針である。「入院医療中心から地域生活中心へ」を掲げ、精神科医療や地域生活支援の改革を進める考え方である。
5.〇 正しい。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」報告書〈2017年〉で示された。
・精神障害にも対応した地域包括ケアシステムとは、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが地域で安心して自分らしく暮らせるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、就労、地域の助け合いなどを包括的に確保する仕組みである。

(※引用:「地域包括ケアシステムの捉え方」厚生労働省様HPより)
地域包括ケアシステムとは、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるよう、包括的な支援・サービス提供体制の構築を目指すものである。この地域包括ケアシステムが効果的に機能するために、「4つの助(自助・互助・共助・公助)」の考え方が連携し、課題解決に向け取り組んでいく必要がある。
「公助」は税による公の負担。
「共助」は介護保険などリスクを共有する仲間(被保険者)の負担。
「自助」には「自分のことを自分でする」ことに加え、市場サービスの購入も含まれる。
「互助」は相互に支え合い、費用負担が制度的に裏づけられていない自発的なものである。
48 精神科デイケアで正しいのはどれか。
1.1日8時間を基準とする。
2.1年以上の利用はできない。
3.利用年齢は18~65歳である。
4.小規模の場合は専従者1名で実施できる。
5.大規模の場合は疾患別等診療計画の作成が必要である。
解答5
解説
精神科デイケアとは、精神科に通院している患者を対象に、①居場所を提供したり、②疾患の再発予防、③日常生活技能の改善、④社会復帰のための援助を目的とした施設である。病院内に設置されていることが多い。目標に向けて提供するリハビリテーションは変わるが、おもにレクリエーションや社会生活技能訓練(SST)などを行う。
1.× 1日「8時間」ではなく6時間を基準とする。法的根拠としては、以下があげられる。
(1) 精神科デイ・ケアは、精神疾患を有するものの社会生活機能の回復を目的として個々の 患者に応じたプログラムに従ってグループごとに治療するものであり、実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者1人当たり1日につき6時間を標準とする。なお、治療上の必要がある場合には、病棟や屋外など、専用の施設以外において当該療法を実施することも可能であること。また、この実施に当たっては、患者の症状等に応じたプログラムの作成、効果の判定等に万全を期すること。
(※引用:「I009 精神科デイ・ケア(1日につき)」今日の臨床サポート様HPより)
2.× 1年以上の利用は「可能である」。なぜなら、統合失調症の再発予防、双極症の生活リズム安定、うつ病の復職支援など、回復までに時間を要すため。また、法的根拠としては、以下があげられる。
(※参考:「I009 精神科デイ・ケア(1日につき)」今日の臨床サポート様HPより)において、注3 に「1年を超える期間に行われる場合には、週5日を限度として算定する」とあり、さらに注4にも「3年を超える期間に行われる場合」という記載がある。つまり、1年以上利用できないのではなく、1年超・3年超でも一定の条件で算定が続くことが読み取れる。
3.× 利用年齢は18~65歳「という年齢を限定する規定はない」。なぜなら、精神科デイ・ケアは精神疾患を有する者の社会生活機能の回復を目的とする医療であるため。
4.× 小規模の場合は、「専従者1名」ではなく専従者2名で実施できる。法的根拠としては、以下があげられる。精神科デイケアの人員基準は、規模により異なります。小規模(1日30人以下)は医師1名+専従者2名(看護師、作業療法士、PSW等)の計3名以上、大規模(1日50人~70人程度)は医師1名+専従者3~5名以上が目安である(※引用:「精神科デイ・ケアの施設基準 – 令和6年度診療報酬改定」ナレティ様HPより)。
5.〇 正しい。大規模の場合は、疾患別等診療計画の作成が必要である。例えば統合失調症なら「再発予防(服薬・症状セルフモニタ)」「対人スキル(SST)」「就労準備(作業耐性)」、双極症なら「生活リズム・睡眠」「早期兆候の同定」「家族教育」など、疾患特性に合わせた目標・頻度・プログラム内容をチームで合意し、結果も評価して記録する必要があるため。
また、法的根拠としては、以下があげられる。
2 2については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、疾患等に応じた診療計画を作成して行われる場合に算定する(※引用:「I009 精神科デイ・ケア(1日につき)」今日の臨床サポート様HPより)。
49 精神障害者の訪問支援で、心理的・社会的・職業的機能の状態を評価するために適切なのはどれか。
1.GAF
2.OSA
3.Rehab
4.作業質問紙
5.一般性自己効力感尺度
解答1
解説
1.〇 正しい。GAFは、精神障害者の訪問支援で、心理的・社会的・職業的機能の状態を評価できる。
・GAF(Global Assessment of Functioning:機能の全体的評定尺度)は、心理・社会・職業的機能について0~100の数字で評価する方法である。評価は過去1週間の最低レベルを評点とする。数字が大きいほど健康度が高い。ちなみに、半構造化面接法とは、調査的面接手法のひとつで、通常は1対1で行う面接である。あらかじめ作成した質問内容に従い面接を進めるが、対象者の状況や回答に応じて、追加の質問をしさり、説明を求めたり、面接中に浮かんできた新たな疑問などを投げかけたりする方法である。
2.× OSA(Occupational Self Assessment:作業に関する自己評価)は、人間作業モデルの作業に関する自己評価を行うための方法である。質問紙により、患者が現在の自分自身の作業機能状態を評価し、改善したい項目の優先度を記す。これに基づいて、患者が作業療法士と協働して作業機能を高めていくものである。
3.× Rehab(Rehabilitation Evaluation Hall and Baker:精神科リハビリテーション行動評価尺度)は、病院や施設で生活する人を対象に、逸脱行動、全般的行動の2領域について質問を行い評価する。比較的項目数が少なく(23項目)、簡便で繰り返し使用できるのが特徴である。
4.× 作業質問紙(OQ:Occupational Questionnaire)は、日常生活活動(セルフケア)、仕事、余暇(レクリエーション)、休息について1日(24時間)を評価する。
5.× 一般性自己効力感尺度(General Self-Efficacy Scale:GSES)とは、「自分はうまくやれる」という信念(自己効力感)を測る心理尺度である。「外出できる気がする」「服薬を続けられると思う」などの認知的側面を捉え、支援の動機づけや目標設定に参考とする。
自己効力感(セルフエフィカシー)とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、うまく達成できるという自信や確信のこと、自己効力感の理論はライフスタイル改善のプログラムに活用される。自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられる。
①成功体験:例えば禁煙できた日をカレンダーに一日ずつ×を書いていき、「1週間禁煙できた」と自信をつけること。
②代理的体験:同じような状況にある他者が目標を達成している様子から「自分にもできそうだ」と思うこと。
③言語的説得:自分自身や周囲の人からの言語的な賞賛や励ましのこと。
④生理的・情緒的状態(情緒的高揚):行動の変化を促すような情報に触れ気づきを得ることで行動変容への関心をもつこと。例えば、タバコを吸わなくなってから「イライラしにくくなったきがするな」と気づきをえることで、行動がさらに変わっていくことである。
50 作業療法における診療参加型実習で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.模倣-見学-実施の順に実習を進める。
2.指導者との師弟関係の構築が最優先される。
3.実習は対象者または家族の同意が必要である。
4.最終的に指導者の監督なしに作業療法を実施する。
5.学生は指導者から基本的態度・臨床技能・臨床思考を学ぶ。
解答3・5
解説

(※図引用:「臨床実習教育の手引き(第6版)」日本理学療法士協会より)
1.× 「模倣-見学-実施」ではなく見学-模倣(協同参加)-実施の順に実習を進める(※上の図参照)。なぜなら、診療参加型実習は、まず見学で全体像と安全を理解し、その後に部分的参加(模倣・補助)→段階的に実施へ進むのが一般的であるため。
2.× 指導者との師弟関係の構築が、最優先「とはいえない」。なぜなら、診療参加型実習の優先事項は、「医療現場の安全、実習生の権利、患者の利益」であるため。むしろ、一対一の師弟関係を築くより、同年代から相互に刺激を受ける場をつくることの方が、実習生の能力を伸ばす機会となる。したがって、診療参加型実習は、認知的徒弟制と正統的周辺参加の学習理論を基盤にして診療参加過程での実践指導を行う。
3.〇 正しい。実習は対象者または家族の同意が必要である。なぜなら、学生が診療に参加することは対象者にとって、通常の診療とは異なる要素(教育目的)を含むため。したがって、説明と同意(インフォームド・コンセント)が必要である。
・インフォームド・コンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。
4.× 最終的に指導者の監督なしに作業療法を実施する「ことはできない」。なぜなら、あくまで実習生は作業療法士の免許を取っておらず学生であるため。事故があった際は責任問題になりかねない。したがって、診療参加型臨床実習の望ましい形として、実習生が診療チームの一員として加わり、臨床実習指導者の指導・監督の下で行うものである。

(※図引用:「臨床実習教育の手引き(第6版)」日本理学療法士協会より)
5.〇 正しい。学生は指導者から基本的態度・臨床技能・臨床思考を学ぶ(※上図参照)なぜなら、教育目標は、Bloom(1956)が提唱した「教育目標分類」によって、①情意領域(態度)、②認知領域(知識)、③精神運動領域(技能)に分類され、この3領域は理学療法教育にも適用されているため。
・基本的態度とは、同意取得、プライバシー配慮、患者への説明の仕方など。
・臨床技能とは、観察、評価手技、介入の段階づけ、リスク管理など。
・臨床思考とは、目標設定→介入選択→結果の解釈→修正、のサイクルなど。

(※図引用:「臨床実習教育の手引き(第6版)」日本理学療法士協会より)
※解答の引用:第61回理学療法士国家試験及び第61回作業療法士国家試験の合格発表について(厚生労働省HPより)

