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41 身体症状症の患者が診療の場面で見せる特徴はどれか。
1.医学的検索を拒否する。
2.奇異な身体症状を訴える。
3.意図的に虚偽の症状を訴える。
4.身体症状に対する苦痛がない。
5.心理的要因について話し合うことに抵抗する。
解答5
解説
身体化障害(身体症状症)は、身体的訴えが多発性で繰り返し起こり、しばしば変化する身体症状を主とするものである。多くの医療機関を受診して、身体的症状を説明する原因はないといわれても受診を続け、本人は抑うつや不安が持続し、周囲との人間関係も悪くなる。治療の主体は支持的精神療法と認知行動療法である。抗不安薬などの薬物療法は依存を招く可能性があるため行わないことが多い。
1.× 医学的検索を「拒否」ではなく固執する(とらわれる)。なぜなら、身体症状症の患者は、むしろ身体疾患の存在を強く心配し、検査や受診を求めたり、医療機関を渡り歩くこと(ドクターショッピング)が起こり得るため。
2.× 「奇異」ではなく一般的な(ありふれた)身体症状を訴える。なぜなら、身体症状症で訴えられるのは、痛み・倦怠感・胃腸症状などが多いため。
※奇異とは、普通とは違っていて奇妙なこと、風変わりなさまを意味する言葉。
3.× 意図的に虚偽の症状を訴えるのは、「詐病」である。一方、身体症状症は、症状を「本当に苦しい」と体験している。
・詐病とは、経済的または社会的な利益の享受などを目的として病気であるかのように偽る詐偽行為である。
4.× 身体症状に対する苦痛「は強いことが多い」。身体症状症は、症状を「本当に苦しい」と体験している。さらに、症状への反応が過大で、生活が制限される。
5.〇 正しい。心理的要因について話し合うことに抵抗する。なぜなら、身体症状症の患者は、症状を身体疾患として強く捉えていることがベースとしてあるため。したがって、「心理の問題」と示されることを否定的に受け取りやすく、話し合いに抵抗が出やすい。
42 ボーダーラインパーソナリティ症〈境界性パーソナリティ障害〉患者のリスク管理で、優先して収集すべき情報はどれか。
1.ADL
2.作業遂行
3.対人関係
4.主訴の背景
5.行動化の履歴
解答5
解説
境界性パーソナリティ障害では、感情の不安定性と自己の空虚感が目立つ。こうした空虚感や抑うつを伴う感情・情緒不安定の中で突然の自殺企図、あるいは性的逸脱、薬物乱用、過食といった情動的な行動が出現する。このような衝動的な行動や表出される言動の激しさによって、対人関係が極めて不安定である。見捨てられ不安があり、特定の人物に対して依存的な態度が目立ち、他者との適切な距離が取れないなどといった特徴がある。
【関わり方】
患者が周囲の人を巻き込まないようにするための明確な態度をとる姿勢が重要で、また患者の自傷行為の背景を知るための面接が必要である。
1.× ADLより優先されるものが他にある。なぜなら、境界性パーソナリティ障害において、ADL障害は特有の症状とはいえないため。
2.4.× 作業遂行/主訴の背景より優先されるものが他にある。なぜなら、緊急のリスク管理では「すでに危険行動が起きているか/起きそうか」を最優先で把握する必要があるため。切迫した危険(自傷・自殺・暴発)に対する対処のパターンを考えておく必要がある。
3.× 対人関係より優先されるものが他にある。なぜなら、対人関係(見捨てられ不安、理想化とこき下ろし、対人トラブル)は、行動化の引き金になる一つの要因に過ぎないため。境界性パーソナリティ障害のリスク管理は、情動的な行動が出現した際の行動化の連鎖を防ぐことである。
・行動化とは、行為によって対処するもので、不適切な形で現れた防衛機制の1つである。具体例として、診察室から出ていってしまったり、診察の場で沈黙を続けたりするなどである。したがって、衝動性の行動化は、自己破壊的な側面を助長する可能性があるため、抑制(コントロール)し、高い自律性の獲得を目標とする。
5.〇 正しい。行動化の履歴は、リスク管理で、優先して収集すべき情報である。なぜなら、行動化(自傷・自殺企図・過量服薬・衝動的逸脱・暴力など)の既往とパターンを収集することで、次に起きる形(方法・場面・タイミング)を予測・予防・対処方法の手がかりとなるため。
43 0歳~成人が適用年齢となる検査はどれか。
1.WISC-V
2.新版K式発達検査
3.田中・ビネー知能検査
4.ASQ〈Ages & Stages Questionnaires〉
5.改訂日本語版デンバー式発達スクリーニング検査
解答2
解説
1.× WISC-V(Wechsler Intelligence Scale for Children – Fifth Edition:児童用ウェクスラー式知能検査第5版)は、5歳0カ月〜16歳11カ月の子どもの知能を測定する個別式の包括的な臨床検査である。特定の認知領域の知的機能を表す5つの主要指標得点(VCI、VSI、FRI、WMI、PSI)と全般的な知能を表す合成得点(FSIQ)、子どもの認知能力やWISC-Vの成績について付加的な情報を提供する5つの補助指標得点(QRI、AWMI、NVI、GAI、CPI)を算出する。
2.〇 正しい。新版K式発達検査は、0歳~成人が適用年齢となる検査である。
・新版K式発達検査とは、1951年に京都市児童院で作られた心理検査である。検査項目として「姿勢・運動領域」「認知・適応領域」「言語・社会領域」の領域から発達状態を調べる。対象年齢は0歳~成人(主に0~7歳未満)である。
3.× 田中・ビネー知能検査とは、2歳から成人までの一般知能を測定し、精神遅滞児によく用いられる。精神年齢(MA)と生活年齢(CA)の比によってIQ(知能指数)を算出する。
4.× ASQ〈Ages & Stages Questionnaires〉は、月齢の質問紙スクリーニングで、対象は「1~66か月(約0~5歳半)」である。5つの領域(①コミュニケーション、②粗大運動、③微細運動、④問題解決、⑤個人・社会)で構成され、それぞれの領域にモニタリングスコア(この値を下回った際に、その後のフォローアップが必要とされるスコア)が設定されている。
5.× 改訂日本語版デンバー式発達スクリーニング検査とは、生後16日~6歳までの『個人―社会』、『微細運動―適応』、『言語』、『粗大運動』の4領域、104項目から全体的にとらえ、発達を通過率で評価する。
44 せん妄と認知症を見分ける最も有効な所見はどれか。
1.幻覚
2.不安
3.易怒性
4.意識障害
5.見当識障害
解答4
解説
せん妄とは、疾患や全身疾患・外因性物質などによって出現する軽度~中等度の意識障害であり、睡眠障害や興奮・幻覚などが加わった状態をいう。高齢者は薬剤によってせん妄が引き起こされる場合も多い。
【原因】脳疾患、心疾患、脱水、感染症、手術などに伴って起こることが多い。他にも、心理的因子、薬物、環境にも起因する。
【症状】
①意識がぼんやりする。
②その場にそぐわない行動をする。
③夜間に起こることが多い。 (夜間せん妄)
④通常は数日から1週間でよくなる。
【主な予防方法】
①術前の十分な説明や家族との面会などで手術の不安を取り除く。
②昼間の働きかけを多くし、睡眠・覚醒リズムの調整をする。
③術後早期からの離床を促し、リハビリテーションを行う。
1.× 幻覚は両者に起こり得る。認知症(特に、レビー小体型認知症)で起こり得る。
・レビー小体型認知症とは、Lewy小体が広範な大脳皮質領域で出現することによって、①進行性認知症と②パーキンソニズムを呈する病態である。認知機能の変動・動揺、反復する幻視(人、小動物、虫)、パーキンソニズム、精神症状、REM睡眠型行動異常症、自律神経障害などが特徴である。実際にはいない人が見える「幻視」、眠っている間に怒鳴ったり、奇声をあげたりする異常言動などの症状が特徴的である。頭がはっきりしたり、ボーッとしたり、日によって変動することもある。レビー小体型認知症そのものを治す治療はなく、現状では症状に対する薬を使用して効果をみる。抗精神薬による精神症状のコントロールと抗パーキンソン病薬による運動症状の改善、自律神経障害に対しての血圧コントロールなどがある。
2.× 不安は両者に起こり得る。※不安は、非特異的(原因が様々)で、鑑別の力が弱い。
・せん妄は、入院や手術後の不安・落ち着かなさが出ることもある。
・認知症は、新しい場所で不安が増強することが多い。
3.× 易怒性は両者に起こり得る。認知症(特に、前頭側頭型認知症)で起こり得る。
・前頭側頭型認知症とは、前頭葉と側頭葉が特異的に萎縮する特徴を持つ認知症である。脳血流量の低下や脳萎縮により人格変化、精神荒廃が生じ、植物状態におちいることがあり、2~8年で衰弱して死亡することが多い。発症年齢が50~60代と比較的若く、初発症状は人格障害・情緒障害などがみられるが、病期前半でも記憶障害・見当識障害はほとんどみられない。働き盛りの年代で発症することが多いことで、患者さんご本人が「自分は病気である」という自覚がないことが多い。その後、症状が進行するにつれ、性的逸脱行為(見知らぬ異性に道で抱きつくなどの抑制のきかない反社会的な行動)、滞続言語(何を聞いても自分の名前や生年月日など同じ語句を答える)、食行動の異常(毎日同じものを食べ続ける常同行動)などがみられる。治療は、症状を改善したり、進行を防いだりする有効な治療方法はなく、抗精神病薬を処方する対症療法が主に行われている(参考:「前頭側頭型認知症」健康長寿ネット様HPより)。
4.〇 正しい。意識障害は、せん妄と認知症を見分ける最も有効な所見である。なぜなら、認知症では基本的に意識清明であるため。
・せん妄とは、疾患や全身疾患・外因性物質などによって出現する軽度~中等度の意識障害である。
5.× 見当識障害は両者に起こり得る。認知症(特に、アルツハイマー型認知症)で起こり得る。
・アルツハイマー型認知症とは、認知症の中で最も多く、病理学的に大脳の全般的な萎縮、組織学的に老人斑(アミロイドβの蓄積)・神経原線維変化の出現を特徴とする神経変性疾患である。特徴は、①初期から病識が欠如、②著明な人格崩壊、③性格変化、④記銘力低下、⑤記憶障害、⑥見当識障害、⑦語間代、⑧多幸、⑨抑うつ、⑩徘徊、⑩保続などもみられる。Alzheimer型認知症の患者では、現在でもできる動作を続けられるように支援する。ちなみに、休息をとることや記銘力を試すような質問は意味がない。
せん妄とは、疾患や全身疾患・外因性物質などによって出現する軽度~中等度の意識障害であり、睡眠障害や興奮・幻覚などが加わった状態をいう。高齢者は薬剤によってせん妄が引き起こされる場合も多い。
【原因】脳疾患、心疾患、脱水、感染症、手術などに伴って起こることが多い。他にも、心理的因子、薬物、環境にも起因する。
【症状】
①意識がぼんやりする。
②その場にそぐわない行動をする。
③夜間に起こることが多い。 (夜間せん妄)
④通常は数日から1週間でよくなる。
【主な予防方法】
①術前の十分な説明や家族との面会などで手術の不安を取り除く。
②昼間の働きかけを多くし、睡眠・覚醒リズムの調整をする。
③術後早期からの離床を促し、リハビリテーションを行う。
45 回復期前期のうつ病患者の作業療法で最も適切なのはどれか。
1.元気を出すように励ます。
2.こまめに休憩をとるよう促す。
3.退院後の生活を考えるよう勧める。
4.他患者と積極的に交流するよう促す。
5.経験のある作業種目を行うよう勧める。
解答2
解説

1.× 元気を出すように励ます「必要はない」。なぜなら、励ましは、かえってプレッシャーや負担になりやすいため。「励まし」は、病気により“頑張れない自分”の罪悪感を強めたり、無理をさせて症状を悪化することもある。
2.〇 正しい。こまめに休憩をとるよう促す。なぜなら、疲労感が強いこともあげられるため。また、性格上、完璧主義であるため、非競争的なもの、短期間で完成できるものを選択する必要がある。
3.× 退院後の生活を考えるよう勧める「必要はない(時期尚早)」。なぜなら、退院後の生活を考えさせることが不安・焦燥・自己否定を強めやすいため。
4.× 他患者と積極的に交流するよう促す「必要はない」。なぜなら、他患者との交流そのものの負担が大きく、疲弊や回避を招きやすいため。
5.× 経験のある作業種目を行うよう勧める優先度は低い(主に認知症に対する作業選択)。なぜなら、経験のある作業では「以前の自分と比べてできない」ことが失敗体験になりえるため。したがって、安全で受身的で非競争的である作業種目を選択すべきである。
かかりやすい:几帳面で完璧主義、責任感が強い人が多い。
うつ病の特徴:意欲低下、精神運動抑制などの症状のため、自己評価が低く、疲労感が強い。
①調子が悪いのは病気のせいであり、治療を行えば必ず改善すること。
②重要事項の判断・決定は先延ばしにする。
③自殺しないように約束してもらうことなど。
【作業基準】
①工程がはっきりしている。
②短期間で完成できる。
③安全で受身的で非競争的である。
④軽い運動(いつでも休憩できる)
【対応】
①気持ちを受け入れる。
②共感的な態度を示す。
③心理的な負担となるため、激励はしない。
④無理をしなくてよいことを伝える。
⑤必ず回復することを繰り返し伝えていく。
⑥静かな場所を提供する。
