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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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45回 午前14
14. 24歳の男性。5日前に交通事故で第4、5頸椎脱臼骨折となった。整復固定術を行って、頸椎の安定性は確保され、現在ICUで治療中である。意識は清明で人工呼吸器から離脱し、Frankel分類Bのレベルである。
この時期における理学療法で適切でないのはどれか。
1.呼吸訓練
2.座位訓練
3.下肢筋力増強訓練
4.四肢関節可動域訓練
5.下肢への間欠的空気加圧
解答3
解説
Frankel分類とは、脊髄損傷の評価尺度の1つである。運動と知覚機能の回復の程度をA~Eの5段階で評価するものである。Aが最も重症(損傷高位以下の完全運動・知覚麻痺)で、Eが正常(反射の異常はあってもよい)である。
A 運動・知覚喪失:損傷部以下の運動・知覚機能が失われているもの。
B 運動喪失・知覚残存:損傷部以下の運動機能は完全に失われているが、仙髄域などに知覚が残存するもの。
C 運動残存(非実用的):損傷部以下にわずかな随意運動機能が残存しているが、実用的運動は不能なもの。
D 運動残存(実用的):損傷部以下にかなりの随意運動機能が残されており、下肢を動かしたり、あるいは歩行などもできるもの
E 回復:神経学的症状、すなわち運動・知覚麻痺や膀胱・直腸障害を認めないもの。
1.〇 呼吸訓練は優先度が高い。なぜなら、低換気・無気肺予防に対して呼吸訓練が必要であるため。ちなみに、第4、5頸椎脱臼骨折の場合は、肋間筋は機能消失しているが、横隔膜・呼吸補助筋が残存していることが多い。
2.〇 座位訓練は優先度が高い。なぜなら、起立性低血圧の予防や座位保持の獲得につながるため。本症例は、意識は清明で人工呼吸器から離脱していることから実施可能と考えられる。
3.× 下肢筋力増強訓練は選択肢の中で最も優先度が低い。なぜなら、本症例は第4、5頸椎脱臼骨折でFrankel分類B(運動喪失・知覚残存:損傷部以下の運動機能は完全に失われているが、仙髄域などに知覚が残存するもの)のレベルであるため。下肢の筋力は残存していないため、残存筋(頸部・一部上肢)の筋力増強訓練を行う。
4.〇 四肢関節可動域訓練は優先度が高い。なぜなら、関節拘縮の予防のため。
5.〇 下肢への間欠的空気加圧は優先度が高い。なぜなら、血栓形成予防のため。
46回 午後16
16. 75歳の男性。交通事故による第5頸髄レベルでの損傷による四肢不全麻痺。受傷後6か月経過。端座位、手すり使用で立ち上がり動作、食事は太柄のフォークで自立。トイレ動作は見守り。衣服の着脱は介助。自宅内は手すり歩行で移動、屋外は車椅子移動。
Frankel分類はどれか。
1.A
2.B
3.C
4.D
5.E
解答4
解説
Frankel分類とは、脊髄損傷の評価尺度の1つである。運動と知覚機能の回復の程度をA~Eの5段階で評価するものである。Aが最も重症(損傷高位以下の完全運動・知覚麻痺)で、Eが正常(反射の異常はあってもよい)である。本症例は、屋内で手すり歩行が可能なため、実用的な運動機能が残存している。よって、Frankel分類は、選択肢4. Dとなる.
A 運動・知覚喪失:損傷部以下の運動・知覚機能が失われているもの。
B 運動喪失・知覚残存:損傷部以下の運動機能は完全に失われているが、仙髄域などに知覚が残存するもの。
C 運動残存(非実用的):損傷部以下にわずかな随意運動機能が残存しているが、実用的運動は不能なもの。
D 運動残存(実用的):損傷部以下にかなりの随意運動機能が残されており、下肢を動かしたり、あるいは歩行などもできるもの
E 回復:神経学的症状、すなわち運動・知覚麻痺や膀胱・直腸障害を認めないもの。
51回 午前16
16 75歳の男性。交通事故による第5頸髄レベルの脊髄損傷で四肢不全麻痺。受傷後6か月経過。端座位の保持と手すりを使用した立ち上がり動作は可能。食事は太柄のフォークで自立。トイレ動作は見守りが必要。衣服の着脱は介助があれば行える。自宅内は手すり歩行で移動し、屋外は車椅子移動。
Frankel分類はどれか。
1. A
2. B
3. C
4. D
5. E
解答4
解説
Frankel分類とは、脊髄損傷の評価尺度の1つである。運動と知覚機能の回復の程度をA~Eの5段階で評価するものである。Aが最も重症(損傷高位以下の完全運動・知覚麻痺)で、Eが正常(反射の異常はあってもよい)である。
A:運動・知覚喪失:損傷部以下の運動・知覚機能が失われているもの。
B:運動喪失・知覚残存:損傷部以下の運動機能は完全に失われているが、仙髄域などに知覚が残存するもの。
C:運動残存(非実用的):損傷部以下にわずかな随意運動機能が残存しているが、実用的運動は不能なもの。
D:運動残存(実用的):損傷部以下にかなりの随意運動機能が残されており、下肢を動かしたり、あるいは歩行などもできるもの
E:回復:神経学的症状、すなわち運動・知覚麻痺や膀胱・直腸障害を認めないもの。
本症例は、屋内で手すり歩行が可能なため、実用的な運動機能が残存している。よって、Frankel分類は、選択肢4. Dとなる.