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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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PT専門
47回 午後19
19 背面からみた肺区域の模式図を示す。
斜線で示す肺区域に痰が貯留している場合の排痰体位として正しいのはどれか。
1.背臥位
2.腹臥位
3.右側臥位
4.45度前方へ傾けた右側臥位
5.45度後方へ傾けた右側臥位
解答3
解説
左外側肺底区(S9)に痰が貯留している。
1.× 背臥位は、S1(肺尖区)、S3(前上葉区)、S8(前肺底区)の排痰を促すことができる。
2.× 腹臥位は、S6、S10(上・下葉区)の排痰を促すことができる。
3.〇 正しい。右側臥位することで、S9(左外側肺底区)が上方となり排痰を促すことができる。
4.× 45度前方へ傾けた右側臥位は、S2(後上葉区)の排痰を促すことができる。
5.× 45度後方へ傾けた右側臥位は、S4、S5(中葉、舌区)の排痰を促すことができる。
50回 午前14-15
次の文により14、15 の問いに答えよ。
85歳の男性。脳梗塞の既往がある。2 、3か月前から食事中にむせることが多くなっていた。3日前から元気がなく、昨晩から発熱と意識障害とがみられたため救急搬送され気管挿管の上、入院となった。体温38.0℃、呼吸数25/分、左胸部に肺胞呼吸音、右胸部に水泡音が聴取された。エックス線写真を下図に示す。
14 この患者の症状が生じている原因として最も考えられるのはどれか。
1. 気胸
2. 心不全
3. 肺水腫
4. 間質性肺炎
5. 誤嚥性肺炎
解答5
解説
・85歳の男性(脳梗塞)
・2~3か月前:食事中にむせる。
・3日前:発熱と意識障害、救急搬送され気管挿管の上、入院となった。
・体温38.0℃、呼吸数25/分、左胸部に肺胞呼吸音、右胸部に水泡音が聴取された。
→水泡音は吸気相~呼気相初期に聴かれる「ブツブツ」「ポコポコ」という音で低調で短い。食事中にむせることは誤嚥性肺炎のリスクとなる。
1.× 気胸とは、胸腔内に空気が貯留して肺が虚脱している病態である。肺野透過性(黒い部分が増える)は亢進する。
2.× 心不全の所見は、心拡大・両肺野のうっ血・胸水貯留などである。
3.× 肺水腫の所見は、両肺野の透過性は低下(白い部分が増える)し、蝶形陰影などである。肺水腫とは、肺静脈性肺高血圧と肺胞内の液貯留を伴った重度の急性左室不全である。
4.× 間質性肺炎の所見は、画像上にすりガラス陰影などが出現する。また、両肺から捻髪音を聴取できる。
5.〇 正しい。誤嚥性肺炎はこの患者の症状が生じている原因として最も考えられる。誤嚥性肺炎は、筋を含んだ喀痰や唾液、誤嚥した食塊など本来肺に入ってはいけないものが肺に入ってしまうことで引き起こされる。口腔ケアは肺炎の発症率を有意に低下させる。所見は、大葉性肺炎の形を示す。
心不全は心臓のポンプ機能低下のため末梢組織の酸素需要に見合った血液量を供給できない状態である。肺循環系にうっ血が著明なものを左心不全、体循環系にうっ血が著明なものを右心不全という。体液の著明やうっ血を生じ、主な症状として呼吸困難、咳嗽、チアノーゼ、血性・泡沫状喀痰(ピンクの痰)などがある。
心拍出量の低下を起こす原因として、
・左心不全:肺循環系にうっ血が著明なもの(呼吸困難、起座呼吸、尿量減少など)
・右心不全:体循環系にうっ血が著明なもの(頸静脈怒張、胸水・腹水、下腿浮腫、肝腫大など)
右室拡張末期圧の上昇(体循環の静脈系のうっ血)により右心不全は引き起こされる。
次の文により14、15 の問いに答えよ。
85歳の男性。脳梗塞の既往がある。2 、3か月前から食事中にむせることが多くなっていた。3日前から元気がなく、昨晩から発熱と意識障害とがみられたため救急搬送され気管挿管の上、入院となった。体温38.0℃、呼吸数25/分、左胸部に肺胞呼吸音、右胸部に水泡音が聴取された。エックス線写真を下図に示す。
15 この患者の病変が生じている部位に痰が貯留している場合の排痰体位として最も適切なのはどれか。
1. 座位
2. 背臥位
3. 左側臥位
4. 右側臥位
5. 45°前方に傾けた右側臥位
解答3
解説
本症例の病巣は中葉か下葉と推測できる。ここから、シルエットサイン陰性であることから、病巣は中葉を否定できるため下葉と判断できる。したがって、右下肺野(S9)である。シルエットサインとは、心臓や大動脈などでできる線(右 2 弓とか)に隣接して病変ができると、その線が消える現象である。例えば、右下肺野に濃度上昇物を認め、心臓右縁下部が不明瞭になっている場合、「シルエットサイン陽性」と判断し、右中葉に病変部位が存在する。 左横隔膜のシルエットが消失している場合、左横隔膜上に病変があることを示す。
1.× 座位は、肺尖区(S1)の排痰体位である。
2.× 背臥位は、前上葉区(S3)の排痰体位である。
3.〇 正しい。左側臥位は、右下肺野(S9)からの排痰体位である。
4.× 右側臥位は、左中葉、舌区(S4,S5)の排痰体位である。
5.× 45°前方に傾けた右側臥位は、左肺外背側病変(S2)からの排痰体位である。
51回 午前18
18 右外側肺底区の痰に対する体位排痰法体位(ドレナージ)で最も適切な体位はどれか。
解答4
解説
体位ドレナージは、目的の肺区域が上となり痰が流れやすくなる姿勢をとることで排痰を促す手法である。
1.× 腹臥位は、上・下葉区(S6・S10)の排痰に適している。
2.× 45度前方へ傾けた腹臥位は、後上葉区(S2)の排痰に適している。
3.× 背臥位は、主に肺尖部、前上葉区、前肺低区(S1・S3・S8)の排痰に適している。
4.〇 正しい。側臥位は、右外側肺区(S9)の排痰に適している。
5.× 45度後方へ傾けた側臥位は、中葉、舌区(S4・S5)の排痰に適している。
54回 午前18
18. 図に示す肺痰体位に対応する肺区域で正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 肺尖区(S1)
2. 後上葉区(S2)
3. 上-下葉区(S6)
4. 前肺底区(S8)
5. 後肺底区(S10)
解答3,5
解説
体位ドレナージは重力を利用して痰の排出を図る方法である。痰貯留部位が上、気管支が下となる体位をとり、痰を排出する。
1. ×:肺尖区(S1)は、前上葉区(S3)、前肺底区(S8)とともに背臥位である。肺尖区(S1)は、上方に位置するため座位でも行う。
2. ×:後上葉区(S2)は、前方へ45°傾けた側臥位である。
3. 〇:正しい。上-下葉区(S6)・後肺底区(S10)ともに腹臥位である。
4. ×:前肺底区(S8)は、肺尖区(S1)、前上葉区(S3)とともに背臥位である。
5. 〇:正しい。上-下葉区(S6)・後肺底区(S10)ともに腹臥位である。
OT専門
54回 午前25
25 前傾側臥位で排痰を行うのはどれか。
1. 後上葉区
2. 前上葉区
3. 前肺底区
4. 肺尖区
5. 上舌区
解答1
解説
体位ドレナージは重力を利用して痰の排出を図る方法である。痰貯留部位が上、気管支が下となる体位をとり、痰を排出する。
1.〇 正しい。後上葉区(S6・10)は、上背側にあるので、前方へ45°傾けた側臥位をとる.
2.× 前上葉区(S3)は、上腹側なので、背臥位とる。
3.× 前肺底区(S8)は、下腹側に位置するので、背臥位をとる。
4.× 肺尖区(S1)は、肺の頂部なので、背臥位をとる。
5.× 上舌区(S5)は、外腹側に位置する。後方へ45°傾けた側臥位をとる。