【OT/共通】FIMについての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

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【PT専門のみ】FIMについての問題「まとめ・解説」

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OT専門

45回 午後25

25 FIMで2点はどれか。

1.更衣・上半身:シャツを着せてもらう際に身体を前に傾けて協力する。
2.階段:車椅子使用者がエレベーターを用いて自立している。
3.排尿管理:人工透析を受けていて自尿はない。
4.表出:単語のみを用いて基本的欲求を表現する。
5.社会的交流:夜間せん妄によって毎晩同室者が眠れない。

解答

解説
1.× 更衣・上半身:シャツを着せてもらう際に身体を前に傾けて協力する(25%未満:全介助)のは1点である。上半身は、衣服を「かぶる」「片袖を通す」「もう一方の袖を通す」「衣服を引きおろす」の4つの動作のうちどれくらい自分でできるか評価する。「身体を前に傾ける」協力動作は、更衣動作とはいえない。
2.× 階段:車椅子使用者がエレベーターを用いて自立している(25%未満:全介助)のは1点である。エレベーターの使用は評価対象外となる。
3.× 排尿管理:人工透析を受けていて自尿はない(25%未満:全介助)のは1点である。人工透析を受けていて自尿はない場合は評価対象外となる。
4.〇 正しい。表出:単語のみを用いて基本的欲求を表現する(50%未満:最大介助)のは2点である。表出の評価範囲は、自分の欲求や考えを相手に「①どのくらい伝わっているか」「②聞き取るためにどのくらい配慮が必要か」で評価する。表出の介助(配慮)とは、ゆっくり話させる、繰り返させる、わかりやすく言い直させる、間を置かせる、視覚またはジェスチャーなどを利用すること。表出において、単語、ジェスチャー、 yes/no は2点である。
5.× 社会的交流:夜間せん妄によって毎晩同室者が眠れない(25%未満:全介助)のは1点である。社会的交流では、家族やスタッフ、他の患者様と適切に交流しているか、集団へ参加しているかを評価する。

 

 

49回 午前29

29 FIMの評定で正しいのはどれか。

1.更衣(上半身)7点:上着をたんすから出してもらえば着替えられる。
2.トイレ動作6点:服の上げ下ろしをする際に手すりを使用する。
3.食事5点:咀嚼力が弱いため、あらかじめ軟らかく調理してもらう。
4.整容4点:ホルダー付きの歯ブラシを使用すれば歯磨きができる。
5.表出3点:「水」、「トイレ」などの単語で意思を伝えることができる。

解答2

解説
1.× 上着をたんすから出してもらえば着替えられるのは、「更衣(上半身)7点」ではなく5点である。
2.〇 正しい。服の上げ下ろしをする際に手すりを使用すること(手すりを使用しているが介助不要であるため修正自立)は、トイレ動作6点である。
3.× 咀嚼力が弱いため、あらかじめ軟らかく調理してもらうこと(食事動作そのものは自立しているため修正自立)は、「食事5点」ではなく6点である。
4.× ホルダー付きの歯ブラシを使用すれば歯磨きができること(ホルダー付きの歯ブラシがあれば整容動作は自立しているため修正自立)は、「整容4点」ではなく6点である。
5.× 「水」、「トイレ」などの単語で意思を伝えることができること(表出において、単語、ジェスチャー、Yes/No)は、「表出3点」ではなく2点である。

 

 

 

 

50回 午前26

26 FIMの評定で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.浴槽移乗7点:浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたぐ。浴槽内でしゃがみ、立てる。
2.食事6点:ホルダー付きスプーンを介助者に装着してもらい、食事動作は自立している。
3.記憶5点:メモリーノートを用いて自立し、問題を生じていない。
4.トイレ動作4点:服を上げるのが不十分で介助者の口頭指示を必要とする。
5.更衣(上半身)2点:前開きシャツで非麻痺側の袖通しはできるが、他は介助を要する。

解答1/5

解説
1.〇 正しい。浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたいだり、浴槽内でしゃがみ、立てることができるということは、介助なしで自立していることとなる。つまり、浴槽移乗7点(完全自立)である。
2.× :ホルダー付きスプーンを介助者に装着してもらい、食事動作は自立しているのは、「食事6点(修正自立)」ではなく、5点(監視または準備)である。6点は補助具を用いて自力で可能なレベル、5点は介助者が身体に触れないで可能なレベルである。食事動作自体は自立しているものの、事前に装具を介助者に装着してもらうため5点である。
3.× メモリーノートを用いて自立し、問題を生じていないのは、「記憶5点(監視または準備)」ではなく、6点(修正自立)である。
4.× 服を上げるのが不十分で介助者の口頭指示を必要とするのは、「トイレ動作4点(最小介助)」ではなく、5点(監視または準備)である。なぜなら、口頭指示のみで患者には触れていないため。
5.〇 正しい。前開きシャツで非麻痺側の袖通しはできるが、他は介助を要するのは、更衣(上半身)2点である。最大介助の2点は、25%~50%の自立である。更衣動作では、患者は押し入れや引き出しから衣服を取り出すといった準備の動作や、どの服から順番に身に着けるべきかといった部分も評価される。前開きシャツを着る際には、①大まかには服の準備、②麻痺側の袖通し、③非麻痺側の袖通し、④ボタンをかけたりやファスナーを上げるといった少なくとも4つの動作があり、これらのうち非麻痺側の袖通ししかできていないというのであれば、4動作中1動作なので25%ということになる。

 

 

54回 午後27

27 移動評価において「歩行は困難であるが、介護者の見守りの下、車椅子で50mの移動が可能である」場合のFIM とBarthel Indexの評価点との組合せで正しいのはどれか。

1. FIM 6点:Barthel Index 10点
2. FIM 5点:Barthel Index 10点
3. FIM 5点:Barthel Index 5 点
4. FIM 4点:Barthel Index 5 点
5. FIM 4点:Barthel Index 0 点

解答

解説

 「歩行は困難であるが、介護者の見守りの下、車椅子で50mの移動が可能である」のは、FIM5点、Barthel Index5点である。よって、選択肢3. FIM 5点:Barthel Index 5 点が正しい。

FIM:歩行

7点:介助者なしで自立。
6点:杖などの歩行補助具を使用していれば50mの移動が自立(通常以上の時間がかかる、安全面の配慮が必要)。
5点:監視または準備、助言があれば50mの移動が可能。
4点:最小介助が必要だが「75%以上」は自分でしている。手を触れる程度の介助があれば50mの移動が可能。
3点:「75%」以上の中等度介助が必要。しっかりと支えるように介助をすると50mの移動が可能。
2点:15m以上移動するのに介助が必要だが、「25%以上」は自分でしている。
1点:介助があっても15m以上移動できない。15mの移動に2名以上の介助が必要。

Barthel Index:歩行

15点:45m以上の歩行、補装具(車椅子、歩行器は除く)の使用の有無は問わない。
10点:45m以上の介助歩行、歩行器の使用を含む。
5点:歩行不能の場合、車椅子にて45m以上の操作可能。
0点:上記以外。

※参考:Mahoney,F.I. & Barthel,D.W.:Maryland State Medical Journal,14 : 61-65,1965より

 

 

 

 

 

56回 午後28

28 FIMの点数とADL評価の組合せで正しいのはどれか。

1. 食事4点:自助具を介助者に装着してもらい自力で摂取する。
2. 清拭7点:ループ付きタオルを使用して身体を洗う。
3. 歩行1点:1人の介助で15mまで歩行ができる。
4. トイレ動作3点:日中は自立しているが夜間は介助者が監視している。
5. 更衣(下衣)5点:短下肢装具の装着のみを手伝ってもらう。

解答5

解説

1.× 自助具を介助者に装着してもらい自力で摂取するのは、食事5点(監視・準備)である。介助者が身体に触れないで可能なレベルである。
2.× ループ付きタオルを使用して身体を洗うのは、清拭6点(修正自立)である。補助具を用いて自力で可能なレベルである。
3.× 1人の介助で15mまで歩行ができるのは、歩行2点(最小介助)である。1点は、2人介助など、患者の協力が得られない全介助であるレベルである。
4.× 日中は自立しているが夜間は介助者が監視しているのは、トイレ動作5点(監視・準備)である。時間帯によって介助量が異なる場合は、低い方の点数で評価される。
5.〇 正しい。短下肢装具の装着のみを手伝ってもらうのは、更衣(下衣)5点(監視・準備)である。更衣(下半身)の採点ポイントとして、装具は、主な更衣動作ではないので介助で装着しても5点までしか下がらない特徴がある。

 

 

 

57回 午後29

29 WeeFIMについて正しいのはどれか。

1.5段階で評価される。
2.総得点は100点である。
3.対象年齢は0~18歳である。
4.移動の「階段」を「伝い歩き」で評価する。
5.評価は生活場面の直接観察や聴取で行う。

解答

解説

WeeFIMとは?

WeeFIM(Functional Independence Measure for children:子供のための機能的自立度評価法)とは、子どものための機能的自立度評価法でFIMをもとに子ども用に作られたADL評価法である。

評価項目:18項目(運動項目13、認知項目5)
段階:介護度に応じて7段階
総得点:18点~126点
対象年齢:6か月~7歳未満
※備考:6項目で小児への応用を考慮した修正が加えられている。

1.× 5段階ではなく「7段階」で評価される。
2.× 総得点は、100点ではなく「126点」である。
3.× 対象年齢は、0~18歳ではなく「6か月~7歳未満」である。
4.× 移動の「階段」を「伝い歩き」で評価しない。移動の「歩行」において、車椅子移動や這い這いが認められている。6項目で小児への応用を考慮した修正が加えられている。
5.〇 正しい。評価は生活場面の直接観察聴取で行う。所要時間は15~20分で、十分に実用的なスクリーニングおよび経過観察の手順として利用可能である。

 

 

59回 午後30

30 FIMの食事で6点はどれか。2つ選べ。

1.介助皿を使用する。
2.食事動作は自立しているが減塩食である。
3.醤油をかけてもらう。
4.スプーンで動作自立している。
5.配膳前の調理の段階で刻んでもらう。

解答1・5

解説
1.5.〇 正しい。介助皿を使用する/配膳前の調理の段階で刻んでもらうのは6点(修正自立)である。6点の採点基準として、①時間が掛かる、②自助食器や自助具を使用、③部分的に非経管栄養に頼る、④食事形態(きざみ食や嚥下食など)で安全面の工夫が必要などである。
2.4.× 食事動作は自立しているが減塩食である/スプーンで動作自立しているのは7点(完全自立)である。減塩食やスプーンは、食事形態や自助具に該当しないため7点である。
3.× 醤油をかけてもらうのは5点(監視・準備)である。5点の採点基準として、①準備(配膳後に肉を切る、ふたを開けるなど)が必要、②食べこぼしや誤嚥しないように監視が必要、③万能カフなど自助具を装着してもらう必要がある。

FIMとは?

FIMとは、日常生活動作(ADL)を評価する尺度で、運動項目(13項目)と認知項目(5項目)の計18項目を7段階で採点する。【運動項目】セルフケア(食事、整容、清拭、更衣:上・下、トイレ動作)、移乗(ベッド・椅子・車椅子移乗、トイレ移乗、浴槽・シャワー移乗)、排泄コントロール(排尿管理、排便管理)、移動(歩行・車椅子、階段)、【認知項目】コミュニケーション(理解、表出)、社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)で評価する。

 

 

 

共通問題

53回 午後83

83.FIMで4点(最小介助)となるのはどれか。

1.アームスリングをつけてもらっている。
2.食器に残った食べ物をかき集めてもらう。
3.移乗時に介助者から軽く引き上げてもらう。
4.トイレットペーパーをあらかじめ折ってもらう。
5.シャワーを浴びる前にお湯の温度を調節してもらう。

解答:2


解説

 FIMの4点とは、最小介助(手で触れる程度の介助が必要。患者自身で75%以上行える)ことを言う。

1.× アームスリングをつけてもらっているのは、5点以上である。義肢・アームスリングやコルセットなどの装具・治療用スリーブなど装具類の着脱は更衣の主な動作ではないので、それらの装着に介助が必要でも、更衣動作自体が介助なしで可能であれば5点までしか減点されない。
2.〇 正しい。食器に残った食べ物をかき集めてもらうのは、4点である。
3.× 移乗時に介助者から軽く引き上げてもらうのは、3点である。移乗の4点は念のために軽く触れている程度である。軽く引き上げる程度の介助は3点である。
4.× トイレットペーパーをあらかじめ折ってもらうのは、5点である。これはトイレ動作の準備に当てはまるので5点である。
5.× シャワーを浴びる前にお湯の温度を調節してもらうのは、5点である。準備に当てはまるため5点である。

 

 

 

 

57回 午前86

86 FIMについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1.見当識を評価する。
2.社会的交流を評価する。
3.見守りが必要な場合は4点と判定する。
4.更衣は上半身と下半身を分けて評価する。
5.杖を使用して歩行が自立すれば完全自立と判定する。

解答2・4

解説

1.× 見当識の評価項目はない。評価の項目は、①運動項目(食事、整容、清拭・入浴、更衣(上・下)、トイレ動作、排尿・排便、移乗、歩行、階段昇降など)と②認知項目(理解・表出、社会交流、問題解決、記憶)である。
2.〇 正しい。社会的交流を評価する。FIMの社会的交流とは、相手に迷惑をかけているかどうか、自分の言動が人にどう思われているかがわかるという事である。病室や訓練室、自宅、地域のなかで他人と折り合い、集団に参加して行く能力が含まれる。これは自分の要求とともに、他人の要求をどう処理するかも評価の対象になるという事である。
3.× 見守りが必要な場合は、4点ではなく「5点(要監視)」と判定する。
4.〇 正しい。更衣は、上半身下半身を分けて評価する。それぞれ7点として評価項目は別々となっている。
5.× 杖を使用して歩行が自立すれば、完全自立(7点)ではなく「修正自立(6点)」と判定する。なぜなら、杖は歩行補助具に該当するため。

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