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11 NICUに入院中の低出生体重児。在胎週数30週。腹臥位での姿勢を図に示す。
この児に対する適切なポジショニングはどれか。2つ選べ。

1.頸部伸展位
2.体幹伸展位
3.肩甲帯前方突出位
4.肩関節外転位
5.股関節内外転中間位
解答3・5
解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」)
低出生体重児とは、2500g未満児のこと。1500g未満を「極低出生体重児」、1000g未満を「超低出生体重児」と呼ぶ。外的ストレスをできる限り減らす必要がある。ポジショニングは、体内にいるときに近い姿勢を保つ。子宮内環境に近づける。なぜなら、低出生体重児は、胎内で屈曲姿勢をとる期間が少なく、神経系の発達が未成熟、在胎週数に応じた筋緊張が低下を認めるため。したがって、成熟児に比べて、四肢伸展、外転位の不良姿勢や不良運動パターンを認めやすい。胎内での屈曲姿勢に近い肢位をとらせるのが正しい。そのため、タオルやクッションなどを使用し姿勢のセッティングが必要になる。ポイントは、①頚部の軽度屈曲位、②肩甲帯の下制・前進、③骨盤後傾、④肩・股関節中間位(内・外転)、⑤上・下肢屈曲位である。
1.× 頸部は、「伸展位」ではなく軽度屈曲位にする。
2.× 体幹は、「伸展位」ではなく軽度屈曲位にする。
3.5.〇 正しい。肩甲帯前方突出位/股関節内外転中間位は、この児に対するポジショニングとして適切な肢位である。タオルやクッションなどを使用し、胎内での屈曲姿勢に近い肢位をとらせる。ポイントとして、①頚部の軽度屈曲位、②肩甲帯の下制・前進、③骨盤後傾、④肩・股関節中間位(内・外転)、⑤上・下肢屈曲位である。
※第54回午後16において、適切なポジショニングは、股関節内転位が望ましいことになっている。
※第58回午前4において、適切なポジショニングは、股関節内外転中間位が望ましいことになっている。
※基本的に、股関節内外転中間位で覚えておく。
4.× あえて、肩関節外転位にする必要はない。肩・股関節は、中間位(内・外転)が望ましい。
12 病的反射の検査で正しいのはどれか。

1.Chaddock反射
2.Hoffmann反射
3.Oppenheim反射
4.Trömner反射
5.Wartenberg反射
解答1
解説
病的反射とは、原始的な反応への退行であり、大脳皮質からの抑制が消失していることを意味する。例えば、バビンスキー反射の出現などである。中枢側にある上位運動ニューロンが傷害され、その下位運動ニューロンに対する抑制が消失し、正常では認められないような反射である。
1.〇 正しい。Chaddock反射は、病的反射の検査である。
・Chaddock反射(チャドック反射)は、足の外果の下方を後ろから前へこする。バビンスキー反射の変法である。
・バビンスキー反射は、下肢の病的反射のひとつで、刺激によって母趾がゆっくりと背屈すれば陽性(母趾現象または伸展足底反射)ときには他の4指が開く(開扇現象)。正常では足底反射より母趾屈曲が起こる。
2.× Hoffmann反射(ホフマン反射)とは、上肢の病的反射(手指屈筋反射のひとつ)で、手関節を軽く背屈位にして、検者は患者の中指中節部を示指と中指ではさみ、検者の母指で患者の中指爪のところを鋭く手掌側に向けてはじく。刺激により母指の内転が起これば陽性である。
3.× Oppenheim反射(オッペンハイム反射)は、脛骨内縁を上方から下方に刺激し、陽性で母趾が背屈する。Babinski反射の変法である。
4.× Trömner反射(トレムナー反射)は、上肢の病的反射(手指屈筋反射のひとつ)で、手関節を軽く背屈させ、手指をやや屈曲させておく。検者は左手で患者の中指中節を支えて、右手の示指または中指で患者の中指末節掌側面を強くはじく。刺激により母指の内転が起これば陽性。
5.× Wartenberg反射(ワルテンベルク反射)は、上肢の病的反射(手指屈筋反射のひとつ)で、肘を軽く屈曲させ前腕を回外位にして手背を膝の上に置き、手指を少し屈曲位にする。検者は示指と中指を患者の4指先端掌側面に横に当て、その上をハンマーで叩打する。刺激により母指と4指の屈曲が起これば陽性である。
13 64歳の男性。第6頚髄損傷〈AISA〉の診断で回復期リハビリテーション病棟に入院して治療が行われている。リハビリテーション治療前の問診で頭痛の訴えがあり、顔面紅潮、発汗を認めた。血圧を測定したところ、220/100mmHgであった。
この状態で適切なのはどれか。
1.頻脈を認める。
2.体位を臥位にする。
3.重篤な合併症は生じない。
4.排尿・排便状況を確認する。
5.腰髄損傷の患者にも生じやすい。
解答4
解説
・64歳の男性(第6頚髄損傷)。
・回復期リハビリテーション病棟に入院中。
・頭痛の訴えがあり、顔面紅潮、発汗を認めた。
・血圧:220/100mmHg。
→本症例は、自律神経過反射が疑われる。自律神経過反射は、T5~6以上の脊髄損傷患者において、損傷部以下の臓器からの刺激によって起こる自律神経の異常反射である。内臓神経の抑制が解除されるため、主に骨盤内臓器が緊張する促通刺激が原因となり誘発される。原因は①膀胱刺激、②直腸刺激、③内臓刺激、④皮膚刺激などが挙げられる。生命の危険を伴い合併症を伴う。自律神経過反射の症状は、高血圧、ガンガンする頭痛、顔面紅潮、損傷レベルより上部での発汗、鼻詰まり、吐き気、脈拍60以下の徐脈、損傷レベルより下部の鳥肌である。
1.× 「頻脈」ではなく徐脈を認める。なぜなら、自律神経過反射では、損傷レベル以下の強い交感神経反射で血圧の急上昇により、それを頸動脈洞・大動脈弓が感知して迷走神経反射(副交感神経)が働くため。つまり、血圧が上昇する結果、脈拍60以下の徐脈になることが多い。
2.× 体位を「臥位」ではなく座位にする。なぜなら、臥位にすることで、さらに血圧を上げやすく、症状の悪化(脳出血などのリスクを高める)に寄与するため。したがって、まずは、座位(頭部挙上)にして静脈還流を減らし、血圧を下げるよう促す。
3.× 重篤な合併症を「生じる」。例えば、自律神経過反射による重度高血圧は、致死的合併症(脳出血・痙攣・不整脈など)を起こし得る。つまり、放置すると、脳血管障害(脳出血など)、網膜出血、心筋虚血、不整脈などのリスクとなり得る。
4.〇 正しい。排尿・排便状況を確認する。なぜなら、自律神経過反射の誘因として、原因は①膀胱刺激、②直腸刺激、③内臓刺激、④皮膚刺激などであるため。①膀胱刺激は、尿閉やカテーテル閉塞、②直腸刺激は便秘や便塞栓などがあげられる。
5.× 腰髄損傷の患者には「生じにくい」。なぜなら、自律神経過反射は、T5~6以上の脊髄損傷患者において起こりやすいため。腰髄損傷(T6より下)では、腹部内臓(腹腔)血管の交感神経調節が比較的保たれ、血圧上昇を“逃がす”代償(血管拡張など)が働きやすいため、自律神経過反射のような重篤な高血圧発作は起こりにくい。
14 60歳の男性。末梢動脈疾患。Fontaine分類Ⅱ度。連続歩行距離が低下しているが、歩行時以外の疼痛はなく、足部の変形は見られない。
この患者の連続歩行能力改善に最も適切な理学療法はどれか。
1.寒冷療法
2.足底挿板作製
3.トレッドミル歩行練習
4.コンプレッションポンプ
5.下肢他動的関節可動域運動
解答3
解説
・60歳の男性(末梢動脈疾患)。
・Fontaine分類Ⅱ度:間欠性跛行がみられる。
・連続歩行距離が低下しているが、歩行時以外の疼痛はなく、足部の変形は見られない。
→ほかの選択肢が消去できる理由も上げられるようにしよう。
→末梢動脈疾患とは、足(末梢)の動脈が狭くなったり詰まったりして血液の流れが悪くなり、足(末梢)にさまざまな症状を引き起こす病気である。閉塞性動脈硬化症や下肢慢性動脈閉塞症と呼ばれることもある(現在は、その原因に関係なく、国際的に「末梢動脈疾患」に統一された)。バージャー病も末梢動脈疾患に含まれる。
1.× 寒冷療法は基本的に選ばない。なぜなら、寒冷刺激は、末梢血管を収縮、末梢循環を悪化させるため。
2.× 足底挿板作製より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例は、「足部の変形は見られない」と記載されているため。
・足底挿板(装具療法)は、変形性膝関節症に対する保存療法の1つである(推奨グレードB)
3.〇 正しい。トレッドミル歩行練習は、この患者の連続歩行能力改善に最も適切な理学療法である。なぜなら、歩行(トレッドミル)は、間欠性跛行の連続歩行距離を改善する標準的治療であるため。対象者により、歩行スピードや傾斜などが設定できることがメリットである。歩行トレーニングの効果として、①筋代謝効率の改善(同じ仕事量でも必要酸素量が減る)、②末梢循環の適応(側副血行の発達、内皮機能改善など)、③歩行能力・QOL向上が期待できる。
4.× コンプレッションポンプは、連続歩行能力改善に寄与しにくい(優先度が低い)。なぜなら、コンプレッションポンプは、主に静脈・リンパ系のうっ滞(浮腫)に用いられるため。
・コンプレッションポンプとは、メドマーのことで、空気圧を利用した波動型の医療用マッサージ器で、もともとは病院のICU、手術室で使われる静脈血栓・血管閉塞予防の医療装置で使用されていた。
5.× 下肢他動的関節可動域運動は、連続歩行能力改善に寄与しにくい(優先度が低い)。なぜなら、関節可動域運動は、拘縮予防には有用なものであるため。また、本症例は「足部の変形は見られない」と記載があるため、関節可動域が原因で、連続歩行距離が低下しているとは考えにくい。
【Fontaine分類:フォンテインの分類】は、症状に基づいた閉塞性動脈硬化症の分類である。
・Ⅰ度:無症状
・Ⅱ度:間欠性跛行
・Ⅲ度:安静時疼痛
・Ⅳ度:潰瘍、壊疽
15 74歳の女性。起床時に突然回転性めまいを生じ受診したところ、良性発作性頭位めまい症と診断された。発症2日で、寝返り時や起き上がり時に一過性の回転性めまい症状はあるが、歩行安定性に問題はない。
理学療法で適切なのはどれか。
1.Epley法を行う。
2.杖歩行練習を行う。
3.閉眼でのバランス練習を行う。
4.頭部回旋を伴わない動作方法を指導する。
5.等尺性運動を用いた頭部の筋力増強練習を行う。
解答1
解説
・74歳の女性(良性発作性頭位めまい症)。
・起床時:突然回転性めまい。
・発症2日:寝返り時や起き上がり時に一過性の回転性めまい症状はある。
・歩行安定性に問題はない。
→ほかの選択肢を消去できる理由もあげられるようにしよう。
→良性発作性頭位眩暈症は、特定の頭位をとったときにごく短時間の激しい眩暈(めまい)が生じる疾患である。理学療法にて改善が見込める疾患である。具体的に、姿勢を変化させながら耳石を移動させる方法(エプリー法)や、眩暈を誘発させて眩暈に慣れさせることで症状を軽減することができる。
1.〇 正しい。Epley法を行う。なぜなら、良性発作性頭位眩暈症は、半規管内に迷入した耳石(耳石器の小さな炭酸カルシウム結晶)が原因であるため。したがって、Epley法(頭位を順に変えて耳石を卵形嚢へ戻す治療)が有効である。
・Epley法(エプリー法)は、良性発作性頭位めまい症に対する治療体操である。頭位変換によって耳石を卵形嚢に戻すことを目的としている。
2.× 杖歩行練習を行う優先度は低い。なぜなら、本症例は、「歩行安定性に問題はない」と記載されているため。
3.× 閉眼でのバランス練習を行う優先度は低い。なぜなら、発症早期の良性発作性頭位眩暈症に対し、閉眼課題は転倒リスクを上げやすく、しかも主因(耳石迷入)の解決にならないため。
4.× 頭部回旋を伴わない動作方法を指導する優先度は低い。なぜなら、良性発作性頭位眩暈症の治療法は、エプリー法のほかに、眩暈を誘発させて眩暈に慣れさせることで症状を軽減する方法がとられるため。急性期もその対応は同様で、「頭部を回旋しない」という動作方法は、めまいに対する過度な恐怖回避につながる。
5.× 等尺性運動を用いた頭部の筋力増強練習を行う優先度は低い。なぜなら、良性発作性頭位眩暈症の原因は、「頸部筋力低下」ではなく耳石迷入であるため。つまり、筋力増強は、連続する回転性めまいの改善に直結しない。
