第61回(R8) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題56~60】

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56 呼吸器で正しいのはどれか。

1.鼻前庭は粘膜で覆われる。
2.咽頭は中耳と交通する。
3.喉頭は下気道に含まれる。
4.気管は第4頸椎の高さから始まる。
5.気管分岐部は食道の第1狭窄部にある。

解答

解説

1.× 鼻前庭は、「粘膜」ではなく皮膚で覆われる。鼻翼でかこまれている部分が、鼻前庭である。鼻前庭には鼻毛が生えていて、吸い込んだ空気の中の大きなごみを取り除くはたらきをする。鼻前庭から奥の部分は、鼻粘膜という薄い粘膜で覆われる。

(※図引用:「耳の構造・説明図」illustAC様より)

2.〇 正しい。咽頭は中耳と交通する。なぜなら、耳管を介して咽頭(上咽頭)と中耳(鼓室)を交通しているため。
・耳管とは、鼓膜の前壁から始まり、中耳と上咽頭を連絡する管である。中耳にあり、①鼓室内の圧調整、②惨出液を咽頭へ流す機能がある。
・咽頭とは、扁桃腺とその周りを指し、一般にノドと言われる部分である。空気と食べ物の通り道である。
・【中耳とは?】中耳は、外耳と内耳にある空間のことである。構成は、鼓膜・鼓室・耳管・乳突洞・乳突蜂巣からなる。ちなみに、鼓室には3つの耳小骨(ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨)があり、鼓膜から内耳へ音の振動を伝える。

3.× 喉頭は、「下気道」ではなく上気道に含まれる。
・上気道とは、鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭のことで、鼻から声帯までを指す。
・下気道とは、声帯以下の、気管、気管支、細気管支、肺胞のことを指す。
※いつも思うのですが、「声門下部」は、どっちに分類されますか?喉頭には、①声門上部、②声門下部があって、その間に声帯がありますよね(※上の図参照)。喉頭というカテゴリーであれば上気道?、声帯以下の定義に当てはめるのであれば、下気道?わかるかたいらしたら、コメント欄にて教えてください。一応、chat GPT5.4Thinkingでは、「声門下部は喉頭の一部なので、原則は上気道。 ただし“声帯以下=下気道”という定義では下気道として扱われることもある」らしいです。とはいえ、このようなあいまいなところ国家試験では聞かれないと思います。

4.× 気管は、「第4頸椎」ではなく第6頸椎の高さから始まる。第4~5胸椎から始まるのは、左右の主気管支の分岐である。

5.× 気管分岐部は、食道の「第1狭窄部」ではなく第2狭窄部にある。気管分岐部は、胸骨角付近(T4/5)であるのに対し、食道第1狭窄部は咽頭食道移行部(輪状軟骨後方:C6付近)にある。
【4.食道の生理的狭窄部位(※下図参照)】
第1狭窄部位:食道入口部であり、輪状咽頭筋によるpinchcock mechanismが観察され、食道中最も狭い部位である。
第2狭窄部位:左主気管支が食道の前面を確横断する部位で、食道を後方に圧迫している。
第3狭窄部位:食道最下部に位置し、食道胃接合部に近い横隔膜食道裂孔部であり、いわゆる機能的括約部の存在する部位である。

(※図引用:「食道の解剖」著:井上 鐡三より)

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【共通問題のみ】胸部・気管支の解剖についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

57 自由神経終末が受容するのはどれか。

1.圧覚
2.関節の動き
3.筋の伸展
4.触覚
5.痛覚

解答

解説

自由神経終末とは?

・自由神経終末とは、痛覚・温覚・冷覚などの感覚受容器である。

1.× 圧覚は、メルケル触盤、パチニ小体、ルフィニ終末などが担う。

2.× 関節の動き(関節位置・運動覚)は、筋紡錘やゴルジ腱器官などの筋・腱の感覚受容器によって感知される。

3.× 筋の伸展は、筋紡錘やゴルジ腱器官などの筋・腱の感覚受容器によって感知される。
・筋紡錘とは、骨格筋の収縮を感知する感覚器(筋の長さとそれが変化する速さを感知する感覚器)であり、腱をたたいて骨格筋を急速に伸ばすと起こる筋単収縮(伸張反射)に関与する。
・腱紡錘(ゴルジ腱器官)は、錐外筋線維と直列に並び、筋の張力(収縮力)を感知する。

4.× 触覚は、Krause(クラウゼ)小体マイスネル小体である。

5.〇 正しい。痛覚は、自由神経終末が受容する。
・自由神経終末とは、痛覚・温覚・冷覚などの感覚受容器である。

 

 

 

 

 

58 左下肢の運動時の図を示す。
 左上前腸骨棘のすぐ遠位に筋緊張を触知する筋はどれか。

1.大腿直筋
2.薄筋
3.半腱様筋
4.半膜様筋
5.縫工筋

解答

解説
1.× 大腿直筋の【起始】下前腸骨棘および寛骨臼の上縁、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面、【作用】膝関節伸展、股関節屈曲、【支配神経】大腿神経である。

2.× 薄筋の【起始】恥骨結合の外側、【停止】脛骨の内側面。停止腱は鵞足に加わる、【作用】股関節内転、膝関節屈曲と内旋、【支配神経】閉鎖神経前枝である。

3.× 半腱様筋の【起始】坐骨結節(大腿二頭筋長頭の起始の内側でこれと融合)、【停止】脛骨粗面の内側(鵞足を形成)、【作用】股関節伸展、内転、内旋、膝関節屈曲、【神経】坐骨神経の脛骨神経部である。

4.× 半膜様筋の【起始】坐骨結節、【停止】脛骨粗面、脛骨内側顆の後部、斜膝窩靭帯、膝窩筋筋膜、【作用】股関節伸展、内転、内旋、膝関節屈曲、【支配神経】坐骨神経の脛骨神経部である。

5.〇 正しい。縫工筋は、左上前腸骨棘のすぐ遠位に筋緊張を触知する。
・縫工筋の【起始】上前腸骨棘、【停止】脛骨粗面の内側(鵞足を形成)、【作用】股関節屈曲、外転、外旋、膝関節屈曲、内旋、【神経】大腿神経である。

 

 

 

 

 

59 身体構造と神経の組合せで正しいのはどれか。

1.Frohseアーケード:坐骨神経
2.Guyon管:正中神経
3.Scarpa三角:大腿神経
4.手根管:尺骨神経
5.タバコ窩:後骨間神経

解答

解説
1.× Frohseアーケードは、「坐骨神経」ではなく橈骨神経深枝(運動神経)である。
・フローセの腱弓(フローセアーケード)とは、回外筋という筋肉の入り口の部分のこと、つまり、回外筋という筋肉で作られたトンネルのようなものである。橈骨神経は、橈骨神経深枝(運動神経)と橈骨神経浅枝(知覚神経)の2つに分岐したあとの橈骨神経深枝(運動神経)だけがこのトンネルを通る。

2.× Guyon管は、「正中神経」ではなく尺骨神経である。
・Guyon管(ギヨン管)を通るものとして、①尺骨神経、②尺骨動脈である。

3.〇 正しい。Scarpa三角:大腿神経
・スカルパ三角(Scarpa三角、大腿三角)とは、①鼠径靭帯、②縫工筋(内側縁)、③長内転筋(外側縁)で囲まれた部分である。スカルパ三角内の深層に、大腿骨頸部が位置する。外側から、大腿神経→大腿動脈→大腿静脈→リンパ節の順に走行する。

4.× 手根管は、「尺骨神経」ではなく正中神経である。
・手根管とは、手根骨と屈筋支帯に囲まれたトンネルである。通過するのは、①正中神経、②前腕屈筋群の腱(橈側手根屈筋腱、長母指屈筋腱、浅指屈筋腱、深指屈筋腱)である。

5.× タバコ窩は、「後骨間神経」ではなく舟状骨が位置する。
・解剖学的嗅ぎタバコ窩とは、手背には長母指伸筋の腱、掌側には短母指伸筋の腱と長母指外転筋の腱が並んで走行し、その間のことである。手背の母指基部の専用のタバコ粉末を置いて匂いをかぐ楽しみの一つで使用されていた部位であることから、その名がつけられた。手背には長母指伸筋の腱、掌側には短母指伸筋の腱と長母指外転筋の腱が並んで走行している。ここから舟状骨が触知できる。

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60 扁平上皮があるのはどれか。(※不適切問題:解2つ)

1.胃
2.気管
3.結膜
4.膣
5.尿管

解答3・4
採点上の取り扱い:複数の選択肢を正解として採点する。
理由:複数の正解があるため。

解説

上皮組織の形態による分類

・単層扁平上皮:薄いので物質の交換などに向く。
(胸膜、腹膜、血管内皮、肺胞など)

・単層立方上皮:甲状腺の濾胞細胞など。
(甲状腺の濾胞上皮、尿細管など)

・単層円柱上皮:吸収と分泌を行う場所に向く。
消化器系(胃、小腸、大腸)、卵管・子宮など

・重層扁平上皮:摩擦など機械的刺激に強い。
皮膚、口腔~食道、肛門、膣など。

・多列線毛上皮:表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとる。
鼻腔~気管・気管支(気道)

・移行上皮:伸び縮みすることができる。
腎杯腎~尿管~膀胱(尿路)

1.× 胃は、単層円柱上皮に該当する。

2.× 気管は、多列線毛上皮に該当する。

3.△ 結膜は、扇平上皮がある(ただし、主に重層円柱上皮である)。なぜなら、結膜は、眼瞼結膜〜球結膜〜角膜縁にかけて上皮の性状が変化するため。
※設問が、「扁平上皮があるのは?」と問われているため、この選択肢も選んでも正解となるが、より典型で迷いがない「選択肢4.膣(重層扁平上皮・非角化)」を選べるようにしよう。

4.〇 正しい。は、扁平上皮(重層扁平上皮)がある。なぜなら、膣は、性交・分娩などの機械的刺激(摩擦)に耐える必要があり、摩耗に強い重層扁平上皮(非角化)が適しているため。

5.× 尿管は、移行上皮に該当する。

 

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