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46.老研式活動能力指標で誤っているのはどれか。
1.地域で独立して生活が可能かを評価の目的とする。
2.金銭管理に関する評価が含まれる。
3.自己記入あるいは面接で聴取する。
4.自立度を3段階で評価する。
5.評価項目は13項目である。
解答4
解説
老研式活動能力指標 (TMIG Index of Competence)は、より高次の生活能力を評価するために開発された13項目の多次元尺度である。「手段的自立 (項目①~⑤)」、「知的能動性(項目⑥~⑨)」、「社会的役割(項目⑩~⑬)」の3つの活動能力を測定する。この尺度は、「社会的役割」の活動能力が含まれることにより、在宅老人の生活機能の評価をより正確に行うことができる。
「手段的自立」
①バスや電車を使って一人で外出できますか
②日用品の買い物ができますか
③自分で食事の用意ができますか
④請求書の支払いができますか
⑤預貯金の出し入れが自分でできますか
「知的能動性」
⑥年金などの書類が書けますか
⑦新聞を読んでいますか
⑧本や雑誌を読んでいますか
⑨健康情報についての記事や番組に関心がありますか
「社会的役割」
⑩友人の家を訪ねることがありますか
⑪家族や友達の相談にのることがありますか
⑫病人を見舞うことがありますか
⑬若い人に自分から話しかけることがありますか
1.〇 地域で独立して生活が可能かを評価の目的とする。老研式活動能力指標 (TMIG Index of Competence)は、より高次の生活能力を評価するために開発された13項目の多次元尺度である。
2.〇 金銭管理に関する評価が含まれる。「手段的自立 (項目①~⑤)」内に、④請求書の支払いができますか、
⑤預貯金の出し入れが自分でできますか、という項目が含まれている。
3.〇 自己記入あるいは面接で聴取する。自記式の尺度として開発されたものであるため、知的機能の著しく低下した高齢者でなければ、調査票への記入が可能である。したがって、日常をよく知っている者(家族など)による評定も可能である。面接にて聴き取る場合には、回答者が本人であっても他の者による回答であっても、調査員が自分の判断で説明を加えたり、誘導したりすることのないよう十分に注意する必要がある。
4.× 自立度は、「3段階」ではなく2段階(はい・いいえ)で評価する。
5.〇 評価項目は13項目である。「手段的自立 (項目①~⑤)」、「知的能動性(項目⑥~⑨)」、「社会的役割(項目⑩~⑬)」の3つの活動能力を測定する。
47.脊髄損傷(第7頸髄節まで機能残存)患者で自立が最も困難な項目はどれか。
1.車椅子のキャスター上げ
2.車椅子で5cmの段差昇降
3.床面から車椅子への乗り移り
4.ベッドから車椅子までの側方移乗
5.車椅子の積み下ろしを伴う自動車の利用
解答3
解説
主な動作筋は、上腕三頭筋と橈側手根屈筋である。移動は車椅子駆動で、自動車の運転も可能となる。プッシュアップとベッドの側方移動が可能となり、車椅子にて日常生活のほとんどが自立まで至る。
1~2.〇 車椅子のキャスター上げ/車椅子で5cmの段差昇降は、瞬間的に持ち上げることはできる。したがって、車椅子で5cmの段差昇降は可能である。キャスター上げを保持するためには、手指屈筋群が機能する第8頸髄節以下の機能が必要になる。
3.× 床面から車椅子への乗り移りは、第8頸髄節以下の機能が必要になる。第7頸髄節までの残存は、プッシュアップは可能にはなるものの、プッシュアップで殿部を40cm程度後方に体幹を安定させ、全身を引き上げる強い上肢の筋力まで至らない。
4.〇 ベッドから車椅子までの側方移乗は、第7頸髄節の残存で可能である。
5.〇 車椅子の積み下ろしを伴う自動車の利用は、第7頸髄節の残存で可能である。また、自動車の運転が可能である。
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【PT専門のみ】脊髄損傷についての問題「まとめ・解説」
48.関節モビリゼーションで誤っているのはどれか。
1.関節包内運動の制限は関節の遊び(joint play)の大きさで評価する。
2.関節包内運動が制限されている場合に適応となる。
3.関節の遊びが大きい位置で治療を開始する。
4.治療には緩やかな振幅運動を用いる。
5.複数の関節を同時に治療する。
解答5
解説
関節モビリゼーションとは、関節メカニズムに基づき、徒手的に正常な関節の動きを取り戻すために行う方法である。関節運動学的運動(関節内運動)の改善や関節可動域の改善、疼痛の軽減を目的とする。低速度かつ、さまざまな振幅で種々の可動範囲を反復的に動かす他動運動である。軟部組織(皮膚・脂肪組織・筋肉・腱・関節包など)を柔軟にしながら痛みが起こらないように動かしていく。
1.〇 関節包内運動の制限は、関節の遊び(joint play)の大きさで評価する。関節の遊びが大きいほうが、関節包内運動の制限は小さいと評価できる。ちなみに、関節の遊びとは、関節のゆるみの肢位で他動的に生じる関節包内運動である。滑り、軸回旋、離開、圧迫がある。
2.〇 関節包内運動が制限されている場合に適応となる。関節モビリゼーションとは、関節メカニズムに基づき、徒手的に正常な関節の動きを取り戻すために行う方法である。関節運動学的運動(関節内運動)の改善や関節可動域の改善、疼痛の軽減を目的とする。
3.〇 関節の遊びが大きい位置(ゆるみの肢位:loose packed position)で治療を開始する。関節面の接触が小さく、適合性が低い周囲の組織が緩んでいる状態から行う。
4.〇 治療には緩やかな振幅運動を用いる。低速度かつ、さまざまな振幅で種々の可動範囲を反復的に動かす他動運動である。軟部組織(皮膚・脂肪組織・筋肉・腱・関節包など)を柔軟にしながら痛みが起こらないように動かしていく。
5.× 「複数の関節を同時」ではなく「個々の関節」に治療する。なぜなら、目的の関節を適切な方向に動かさなければならないため。したがって、複数の関節を同時に治療することはできない。
49.倒れている人を見つけたときに最初に行うのはどれか。
なお、倒れた瞬間は目撃しておらず、一見して自発運動はみられない。
1.自動体外式除細動器(AED)を取りに行く。
2.呼吸の有無を確認する。
3.大声で他の人を呼ぶ。
4.人工補助呼吸を行う。
5.意識を確認する。
解答5
解説
①安全確認と感染防御
②意識状態の確認
③協力者を集める
④気道確保・呼吸の確認
⑤人工呼吸2回
⑥胸骨圧迫式心マッサージ
⑦AEDによる除細動
※安全確認と感染防御が最優先だが、設問の選択肢にないので、次の段階で優先される選択肢を選ぶ。
1.× 自動体外式除細動器(AED)を取りに行くことは、③協力者を集める後に協力者に持ってきてもらう。
2.× 呼吸の有無を確認することは、③協力者を呼びながら行えたら理想であるが、基本的に③協力者を集めた後に行う。
3.× 大声で他の人を呼ぶことは、②意識状態の確認した後に行う。
4.× 人工補助呼吸を行うことは、④気道確保・呼吸の確認→⑤人工呼吸2回の後に行う。
5.〇 正しい。意識を確認することは、倒れている人を見つけたときに最初に行う。(※安全確認と感染防御が最優先だが、設問の選択肢にないので、次の段階で優先される選択肢を選んでいる)
50.理学療法士及び作業療法士法で正しいのはどれか。
1.理学療法士の理学療法業務独占を規定している。
2.理学療法士の退職後の守秘義務を規定している。
3.理学療法士免許は都道府県知事から交付される。
4.理学療法士が1日で治療できる患者数を規定している。
5.理学療法士養成施設の修業年限を1年以上と規定している。
解答2
解説
1.× 理学療法士の理学療法「業務独占」ではなく「名称独占」を規定している。理学療法士、作業療法士は名称独占である。名称独占資格とは、資格がなくてもその業務に従事する事はできるが、資格取得者のみ特定の資格名称(肩書き)を名乗ることができ、資格を所有していない者が法律に定める特定の名称を名乗ることができない資格のことをいう。つまり、理学療法士の仕事は、資格を無くても行うことができるが、「私は理学療法士です」と名乗ることはできないということである。一方、業務独占とは、国家資格を持たないものが、その名称を用いて当該業務に従事することはできないこと。(例:医者など)
2.〇 正しい。理学療法士の退職後の守秘義務を規定している。守秘義務は、退職後でも継続し、たとえ免許証返納後も守秘義務は解除されない。
3.× 理学療法士免許は、「都道府県知事」ではなく「厚生労働大臣」から交付される。
4.× 理学療法士が、1日で治療できる患者数の規定はしていない。
5.× 理学療法士養成施設の修業年限を「1年以上」ではなく「3年以上」と規定している。ただし、作業療法士免許を収得している者は、養成施設にて2年以上修業すれば理学療法士国家試験の受験資格が与えられる(理学療法士が作業療法士免許を取得しようとする場合についても同様)。