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「1日350gは逆に不健康になる??」野菜の取り方を意識しよう!!

 あなたは1日にどのぐらいの量の野菜を食べていますか?健康のために意識的に野菜をたくさん摂取しようとしている人は多いと思います。厚生労働省では「野菜の1日の摂取量の目標を350グラム」としています。350グラムの野菜というのは、量が多すぎますよね。毎日摂取するには、なかなかに難しいと思います。参考画像を載せておきます(参考画像引用:KAGOME)。

 実は、この350グラムには、根拠(evidence)がないことはご存知でしたか?。根拠がないということは、どういうことなのでしょう。実は、根拠がないとは、簡単に言うと「効果があるかもしれないしないかもしれない。その証明は誰も認めていません」ということなのです。

 

「1日350グラム」説ができた話

 タンパク質と脂質を豊富に摂取する習慣のある米国は、400グラム程度の野菜を摂取するとバランスが取れるだろうし、健康的だろうという風習があります。それが発端だったようなのです。米国に比べ、日本人はタンパク質や脂質の摂取量が比較的少なく、毎日280グラム程度は野菜を摂取しているから、350グラムくらいが妥当ではないか?ということで決まったようです。

けっこう大雑把なんだな~

でこちゃん

大川

そうです。何かにつけて「〇〇で健康」とか、「~~で安全」という宣伝文句で売りつけているものもありますしね・・・。この記事は、野菜を摂取しても「痩せない」「血液データが悪い」なんて人におすすめです。

 

野菜の摂取量が多い「長野県民」は健康か??

 食の欧米化が進んでいる我が国の日本において、「野菜350グラム摂れば健康になる」という神話が成立してしまっています。先ほども言いましたが、この「350グラム」に何一つ根拠はありません厚生労働省の調べでは、平成9年で成人の野菜の1日あたりの平均摂取量は「292グラム」であるとのことです。では、この60グラム多くとることで健康になるのでしょうか?

 

 積極的に野菜を摂取するように勧奨しなさいと指導している医療機関もあるでしょう。しかし、理学療法士の私からすると、根拠の乏しいことを、推奨していくことは気が引けます。「EBM(evidence based medicine)=根拠 こそ絶対」という教育を受けた私は迷うわけです。もちろん「292グラム」も「350グラム」もたいして変わらないだろうと思っています。なぜそう思うのか?以下のデータで話したいと思います。

長寿県「長野」と健康長寿県「愛知

 私は、長野に住んでいて長野が大好きです。男女ともに平均寿命日本一はいうまでもなく長野県(最近2位になったりしている・・・)で、特に男性の平均寿命は10年以上その座を譲ったことがありません。野菜摂取量は、長野県の男性が、何と374グラムと、少し無理があるやに思える厚労省の350グラムという目標値を上回っているのです。

おおお!さすが長野県!

でこちゃん

大川

確かに長寿という視点で見ると野菜の摂取は大切かもしれません。しかし・・・

 愛知県の男性は243グラムで全国最下位の野菜摂取量、平均寿命は17位と中位である。しかし、愛知県は健康寿命は女性1位・男性3位なのです(参考データ:NHK)。ちなみに、長野県の健康寿命は男性20位・女性27位となっています。健康寿命とは、「病院や人の世話にならず、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のこと」です。自立した生活が送れている寿命と言っていいでしょう。

 

なぜ野菜をたくさん摂取している長野県民の健康寿命は低い?

 確かに、すごい不思議な結果となっています。 最もたくさん野菜を摂取する長野県の男性は、平均寿命は日本一長いのですが、健康寿命では20位に下がっています。逆に、野菜を最も摂取しない愛知県の男性の健康寿命が日本一なのですから・・・。なので、一概に「野菜の摂取量=健康になる」とは言いにくいですね。

 

 このデータに対して、農業県愛知の行政は、種々に分析を試みています。「山に囲まれた長野県と違って、愛知の農産物は東京で消費される」あるいは、「愛知県は工業が発達し、所得が高いので外食の機会が多い」などと発表しています。ただ、いずれにしても答えになっていません。そうすると、「350グラムに根拠がないじゃないじゃないか」と、栄養学者の方々には言われそうですが・・・。この研究結果も、野菜摂取量と平均寿命と健康寿命だけを比較して、他の要素を一切省いて研究しています。なので、もっと他の要素を考慮しないといけないのかもしれませんね・・・。

 

長野県民の課題

 さらに、長野県民の課題があります。それは、脳血管疾患の死亡率についてです。脳血管疾患の死亡率は、愛知県4位、長野県はなんと45位と最下位に近いです。いつまでも元気で、農作業に従事し、野菜をたくさん摂取して長寿を謳歌しているという、長野県の一般的イメージと少し違うことが見えてきそうですね。

 

 よく「平均寿命一位の長野県の長寿の秘密」をTVやラジオなどのメディアで放映していると思いますが、現実には、長寿でも脳血管障害などによって介護が必要になっている県だったのです。健康長寿の秘訣は、「適切な栄養摂取」「程度な運動習慣」「ストレスレスの生活」の3本柱だと言われています。ついついどれか1つの、しかもその簡単なある部分だけを取り上げて、そこに結論を結びつけようとしてしまいがちです。

 

 そこに宣伝的要素が加わると、それはさらに大きな効果をもたらしてしまいます。以前にも「〇〇健康法」というものが定期的に流行りますね。バナナ、ココア、ゆで卵、リンゴ、飲尿健康方法などがそうであったように、日常生活とは縁の遠いところで、手軽な方法に極端に走り、すぐに忘れ去るという我々の国民性に注意しながら、複数の種々のデータを比較してみる必要があると思います。

健康寿命を伸ばすために!「健康で長生きしよう」

 

野菜の摂取の仕方を考えよう!!

 さて、本題に入ります。これは、長野県民に限ったことではありません。野菜をたくさん摂取する人々は、「健康的」に、「生か温野菜」で摂取する機会が多く、その際の調味料は、塩、醤油、マヨネーズ、ドレッシング、味噌マヨネーズなどを利用しています。

 

 つまり、野菜の摂取量が増えれば増えるだけ調味料の塩分・脂質の摂取量が増えてしまうのです。

 

 かつて、諏訪中央病院の所在地である長野県茅野市を中心に「減塩運動」が活発に行われて、人々の行動変容に結びつき、脳血疾患を劇的に減少させた経験を持っています。ところが、現在は、「野菜摂取=健康」という新たな宣伝文句により、せっかく減少させた塩分摂取を再び増加させてしまっているのです。

 

 塩分たっぷりの野沢菜に醤油をかけて食べていた長野県の人々に、「野沢菜を食べるな」と言うのは、無理な話ですし、伝統や生活習慣をよそ者が「ああだこうだ」言っても、誰も従わないでしょう。ただ県民1人1人が減塩を意識して欲しいのです。それには、野沢菜の漬物に醤油を垂らすのではなく、ショウガのすり下ろしてみたり、鰹節だけトッピングしてみたり・・・。素材の味を味わってほしいと思います。

 

 まず、減塩を勧め、運動習慣を持つことを勧め、趣味や楽しみを見つけましょう。全国の自治体では健康的な生活習慣勧奨するが、もっと広範囲な種々の調査を基にした、その地域に合った生活改善の勧奨が必要でしょう。

 

余談「焼き肉」

 ちなみに、焼き肉はお好きですか?私は大好きです。しかし、不思議に思うことが一つだけあるのです。一般的な焼き肉屋さんに行くと、お肉を頼むと、焼く前にタレに染みて我々のテーブルに出されますよね?もう味がしみ込んでいる状態であるのに、焼いた後にタレを再びつけていませんか?食べ放題なんか行くと、「タレの味でお腹いっぱい」になります。

 私は肉を焼いてから、タレはつけません。減塩という視点で見ると、塩分過多になりますし、なにしろ味が濃くなりすぎてしょっぱくなりますしね。たまには、健康に気を付けて、タレを付けず通ぶって、軽く塩だけやそのままの味を楽しんでみるのはいかがでしょうか?

 

他にも、健康には運動・ストレスレスな生活が必要!

 健康長寿の3本柱「適切な栄養摂取」「程度な運動習慣」「ストレスレスの生活」を少し眺めてみよう。愛知県の人々は長野県人々よりもよく歩くと言われています。長野県の人々の歩数が少ないのは、一家に3台と言われる自動車の普及が要因であると私は考えています。近くのコンビニに行くのにも車で行ってしまいます・・・。

 

 しかし「健康のために歩こう」と行政が躍起になって宣伝しても、そう簡単に行動変容は起きるものではありません。これだけ交通機関が発達した現代、人々が歩くには、歩くことの必然性や歩くことの楽しみが必要だと思います。高齢者にとってはなおのことです。

 

 広い道路の横断歩道を渡り、道向かいのコーヒーショップまで歩道橋を渡り、バランスの良い朝食をゆっくりと、馴染みの人々と談笑しながらいただき、満足してまた帰路を歩く――。これは、理想論であることは間違いないですし、近くにそのようなお店がないのもまた理解しています。しかし、このような日常生活も含めて、日々の生活になにか楽しみを持ちながら歩いてくれるといいと思っています。健康長寿はすべての人々の願いであろうから。

 

 2017年、今年生まれた新生児の平均余命は100歳だといいます。人生100年時代を自分らしく、健康に過ごすために、1人1人私たちが何か一つでも心がけて生活してもらえればいいなと思います。

まとめ

  • 「野菜の1日の摂取量の目標を350グラム」に根拠はない。
  • 野菜摂取量1位の長野県は、平均寿命は1位だが健康寿命は中位である。
  • 逆に野菜摂取量下位の愛知県は、平均寿命は中位であるが、健康寿命は1位である。
  • 野菜をたくさん摂取する際、調味料(マヨネーズ、ドレッシング)を使い健康を害していると考えられる。
  • 減塩を心がけよう。
  • 健康には、運動・ストレスレスの生活も大切。

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