メタボ」って、日常生活でもよく使いますよね。

 

肥満体形の方に、使っている場面がありますが・・・。
その使い方、正しいのでしょうか?

 

「メタボ」とは「メタボリックシンドローム」の略なのですが、急速に広まった反面、 言葉のみが一人歩きしてしまっている印象です。

 

今回は、メタボについての基礎知識を分かりやすく説明します。

 

メタボリックシンドロームの歴史

最初にメタボリックシンドロームが、誕生した歴史をちょっと難しい言葉で説明します。

 

飛ばして読んでも構いませんが、軽く読んでおくといいかもしれません。
グレー欄の下の「つまり・・・」から読んでいただいても構いません。

 「メタボリックシンドローム」の歴史 ~運営者の妄想込み~

ある研究がありました。
 その研究とは、①肥満、②脂質代謝異常、③耐糖能異常、④高血圧など、動脈硬化の危険因子が集積する患者は、たとえそれぞれが軽度でも、危険因子の数が増えるごとに、動脈硬化性疾患を発症する確率が上昇していく。といったものです。 

 

このような①~④の病態に対し、
臨床検査上の代謝異常に注目した概念として「シンドローム エックス(症候群X)
上半身肥満や糖尿病、高脂血症などの代謝性疾患の存在を重視した「デッドリー カルテット(死の四重奏)
より病態生理を重視した「内臓脂肪症候群」、「インスリン抵抗性症候群
など、それぞれの観点から研究がなされてきました。

 

1998年にWHO(世界保健機関)が、これらを総括した①~④の病態を『メタボリックシンドローム』という名称で呼び、その診断基準を発表した。それを省略して「メタボ」となり、世に広まりましたとさ。

 

つまり、「①肥満(BMI≧25)」「②高脂血症」「③高血糖」「④高血圧」の病態状態を加味して、メタボリックシンドロームと診断されるのです。

 

 ちなみに、冠動脈疾患の発症率の研究結果です。 

 

(①肥満、②脂質代謝異常、③耐糖能異常、④高血圧)の病態の数が、危険因子の1つ1つが軽度であっても、重複する度合いに応じて発症率は急激に上昇していきます。
0個の人と比較とすると、
1個だったら約5倍
2個だったら約10倍
3~4個だったら約30倍に上昇します。

 

恐ろしいですよね・・・・。

 

メタボリックシンドロームの診断基準値

次に、日本におけるメタボリックシンドローム診断基準を書いていきます。

外国と診断基準が違うんです。糖尿病にかかる人も日本人の方が多いですしね。

(気になる人はこちら「日本人は糖尿病にかかりやすい!」)

 

①必須条件:「腹部肥満

他に、「血圧高値」「血糖高値」「脂質異常症(高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール血症)3つのうち、2つ以上あることが条件となっています。

 

分かりましたか?
なので、肥満体形っていうだけじゃ、「メタボ」とは呼べないのです。
肥満+他の項目(3つのうち2つ)に当てはまらないといけません。

 

次に、細かいメタボリックシンドロームの診断基準値を示しました。
ここは、数値を知りたい人が読んでいただけるだけで、飛ばして読んでいただいても構いません。

日本人のメタボリツクシンドローム診断基準値

 

腹部肥満:ウエスト周径 男性≧85㎝ 女性≧90㎝
(ウエス卜周囲径は、立位軽呼気時お臍レベルで測定する。)

 

①血圧高値 収縮期血圧≧130mmHgかつ/また拡張期血圧≧85mmHg

②血糖高値 空腹時血糖≧110mg/dL

③脂質異常症
脂質トリグリセリド150mg/dL
かつ/または
脂質HDLコレステロール<40mg/dL

※2005年に日本内科学会をはじめとする8学会から,メタボリックシンドロームの診断基準が発表されたものを採用しています。

メタボリックシンドロームにおける血圧や血糖の基準値は、高血圧や糖尿病の単独の診断基準よりも厳しく設定されています。
これは,個々の危険因子は軽度でも重なると、加速度的に動脈硬化の危険性が高まるからです。
軽いうちから治療する必要があるのです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。
意外とメタボリックシンドロームの基準まで踏み込んで使用している人は少ないかと日常生活を送っていて感じます。

 

診断基準のうち「ウエストサイズ」のみが取り上げられがちです。
これのみで、男性では86cmな
ら異常、84cmなら健康などと区別することはありません!!。
ウエストサイズが85cm以上でも、内臓脂肪蓄積が関与する高血圧、高血糖、高トリグリセリド血症などがなければメタボリックシンドロームではありません。

 

太っていること自体が悪いのではなく、あくまで内臓脂肪の蓄積が問題なのです

 

ガンの診断の目的は、その人が「病気なのか健常なのか」を判別することですが、メタボリックシンドローム診断の目的はこれとは異なります

 

メタボリックシンドロームの診断は、病気なのか健常なのかの判別ではなく、「動脈硬化という異常を予防すること」に意義があるのです。

 

予防のための診断名なんてのも珍しいですね。
病気になる前から、しっかり予防していきましょう。

本日は読んでくださってありがとうございました。
他の記事もぜひ読んでください。
コメント、TwitterやFacebookの拡散・フォローお待ちしています。