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歩くだけで認知症を予防できる!~とりあえず散歩だ~

 認知症の人は460万人に上り、予備軍も加えると900万人を超えるといわれています厚生労働省内閣府 認知症高齢者数の推計より」。これは糖尿病の患者数にも匹敵する人数です。特に、 80歳以上では、4人に1人が認知症といわれています。それほど認知症が増えたのは、一つには長生きするようになったことが原因でしょう。自然な老化の一つですから、仕方ありません。ただ問題は、年齢に比して認知機能が低下している場合です。仕事ができなくなったり、家事をこなせなくなったり、社会生活に支障が出てきて初めて、認知症といわれるわけです。今回は、そんな恐ろしい認知症の予防方法をまとめてみました。

糖尿病と認知症の意外な関係

 年齢相当以上に認知機能が低下してしまう認知症の人が増えているのはなぜかというと、生活習慣病が増加していることに関係しています。なかでもかかわりの深いのが、糖尿病です。糖尿病の人は認知症になりやすいのです。日本の研究では、糖尿病があると認知症になるリスクは2倍になるという結果が出ています「国立国際医療研究センター 糖尿病情報センターより」。つまり、糖尿病の人が増えれば増えるほど、認知症になる人も増えるというわけなのです。

 高齢化が進み、生活習慣病も増えているなか、認知症の人は年々増えているので、認知症対策が国を挙げての課題になっています。そして、2015年1月、「新オレンジプラン」と呼ばれる認知症対策の国家戦略ができました。その内容を簡単に説明すれば、地域の開業医に「認知症サポート医」になってもらい、かかりつけ医の認知症対応力を上げて、認知症の疑いのある人を見つけたら認知症専門病院に紹介し、そこでMRIなどといった脳の検査を行い、認知症であると診断されたら、抗認知症薬を処方する―――というもの。

 

 これは、私個人的な意見ですが、正直なところ、かなり問題のある”戦略”だと思います。まず、認知症に対する薬は、どれも根本的に認知症を治すものではありません。あくまで認知症の進行を「抑える」とされる薬です。海外のデータでは、薬の効果は、3~4割の人だといわれているのです。一方、薬の副作用でよけいに暴れたり、怒りっぽくなったり、かえって症状が悪化する患者さんもいます。また、抗認知症薬が効いて、進行を遅らせることができた患者さんも、いつまでも「効く」わけではなく、使い続けても、いつかは効かなくなります。「参考URL:ヨミドクター」だから、抗認知症薬に過度に期待するのは間違いだと考えています。今後、認知症に根本から治す薬が開発されれば別ですが・・・。

薬が期待できないのであれば、どうすればいいのか?

 まず、認知症を予防するには、認知症予備軍といわれる「軽度認知障害(MCI)」の段階で注目することが一つです。MCIというのは、そのまま何もしなければ5割の人が認知症に進むけれども、気をつければまだ後戻りできるという段階。この段階で気がつけば、自力で認知症を予防することができます。それは現実的に可能になってきているのです。何も症状のない段階から、MCIを早期発見する「ⅯⅭIスクリーニング検査」が実際に可能になりました。

 

 これは、アルツハイマー病の原因である「アミロイドβ」が脳内にたまっていくときにかかわっている3種類のたんぱく質を調べることで、MCIのリスクをA~Dの4段階で評価するというもの。検査は採血のみで、 2万~3万円程度で受けることができるそうです。

認知症予防効果があるのは二つだけ

 もしMCIスクリーニング検査を受けて「D判定=MCIのリスク大。このままいくと認知症になりますよ」と判定されたら??
 現段階で、認知症予備軍から認知症になることを予防する効果があることが明らかになっているものが、二つあります。

 一つは、「シロスタゾール(商品名:プレタール)」という脳梗塞発症後の再発予防に使われる薬です。これまでに何百種類もの新薬の治験が行われたものの収穫はなく、既存薬のなかで認知症の予防に効くものがないかを探した結果、ヒットしたのがシロスタゾールだったそうです。ただし、現状、シロスタゾールは認知症に対しての保険適応はありません。シロスタゾールの保険適応は、慢性の動脈閉塞症と脳梗塞後の再発予防のみなのです。認知症だからといって、保険適応下で処方してもらうわけにはいかないのです。

 では、もう一つのエビデンスが知られている認知症予防の方法は何かと言えば、実は歩くことなのです。正確にいうと、計算をしながら歩くこと。これは、日本発のエビデンスです。愛知県にある国立長寿医療研究センターで行われた研究で、アミロイドβの沈着が認められ認知症が始まりかかっているMCIの人たちを集めて、毎日1時間、50から3ずつ引いていく計算をしながら歩いてもらったところ、1年後にはなんと脳内にたまりかかっていたアミロイドβが消えていたというのです。

 

 ただ計算をしながら歩くだけ。頭を使いながら歩くということがポイントです。誰でもどこでもいつでもできる、こんなにも簡単なことで、認知症を予防できるのですから、やらない手はありません。認知症がすでに始まっている場合は、どうでしょうか。認知症の人は、食べたことを忘れて食べ続け、ブドウ糖依存症のような状態になってしまいます。だから、食事も大事なのですが、私の経験上、食事で認知症を治すのは難しい。予防と同じように、認知症の治療でも、実は歩くことが一番の治療です。

 ただ、認知症の人は、歩いている途中で自分がどこに向かっているのか、どこにいるのかわからなくなりやすいので、介護者も一緒に散歩をするといいでしょう。一緒に散歩をすることは、認知症の人だけでなく、実は介護者にとってもメリットがあります。「介護うつ」という言葉があるように、家で介護をしているとなかなか思うとおりにいかなかったり、先の見えない不安からストレスを感じることが多々あるでしょう。まじめに介護を頑張っている人ほどストレスをため込んでしまいがちですが、一緒に散歩をすることで、お互いに気持ちが上向きになります。

歩くことと脳内ホルモンの関係について

 歩くと「幸せホルモン」のセロトニンが脳内で増えるのです。また、たとえば腕を組んで、手をつないで、肩を寄せて歩くと、オキシトシンというホルモンの分泌も高まります。これは、出産時に子宮を収縮させたり、乳汁を分泌するときに働くホルモンですが、「愛情ホルモン」ともいわれていて、安心感や幸福感、信頼感を高めてくれます。

 

 だから認知症の人ほど、誰かが付き添って、自由に歩かせてあげなければいけません。でも、現実は、逆になりがちです。認知症と診断されたら、精神病院や施設に閉じ込められる人がいます。すると本人は「ここは自分の家ではない」とわかるからこそ、嫌がって、「帰りたい」と主張すれば、おとなしくするための鎮静剤が投与されてしまう。あるいは、病院や施設では、自由に外出して歩けないので、ただボーッと座ったまま一日が過ぎていく。そんな状態では、認知症は悪くなるばかりです。施設に入ったあとも毎日できるだけ歩くことが大切です。歩くこと自体が脳に良い上、外を歩けば、商店街で買い物をしたり、近所の人に会って話したり、コミュニケーションが生まれます。そういう刺激がとても大事です。歩くということは認知症ケアに欠かせない要素だと思っています。

まとめ

・最大の認知症予防は計算しながら1時間歩くこと

・歩くことは、認知症の最大の予防法であり最強の治療法。

・歩かせない、社会との接点を遮断する認知症ケアは完全に間違っている!!

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