重度の糖尿病患者は、運動をする際に気を付けないといけないことがあります。
運動してはいけない時間帯があるのです。
それではいきましょう。

 

 

運動をしてはいけない時

糖尿病患者の中には、運動療法を禁止あるいは制限した方が良い人もいます。
最悪、命を落としてしまうことだってあり得ます。

2つほど例です。

無痛性心筋虚血
 糖尿病患者は、虚血性心疾患が高率に合併します。しかし、このとき自律神経障害も同時に併発していると、狭心痛などの自覚症状が現れず気付かないのです。その間にも無痛性の心筋虚血を繰り返してしまいます。その結果、重症の心筋梗塞となって倒れて初めて、診断されることも多く,予後を悪くする要因となってしまいます。

 

無自覚性低血糖
 気付かずに、低血糖が進行していた場合、突然、意識消失などの重篤な中枢神経症状が出現します。慢性の自律神経障害に加え、繰り返す低血糖発作が原因となります。

 

例を挙げてみました。
脅かすわけではありませんが、自律神経障害が重度であったり、低血糖が進行していたら運動はしないほうがいいのです。

 

運動する前には十分な検査と先生からの許可が必要です。
それぐらい糖尿病への運動は気を付けた方がいいのです。

 

下記に挙げられているものは、少し専門的な書き方ですが、運動療法を禁止あるいは制限した方が良い場合が書かれています。
一番は、先生に相談してみることをおすすめします。

運動療法を禁止あるいは制限した方が良い場合

①糖尿病の代謝コントロールが極端に悪い時。
(空腹時血糖250㎎/dL以上または尿ケトン体中等度以上陽性)

 

②心肺機能に障害がある人。

 

③増殖網膜症による新鮮な眼底出血がある。

 

④高度の糖尿病自律神経障害がある。

 

⑤腎不全がある。
(血清Cr:男性2.5㎎/dL以上、女性2.0㎎/dL以上)

 

運動療法

運動の効果

運動をすることによって、食後高血糖の抑制インスリン抵抗性の改善につながります。

 

運動療法には短期的長期的な効果の両方があります。

 

食後、高血糖の時点で、動脈硬化が進行しはじめることが多いです。
これを防ぐ食後の運動は非常に重要である。

 

 

短期的な効果

食後の運動することで、筋への血流量が上がります。
血液に含まれたインスリン(血糖を下げるホルモン)が、指の先までいきわたります
糖の取り込みが上がり、食後高血糖ダウンしていきます。

 

 

長期的な効果

継続的な運動を続けると・・。

筋肉量が上がり、伴って基礎代謝も上昇します。したがって、糖の取り込みが上がります。
インスリン感受性が上がり、インスリン抵抗性改善します。

糖の取り込みが上昇し、血糖が落ち着いてきます。

 

 

運動量

運動療法の一番の目的は、肥満の解消と思われがちですが、実は運動のみでやせるのはとても難しいのです。
肥満の解消には、食事療法の方が効果的です

運動療法では、即効的に食後高血糖を抑える効果や、運動の継続によってインスリン感受性を上げることが、重要な目的です。

 

最近の研究では、有酸素運動とレジスタンス運動(筋力トレーニング)を組み合わせることによって、より良い治療効果が生まれることが明らかとなりました。

 

運動療法の内容としては、筋疲労が起こりにくく継続しやすい有酸素運動を中心に,筋力を向上させるレジスタンス運動を組み合わせておこないましょう。

 

有酸素運動
散歩、ジョギング、水泳などの全身運動を全力の60%程の力で行う。
歩行では、1回につき20~30分間、1日2回
日常生活での歩行と合わせると、歩行での運動療法は一日1万歩程度が目安です。

 

レジスタンス運動
筋肉に軽い負荷をかけて、筋肉をつける運動を行う(無酸素運動)
立って踵上げやスクワットなんかがおすすめです。
筋肉をつけるような意識で行いましょう。

 

 

まとめ

運動というと、張り切って激しく体を動かすイメージを持っている人が多いです。
しかし、強度の高い激しい運動は、からだが動くためにエネルギーを補充しようとして、アドレナリンなど逆に血糖値を上げるホルモンの分泌を増やして、一時的に血糖値が高くなることがあります。

 

また、血圧を上げてしまうような高い強度の筋力トレーニングは、心臓や腎臓に負担がかかり、かえって害になります

 

やみくもにたくさん運動をすればよいというわけではありませんので注意が必要です。

継続は力なりです。
運動は続けていきましょう。

 

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