第51回(H28) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題71~75】

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71 椅子座位姿勢で膝関節屈曲位から完全伸展したときにみられるのはどれか。

1. 外側側副靱帯の弛緩
2. 内側側副靱帯の弛緩
3. 前十字靱帯の緊張
4. 後十字靱帯の緊張
5. 半月板の後方移動

解答3

解説

1.× 外側側副靱帯は、「弛緩」ではなく緊張する。
2.× 内側側副靱帯は、「弛緩」ではなく緊張する。
3.〇 正しい。前十字靱帯は緊張する。
4.× 後十字靱帯は、「緊張」ではなく弛緩する。
5.× 半月板の「後方移動」ではなく、前方へ移動する。

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

理学療法士国家試験 膝関節の構造についての問題5選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

72 立位姿勢時の重心について正しいのはどれか。

1. 仙骨の後方にある。
2. 閉眼すると後方に移動する。
3. 小児は相対的に成人より足底に近い。
4. 重心線は膝関節中心の後方1〜2cmを通る。
5. 重心動揺面積は老年期には加齢に伴い増大する。

解答5

解説

1.× 仙骨の「後方」ではなく、前方(第2仙椎)にある。
2.× 閉眼すると「後方」ではなく、やや前方に移動する。
3.× 小児は相対的に成人より足底に、「近い」のではなく遠い(頭側にある)。なぜなら、小児は成人より胴体が大きいため。
4.× 重心線は、膝関節中心の「後方1〜2cm」ではなく、膝関節の前方(膝蓋骨後面)を通る。
5.〇 正しい。重心動揺面積は老年期には加齢に伴い増大する。

 

 

 

 

 

 

73 エネルギー代謝率の計算式で正しいのはどれか。

1. 内的仕事量 ÷ 全仕事量
2. 基礎代謝量 ÷ 基準体表面積
3. 労作代謝量 ÷ 基礎代謝量
4. 作業時代謝量 ÷ 安静時代謝量
5. 作業時エネルギー消費量 ÷ 安静時エネルギー消費量

解答3

解説

エネルギー代謝率(relative metabolic rate:RMR)とは、何もしないでいるときの状態に対して、活動や運動で何倍くらいのエネルギーが消費されたかを示した比率である。

 

1.× 内的仕事量 ÷ 全仕事量は、内的仕事率(PIT)の公式である。内的仕事率(PIT)とは、作業筋自身が重心周りの運動のために出力する仕事と定義されている。
2.× 基礎代謝量 ÷ 基準体表面積は、体表面積当たり基礎代謝基準値(kcal/m2/時)を求められ、エネルギー代謝率(relative metabolic rate:RMR)と別ものだが、比例すると考えられている。
3.〇 正しい。労作代謝量 ÷ 基礎代謝量で、エネルギー代謝率(RMR)が求められる。RMR=(労作時のエネルギー消費量-安静時のエネルギー消費量)÷基礎代謝量。つまり、「労作代謝量÷基礎代謝量」である。
4.× 作業時代謝量 ÷ 安静時代謝量は、代謝当量(METs)の公式である。
5.× 作業時エネルギー消費量 ÷ 安静時エネルギー消費量は、活動(労作)エネルギーである。

 

 

 

 

 

 

74 運動学習における結果の知識(KR)の提示について正しいのはどれか。

1. 難しい課題では1試行ごとに提示すると学習効率が低下する。
2. 運動の誤差修正を行えるようになっても継続する必要がある。
3. 成人では学習パフォーマンスを向上させない。
4. 誤りの大きさを提示すると有効である。
5. 動機付けには効果がない。

解答4

解説

1.× 難しい課題は、1試行ごとに結果の知識(KR)を提示すると学習効率が、「低下する」のではなく上昇する。なぜなら、次の練習までに誤差修正が行えるため。
2.× 運動の誤差修正を行えるようになれば、継続する必要はない。運動学習の初期では、付与された結果の知識(KR)によって学習者は運動の誤差修正を行う。しかし、自己の固有感覚情報を利用して運動の誤差修正を行えるようになれば、結果の知識(KR)は不要である。
3.× 成人でも学習パフォーマンスを向上させる。年齢関係なく結果の知識(KR)は有効である。
4.〇 正しい。誤りの大きさを提示すると有効である。動作や運動の誤りを具体的に伝える事で運動パフォーマンスは向上につながる。
5.× 動機付けに効果がある

 

 

 

 

 

 

75 急性炎症の初期にみられるのはどれか。

1. 乾酪化
2. 線維化
3. 血管新生
4. 好中球遊走
5. 肉芽組織形成

解答4

解説

1.× 乾酪化(かんらくか)は、結核症にみられる特徴的な病理学的変化である。肉眼的にチーズ様の外観を示す壊死巣である。
2.× 線維化は、慢性期に生じるものである。線維芽細胞が体内で放出されたサイトカインの刺激を受けることにより、増殖して起こる修復である。
3.× 血管新生とは、既存の血管から伸長して新しい血管を形成することで、慢性炎症創傷治癒の後半にみられる現象である。
4.〇 正しい。好中球遊走である。好中球遊走とは、その名の通り好中球の移動のことである。好中球は、炎症初期の24時間における最も優勢な炎症細胞である。
5.× 肉芽組織形成は、線維化動揺に慢性期に生じるものである。

炎症の過程

①血管からの液体成分の漏出
→②傷害部への白血球の遊走
→③科学的メディエーターの活性化
→④細胞外破砕物の蛋白分解処理
→⑤傷害組織の正常の構造と機能への回復といった経過をたどる。

 

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