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第31回(H30) 介護福祉士国家試験 解説【問題91~95】

問題91 知的障害の特徴に関する記述として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 成人期に出現する。
2 てんかん(epilepsy)の合併率が高い。
3 有病率は女性が高い。
4 重度・最重度が大半を占める。
5 遺伝性の障害が大半を占める。

 

解答

解説
 厚生労働省が2005 (平成17)年に実施した「知的障害児(者)基礎調査」において、知的障害は「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義されている。

1.× 厚生労働省が2005(平成17)年に実施した「知的障害児 (者) 基礎調査」において、知的機能の陣害が発達期(おおむね18歳まで)に生じることが定義づけされている。
2.〇 てんかんの原因はさまざまだが、症候性てんかん特発性てんかんに大きく区分される。症候性てんかんは、脳腫瘍、脳炎や頭部外傷後遺症などの明らかな原因がある場合をいう。原因不明の場合は特発性てんかんと呼ばれる。適切な抗てんかん薬を服用することで、発作をおさえることが可能である。知的障害がある場合は、その原因である脳の障害のために、症候性てんかんが起こることがある。知的障害の診断のなかには、てんかん発作性疾患の有無が含まれている。
3.× 「平成28年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」において、知的障害者数(療育手帳所持者数)を性別にみると、65歳未満では男性が49万7000人(62 5%)、女性が29万5000人(37. 1%)、65歳以上では男性が8万9000人(53.0%)、女性が7万3000人(43.5%) となっており、男性が多い
4.× 知的障害は、症状の程度により最重度、重度は「A区分」 に、中度、軽度は「B区分」に分類される。厚生労働省の基準では、IQの値(幼児では発達指数DQを用いる)と、適応能力の基準である日常生活能力水準の両方を考慮したうえで分類されており、B区分の中程度が多い。(福祉行政報告例:療育手帳交付台帳登載数:平成29年度)
5.× 知的障害の原因はさまざまで、遺伝子異常のものも含まれ、染色体異常、母胎内感染、代謝疾患などが原因としてあげられる。しかし、出産期に低酸素状態に陥ることや、生後の高熱、乳幼児期の養育者による虐待や育児放棄でも脳の発達が遅れることがあり、原因が特定できないことも少なくないため、適切ではない。

 

 

問題92 発達障害者が一般就労に向けて利用するサービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 行動援護
2 就労定着支援
3 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援
4 同行援護
5 就労継続支援B型

 

解答

解説
 「一般就労」とは、企業や公的機関などに就職して、労働契約を結んで働く一般的な就労形態のこと。それに対して、そのような働き方が難しい障害者の就労を総じて「福祉的就労」と呼んでいる。

1.× 行動援護とは、知的離害や精神障害により、自分1人で行動する際に生じる危険性を回避するために受けることができる支援である。
2.× 就労定着支援は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に基づき、平成30年度に新設された陣害福祉サービスの1つ。就労後の定着支援を目的としており、通常の事業所に新たに雇用された障害者が対象となる。就労に伴う環境変化により生活面の課題が生じている者に向けて、必要な連絡調整や指導・助言を行う支援である。
3.〇 職場適応援助者(ジョプコーチ)支援事業とは、障害者が職場に適応できるよう、職場にジョブコーチを派遣し、きめ細かな人的支援を行うサービスである。就職後も利用者および事業主や職場の従業員、家族に対しても、発達障害者の職場適応や定着支援の相談を行う。よってこれが適切な回答となる。
4.× 同行援護は、視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者が外出時に、移動に必要な情報提供や、移動時の援護、外出する際に必要な食事・排泄の介護などを含む援助をいう。
5.× 就労継統支援B型は、年齢や体力などの面で雇用契約を結んで就労することが困難な障害者を対象にした、 軽作業などの就労訓練を受けることができる福祉サービスをいう。非雇用型のため、生産活動などの場面提供や、知識や能力向上のために必要な訓練を受けられる場所である。

 

 

問題93 網膜色素変性症(retinitis pigmentosa)の初期の症状として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 硝子体出血
2 口内炎
3 眼圧上昇
4 夜盲
5 水晶体の白濁

 

解答

解説
 網膜色素変性症は難病指定されている、治療方法がまだ確立されていない眼疾患である。症状の特徴は、暗い所でものが見えにくくなる(夜盲)、視野が徐々に狭くなる(視野狭窄)、視力の低下である。進行は遅く重症化も個人差が大きい。

1.× 硝子体出血は、糖尿病性網膜症などにより起こる症状といわれる。他の部位からの出血が硝子体にとどまり、視力低下、飛蚊正、霧視なとが起こることをいう。
2.× 口内炎は、口腔内や舌、歯茎、唇の内側に起こる炎症の総称をいう。原因はさまざまで、ストレスや睡眠不足によっても起こる。また、ウイルス感染により、単純ヘルベス感染症、帯状疱疹、ヘルバンギーナ、手足口病、麻疹、風疹などの症状としても出現する。
3.× 眼圧上昇は、緑内障の主要症状としてあげられる。眼球が使くなることで、眼圧が上がり視神経に異常が起こる疾患である。
4.〇 網膜色素変性症の初期症状の代表が夜盲といわれている。夜盲とは「鳥目」ともいわれ、映画館や暗い場所で見えにくくなることである。
5.× 水晶体の白濁は、白内障の症状である。レンズの役割をする水晶体が白く濁るため見えにくくなることである。

 

 

問題94 上田敏による障害受容のステージ理論の5 つの心理過程のうち,最初の段階として,正しいものを1 つ選びなさい。

1 受容期
2 否定期
3 ショック期
4 混乱期
5 解決への努力期

 

解答

解説
 障害受容のステージ理論では、受傷してから、①ショック期、②否定(否認)期、③混乱期、④解決への努力期、 ⑤受容期の心理的過程を段階的に経るとされる。障害の受容は、障害に対する価値観(感)を転換し、障害は自己の人間的価値を低下させるものではないと認識していくことを通じて、生活態度を積極的なものに変えていくことである。

1.× 受容期は、以前の自分の状態と比較したり固執したりせず、新しい役割や価値観を得て自尊心を回復し、障害を乗り越えて人間的に成長し、前向きに考えることができるようになること。
2.× 否定(否認)期は、リハビリテーションスタッフによる機能訓練などが開始され、回復が実感できるようになるため、「元に戻るかもしれない」と、障害が残存するという現実から背を向けて「認めたくない」という心理状態になる段階である。 医師等が後遺障害について説明しても、「自分だけは違う」と受け入れないことがある。
3.〇 ショック期は、障害の詳しい告知などがなされておらず、自分の状況を理解することが難しい。障害の実感もなく、「けがが治ったら、あの仕事の続きをしよう」と、今までと同じような生活をぼんやり考えたりもする。よって、これが正しい。
4.× 混乱期は、機能回復が足踏み状態になったり、周囲の状況から障害が永続的なものとなることを感じはじめる段舞で、怒り、悲しみ、抑うつなどの感情が不安定に出現する。抑うつ症状では、障害に至った自分自身を責め、不眠や食欲不振などの症状が現れたり、現実を受け止めることができずに、他人に感情をぶつけたりすることがある。本人はもちろんのこと家族にとってもつらい時期であり、見守る支援が必要である。
5.× 解決への努力期は、今後、障害とともに生活を送るために、課題の解決には、まず自らの力が必要だと気づく段階である。同じ障害をもつ仲間との交流、社会サービスを受けるための情報提供を行い、前向きな努力を支える支援が必要となる。

 

 

 

問題95 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の人の日常生活上の留意点として,適切なものを1 つ選びなさい。

1 いすは低いものを使う。
2 膝を曲げて寝る。
3 かばんの持ち手を手で握る。
4 ドアの取っ手は丸いものを使う。
5 身体を洗うときはループ付きタオルを使う。

 

解答

解説
 関節リウマチは、全身の関節が優性的に炎症を繰り返すことで破壊され、隣接する腱・靭帯および骨膜に結節を形成する疾患である。朝の手指のこわばりや、関節の痛みや腫れが初期症状として現れ、拘縮・変形がみられる。 特に炎症期は、関節変形予防のため、圧迫する、ねじる等、関節に負荷のかかる動作を避ける必要がある。

1.× 低いいすや深く沈み込むソファー等からの立ち上がりは、股関節および膝関節に運動時痛や荷重時痛を生じるリスクがある。できるだけ座面の高いいすを使用し、手をつく場合は、指ではなく手掌全体を押しつけるようにして立ち上がる方法を指導する。
2.△ 就寝時安静にするときは、膝関節軽度屈曲位の良肢位で就寝することが一般的である。問題文からだけでは正しいと考えられる。ただ、「就寝中ずっと膝を曲げて寝る」とも読み取れるので微妙な選択肢である。
3.× 手指の関節の保護が日常生活で大切になる。そのため、荷物は前腕で支えたり、リュックサックや幅の広い肩掛けタイプのかばんなどを使用し、荷重が一点に集中しないよう分散させる必要がある。
4.× 手指の関節の保護をするため、ドアの取っ手をレバー式の柄が長いものに取り換えるなど、1つの動作で完結し手首に負担をかけないものに交換するなど住宅改修の検討をすることが求められる。
5.〇 身体を洗う際にスポンジなどを握ることが難しい場合は、ループ付きタオルなどを使用することで、痛みのない前腕などの部位にループをかけ、手指や手首の関節に負担をかけず、清潔を保つことができる。手指関節の変形が進行するとリーチャーなどの自助具が必要となる。

2.がループ付きタオルである。

「写真引用:テクノエイド協会様」

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