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第31回(H30) 介護福祉士国家試験 解説【問題81~85】

問題81 認知機能障害に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

1 記憶障害では,初期から手続き記憶が障害される。
2 見当識障害では,人物の認識は障害されない。
3 失行では,洋服をうまく着られなくなる。
4 失認は,視覚や聴覚の障害が原因である。
5 実行機能の障害では,ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)は障害されない。

解答

解説

 選択肢の記憶障害、見当議障害、失行・失認、実行機能障害については正しく理解しておく。

1.× 手続き記憶とは、スキーや水泳など、かつて覚えた技量の記憶のことで、加齢によっても障害されにくい。 認知症では最近の出来事を忘れることが多くなり、進行してくると、ある1つの出来事をすっかり忘れるエピソード記憶の障害が起こってくる。
2.× 見当識障害は、時間や場所についての認識が障害されるほかに、目の前にいる人物は誰であるかという人物の認識も障害される。
3.〇 失行は、手足の機能は保たれているのに、脳の運動野に降障害があって行為ができないことを指す。衣服をうまく着ることができない状態は着衣失行という。
4.× 失認は、感覚機能は損なわれていないにもかかわらず、見たり聞いたりしていることを脳が認識できない場合をいい、脳の陣害が原因で起こる。
5.× 実行機能の障害は、物事の判断ができなくなり、ある目的のために行動を行うことが難しくなるため、 ADLに支障が出る。

 

 

問題82 軽度認知障害(mild cognitive impairment)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい

1 記憶力の低下の訴えがある。
2 日常生活に支障がある。
3 認知症(dementia)の一種である。
4 CDR(Clinical Dementia Rating)のスコアが2 である。
5 全般的な認知機能が低下している。

 

解答

解説
 軽度認知障害は、正常と認知症の境界にある状態であり、診断された半数以上が、その後アルツハイマー型認知症などに進行するというデータもある。そのため、認知症のハイリスク群として、予防的な介入が望まれている。 特に軽度認知障害の診断基準は押さえておく必要がある。

1.〇 記憶力低下の愁訴(訴え)がある。
2.× 日常生活に支障はない。
3.× 認知症は認めず、全般的な認知機能は正常である。
4.× CDRのスコアが0.5である。CDRとは、「記憶」「見当識」「判断力と問題解決」「社会適応」「家族状況および趣味」「介護状況」の6項目について、健康(CDR : 0)、認知症の疑い(CDR:0.5)、軽度認知症(CDR: 1). 中等度認知症(CDR: 2)、高度認知症(CDR: 3) の5段階で評価する、観察式の評価尺度である。
5.× 全般的な認知機能は正常である。

 

問題83 抗認知症薬に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

1 貼付剤はない。
2 非薬物療法との併用はしない。
3 段階的に投与量を減量していく。
4 副作用として悪心や下痢が生じることがある。
5 ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)が改善することはない。

 

解答

解説
 認知症の治療に関する問題であるが、抗認知症薬の代表的なドネベジル塩酸塩や、リバスチグミンなどの効果や副作用などを押さえておく。

1.× リバスチグミンは、円形の貼り薬で、経皮的に吸収されるため、内服が難しい場合に有用である。
2.× 抗認知症薬は症状の進行を遅らせるものであり、個々の状態に合わせた非薬物療法などの併用も必要である。
3.× 認知症は段階的に進行し、不可逆的であるため、現在の抗認知症薬は、基本的には段階的に投与量が増えることになる。
4.〇 ドネベジル塩酸塩は、コリン系神経の賦活により、悪心や下痢などの消化器症状が生じることがある。
5.× ドネペジル塩酸塩やリバスチグミン、ガランタミン臭化水素酸塩は、コリンエステラーゼ阻害作用により脳のアセチルコリン濃度を高め、アルツハイマー型認知症の中核症状やADLの改善効果があるとされている。

 

 

問題84 認知症(dementia)の原因となる疾患と,特徴的な行動・心理症状(BPSD)の組合せとして,適切なものを1つ選びなさい。

1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)———幻視
2 血管性認知症(vascular dementia)———抑うつ
3 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)———人格変化
4 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)———もの盗られ妄想
5 クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)———徘徊

解答

解説

 4大認知症といわれている、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症の特徴を中心に、クロイツフェルト・ヤコブ病、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症などの特徴も合わせて覚えておく。

1.× 幻視が特徴的な疾患は、レビー小体型記認知症である。
2.〇 適切である。その他、血管性認知症の特徴的な行動・心理症状は、感情失禁やせん妄である。
3.× 人格変化が特徴的な疾患は、前頭側頭型認知症である。
4.× もの盗られ妄想が顕著にみられる疾患は、アルツハイマー型認知症である。
5.× 徘徊が特徴的な疾患は、アルツハイマー型認知症である。クロイツフェルト・ヤコブ病は、急速に進行し、すぐに寝たきりになり、初発症状から6~12か月で死に至る病気である。特異な性質をもつプリオンたんぱくと呼ばれるものが脳に沈着することが原因と考えられている。

 

 

 

問題85 重度の認知症高齢者の胃ろう栄養法に関する支援として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 主治医が導入するかしないかを決定する。
2 家族が導入するかしないかを決定する。
3 本人の意向や価値観の把握に努め,本人にとっての最善を関係者で判断する。
4 成年後見人がいる場合,成年後見人が導入するかしないかを決定する。
5 看取り期には,介護福祉職の判断で胃ろう栄養法を中止する。

 

解答

解説
 認知症の人が育ろうを行う際でも、本人の意向を第一に考えて実施することが望まれる。意向を汲み取るのが難しい場合は、関係者1人の判断ではなく、関係者が連携し、本人にとって最もよいと思える判断をする必要があることを理解する。よって、1.×、2.×、3.〇、4.×、5.×となる。ちなみに4.の成年後見人は、判断能力が不十分な人に代わり法律行為を実施し、財産管理と身上監護を行う。成年後見人であっても医療行為にかかわる判断や代行はできない。ただし、本人の判断能力のあるうちに胃ろうに関する意向を確認していれば、それを代弁することはできる。

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