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第31回(H30) 介護福祉士国家試験 解説【問題61~65】

介護過程

問題61 介護過程の目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 利用者の自立を支援する。
2 画一的に介護を実践する。
3 介護福祉職の尊厳を保持する。
4 家族介護者の自己実現を図る。
5 経験則に基づいて介護を実践する。

 

解答

解説

 介護過程の目的について問う問題である。介護過程の意義と目的を理解するうえで、自立支援、利用者主体、個別性、尊厳の保持、自己実現、多職種連携といったキーワードを念頭におく。

1.〇 正しい。利用者の自立を支援することは介護過程の目的の1つである。
2.× 介護過程は、利用者個人の自己実現に向けたニーズを実現するために、利用者の生活課題を介護の立場から系統的に判別し、解決するための計画を立て、実施し、評価する一連の過程である。系統的とは、順序だった筋道に従って組み立てられているさまのこと。画一的とは、何もかも一様で、個性や特徴のないさまのことである。
3.× 介護過程は、利用者個人の尊厳を保持し、利用者の望むよりよい生活のために展開するものである。介護福祉職の尊厳を保持するために展開するものではない。
4.× 介護過程は、利用者の自己実現を図るために展開するものである。家族介護者の意向を汲む必要はあるが、家族介護者の自己実現を図ることが目的ではない。
5.× 介護過程の目的は、利用者が望むよりよい生活の実現であり、そこでは客観的で科学的な根拠(エビデンス)に基づいた介護を実践する必要がある。経験則に基づいて介護を実践することは適切ではない。

 

 

問題62 利用者の情報収集における留意点として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 生活歴は,介護福祉職の主観的判断を優先する。
2 生活機能は,他職種からの情報も活用する。
3 発言内容は,介護福祉職の解釈を加える。
4 経済状況は,近隣住民の情報から推測する。
5 心身機能は,利用者への聞き取りによって判断する。

 

解答

解説
 介護過程における情報収集について問う問題である。介護過程においては、情報収集の方法と、情報を収集する際の留意点、収集された情報をどのように扱うことで個々の利用者の生活課題につながるのか、生活課題を明らかにすることの意味を正しく把握していることが重要となる。

1.× 生活歴は利用者が今日まで送ってきた生活のことであり、利用者本人や家族、関係者から直接的に情報収集することが重視される。介護福祉職の解釈を加えずに収集しなければならないため、介護福祉職の主観的判断を優先するのは適切ではない。
2.〇 生活機能は介護福祉職織が収集した情報だけではなく、医療系の職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)など、他職種からの情報も活用する必要がある。
3.× 利用者の発言内容は主観的情報であるため、介護福祉職の解釈を加えずに収集しなければならない。また情報収集を行う際は、介護福祉職は主観や先入観、偏見などをもたずに行うことも必要である。
4.× 利用者の収入や支出など経済状況についての情報は、プライベートな情報であり、本人および家族、関係者から正確な情報を収集することが必要である。近隣住民の情報から推測することは適切ではない。
5.× 心身機能とは、手足の動きや精神のはたらき、内臓のはたらきなどのことであり、すべてを利用者が正確に把握しているとは限らない。そのため、利用者への聞き取りによって判断をするだけではなく、 医療系の職種からの情報や検査データなどの客観的情報も、併せて収集する必要がある。

 

 

 

 

問題63 生活課題の優先順位を決定する上で,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 利用者が要望する頻度の多いものから決定する。
2 介護福祉職が評価しやすいものから決定する。
3 家族の負担が大きく軽減するものから決定する。
4 緊急性が高いものから決定する。
5 課題に取り組む準備期間が短いものから決定する。

 

解答

解説
 利用者に複数の生活課題がある場合は、緊急性を考慮して優先順位を決定する。優先順位の上位にくるのは、 ①健康状態が悪化するようなこと、②日常生活の自立、継続できていないこと、③その人らしく生活できていないこと、④「つらい、苦しい、悲しい」など利用者の苦痛や苦悩に関すること、⑤その問題の解決がほかの問題に強く影響を及ぼすことなどがあげられる。
 よって、1.×、2.×、3.×、4.〇、5.×である。

 

 

 

 

問題64 介護計画を実施するときの留意点として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 介護計画の遂行自体を目的にする。
2 実施内容は個々の介護福祉職に任せる。
3 介護福祉職の満足度を基に継続を判断する。
4 介護計画の変更内容の説明は省略する。
5 利用者の反応や変化を観察する。

 

解答

解説

 介護計画の実施においては、①自立支援(できるだけ自分で行う、または誰にどのような支援をしてもらうのかといった利用者自身の選択)、②安全と安心(介護技術の熱練、利用者との信頼関係の構築、事故防止と感染予防、心理的サポート等)、 ③尊厳の保持の3つの視点を常に意識してかかわる必要がある。

1.× 介護計画の遂行目体が目的ではなく、利用者が目指している状態像に近づくことを目的としている。実施の際は、利用者の体調や言動、行動(利用者の言葉、身体の動き、しぐさ等)を観察し、「今、行っている支援は利用者に適しているのか」 を判断することが重要である。
2.× 実施内容は個々の介護福祉職の判断で決めるのではなく、その利用者にかかわるすべての介護福祉職が介護計画の支援内容・支援方法に沿って決定し、実施する必要がある
3.× 介護計画の継続を判断する際、利用者の満足度が1つの基準となる。介護福祉職がよいと思うことでも、利用者にとって「したくないこと」「つらいこと」である場合、十分な満足感が得られず、利用者主体の支援につながらない。
4.× 介護計画の変更をする際は、利用者や家族に対して十分な説明を行い、同意を得る必要がある。利用者や家族が支援に主体的にかかわれるようにするために、説明は欠かせないものである。
5.〇 利用者の身体状況、感じていることや考えなどは刻々と変化する。しかし、支援の内容や方法についての不安や違和感等をそのつど、言葉で表現できる利用者ばかりではない。そのため、介護福祉職は、利用者の表情、 身体の動き、しぐさなどを細かく観察する必要がある。

 

 

 

 

問題65 Gさん(79 歳,男性)は認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。短期目標を「なじみの店で買物ができる( 2 か月)」として,月3 回の買物を計画し実施した。初回は順調であったが, 2 回目にレジで後ろに並ぶ人から,「遅い,早くして」と言われて,H介護福祉職が支払った。GさんはH介護福祉職に,「ほしい物を選んでも,自分で支払わないと買った気にならん」と言い,その後,楽しみにしていた買物に行かなくなった。
 ICF(International Classification of Functioning,Disability and Health:国際生活機能分類)の視点に基づいて介護計画の内容を見直すにあたり,最も配慮すべき構成要素を1 つ選びなさい。

1 身体構造
2 個人因子
3 心身機能
4 環境因子
5 活動

 

解答

解説

 介護計画修正の必要性の検討は、目標達成していない原因を見きわめることが大切となる。また、ICFにおける心身機・身体構造、活動、参加といった3つの概念を包括した生活機能、健康状態、環境因子と個人因子の2つの概念を包摂した背景因子の内容についても理解しておく。

1.× 問題文から、Gさんの身体構造についての記載がないことからも、最も配慮すべき構成要素とはいえない。
2.× 「個人因子」とは、性・年齢、ライフスタイルなどの個人の属性を指す。 個人の属性について問題はみられず、個人因子に視点を置いた介護計画の見直しは通切ではない。
3.× Gさんは認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居していることから、認知症を患っていると考えられるが、事例内容から心身機能の視点からの介護計画の見直しは最も配慮すべき構成要素とはいえない。
4.〇 事例における環境因子として、店員ほかの客介護福祉職があげられる。店員等への理解を促すとともに、介護福祉職による支払い行為を改善するなど、環境因子の視点から見直しを優先する必要がある。
5.× Gさんは自分で財布からお金を出すことや、買物が可能である。自分で支払うことができるために、認知症への理解を促すといった環境因子へのはたらきかけが必要なことからも、最も配慮すべき構成要素ではない。

 

 

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