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第31回(H30) 介護福祉士国家試験 解説【問題46~50】

問題46 たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM:Protein Energy Malnutrition)が疑われる状況として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 要介護度が改善した。
2 1 か月に3 %以上の体重減少があった。
3 体格指数(BMI)が25.0 以上になった。
4 低血圧症状が現れた。
5 声が枯れるようになった。

 

解答

解説
 たんばく質・エネルギー低栄養状態(PEM)とは、食欲の低下や食事がとりにくくなったことにより、徐々に食事が減り、身体を動かすための必要なエネルギーや筋肉、皮膚、内臓などをつくるたんぱく質が不足した状態である。主な特徴として、体重減少・元気がない・傷や褥瘡が治りにくい・骨格筋の筋肉量や筋力の低下・風邪などの感染症にかかりやすく、治りにくい・下半身や腹部がむくみやすいことなどがある。

1.× たんばく質・エネルギー低栄養状態(PEM)は、食事摂取量の減少から体力がなくなり活動量が減るため、要介護度は悪化する。
2.〇 たんばく質・エネルギー低栄養状態では、体重減少がみられる。
3.× 食事量の減少による低栄養のリスクとして、体格指数(BMI)が18.5以下になることがあげられる。なお、 25.0以上は肥満と判定される。
4.× 低血圧は、たんばく質・エネルギー低栄養状態(PEM)の特徴には当てはまらない。低血圧の原因として、主な疾患には、心筋梗塞や不整脈などの心臓の疾患、肺塞栓などの肺の疾患、甲状腺機能低下症(橋本病)やアジソン病などのホルモンの疾患などがあり、がんなどにともなう低栄養状態やケガによる大出血の場合である。
5.× 声の枯れは、たんばく質・エネルギー低栄養状態(PEM)の特徴には当てはまらない。声が枯れるようになる場合は、声帯に腫れ物状のものができることや、声帯の機能の異常などがある。また、風邪の症状によるものもある。

 

 

 

 

問題47 ベッド上で足浴を実施するときの基本的な手順や方法として,適切なものを1 つ選びなさい。

1 ベッドの足元をギャッジアップする。
2 お湯の温度の確認は,利用者,介護福祉職の順に行う。
3 ズボンを脱がせて,下肢を露出する。
4 洗う側の足関節を保持しながら洗う。
5 両足を一度に持ち上げて,すすぐ。

 

解答

解説
 足浴とは、病気などの理由で、全身の入浴が困難な場合に行う部分浴のことである。

1.× ベッド上で臥床状態のまま足浴をする場合、膝裏にクッションを入れべッド上での下肢の安定ができるようにする。ギャッジアップの場合、ベッド自体が傾き、湯を入れた洗面器も傾きこぼれやすくなる。
2.× お湯の温度は、利用者のやけど等の防止のため、はじめに適温であることを介護福祉職が確認し、その後利用者に確認をしてもらうようにする。
3.× 露出が多いと体温を保つことができない。ズボンなどの衣服はすそを膝上まで上げ、バスタオルなどで覆って保温し、露出はできるだけ避けるようにする。
4.〇 足関節を支え保持することにより、足がぐらぐらせず安定することができる。
5.× 両足を一度に持ち上げることは、ベッド上での姿勢が不安定になるため、適切ではない。

 

 

問題48 長期臥床している高齢者に,ケリーパッドを使用して行うベッド上での洗髪に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 膝を伸ばした仰臥位で行う。
2 頭皮に直接お湯をかけて,生え際を濡らす。
3 後頭部を洗う時は,頭部を前屈させる。
4 すすぐ前に,タオルで余分な泡を拭き取る。
5 すすぎは高い位置からお湯をかける。

解答

解説

【※図・・・ケリーパット】

1.× ベッド上で臥床状態が安楽な姿勢にするため、膝を屈曲しその膝裏にクッションを入れる。
2.× 最初に介護福祉職が適温であるこを確かめてから、高齢者の髪の毛にお湯をかけていく。
3.× ベッド上で臥床状態での頭部の前屈を行うことは、高齢者にとって苦痛になる。また、頭部が後屈しないようにも配慮する必要がある。頭部中間位にて行う。
4.〇 すすぐ前にタオルで泡を拭き取ると、その後のすすぎを短時間で行えるようになり、洗髪時間の短縮につながって、高齢者への負担が減る
5.× ベッド上での洗髪時は防水シーツを敷くなど布団が濡れないように配慮する必要かある。すすぎを高い位置からお湯をかけることは、お湯が飛び散るおそれがあり、適切ではない。正しくは低い位置で行う。

 

 

 

問題49 皮膚の乾燥が強くなった高齢者の入浴介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 アルカリ性の石鹸で洗う。
2 こすらないように洗う。
3 硫黄を含む入浴剤を使用する。
4 42℃以上のお湯で入浴する。
5 保湿剤は,皮膚が十分に乾いてから塗る。

 

解答

解説

 本来、皮膚には皮脂腺からの皮脂、汗腺からの汗による保湿機能があるが、加齢に伴い皮脂や汗の分泌が減少することにより、皮膚組織の水分の保湿機能が低下してしまう。このような皮膚が乾燥した状態を老人性乾皮症(かんぴしょう)といい、表皮に亀裂やふけのような状態(鱗屑:りんせつ)が生じ、その皮膚が粉のように落ち(落屑)、搔痒感(そうようかん)を伴うことが多い。高齢者の90%以上にこのような症状があるといわれており、空気の乾燥している冬場には特に注意が必要である。

1.× 皮膚の表面は外部から付着した細菌の繁殖を抑えるため、弱酸性に保たれている。アルカリ性の石鹸は刺激が強いため、皮膚のpHに近い弱酸性の乾燥肌用石鹸を使用する。
2.〇 皮膚をゴシゴシこすると表皮を傷つけ皮脂を落としてしまい、かゆみを誘発し症状を悪化させてしまうおそれがある。身体を洗う場合には、洗身用具においては、ナイロンタオルやスポンジの使用は避け、皮膚への刺激が少ない柔らかい木綿生地のタオルを使用したり、石鹸を泡立たせた素手で優しく撫でるように洗う。
3.× 硫黄成分は皮脂を落とし皮膚を乾燥させてしまうため、皮膚の乾燥が強くなった高齢者への使用は避けるようにする。入浴剤を使用する場合には、保湿成分が含まれているスキンケアタイプのものを使用する。
4.× 入浴することは、肌を清潔に保つだけではなくリラックス効果や安眠効果も期待できるが、42℃以上の熱いお湯での入浴は皮脂が失われ、皮膚の保湿機能が低下してしまうため、皮膚の乾燥が助長される。そしてかゆみが増し、皮膚を掻くことで症状を悪化させてしまうことにもつながる。入浴の際は、38℃前後(微温浴)のぬるめのお湯につかるようにする。
5.× 入浴後は脂質が流失し保湿機能が低下しているため、そのままにしていると過乾燥になってしまう。そのため、入谷後のスキンケアはとても大切である。クリームやローションのような保湿剤の外用は、入浴後の皮膚がまた湿っている状態の時に塗布したほうが効果的である。

 

 

 

 

問題50 ベッド上で腰上げが可能な高齢者への,差し込み便器による排泄介護の方法として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 使用前の便器は温めておく。
2 便器を差し込むときは両脚を伸ばしてもらう。
3 男性の場合は,トイレットペーパーを陰茎の先端に当てておく。
4 便器の位置を確認したらベッドを水平にする。
5 排泄中はベッドサイドで待機する。

解答

解説

1.× 差し込み便器にはプラスチック製ステンレス製ゴム製のものがある。使用の際、腎部に冷惑を与えるとストレスになるため、特に冬場は、使用前に温めておく配慮が必要である。カバーをかぶせ、使用前に便器内にお湯を張り温めておくようにする。
2.× 便器を差し込むときは、両膝を立てて足底をしっかりとベッドに押し付けるようにして腰を上げてもらう。 その際、介護者の片手は利用者の腰部を支え、もう一方の手で差し込み便器を腎部の下に挿入する。
3.× 差し込み便器を使用する場合、 便器の中にトイレットペーバーを敷いておく。男性の場合、便器内に直接排尿することが難しいため、便器を差し込んだ後に尿器を使用する。尿器の受尿口に陰茎を入れ、可能であれば片手で尿器を持ってもらい固定する。また女性の場合、尿の飛び散りを防ぐためトイレットペーバーを恥骨部から会陰部に当てるようにする。
4.〇 上体を起こすことによって、腹圧をかけやすい姿勢になる。また、直腸肛門角も鈍角になるため便が出やすい。ベッドをギャッチアップする際は、利用者の表情を見ながらめまい等、気分が悪くなっていないか確認する。
5.× 排泄という生活行為は、利用者の尊厳とプライバシーに深くかかわる部分であり、「恥ずかしい」「見られたくない」という利用者の心理を介護者は理解しなくてはならない。介護者は利用者の安全を確保したうえで、カーテンを引く等プライバシーが保護された環境を整え、 排泄中はその場から離れるようにする。

 

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