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第31回(H30) 介護福祉士国家試験 解説【問題36~40】

問題36 Aさん(38 歳)は,共同生活援助(グループホーム)に入居している。料理が得意で,普段はエプロンを身に着けて揚げ物料理をガスコンロで作っている。
 防火を意識した調理支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 調理材料は,ガスコンロの周辺に置く。
2 調理をするときは,袖口を絞った衣類を着てもらう。
3 調理に時間がかかるときは,鍋から離れてもらう。
4 火災警報器は,床に近い部分に設置する。
5 強い火力で調理してもらう。

 

解答

解説
 共同生活援助(グループホーム)とは、生活介護や就労継続支援等の日中活動を利用しながら、共同生活を営む住居に入居している障害のある人に対して、主に夜間において、共同生活住居で、入浴、排泄、食事の介護、調理、洗濯、掃除などの家事、生活等に関する相談・助言、就労先や関係機関との連絡のほか、必要な日常生活上の世話を行う。

1.× 火の近くであるガスコンロ周辺に調理材料を置くと引火のおそれがある。
2.〇 最も適切である。袖口の長い衣服などでは、引火のおそれがある。また、事例に「料埋が得意」「エプロンを身に着けて揚げ物料理をガスコンロで作っている」とあり、油がはねると熱傷の危険性もある。
3.× 調理に時間がかかっても、火を扱っている時に鍋から離れるべきではない。料理していたことを忘れて放置してしまったり、何かあった場合にすぐに対処できないためである。
4.× 火災警報器は、火災による煙や熱を感知器が早期に感知して、警報ベルなどで、建物内の人たちに火災を知らせる機器である。特には上に昇っていくため、床に近いところではなく、天井など部屋の上方に設置する。
5.× メニューによっては 「強火」の調理が必要な場合もある。しかし、 強火は引火のリスクもあり、防火の観点からは最も適切とはいえない。

 

 

 

問題37 歩行が可能な脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)の高齢者の転倒予防に留意した環境整備に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 弾力性が高い床材を使用する。
2 洋式トイレの予備のトイレットぺーパーは足元に置く。
3 頻繁に移動する場所には手すりを取りつける。
4 調理用具は,頭上のつり棚に収納する。
5 いすにキャスターをつける。

 

解答

解説
 脊髄小脳変性症は、小脳および脳幹から脊髄にかけての神経細胞の変性で起こる。ふらつき歩行やろれつが回らないなどの運動失調が主症状である。本症例は、「歩行が可能」とあるが、「ふらつき」など運動失調はあると考えられるため、転倒に留意した安全な環境整備について考える必要がある。

1.× 弾力性が高い床材を使用すると、歩行時にはさらに不安定な状態となり、転倒のリスクは高まる。最も適切とはいえない。
2.× トイレットペーパーを足元に置くと、座位からでもかなり頭を低くして取らなければならない。バランスを崩し、転倒のリスクが高まる。足元に置くと取りやすいのは、和式トイレである。
3.〇 適切である。常に近くにつかまるところがあれば、安全に歩行できる。けが等の予防にもなる。
4.× 頭上の高いところにあるものを取ろうとすると、上方に意識がいき、足元側の意識が低くなる。そうすると、ふらつきなども増し、転倒のリスクが高まる。
5.× いすにキャスターをつけると、座ったままで移動することも可能となるメリットがある。しかし、座ろうとする時に背もたれ等につかまるとキャスターが動いて不安定となり、転倒のリスクが高まる。いすは歩行者が手すり代わりに利用することもあり、キャスターがついていると不安定で転倒のリスクとなるため適切ではない。

 

 

 

 

問題38 介護福祉職が行う身じたく・整容の支援と使用する道具の組合せとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 ベッド上での口腔ケア———ガーグルベースン
2 浴室での洗髪———ドライシャンプー
3 総義歯の洗浄———歯磨剤
4 耳垢(耳あか)の除去———ピンセット
5 ベッド上での洗顔———冷水で絞ったタオル

 

解答

解説

 整容は単なる支援と考えるのではなく、利用者の性格、生活歴、職業歴、好み、センスなどをよく把握して支援する必要がある。しかし、寝たきりの利用者の場合や、ギャッチアップが困難な場合、認知レベルの低下により、自発的な行動ができない。全介助の場合でもなるべく声をかけ、できるだけ座位をとり、鏡を見るなどして自らの姿の変化を意識できるような環境づくりが必要である。

1.〇 寝たきりの利用者にとって、口腔ケアは誤嚥性肺炎を予防するためにも必要である。洗面所に移動することができない利用者には、ベッド上でガーグルベースンを使用して含嗽を行う。ガーグルベースンの凹凸に合わせて、臥位姿勢で含嗽を行う時は、頭を横に向け、類に沿わせるように使用する。


2.× ドライシャンプーは、①湯温に対する刺激が利用者の状態を悪化させるおそれのある場合、②頭部の安静が必要な場合に使用する。浴室での洗髪の際にはシャワーを使用し、シャンプーなどは利用者の好みに合ったものを使用して洗髪を行う。
3.× 総義歯の洗浄に歯磨剤を使用してはならない。使用することによって義歯を傷つけてしまうおそれがある。歯磨剤ではなく、流水とブラシで汚れを落とした後に義歯洗浄剤を使用することが望ましい。義歯洗浄剤は、歯ブラシによる清掃と義曲の細かな傷に入り込んだ菌に対して効果がある。
4.× 乾いた耳垢の場合、綿棒耳かきを使用し、湿っている場合は綿棒を使用する。鼓膜を傷つけないように、目に見える範囲 (入口から1 cm程度) とする。耳垢をピンセットなどで無理にはがすことで、耳の粘膜を傷つけてしまうおそれがある。耳かきや綿棒等ではとれない硬い耳垢(耳垢塞栓)の場合は、耳鼻科を受診することが望ましい。
5.× 冷水ではなく、あたたかい湯で行う。寝たきりの利用者の洗面は、洗面器などに50~55℃のあたたかい湯を準備し、タオルを絞る。石けんを使用する場合は石けん分を2回以上拭き取る。座位が取れる場合は、洗面器に40℃程度の湯を張り、洗面を行う。

 

 

 

問題39 ベッド上で臥床したままの利用者に行う和式寝衣の交換の介護に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 袖を抜くときは手→肘→肩の順で行う。
2 脱いだ寝衣を広げ,その上に新しい寝衣を重ねて広げる。
3 利用者の脊柱と新しい寝衣の背縫いの部分を合わせる。
4 左前身頃の上に,右前身頃を重ねる。
5 腰紐は結び目が背中に回るように結ぶ。

 

解答

解説

 臥床した状態の寝衣の交換は、前開きの寝衣が利用者にかかる負担が少ない。室温に気をつけ肌の露出を選けるなどの配慮を行いながら、利用者の体調に合わせた寝衣交換の支援が必要である。可能であれば、利用者が寝衣を選択できるように支援する。また、利用者が自力で行えることは協力してもらう。

1.× 寝衣を肩までずらした後に片方の袖を脱ぐ。「手→肘→肩」ではなく「肩→肘→手」の順である。
2.× 脱いだ寝衣の上に新しい寝衣を重ねると、皮膚の落屑などで新しい寝衣が汚染される可能性がある。脱いだ寝衣を広げずに、丸めて背中の下に入れてから、新しい寝衣を背中に当てるのが正しい。
3.〇 新しい寝衣の背縫い(中心部)が背中の中央になるようにしわを伸ばす。下側は扇子折りにし、からだの下側に入れ込む。
4.× 右前身頃の上に左前身頃を重ねる。右前身頃を上にするのは亡くなった人の場合の着せ方である。身頃(みごろ)・・・衣服の、そで・えり・おくみなどを除いた、体の前面・背面を覆う部分のこと。
5.× 腰紐はしわを伸ばし、結び目はからだの前面にくるように結ぶ。その際に立て結びにならないように注意する。 背部に結び目がくると、褥瘡の原因になる。

 

 

 

 

問題40 入居施設で生活する利用者が車いすを使用して外出するときに,介護福祉職が計画,準備することとして,最も優先すべきものを1 つ選びなさい。

1 長時間の外出を企画する。
2 家族に同行を依頼する。
3 外出先の経路情報を集める。
4 折り畳み傘を用意する。
5 介助ベルトを用意する。

 

解答

 外出の際には、快適かつ安全で楽しく過ごすことができる準備が必要である。

解説
1.× 利用者の健康状態に合わせた外出が望ましい。全員が長時間の外出が適応とは限らない。障害や疾病の程度により、移動や運動について医師の指示が出ている場合もある。外出先での健康状態の急変に対応できるように、医療機関や家族などの連絡先が記入してあるものを準備するとよい。
2.× 計画や準備の段階で利用者や家族が望むのであれば、同行することを計画してもよい。しかし、事前の計画ではまず外出先の情報を整理することが必要である。
3.〇 食事や休憩場所、トイレなどの確認を行う。特に車いすを使用している利用者の外出支援の場合、身体障害者用のトイレがどこに設置されているのかを把握する。また、実際に移動する道幅や坂道の有無、交通量なども事前に情報を得ておく必要がある。
4.× 事前に外出予定日の天候などの情報を把握し、悪天候の場合は日程を変更することも必要である。外出先で急な雨天の場合に備える時は、レインコートを準備することが望ましい。折り畳み傘を介助者がさすと、片手での走行となり危険である。また、利用者が傘をさす場合も、利用者の前方の安全確認が取れないため、やはり危険である。
5.× 介助ベルトの装着は身体抑制(拘束) になる。施設には、利用者の安全を守る義務があるが、そのために利用者の行動を制限するのは逆に外出がストレスとなる。

 

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