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第31回(H30) 介護福祉士国家試験 解説【問題31~35】

問題31 Kさんの病状は進み,自分から話すことはほとんどなくなり,こちらの問いかけにも応えたり応えなかったり,という状況になった。
 このようなKさんとコミュニケーションをとる方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 沈黙を守る。
2 表情を一定に保つ。
3 開かれた質問を使う。
4 ボディタッチを増やす。
5 コミュニケーションノートを使う。

 

解答

解説
 介護福祉職には、言語だけでなく、非言語も効果的に活用して、利用者の状況・状態に応じてコミュニケーションをとることが求められる。非言語とは、表情、視線、身振り手振り、話し方、声の調子など、言葉を介さないメッセージの伝達手段のことである。認知症やコミュニケーション障害などによって、言語でのコミュニケーションが難しい利用者には、非言語を積極的に活用することが大切である。

1.× 沈黙を守ることは、Kさんとコミュニケーションをとる方法として遠切ではない。Kさんの反応が少なくなっても、問いかけや言葉かけをしたり、非言語を活用したりしてKさんの心にはたらきかけることが大切である。
2.× 表情を一定に保つと、介護福祉職の感情が伝わらない。そのため、Kさんとコミュニケーションをとる方法として適切ではない。表情は非言語の代表であり、介護福祉職の笑顔が優しさや温かさを伝えたり、穏やかな表情がいたわりの気持ちを伝えたりする。
3.× 開かれた質問とは、「どのように痛みますか?」のように自由に答える質問のことである。Kさんは自分から話すことはほとんどなくなっているため、開かれた質問をすることは、逆に言葉を詰まらせる可能性がある。
4.〇 ボディタッチを増やすことは、Kさんとコミュニケーションをとる方法として適切である。介護福祉職がKさんの身体に優しく触れることで、共感やいたわりの気持ちを伝えることができる。
5.× コミュニケーションノートを使うことは、認知症 (dementia)の病状が進み、認知能力が低下している状態にあるKさんとコミュニケーションをとる方法として適切ではない。コミュニケーションノートとは、ノートに示された言葉やイラストを指して、意思表示したり、質問に対して答えたりするための道具である。コミュニケーションノートを使用する症例は、失語症などといった方に適応となる。

 

 

 

 

問題32 Lさん(30 歳,女性)は,パートタイムで仕事をしながら,自宅で母の介護をしてきた。ある日,母の訪問介護(ホームヘルプサービス)で訪れたM訪問介護員(ホームヘルパー)に対して,Lさんは,「寝ている間に頭の中に機械が埋め込まれて,行動を監視されている」と興奮気味に訴えた。
 このときのM訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 それは現実のことではないと説明する。
2 気にしなくてもよいと話をそらす。
3 Lさんの訴えを肯定も否定もせずに聞く。
4 監視されているのは間違いないと肯定する。
5 Lさんの感情に合わせて興奮気味に接する。

 

解答

解説
 訪問介護の利用者の家族が、訪問介護員に対して、精神障害のある人にみられる妄想が疑われるような言動を示した場面での出来事である。

 事例のなかでLさんは 「寝ている間に頭の中に機械が埋め込まれて、行動を監視されている」と興奮気味に訴えたとある。現実離れした考えにとらわれる状態は、統合失調症の症状の1つである妄想と考えることができる。
 一般的な妄想に対する対応としては、肯定も否定もせず、中立的な態度でかかわることが大切である。
1.× 「現実のことではないと説明する」ことは、否定する対応となるため、 適切ではない。
2.× 「気にしなくてよいと話をそらす」 対応は、本人の訴えを無視しており、 適切ではない。
3.〇 Lさんの訴えを背定も否定もせずに聞く対応は、妄想と思われる症状に対する対応として適切である。
4.× 「監視されているのは間違いないと肯定する」 対応は、妄想とみられる症状をさらに強くしてしまうおそれがあるため、適切ではない。
5.× 「Lさんの感情に合わせて興奮気味に接する」 対応は、Lさんの感情をさらにあおり、不安を与えるおそれがあるため、適切ではない。

 

 

 

問題33 叙述体を用いて介護記録を作成するときの留意点として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 情報を項目別に整理する。
2 問題のポイントを明確にする。
3 介護福祉職の解釈を記録する。
4 論点を明確にする。
5 利用者に起こったことをそのまま記録する。

 

 

解答

解説
 介護記録においては、その記録の種類に応じて文体を使い分ける。出来事そのものを記述する叙述体と要約体、出来事に対する介護福祉職の評釈や分析を記述する説明体など、 記録の文体について理解しておくことが大切である。

1.× 「情報を項目別に整理する」 記録の文体は、 要約体である。 要約体は、不必要に文章が長くなるのを避けるために、要点を整理してまとめるときに用いる文体である。
2.× 「問題のポイントを明確にする」記録の文体は、要約体である。連続した出米事を記録するときに、その出来事に潜んでいる意味を見出し、その出来事との関連を記録するときに用いられる。その際、問題のポイントが明確にされている必要がある。
3.× 「介護福祉職の解釈を記録する」文体は、説明体である。起こった出来事に対して、介護福祉職が解釈、分析したことを説明として加えるときに用いる文体である。
4.× 「論点を明確にする」 記録の文体は、説明体である。記録においては事実を正確に記述していくことが基本となるが、介護福祉職は事実が生じた根拠や理由を探り、説明を加えることで、論点を明確にすることも大切である。
5.〇 「利用者に起こったことをそのまま記録する」文体は、叙述体である。叙述体は起こった出来事をありのままに客観的に記録していくときに用いられる。叙述体・・・じょじゅつと読む。

 

 

 

 

問題34 介護福祉職が行う報告の留意点に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 報告するときは,自分の意見を最初に述べる。
2 予定より時間がかかる業務であっても,完了後に報告する。
3 起こった事実は,抽象的な言葉で報告する。
4 指示を受けた業務の報告は,指示者に行う。
5 自分の推測を,事実であるとみなして伝える。

 

解答

解説

 報告は、連絡や相談とならんで、利用者の生活を支援するチームの一員として業務を進めていくために不可欠である。チームにおける円滑なコミュニケーションを図るための報告のあり方について、 理解しておく。

1.× 報告するときは、結論から先に報告することが原則であり、事実を正確に報告するよう心がける。自分の意見を述べるのは、報告を受けた人に求められた場合に行うようにする。
2.× 予定より時間がかかる業務のときは、途中で進歩状況を報告することが大切である。進捗状況が報告されることにより、指示者は状況の把握ができるため安心することができる。
3.× 起こった事実を抽象的な言葉で報告すると、報告をした側と、受けた側の間で内容の受け取り方にずれが生じることがあり、正しい情報が伝わらない可能性がある。起こった事実は客観的かつ具体的に伝える必要がある。
4.〇 指示を受けた業務の報告は、必ず指示者に行うようにする。指示を出した人は、指示した業務内容が、その後どのような結果となったかを知る必要がある。そのため、業務の結果報告を指示者にすることが大切である。
5.× 報告の際に大切なことは、あくまでも事実を正確に伝えることである。自分の推測は抽象的であり事実をゆがめてしまうおそれがある。事実と自分の推測は、明確に分けて報告することが大切である。

 

 

 

 

生活支援技術

問題35 下記のマークが表しているものとして,正しいものを1 つ選びなさい。

1 肢体不自由のある人が運転する自動車
2 障害者が利用できる建物,施設
3 義肢や義足などで援助や配慮を必要としている人
4 オストメイトであること,オストメイトのための設備があるトイレ
5 障害者の就労支援に取り組んでいる企業

 

解答

解説
 このマークは、オストメイトであることと、オストメイトのための設備 (オストメイト対応のトイレ)があることを表している。オストメイトとは、疾患などにより人工肛門・人工膀胱を造設している排泄機能障害のある人のことである。

1.× 「肢体不自由のある人が運転する自動車」に関するマークはない。 聴覚や身体に障害がある運転者の自動車には標識があり、聴覚障害者標識は表示義務、身体障害者標は努力義務となっている。


2.× 障害者のための国際シンボルマークのことで、障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマークである。このマークは「すべての障害者を対象」としたもので、特に車いすを利用する障害者を限定し使用されるものではない。


3.× ヘルプマーク (2012 (平成24)年東京都策定から全国へ広まる) は、「助けが必要だが、外見からはわかりづらい人たちに対して、援助がしやすくなること」を目的につくられた。その対象者に「義足や人工関節を使用している方」 という記述がある。


4.〇 このマークは、オストメイトマークである。このマークは、オストメイトのための設備があるトイレなどに多く見られる。
5.× 障害者の就労支援に取り組んでいる企業を表すマークは、公益財団法人ソーシャルサービス協会が、企業、 団体に付与しているマークがあるが、出題のマークではない。

 

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