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第31回(H30) 介護福祉士国家試験 解説【問題16~20】

 

問題16 社会福祉法人に関する次の記述のうち、 適切なものを1つ選びなさい。

1 設立にあたっては、所在地の都道府県知事が厚生労働大臣に届出を行う。
2 収益事業は実施することができない。
3 事業運営の透明性を高めるために、財務諸表を公表することとされている。
4 評議員会の設置は任意である。
5 福祉人材確保に関する指針を策定する責務がある。

 

解答

 社会福祉法第22条において社会福祉法人とは、「社会福祉事業を行うことを目的として、この法律の定めるところにより設立された法人」と定義されている。ここでいう「社会福祉事業」とは、社会福祉法第2条に定められている第一種社会福祉事業および第二種社会福祉事業をいう。また社会福祉法人は、社会福祉事業のほか、公益事業および収益事業を行うことができる。

解説
1.× 社会福祉法人は所轄庁の認可を受けることで設立することができる。 社会福祉法人の所轄庁は、主たる事務所の所在地と、法人が経営する事業の実施区域により決まる。例えば、主たる事務所が市区の区域内にある社会福祉法人であって、その行う事業が当該市区の区域を越えない場合は、市や区が所轄庁になる。そのため、社会福祉法人を設立する場合には、必ずしも都道府県知事が厚生労働大臣に届出を行う必要はない。
2.× 社会福祉法人は収益事業を実施することができる。ただし、当該事業から生じた収益は、当該法人が行う社会福祉事業または公益事業の経営に充当すること等とされる。
3.〇 2014 (平成26)年度より社会福祉法人運営の透明性を確保することを目的として、すべての法人において、 財務諸表等の公表が義務化された。
4.× 社会福祉法人は必ず評議員会を設置しなければならない。評議員会は、役員や会計監査人の選任または解任、役員報酬の決定、定款の変更などの重要事項を決定する議決機関として位置づけられる。
5.× 福祉人材確保指針(社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針)は、 厚生労働省が告示するもので、社会福祉法人に策定義務はない。

 

 

 

<領域:介護>

介護の基本

問題17 2012年度(平成24年度)「高齢者の健康に関する意識調査結果」(内閣府)の介護を受けたい場所に関する次の選択肢のうち、最も多かったものを1つ選びなさい。

1 「子どもの家で介護してほしい」
2 「介護老人福祉施設に入所したい」
3 「自宅で介護してほしい」
4 「病院などの医療機関に入院したい」
5 「民間の有料老人ホームなどを利用したい」

 

解答

 「高齢者の健康に関する意議調査」(内閣府)は、本格的な高齢社会を迎えた今、高齢者が生きがいをもって暮らすことのできる社会システムを構築するために、「健康状態」「生きがい」「外出」「食生活」「介護」「医療」に関する点など、高齢者の健康に関する実態と意識を把握し、今後の高齢社会対策の推進に資することを目的として実施されている。

解説
2012年度(平成24年度)「高齢者の健康に関する意識調査結果」(内閣府)において、介護を受けたい場所として最も多いのは、「自宅で介護してほしい」(34.9%) である。次いで、「病院などの医療機関に入院したい」(20.0%) となっており、以下、「介護老人福祉施設に入所したい」(19.2%)、「介護老人保健施設を利用したい」(11.8%)、「民間の有料老人ホームなどを利用したい」(3.0%)、「子どもの家で介護してほしい」(2.4%) の順となっている。
したがって、1.× 、2.× 、3.〇 、4.× 、5.×となる。

 

 

 

 

問題18 社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の義務として、適切なものを1つ選びなさい。

1 家族介護者の介護離職の防止
2 医学的管理
3 日常生活への適応のために必要な訓練
4 福祉サービス関係者等との連携
5 子育て支援

 

 

解答

 社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の「義務」について出題されている。今回は「罰則規定」に関しては出題されていないが、介護福祉士の「義務」については、「罰則規定」と併せて学習することが望まれる。

解説
社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の義務は、以下のとおりである。

■社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の義務

誠実義務その担当する者が個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない。(第44条の2)
信用失墜行為の禁止介護福祉士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。(第45条)
秘密保持義務正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。介護福祉士でなくなった後においても、同様とする。(第46条)
連携その業務を行うに当たっては、その担当する者に、認知症であること等の心身の状況その他の状況に応じて、福祉サービス等が総合的かつ通切に提供されるよう、福祉サービス関係等との連携を保たなければならない。(第47条第2項)
資質向上の責務介護を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、相談助又は介等に関する知及び技能の向上に努めなければならない。(第47条の2)

福祉サービス関係者等との連携は、介護福祉士の義務に定められている。
したがって、1.×、 2.×、 3.×、 4.〇、 5.× となる。

また、信用失墜行為の禁止、秘密保持義務には、罰則が規定されている。
●介護福祉士の義務に違反した場合の罰則

信用失行為の禁止に違反した場合登緑の取り消し、又は期間を定めて介護福祉士の名称の使用の停止(第42条第2項)
秘密保持義務に違反した場合1年以下の懲役又は30万円以下の罰金、登録の取り消し、又は期間を定めて介護福祉士の名称の使用の停止(第42条2項)(第50条)

 

 

 

 

問題19 茶道の師範だったFさん(87歳、女性、要介護3)は、70歳の時に夫を亡くし、それ以降は一人暮らしを続けていた。79歳の頃、定期的に実家を話ねていた長男が、物忘れが目立つようになった母親に気づいた。精神科を受したところ、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type) と診断された。昨年から小規模多機能居宅介護を利用しているが、最近は、宿泊サービスの利用が次第に多くなってきている。Fさんは来所しても寝ていることが多く、以前に比べると表情の乏をしい時間が増えてきている。
 介護福祉職がFさんの生活を支えるための介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Fさんが安心して暮らせるように、長男に施設入所を動める。
2 夜間に熟睡できるよう、日中は宿泊室に入らないように説明する。
3 長く茶道を続けてきたので、水分補給は緑茶に変更する。
4 心を落ち着かせるために、読書を動める。
5 茶道の師範だったので、お茶のたて方を話題にする。

 

解答

 認知症高齢者は、この問題のように意欲の低下が除々に進行するケースもある。意欲を引き出す方法の1つとして、利用者の生活歴・生活史に着目する方法がある。得意だったこと、好きだったことなど、生き生きと語れるような話題を提供することで、活気を取り戻し、生活が意欲的なものに変化することが期待できる。

解説
1.× いきなり施設入所を勧めるのは適切ではない。現在のFさんの状況が、どのようにしたら改善できるのかを共に考える姿勢が望まれる。
2.× 夜間に熟睡できるようになることは大切なことであるが、「日中に宿泊室に入らないように説明する」ことは、Fさんの行動を制限することにもなり、適切ではない。
3.× 長く茶道を続けてきたことに着目し、介護に活かそうと考えることは適切であるがその方法として単純に、水分補給を緑茶にすることは適切ではない。Fさんの意向を確認し、好みに合わせた飲み物の提供をすることが望ましい。
4.× 読書に関しては、問題文中に記述がなく、Fさんが読書することを望んでいるのかどうかも不明である。よって、適切ではない。
5.〇 選択肢は、Fさんが茶道の師範だったことに着目し、Fさんの意欲を引き出そうとするはたらきかけであり、現在のFさんの状況を改善できる可能性をもつかかわりである。したがって、適切である。

 

 

問題20 Gさん(68歳、女性、要介護2)は、小学校の教員として定年までいた。Gさんは、3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alaheimer’s type)と診断された。夫は既に亡くなっており、長男(30歳) と一緒に暮らしている。週に2回通所介護(デイサービス)に通い、レクリエーションでは歌の伴奏をよくしている。その他の日は、近所の人や民生委員、小学校の教え子たちがGさん宅を訪問し、話し相手になっている。
 最近、Gさんは食事をとることを忘れていたり、トイレの場所がわからず失敗したりすることが多くなった。
 介護福祉職が、Gさんの現状をアセスメント(assessment)した内容と、ICF (International Classification of Functioning, Disabilty and Health: 国際生活機能分類)の構成要素の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer’s type)は、「心身機能・身体構造」にあたる。
2 レクリエーションで歌の伴奏をすることは、「参加」にあたる。
3 近所の人や民生委員、小学校の教え子は、「個人因子」にあたる。
4 小学校の教員をしていたことは、「環境因子」にあたる。
5 トイレの場所がわからなくなることは、「健康状態」にあたる。

解答

ICFは、心身機能・身体構造、活動、参加などの生活機能レベルと、個人因子、環境因子などの背景因子、健康状態等、すべての構成要素が互いに関係し合う相互作用モデルである。

解説
1.× アルツハイマー型認知症は、病気そのものであるため、「心身機能・身体構造」ではなく、「健康状態」 にあたる。「健康状態」には、病気やけが等の有無、ストレス、妊娠、高齢等がある。
2.〇 レクリエーションで歌の伴奏をすることは、社会的な役割であるので、ICF の「参加」にあたる。「参加」は、社会的役、地域への参加、など、社会出来への関与や役割を果たす等である。
3.× 近所の人や民生委員、小学校の教え子は、Gさんの人間関係であるので、「個人因子」ではなく、「環境因子」にあたる。「個人因子」は、年齢・性別・価値観・生活歴等の個人の人生や背景に関与にすることである。
4.× 小学校の教員をしていたことは、Gさんの生活歴の1つなので「環境因子」ではなく、「個人因子」にあたる。「環境因子」としては、住居・制度、人間関係等の物理的環境や社会的環境がある。
5.× トイレの場所がわからなくなることは、アルツハイマー型認知症による症状の1つであるので、「心身機能・身体構造」にあたる。

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