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第31回(H30) 介護福祉士国家試験 解説【問題121~125】

問題121 Hさんの食欲不振や睡眠障害は改善せず,日常生活に介護が必要になり居宅介護を利用し始めた。半年ほど経過した頃,「早く良くなりたい」と介護福祉職に話した。
 介護福祉職が,Hさんのつらい思いを受容した上でかける言葉として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 「早く良くなってくださいね」
2 「すぐに治りますよ」
3 「ゆっくり休むことも必要ですよ」
4 「治療,頑張ってくださいね」
5 「気分転換に旅行に行くといいですよ」

 

解答

解説
1.× 「早く良くなってくださいね」は、介護福祉職が抱くHさんへの思いを表した言葉である。言われた立場だとそれがプレッシャーになることがある。
2.× Hさんの食欲不振や睡眠障害が半年ほどの間、改善されていない。その状況で「すぐに治りますよ」という言葉は、根拠のない発言であり、当然不適当である。
3.〇 選択肢は、Hさんの「早く良くなりたい」というつらい思いを受容したうえでかけている言葉である。
4.× 「治療,頑張ってくださいね」は、すでに長期間にわたりうつ病の治療に専念しているHさんのつらい思いをまったく理解していない。適切ではない。
5.× 「気分転換に旅行に行くといいですよ」は、介護福祉職の価値基準による言葉である。さらに、うつ病と診断されている方に、旅行の促しはかえって治療に逆効果である。

 

 

 

 

問題122 Hさんは仕事を休職して治療に専念した結果,趣味のスキューバダイビングが楽しめるまでに回復した。介護福祉職に,「仕事に復帰しようと思っている」と話した。
 介護福祉職が紹介するサービスとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 リワークプログラム
2 レスパイトサービス(respite service)
3 ピアカウンセリング(peer counseling)
4 セルフヘルプグループ(self-help group)
5 ガイドヘルプサービス

 

解説

解答
1.〇 うつ病等により休職している人が、円滑に職場復帰するための専門的な援助として、リワークプログラムがある。リワークプログラムの実施主体は、①医療機関(医療リワーク)②地域降害者職業センター(職リハリワーク) ③企業 (職場リワーク)に大別される。

以下に詳しく説明する。

①医療リワーク医療機関で復職支援に特化したプログラムが実施される。再休業の予防を最終目標として病状の回復と安定を目指した治療であり、医療専門戦医学的リハビリテーションとして実施される。
②職リハリワーク地域障害者職業センターが実施する。「職場復支援 (リワーク支援)事業」の名称で、職業カウンセラーが、休業者本人と事業者、主治医をコーディネイトして職業リハビリテーションを実施する。
③職場リワーク企業内で行われる復職支援を「リワーク」と呼ぶことがある。給食後、復職可能か見極めるため実施される。

2.× レスパイトサービス(respite service)は、要介護高齢者や障害児・障害者を在宅でケアしている家族の息抜きを目的の1つとしたサービスであるため適切とはいえない。
3.× ピアカウンセリング(peer counseling)は、障害のある当事者や家族介護者が互いに平等な立場で話を聴き合い、地域での自立生活を実現していくためのものであるため適切とはいえない。
4.× セルフヘルプグループ(self-help group)は、自助グループ、当事者組織などともいわれ、障害や疾病など、同じ状況にある人が互いに援助し合うために組織し、運営するグループであるため適切とはいえない。
5.× ガイドヘルプサービスは、陣害のある人の外出に必要な支援を行うサービスであるため適切ではない。

 

 

総合問題4

次の事例を読んで,問題123 から問題125 までについて答えなさい。
〔事 例〕
 Jさん(女性)は,介護福祉士養成施設の学生である。Jさんは,希望していた障害児入所施設で実習をすることになった。この実習では,障害特性を理解して,介護実践の在り方を学ぶだけではなく,個別支援計画(介護計画)作成と実施,評価までの介護過程の展開を学ぶことになっていた。
 Jさんは,対象となる利用者としてK君(15 歳,男性)を担当することになった。K君は重度の脳性麻痺(cerebral palsy)がある。K君が2 歳の時に両親は離婚して,母親が一人でK君を育てていた。母子の生活は困窮していた。K君が9 歳の時に,母親はK君を施設に入所させることを希望し,この施設に入所することになった。現在K君は,言語による意思の疎通は困難であり,座位が保持できる程度である。また,てんかん(epilepsy)の発作(強直間代発作)が時々みられるが,重積発作ではない。

問題123 K君が入所している施設の根拠となる法律として,正しいものを1 つ選びなさい。

1 母子及び父子並びに寡婦福祉法
2 「障害者総合支援法」
3 生活保護法
4 児童虐待の防止等に関する法律
5 児童福祉法
(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援す
るための法律」のことである。

 

解答

解説

 障害児入所施設は、児童福祉法が定めるサービスであることを知っておけば解ける問題である。

1.× 母子及び父子並びに寡婦福祉法は、母子家庭等および寡婦の福祉に関する原理を明らかにし、その生活の安定と向上のために必要な措置を講じ、母子家庭等および募婦の福祉を図ることを目的としている。K君が入所している施設の根拠となる法律とはならない。
2.× 「障害者総合支援法」は、障害者および障害児に必要な障害福祉サービスに係る給付地域生活支援事業その他の支援を総合的に行うが、障害児入所施設は児童福祉法が定めるサービスであり、障害者総合支援法の対象外となる。
3.× 生活保護法は、日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的としている。K君が入所している施設の根拠となる法律とはならない。
4.× 児童虐待の防止等に関する法律は、児童に対する虐待の禁止見童虐待の予防および早期発見など児童の保護および自立の支援のための措置等を定め、児童の権利利益の擁護に資することを目的としている。K君が入所している施設の根拠となる法律とはならない。
5.〇 障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)および児童福祉法に基づきサービスが提供されていた障害児を対象とした施設・事業が、2012 (平成24)年4月より児童福祉法に一本化された。K君が利用している障害児入所施設は、児童福祉法が定める障害児入所支援にてサービスが提供されている。

 

 

 

 

問題124 Jさんは,K君の支援計画作成に責任を持つ職員に計画作成の注意点などを聞きたいと,実習指導者に相談した。
 K君の支援計画作成に責任を持つ職員として,正しいものを1 つ選びなさい。

1 生活支援員
2 児童自立支援専門員
3 サービス提供責任者
4 児童発達支援管理責任者
5 相談支援専門員

 

解答

解説
 障害者自立支援法(現・障害者級合支援法) の制定に伴い、障害福祉サービス事業者および障害者支援施設等は、 「個別支援計画」の策定が義務づけられた。その目的は、利用者の意思や人格を尊重し、利用者の立場に立った障害福祉サービスの提供を行うことである。個別支援計画作成にあたって、児童福祉法に基づく指定事業等の人員基準が定められており、各職種の責務などを理解しておく。

1.× 生活支援員は、施設などで障害者の日常生活上の支援や身体機能・生活能力の向上に向けた支援、創作・生産活動にかかわる職種であるため適切ではない。
2.× 児童自立支援専門員は、不良行為を行う、または行うおそれのある児童、家庭環境やその他の環境の理由により生活指導等の必要な児童が通所・入所する事業所で、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行う職種であるため適切ではない。
3.× サービス提供責任者は、居宅介護サービス計画(ケアプラン)に基づき訪問介護計画を作成する職種であるため適切ではない。適切なサービス提供のために利用者本人や家族、介護支援専門員 (ケアマネジャー)等との調整を行い、訪問介護員(ホームヘルバー)に指導や助言をする。訪問介護事業所に配置が義務づけられている
4.〇 正しい。児童発達支援管理責任者は、児童の発達課題を把握して個別支援計画を作成したり、集団療育の企画・管理等を行ったりする職種であるため適切である。放課後等デイサービスや児童発達支援センターなどの児童福祉法に定められた1施設につき1名以上の配が義務づけられている
5.× 相談支援専門員は、障害のある人が自立した日常生活、社会生活を送れるように、全般的な相談支援を行う職種であるため適切ではない。具体的には、相談や助言、関係機関との連絡調整等の必要な支援を行うほか、 サービス等利用計画の作成などを行う。

 

 

 

 

問題125 Jさんは個別支援計画作成にあたって,昼食後にK君と向き合う時間を多くとった。ある日,K君に話しかけていると,突然両上下肢を硬直させ,がたがた震わせた後,意識を失ってしまった。慌てたJさんはすぐに,近くの職員に連絡をした。
 K君の発作が落ち着いた後,実習指導者がJさんに,K君の発作時の対応について教える内容として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 大声で名前を呼ぶ。
2 タオルを口にくわえさせる。
3 顔を横にして顎を上げる。
4 救急車を呼ぶ。
5 からだを押さえて発作を止める。

 

解答

解説

1.× 大声で名前を呼んでも、発作が早く終わることはない。よって適切な対応ではない。てんかん発作が起きたときには安静に寝かせることが重要である。
2.× 口を無理に開けてタオルなどの物をくわえさせると、口の中を傷つけたり、歯を折ったり、窒息や幅吐を誘発するなど逆効果となる。
3.〇 正しい。衣服のボタンやネクタイ・ベルトなどを緩め、呼吸をしやすくし、気道を確保するとともに、からだを横に向けて、呼吸が元に戻るのを待つことが適切な対応である。この対応は、舌をかむ・嘔吐物での窒息などのリスクの回避にも有効である。
4.× てんかん発作の痙攣の多くは5分以内に治まる。その後、意識も回復してくる。発作によって転倒などをしてけがをした場合や、5分経っても痩撃が治まらない場合などに、救急車を呼ぶようにする。救急車を呼ぶのは症状の経過観察を行った後に行うことであり、すぐに行うことではないため、適切な対応ではない。
5.× てんかん発作が起きたときには安静に寝かせることが重要であり、からだを押さえつける行為は好ましくない。

※問題の引用:第31回(平成30年度)介護福祉士国家試験 筆記試験問題について

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

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