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第31回(H30) 介護福祉士国家試験 解説【問題111~115】

問題111 気管切開をして人工呼吸器を使用している人の喀痰吸引に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

1 気管カニューレを抜いて,吸引を行う。
2 頸部を前屈した姿勢にして,吸引を行う。
3 1 回の吸引時間は,20~30 秒とする。
4 吸引チューブの挿入の深さは,気管分岐部の手前までである。
5 吸引を終了した後は,人工呼吸器の作動状況を確認する。

 

解答

解説

1.× 気管カニューレの抜管は医師が行う行為であり、介護福祉士が気管カニューレを抜くことは認められていない。
2.× 気管カニューレを挿入している人が頚部を前屈した姿勢をとると、カニューレ先端が気管を閉塞させてしまい、苦痛が生じ痰の排出もしにくい状態となる。吸引時は、頭部は屈曲伸展中間位で、側屈も中間位が望ましい。
3.× 吸引時間が長すぎると、非常に苦しい状態となり、体内の酸素量をさらに低下させてしまうため、1回の吸引時間は10秒以内が適切とされている。
4.× 介護福祉士が実施を認められている気管カニューレ内部吸引の吸引チューブの挿入の深さは、気管カニューレ内部までとされている。気管カニューレから先の気管の部分には迷走神経があり、この部分を吸引チューブで刺激すると、心臓や呼吸のはたらきを停止させる危険性がある。
5.〇 吸引終了後は、はずした部分を接続し、元に戻す。人工呼吸器が吸引前と同じように作動しているかだけでなく、接続や固定の位置、強さ、皮膚の状態なども確認することが大切である。

 

 

 

 

問題112 胃ろうによる経管栄養の実施手順として,栄養剤を利用者のところに運んだ後の最初の行為として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 体位の確認
2 物品の劣化状況の確認
3 栄養剤の指示内容の確認
4 本人であることの確認
5 経管栄養チューブの固定状況の確認

 

解答

解説

1.× 利用者のところに運んだ後、説明(本人確認)を行い同意を得るため不適当である。
2.× 物品の劣化状況の確認は、注入前の準備の際に行う。利用者のところに運んだ後に物品の劣化が発見された場合、交換に時間がかかるだけでなく、利用者の負担も大きくなるため、運ぶ前に確かめる必要がある。
3.× 栄養剤の指示内容の確認は、注入前の準備の際に行う。指示内容は医師の指示書で確認し、栄養剤の内容や量、注入時間、栄養剤の有効期間を確認した後、注入に向けた準備を行う。
4.〇 栄養剤は薬剤と同様、医師の指示により注入されるものであり、注入に必要な物品は利用者専用の物を使用する。そのため、利用者のところに運んだ直後に、利用者本人でであることを確認する必要がある。
5.× 胃ろう経管栄養チューブの抜管やゆるみなどの固定状況の確認は、注入の直前だけでなく、注入中・注入後も必要となる。

 

 

 

 

問題113 イルリガートル(注入ボトル)を用いた経鼻経管栄養に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

1 栄養剤は,半固形化栄養剤を用いる。
2 嘔気があるときは,注入速度を遅くして滴下する。
3 イルリガートルに栄養剤を入れてから, 2 時間後に滴下する。
4 栄養剤の液面は,胃から50 cm 程度高くする。
5 使用した物品は,消毒用エタノールにつけて消毒をする。

 

解答

解説

1.× 半固形化栄養剤(流動食)は、基本的に経鼻経管栄養では用いられず、胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養で用いられる。ある程度の粘度のある半固形状のものである。短時間で注入でき、胃食道逆流の防止や腸蠕動運動の改善のため使用することがある。半固形化栄養剤はイルリガートルを使用せず、栄養剤の容器を接続チューブに直接接続したり、カテーテルチップシリンジを使用して注入を行う。
2.× 嘔気があるときは、注入を中止し観察を行う。同時に看護師に連絡し、指示を仰ぐ必要がある。嘔気時に注入を継続すると、嘔吐や逆流による誤嚥につながる可能性がある。速度を調節し遅くしても胃内に負担がかかり続けるため、注入を中止する。
3.× 栄養剤をイルリガートルに入れ、時間が経った後に滴下を行うのは、栄養剤の保管状態により、消化器感染を起こす危険性がある。長時間おいた栄養剤は、空気にふれ細菌などに汚染される可能性がある。そのため、準備した後、時間をおかずに注入する
4.〇 イルリガートル内に入っている栄養剤の液面が胃より50cm程度上になるように、点滴スタンドなどの高さを調節する。
5.× 消毒用エタノールは、幅広い微生物に効果があるが、ノロウイルスなどには効果がなく、物品が変質することがあるため、適さない。使用した物品は、中性洗剤で洗浄し流水ですすぎ、希釈した次亜塩素酸ナトリウム液に浸して消毒し乾燥させる。

 

 

 

総合問題

総合問題1

次の事例を読んで,問題114 から問題116 までについて答えなさい。
〔事 例〕
Fさん(78 歳,男性)は,妻(75 歳)と二人で暮らしていた。1 か月前に脳出血(cerebral hemorrhage)で入院して,左半身の不全麻痺がある。立ち上がりや歩行に介助が必要なため,杖や手すりを使用した歩行訓練をして,杖歩行が可能になった。病院のソーシャルワーカーの勧めで,Fさんは介護保険の申請をして結果を待っていた。
 ある日,「医師から退院の許可が出た」と,妻から介護支援専門員(ケアマネジャー)に連絡があった。
 介護支援専門員(ケアマネジャー)は,「Fさんの退院後の在宅サービスを検討したいので病院に集まってほしい」と,在宅支援の関係者に会議への参加を依頼した。訪問介護員(ホームヘルパー)は,ケアプランの検討のために病院に行って,会議に参加した。会議には,主治医,病棟看護師,理学療法士も参加した。トイレで転ぶのではないかというFさんの心配について話し合った結果,トイレに手すりが必要だということになった。また,左足指に白癬(tinea)があり,薬が処方されていることも確認された。

問題114 介護支援専門員(ケアマネジャー)が招集した会議として,正しいものを1つ選びなさい。

1 退院前カンファレンス
2 サービス担当者会議
3 支援調整会議
4 地域ケア会議
5 介護・医療連携推進会議

 

解答

解説

1.× 退院前カンファレンスは、退院が決まった患者を円滑に在宅医療につなげるために開催される。医療ソーシャルワーカーが、病院スタッフ(主治医・看護師・リハビリスタッフなど)と在宅療養を担当する医師や訪問看護師などを招集し、患者本人や家族も交えて、在宅生活の維持のために必要な課題について検討する。
2.〇 サービス担当者会議は、介護保険サービスを利用する利用者一人ひとりのために、必要な支援を検討して居宅サービス計画(ケアプラン原案) を確定する。介護支援専門員が利用者に必要な各種サービスの担当者を招集し、利用者本人や家族を交えて開催する。
3.× 支援調整会議は、生活困窮者自立支援制度で定められた自立相談支援機関が開催する。
4.× 地域ケア会議は、地域包括支援センター・市町村が開催する。医療・介護の専門職、民生委員やボランティアなどのほか、行政職員も出席する。対応が難しい個別ケースの支援内容の検討により、地域課題を把握して、課題解決に向けた地域づくりを目指す。そして、介護保険事業計画に盛り込むなど政策形成にもつなげていく。
5.× 介護・医療連携推進会議は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所が開催する。利用者家族、地域住民の代表者、地域包括支援センター職員や有識者、地域の医療関係者などを招集して、サービスの提供状況を報告し、評価を受けるとともに要望・助言を聴く。サービスの質の維持・改善を目的とし、6か月に1回以上の開催と記録の公表が義務づけられている。

 

 

 

 

問題115 図はFさん宅のトイレである。
手すりを設置する位置として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

 

1 A
2 B
3 C
4 D
5 E

 

解答

解説

 Fさん宅のトイレに設置する手すりの位置として、最も適切なのは1.Aである。
 Fさんは左半身の不全麻痺があるが、杖や手すりを使用して立ち上がり歩行に介助が必要な状態で行える。立ち上がりや立って下衣動作を行うためには、健側である右上肢を活用する必要がある。つまり、Fさんが便座に座った状態でFさんから見て右側に手すりが必要となる。
 手すりの取り付けの形状には、縦手すり(床に垂直に設置する)と横手すり(床と平行に設置する)がある。排泄行為のように座位と立位の上下の移動がある場合は、縦手すりが最適である。歩行などの水平の移動には横手すりがふさわしい。振り返るとFさんの歩行は杖歩行で可能であり、立ち上がりは介助が必要な状態から、優先度は縦手すりの方が高い。
 以上のことから、便座に座ったFさんの健側である右の壁面にある縦手すりの1.Aが正解である。したがって、1.〇 2.× 3.× 4.× 5.× となる。

 

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